無防備都市 (Roma città aperta)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (81点)

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【あらすじ】 第二次大戦末期のローマ。レジスタンスの指導者Giorgio Manfredi(Marcello Pagliero)はドイツ・ゲシュタポの追跡を逃れ、同志Francesco(Francesco Grandjacquet)の家に逃げこんだ。彼は資金調達のためローマに来たが、警戒が厳しいため、Pietro神父(Aldo Fabrizi)に連絡を頼む。
 FrancescoとPina(Anna Magnani)の結婚式の日、レジスタンスの同志たちはナチに襲われた。Giorgioは何とか逃げのびたが、Francescoらは捕えられ、彼を乗せたトラックを追ったPinaは、路上で巡視兵に射殺される。捕えられた同志たちは途中で仲間たちに救出され、GorgioとFrancescoはGiorgioの恋人Marina(Maria Michi)のアパートに逃げこんだが…。(作品の詳細はこちら )


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無条件降伏したにもかかわらず、ローマはナチスドイツに乗っ取られた状況が続いた。そのローマを取り返すため、多くのパルチザンたちは奮闘するが、金と欲望に目がくらんだ同胞の女に密告され捕まり、凄惨な拷問を受け処刑される者も出てくる。処刑命令を下すのは、ゲシュタポの隊長Bergmann少佐(Harry Feist)。彼とIngrid(Giovanna Galletti)は、悪魔のようなカップルだ。しかもIngridは麻薬を餌に、Giorgioの恋人Marinaに近づいて、彼女に密告させる卑劣な人間である。

しかしこうした地獄の使者から、どれほど惨い拷問を受けようが、Giorgioは一言も口を割らないまま死んでいき、神父は祈りを捧げながら銃殺された。救いのない絶望的な展開だが、命を懸けて正義や信念を貫く人間を目の当たりにした時、究極の状況に置かれた時の、人としてのあり方を深く考えさせられる。軟弱な私は、簡単に口を割って寝返ったに違いない。


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ドイツ軍のトラックで連行されて行く夫を追うAnna Magnaniが、後ろからドイツ兵に撃たれ、もんどり打って倒れるシーンは、ポスターにも使われ、戦争の勝者と敗者の姿を強烈に印象づけている。ナチの目が光るローマでは、常に死と隣り合わせの生活があり、人々は不安や緊張の中で生きているのだ。やるせないシーンが続く中、神父が2つの像の向きを変えるお茶目なシーンに、ふっと頬が緩んだ。神父の銃殺刑を見ていた少年たちは、一体どんな気持ちで刑場から立ち去って行ったのだろう。


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# by amore_spacey | 2017-09-25 01:24 | - Italian film | Comments(0)

ダンケルク (Dunkirk) 

私のお気に入り度 ★★★★☆ (85点)

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【あらすじ】 1940年、連合軍の兵士40万人が、ドイツ軍によってドーバー海峡に面したフランス北端の港町ダンケルクに追い詰められる。ドイツ軍の猛攻にさらされる中、Tommy(Fionn Whitehead)やアレックス(ハリー・スタイルズ)ら若い兵士たちは生き延びようとさまざまな策を講じる。一方イギリスでは民間船も動員した救出作戦が始動し、民間船の船長Mr. Dawson(Mark Rylance)は息子らと一緒に、ダンケルクへ向かうことを決意。さらにイギリス空軍パイロットのFarrier(Tom Hardy)が、数において不利ながらも出撃する。(作品の詳細はこちら


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いや、参った。まるで戦場にいるかのような臨場感があり、緊張感に包まれてずっと心臓バクバク。エンドロールとともに場内が明るくなって、やっと現実に引き戻された感じだった。あの迫力やドキドキを、うまく言葉で表現することができない。埠頭で船を待つ間、爆撃されたら逃げ場がない。やっと見つけた漁船に乗り込んだら、ボコボコに穴をあけられて、水がどんどん入ってくる。Tom Hardyが操縦する英国戦闘機は、1時間分の燃料しかない。


