マカロニ (Maccheroni)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (73点)

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【あらすじ】 アメリカ軍の将校としてイタリアに駐在していたRobert(Jack Lemmon)が、晩年になって商用でナポリに来た。彼はかつて愛し合ったMaria(Giovanna Sanfilippo)のもとを訪れるが、そこで村人たちから大歓迎された。そしてRobertを待ち続ける妹のために、兄Antonio(Marcello Mastroianni)がRobertになって、手紙を書いていたことを知る。(作品の詳細はこちら


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地味で平凡な作品だが、人生捨てたもんじゃないな、色々面倒くさいこともあるけれど、友情っていいもんだ、としみじみ思える。心が疲れていたり、トゲトゲしくなった時、ふっとやさしい嘘や無償の愛や人を信頼する気持ちに触れると、いつも以上にその有り難味が身に沁みるものだ。

お人よしで茶目っ気のあるAntonioと、世知辛い世の中を仕事一筋で生きてきたRobert。冒頭のシーンから、歯車が噛み合わない対照的なこの2人が、可笑しくて仕方がない。Robertにしてみれば、商用でナポリに来ただけだから、過密スケジュールをやっつけて、さっさとアメリカに戻るつもりだった。ところが思いがけない再会によって、彼の乾いた心は少しずつ潤いを取り戻し、蘇っていった。よくある話だが、人の心模様をここまで深く表現できるのは、主役の2人や監督の手腕だけではなく、味のある脇役、そして舞台となったナポリの街の風景、それらが一体となって見事にとけあった賜物である。


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微妙に噛み合わないAntonioの高齢のマンマとの会話も、何となく分かったふりを(都合のいいように解釈)する。マンマへの愛情だ。彼女が乗った車椅子が、素晴らしいじゃないか。手前には作業台が設(しつら)えられ、背中側にはジュウシマツやカナリアなどの小鳥たちが入ったカゴがいくつもぶら下がり、たとえマンマが1人で居ても退屈しない特別仕様だ。公私混同しないRobertのイタリア側の辣腕秘書が、酔っ払ってRobertに絡むシーンは秀逸。

全員が揃ったラストの食事は、『無邪気な妖精たち』を思い出す。トマトソースをたっぷり絡めたパスタが、余りにも美味しそうだったので、その日の夕食にトマトスパゲッティを食べた。あの紐の先を辿っていくと、Antonioの手に繋がっている。このシーンでは、誰もが奇跡を願ってしまうでしょう。ナポリに行ったら、生クリームがのった特大サイズのババを食べてみたいものです。


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# by amore_spacey | 2017-07-29 00:03 | - Italian film | Comments(0)

あゝ結婚 (Matrimonio all’italiana) 

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 第二次大戦中のナポリ。娼婦Filumena(Sophia Loren)とパスティッチェリア(菓子屋)の後継ぎDomenico(Marcello Mastroianni)は、空襲の日に娼館で出逢った。終戦後2人は再会し、恋仲となって別宅も持った。Filumenaは身請けしてもらい幸福の絶頂…と思いきや、Domenicoは浮気の虫が止まず、彼女に仕事を任せてほったらかし。Filumenaは一計を案じ、危篤状態を装って無理矢理Domenicoに結婚を迫った。(作品の詳細はこちら


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Marcello Mastroianni1人祭り、進行中。『イタリア式離婚狂想曲』に負けず劣らず、Marcelloのクズっぷりが炸裂するコメディだ。のらりくらり言い逃れながら、いつまでもFilumenaを日陰の女にしておき、それをいいことに、高齢の母の介護をさせたり、メイドの部屋で寝かせたり、店の仕事をやらせたりして、自分はパスティッチェリアのレジ係の若い女とよろしくやるって、断固!あり得ません。何とかして報復してやりたくなります。


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大輪のひまわりが咲いたようなSophiaの満面の笑顔や、健康的&魅力的なダイナマイト級のナイスバディに、どうしても目が行ってしまう。天真爛漫で、惚れっぽい性質(たち)。読み書きができなくて、自分の名前を署名するのにも、大層な時間がかかってしまう。が、勝気で威勢がよく、理不尽な目に遭えば、徹底的に闘う。口喧嘩だって絶対に負けやしない。そんな彼女も3人の子どもたちの前では、母性愛に満ちた母の顔に戻る。子どもの病気にアタフタしたり、幸せに涙ぐんだりする情の深さ。どの仕草もどの表情も可憐で繊細で、女心が随所ににじみ出て、ほろりとさせられた。彼女がすけすけのエロティックな衣装を着ても、嫌らしさがない。彼女の存在が眩しいほどゴージャスだから。

