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Cuore cattivo

Kim様の人質になりたい度 ★★★★☆(90点)

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【あらすじ】 窃盗の前科がある覚せい剤中毒のClaudio(Kim Rossi Stuart)は、タバコ屋の殺人容疑で警察に追われる。逃げ込んだ先には、交通事故で下半身麻痺になったEsther(Cecilia Genovesi)がいた。彼女を人質にして立てこもるClaudioの、「弁護士か刑事裁判官に会わせろ!」という要求に、Ghini警視長(Massimo Ghini)は対応するが、一向に進展しなかった。
 そうこうするうちに、事件を嗅ぎつけたTV局が集まってくる。近所の連中もベランダや庭や通りから野次馬。覚せい剤による幻覚と、8月の暑さにむしゃくしゃして、車椅子のEstherに当たりまくるClaudioに、彼女はあることを提案する。TV界でも有名なジャーナリストSalvadori(Massimo Wertmüller)とカメラマンをここに呼び、一問一答形式で本音を語るClaudioの姿を実況放送すれば、世間への心象がよくなり、刑が軽くなるのではないかと。彼女の提案は実行に移され、状況は好転するかに見えた。



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クスッと笑えるイタリアならではのシーンを盛り込みながら、小気味のよいテンポで話が展開する。どーしたんですか、Kim様?ガラが悪過ぎますよ。長身&手足が長いから、ちょっとしたリアクションが大きく見える。こんなに五月蝿いKim様を見るのは初めて。最初から最後まで怒鳴り散らしてたからねぇ。本人もさぞや疲れたことでしょう。Estherの髪をつかんでぶん回したり、平手打ち食らわせたり、車椅子に蹴りを入れたり白い粉を吸ったり…、まぁ忙しいこと。あれだけ野獣のように吠えまくって、声帯は大丈夫だったのかしら?

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追い討ちをかけるようにKim様の口から出てくるのが、濃厚なローマ訛りで、激高した時には何喋ってるんだか?字幕、プリーズ。『野良犬たちの掟』もそうでした。Totti王子が出したBarzelletteの本で、ローマ訛りを多少は勉強しましたが、機関銃のような速さになると、もうお手上げ。
'Namo? (=Andiamo? 行くか?)
'Ndo sti? (=Dove sei? どこにいる?)
Aho', Ste! Cia'i rotti cojoni!(=Stefano! Ci hai rotti cogli*ni! ステファノ、お前ってうざいぜ。) これ、イタリア語じゃないよぉ。
Estherの家の中をぶんぶん飛び回っていたあの一匹の蝿は、まさしくClaudioそのもの。それに気付いた彼は、一度はガラスのコップの中に閉じ込めるが、また逃がしてやる。だって自分の分身なんですもの。

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Claudioの中にある純粋で汚れのない部分と、Estherの頑なで孤独な部分を、互いに感じ取り、容疑者 vs 人質という立場にいながら、ほんのひと時心を通わせる。「お前って可愛いヤツだよ」な感じで、Estherの鼻を指でつまんだあと、軽くウィンクするKim様に、萌えました。かと思えば、駆けつけた判事が、全く空気が読めないヤツで、てやんでぇな雰囲気の中、天皇陛下に話しかけるようなバカ丁寧な喋り方でKim様に呼びかける、ってあるかい?警察連中が引いてたじゃないか。それにしても、心に傷を負った者は、よく吠えますね。

製作国:Italy
初公開年:1995年
監督:Umberto Marino
キャスト:Kim Rossi Stuart, Cecilia Genovesi, Massimo Ghini, Massimo Wertmüller, Ludovica Modugno, Clarita Gatto, Valerio Mastandrea ...


by amore_spacey | 2009-09-26 00:14 | - Italian film | Comments(0)
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