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陸上と空中で手に汗を握るシーンが展開しているのに、救助作戦に参加したMr. Dawsonの民間船といったら、これでダンケルクに辿り着けるの?な体裁の船で、心許(もと)ないったらありゃしない。でもね、船長のMr. Dawsonが気骨のある人なんですよ。彼だけじゃない。何百隻もの民間船を出した、漁師や遊覧船の船長たちの善意の勇気が、凄いじゃないか。

時を刻むような不穏なメロディー。同じリズムを繰り返しながら、徐々に音が大きくなる。息が詰まるような緊迫した空気を醸し出す、Hans Zimmerの音楽(←音が出ます!)。はぁぁぁ、サントラを聴いているだけで、神経やられそう。秒刻みのこのリズムって、拷問だわ。切羽詰った感が半端なくて、泣いちゃう。


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地上の兵士Alexを演じたHarry Stylesが、なかなかいい。若い頃のKevin Baconに似ているが、性格はもっとずっと素直な青年のような気がする。主役のTommyを演じたFionn Whiteheadが大根地味だったから、Harryのような表情のある兵士がいてくれてホッとしました。One Directionと役者を掛け持ちして、これからも時々映画やドラマに出て欲しいな。


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# by amore_spacey | 2017-09-22 01:12 | - Other film | Comments(2)

ルージュの手紙 (Sage femme)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 セーヌ川流れるパリ郊外に暮らす助産婦Claire (Catherine Frot)の元に、30年間姿を消していた血のつながらない義理の母Béatrice (Catherine Deneuve)から電話があり、「会いたい!」と言われる。Claireはずっと、大事な父を捨てた彼女のことを許せなかった。父はその後、自殺をしてしまったのだ。真面目すぎるClaireと自由奔放に人生を謳歌しているBéatrice 。性格が全く違う二人だが、互いを受け入れ、Béatriceの古い秘密が明らかになることによって、失われた年月が埋まっていく。いつしかClaireはBéatriceの生き方に影響され、人生の扉を少しずつ開きはじめる。(作品の詳細はこちら


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機内上映第5弾。実直で生真面目なClaireにFrot、人生を謳歌する自由奔放な義母Béatrice にDeneuveを配するなんて、これは適材適所の見本です。ストーリーや人間関係は全く違うが、『歓びのトスカーナ』で描かれた人のぬくもりに通じるものがあった。心を通わせることができる相手が、そばにいる。そして傷ついた心を癒してくれる。それが親子であろうと友人であろうと血の繋がらない母娘であろうと、支えがあるというのは、心強いパワーになるってもんです。


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年齢を重ねたからこそできる会話がある。辛口のユーモアも、笑い流すことができる。一生許せないほど憎んでいたはずなのに、その感情がいつの間にか消滅する。そして母娘の関係をこえた、人間同士の絆が芽生えていくのだ。フランスを代表する女優の競演は、大袈裟にならず落ち着いていて期待通りでした。が、Claire付き合い始めたPaul Baron(Olivier Gourmet)の存在が中途半端で、ちょっぴりもやもやが残りました。


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# by amore_spacey | 2017-09-20 23:27 | - Other film | Comments(0)

昼顔 (Belle de jour)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 Séverine(Catherine Deneuve)と若い外科医Pierre(Jean Sorel)は、仲の良い幸せそのものの若夫婦だ。しかし幼い頃、野卑な鉛管工に抱きすくめられたことのあるSeveineは、それがトラウマとなって不感症になり、Pierreとベッドを共にできない。が、その一方でしばしば、淫らな妄想に駆られる。
 ある時彼女は友人のRenee(Macha Méril)から、良家の夫人たちが、夫には内証で売春をしているという話を聞き、大きな衝撃を受ける。しかし意を決してその高級娼館を訪れたSéverineは、女主人Anais(Geneviève Page)から「昼顔」という源氏名をもらった。こうして貞淑な妻だった彼女は、昼間だけ娼婦として欲望に身をまかせるようになる。第28回ヴェネツィア国際映画祭で、金獅子賞を受賞。(作品の詳細はこちら