彼女とMarcelloとDe Sica監督、この3人がいるロケ現場は、きっといい雰囲気だっただろうなぁ。それぞれの持ち味が最大限に引き出される、最強のトリオだ。MarcelloとSophiaのカップルは、イタリア映画の黄金時代を築き、その中を華麗に走り抜けていった。2人は様々な作品で悲喜劇を演じてきたが、その時々で感情の匙加減が絶妙な具合に加減され、微妙な色合いの違いを楽しませてくれる。この作品はSophiaの手のひらで転がされているように見えるMarcelloだが、そんな彼にぞっこんだったのは、実は負けん気の強いSophiaだったかもしれない。彼のことが好きで好きでたまらなかったのに、自分からは言えなかった。だから、ラストシーンにほっとした。「ああ、本当によかった」


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こてこてのナポリ方言(サレルノ方言?)も、この作品をより人間味溢れるものにしている。パスティッチェリアのお菓子の山や、子どもたちが口のまわりや鼻の頭や服を粉砂糖だらけにして、お菓子を食べるシーン。メイドのおばちゃんやAlfredoなど、庶民的な雰囲気満載の脇役たちも、映画を引き立ててくれた。身振り手振りが大袈裟な、人情味に溢れたお節介おばちゃん、いますものね。


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# by amore_spacey | 2017-07-28 01:18 | Comments(0)

8 1/2

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 著名な映画監督Guido(Marcello Mastroianni)は医者に勧められ、また騒がしい現実から逃れるため、湯治場にやって来た。新作の撮影準備を進めてから5か月が過ぎたにもかかわらず、クランクインが遅れている。愛人Carla(Sandra Miloや妻Luisa(Anouk Aimée)や若手女優Claudia(Claudia Cardinale)や知人たちの幻影に悩まされ、映画の構想が全くまとまらないのだ。療養中も亡き両親の姿や少年時代の思い出がよみがえり、これが現実なのか虚構の世界なのか、次第に曖昧になり、Guidoは混乱していく。1964年第36回アカデミー賞で、衣裳デザイン賞と外国語映画賞を受賞。(作品の詳細はこちら


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Marcello Mastroianni1人祭り。Fellini監督は作品の中に、自分自身のこと、自分が育ったRiminiや熟年期の拠点となったRomaを積極的に取り入れる。今回は映画制作にからんだ自身の苦悩を、そのまま映画にしてさらけ出している。これを映像にするのはなかなか難しいと思うが、監督らしい撮影と演出で、見事に実現した。でもこの手の作品が、実は苦手だったりします。


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妄想の中で起きるハーレムのどんちゃん騒ぎが、とてもシュールで面白かった。撮影中も楽しかったでしょう。清楚で可憐なClaudia Cardinaleは、まるで野に咲くマーガレットやすずらんのようで、綺麗だったんだなぁ。ところで黒縁メガネのMarcelloが、『シングルマン』『キングズマン ザ・シークレット・サービス』のColin Firthを彷彿させたが、き
たぶんColinが意識して真似たに違いない。音楽担当は、お馴染みのNino Rota。

 
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# by amore_spacey | 2017-07-27 00:27 | - Italian film | Comments(0)

あんなに愛しあったのに (C’eravamo tanto amati)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (81点)

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【あらすじ】 第二次大戦中のレジスタンス仲間Antonio(Nino Manfredi)・Gianni(Vittorio Gassman)・Nicola(Stefano Satta Flores)は、戦後、病院の救急班・弁護士助手・教師としてそれぞれの道を歩みながらも、変わらぬ固い友情で結ばれていた。そんな彼らの前に、Luciana(Stefania Sandrelli)という天使のごとき女が現れ、皆、彼女の虜になってしまう。以来30年の歳月を、時代の変遷と過ぎゆく青春への哀惜を重ねながら叙述する。(作品の詳細はこちら


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この3人の男たちは、まるで夫の友人関係を見ているようだ。殴り合いの喧嘩こそしないが、絶縁に近い状態になりながらも、「ったく、しょうがない奴だなぁ。」と文句を言いながらも、窮地に追い込まれた友に助けの手を伸べたり、ふらっと家に立ち寄って喋っていったり、どうでもいい話に盛り上がり、笑って、食べて、飲んで、喋り倒す。アイツは○○だからと文句を言いつつも、誘い合って出かけたり…。

Scola監督はそういった市井の人々を、人間の内面を、実によく観ている。この作品は、イタリア人の日常生活を何の加工もせず、そのまま切り取ったビデオのようでもある。が、ただのビデオではない。Scola監督を通した映像は、私たちが心の奥底で固く蓋をしているところを、いとも簡単に開けてしまう、静かで力強い感情に溢れている。コミカルなのに、どこか物悲しい。


