Ossessione (郵便配達は二度ベルを鳴らす)

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

ネタばれあり。

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ポー河沿いのトラットリアDoganaの経営者Giuseppe(Juan de Landa)の妻Giovanna(Clara Calamai)は、一回りも年上の夫との生活に辟易し、退屈な毎日を送っていた。ある日一台のトラックから放り出されてトラットリアの門をくぐった若い男Gino(Massimo Girotti)に魅せられ、激情が湧くのを感じた。GinoもそんなGiovannaの官能的な眼差しに欲情をかきたてられ、2人が駆け落ちを決行するまでに時間はかからなかった。ファシスト体制下の社会の底辺でうごめく人々の、反ファシズム性と扇情的な愛の力強さを描く。『若者の全て』『ベリッシマ』にならんで、この作品はイタリア・ネオレアリズモの先駆となった。



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どこをどう間違ったのか?この映画を「官能的なドラマ」と記憶違いしていた私は、観てビックリ玉手箱。『イノセント』のように官能的で、肉欲を貪るシーンが連続登場するかと思っていたのだ。何という残酷な結末なんだ!Giovannaが初めてGinoに出会い彼の肉体に魅せられて情欲に囚われたり、2人の情事前後やGiovannaがGinoに夫殺しを依頼するシーンなどはすこぶる暗示的で、観るものに行間を読み取らせるような描き方である。勘の悪いワタクシはずーっと後になって、それらのシーンを思い返しては「ああ、そうだったのかぁ」と膝を打つ。阿保ッ★

打算のないGiovannaの盲目的な愛は、まさしく原題のOssessione=妄執な愛だった。それが全ての運命を狂わせ悲劇を生むことになったのである。Ginoが被っていた帽子がよく似合っていた。確か『欲望という名の電車』のMarlon Brandoや別の作品のPaul Newmanも、こんな帽子を被っていたっけ。

この映画には日本語のタイトルにあるような郵便配達は登場しない。ではなぜこんなタイトルがついたのか?James M. Cainの文庫本のあとがきによると、「アメリカでは郵便配達はいつも玄関のベルを二度鳴らすしきたりになっている。つまり来客ではないという便法である。それに郵便配達は長年の知識でどこの何番地の誰が住んでいるかをちゃんと知っているから、居留守を使うわけにはいかない。二度目のベルは決定的な報を意味する。それと同じようにこの小説では事件が必ず二度起こる。パパキダス殺しは二度目で成功する。法廷の争いも二度ある。自動車事故も二度、フランクも(この作品ではGino)一度去ってまた帰る。そしていつも二度目の事件が決定打となるのである。」

製作国:Italy
初公開年:1943年
監督:Luchino Visconti
キャスト:Clara Calamai, Massimo Girotti, Dhia Cristiani, Elio Marcuzzo, Vittorio Duse, Michele Riccardini, Juan de Landa ...


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by amore_spacey | 2009-10-09 22:41 | - Italian film | Comments(0)
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