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シャンシャンシャンシャンと鈴を鳴らした馬車が、夫婦を乗せて森の小径を走ってくる。執拗なこの音がサンタクロースを乗せたソリのようで、冒頭から大爆笑してしまった。そして真っ赤なコートを着たDeneuveがアップになる。ポーセリンのような肌に美しいブロンドの髪。清楚で気品に満ちた振る舞い。このとき23歳。彼女の美しさの前では、全てが色褪せる。何不自由なく大切に育てられ、殆どの男性にとっては高嶺の花のような存在。フランスのGrace Kellyだ。


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しかしだからこそ、手の届かない女を、卑猥な言葉で蔑(さげす)んでみたい。縄で縛り上げムチを打ち付けて、悶(もだ)え苦しむ姿を見てみたい。というサディスティックな感情も芽生えてくる。貞淑な妻Séverineの淫らな妄想ということになっているが、実は若くて美しいDeneuveを、傷つけ痛めつけてみたいという監督の欲望が抑え切れず、映像化したんじゃないか?と勘繰ってしまう。女性も想像力に富んでいるから、色々と妄想するが、これは男性の目線で描かれた作品に違いない。とにかく、監督業って美味しすぎるわ、うふふっ。


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客としてくるのが、風変わりな男ばかり。美しく清楚なDeneuveだからこそ、変な男たちに弄(もてあそ)ばれるエピソードは、より官能的で男たちの妄想を膨らませるのにうってつけなのだ。現実と妄想の世界を行き来しているかのようにみえるが、実は最初から最後まで監督(=世の中の大部分の男性)の妄想だったのかもね。しかしDeneuveは、こんな役をよく引き受けたものです。脚本を何度か読むうちに、彼女の中に潜んでいたMな部分が刺激されて、演じてみたくなったのかしら?何だこりゃ?なシーンがてんこ盛りで、面白おかしく楽しめました。また当時流行ったサンローランの服を纏い、色々なヘアスタイルのDeneuveを堪能できたのも、目の保養になりました。


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# by amore_spacey | 2017-09-18 01:29 | - Other film | Comments(2)

ドリーム (Hidden Figures)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (77点)

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【あらすじ】 1960年代の初め、ソ連との宇宙開発競争で遅れを取っていたアメリカは、国家の威信をかけて有人宇宙飛行計画に乗り出す。NASAのKatherine G. Johnson(Taraji P. Henson)、Dorothy Vaughan(Octavia Spencer)、Mary Jackson(Janelle Monáe)は、差別や偏見と闘いながら、宇宙飛行士John Glenn(Glen Powell)の地球周回軌道飛行を成功させるため奔走する。人種差別が横行していた1960年代初頭のアメリカで、初の有人宇宙飛行計画を陰で支えたNASAの黒人女性スタッフの知られざる功績を描く伝記ドラマ。(作品の詳細はこちら


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機内上映第4弾。久しぶりに見るKevin Costnerを楽しみにしていたんだけど、数字の天才Katherineや冷静沈着なDorothy Vaughan、そしてちょっぴりお転婆なMary、個性的な3人にすっかり魅せられ、作品にぐいぐい引き込まれた。差別や偏見に、どう立ち向かっていくのか?そこが見所だ。


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あまりにも理不尽な状況に、Katherineがたった一度だけ我を忘れて怒りを剥き出しにするシーンがある。が、瞬時にして取り戻す自制心や理性や冷静さには、数学の天才とか栄光あるNASAの職員とかいう肩書きなんぞ吹っ飛ばす、猛烈に強い説得力があった。Katherineは、まさに神対応をみせてくれた。正当であること、その表現の仕方がスマートでエレガントなのだ。人々が狼狽するのも無理はない。


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それにしても、どこをどうすると、『Hidden Figures』が『ドリーム』(邦題)になっちゃうんだろう?興行成績を優先する、耳に心地よい言葉に置き換えただけでは、この映画の真意は伝わりませんでしょ?


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# by amore_spacey | 2017-09-17 02:42 | - Other film | Comments(2)