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そんな3人の前に女性が登場すると、大概は仲間割れして自然消滅することが多いのに、彼らの友情は育まれ続けていく。Gianni(Vittorio Gassman)を訪ねて行った3人が、豪邸のプールにいる彼を垣根越しに見つける。その瞬間、彼らの心をさっと横切った気持ち。声をかけないまま3人が引き返すシーンに、はっと胸をつかれた。


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巨匠や名優らを作品の中にさりげなく登場させるのも、Scola監督が映画をこよなく愛しているからだ。Vittorio De Sicaを敬愛するあまり、クイズ番組でヒートアップし、監督への思いを熱く語るシーンは、秀逸だ。あそこでNicola(Stefano Satta Flores)の存在が、いきなり浮上した。3人の中で一番風采が上がらず、地味な存在だっただけに、あれは拍手喝采モノで、映画の好きな私は、一気に彼のファンになってしまった。あのNicolaは、Scola監督に違いない。Mike Bongiornoが若い。Gianniの舅を演じたAldo Fabriziが、化け物のようですな(滝汗)


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# by amore_spacey | 2017-07-26 00:31 | - Italian film | Comments(0)

ゲーム・オブ・スローンズ シーズン7 第2話 (Game of Thrones season 7 episode 2)

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★★☆ (98点)

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【あらすじ】 Dragonstoneに戻ったDaenerys(Emilia Clarke)は、歴代の王を裏切ってきたVarys(Conleth Hill)を許し、もし彼女が民衆の意に反するようなことがあれば、諌めるように誓わせた。そこへMelisandre(Carice van Houten)が到着して、Jon Snow(Kit Harington)を味方にするべきだと言う。Daenaerysに招かれたOlenna(Diana Rigg)やEllaria(Indira Varma)、Yara(Gemma Whelan)やTheon (Alfie Allen)姉弟は、Cersei(Lena Headey)から鉄の玉座を奪う作戦を話し合った。一方Cerseiの参謀Qyburn(Anton Lesser)は、Daenerysとドラゴンを迎え撃つため、ドラゴンをも倒せる巨大な武器を準備した。

JonがWinterfellの王に昇格したことを知ったArya(Maisie Williams)は、Winterfellに戻ることにした。SamやDaenerysから手紙を受け取ったJonは、White Walkersに対するDaenerysの支援を得るため、WinterfellをSansa(Sophie Turner)に任せ、Dragonstoneに出発した。Sam(John Bradley)は灰麟病に侵されているJorah(Iain Glen)のため、禁止された治療を極秘で始める。
 Euron Greyjoy(Pilou Asbæk)の艦隊は、Yaraたちに奇襲攻撃をかけた。Ellariaの2人の娘は殺され、Ellaria・Tyene・Yaraの3人は捕えられてしまう。Euronの挑発に怖気ついたTheonは、姉を残して海に飛び込み、大虐殺から逃れた。(作品の詳細はこちら


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久々の戦闘シーンに、血が騒ぎました。EuronがCerseiに言った手土産って、Yara・Ellaria・Tyeneのことだったのか。で、もしかして、EuronとCerseiが結婚?いや、それはないでしょう。Euronのことなど、Cerseiの眼中にないはずだから。殺戮シーンのあとには、Grey WormとMissandeiの濡れ場。ムダに長かった気もするが、若い2人の絡み合いを見るのも、悪くない。私が監督だったら演技指導と称して、Wormの身体のあちこちをベタベタ触りながら、何回も撮り直しちゃいますよ。


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AryaとJonは、いつもすれ違い。携帯電話があったら、すぐに再会できるのに。ああ、じれったいったら。ヒヨッコだったJonが、統治者の威厳を備えてきて、どんどん素敵になっている。DaenaerysやCerseiに負けないくらい、Sansaにも女帝らしい貫禄が出てきました。彼女を見るLittlefinger(Aidan Gillen)の嫌らしい目つきに、ゾワゾワする。手を出したら、Jonに殺されるからね。


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灰麟病の治療って、ザクザク皮膚を削いでいくことだったのね、ひーっ。思わず目を背けました。JorahとSamってそういう繋がりだったのか。登場人物が多すぎて、誰がどこでどう関わっているのか、分からなくなってきています。それにしても、Samって本当にいいヤツだな。

Yaraたちは捕虜になったし、忠誠を誓ったとはいえ、Varysも寝返りそうな雰囲気があって、Daenaerysたちは大丈夫?「敵は味方のフリをする」と言うから、同盟軍とはいえ、どこまで信じることができるのやら。


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# by amore_spacey | 2017-07-25 20:49 | - TV series | Comments(0)