Le vite degli altri (善き人のためのソナタ)

私のお気に入り度 ★★★★☆(95点)

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1984年、ベルリンの壁が崩壊する前の東ドイツ。国家保安局シュタージのWiesler大尉(Ulrich Mühe)は、劇作家Dreyman(Sebastian Koch)と舞台女優である彼の恋人Christa(Martina Gedeck)の監視および反体制的である証拠をつかむよう命じられる。さっそくWieslerは彼らのアパートに向かい、家に盗聴器を仕掛け、屋根裏に監視室を作って盗聴を始め、詳細に記した日々の報告書を書き続けた。しかしDreymanを監視していく中で、Wieslerの心に次第に変化が現れる。第79回アカデミー最優秀外国語映画賞受賞作品。



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Erich Honeckerが激しい権力争いを繰り広げ、Mikhail Gorbachevがソ連共産党の書記長に就任したころの話である。私は冷戦時代の東欧を知らない。ベルリンには行ったことがない。かつての東西緊張は、テレビや新聞や本が伝える程度の情報しか知らない。歴史の波にもまれたベルリンで、時には不当な政治的・身体的圧力を受けながらも、人間が持つ善き魂に目覚め守り通した人もいた、そこに救いや希望の光を見い出す。

あのラストシーンでは、やはり涙が滲んだ。しがない郵便配達人になったWieslerの姿を、通りかかった車の中から見つけたDreymanが、一度は声をかけようとしてためらい、結局そのまま車に戻る。そして書店でのラストシーン。直接言葉を交わしたことのない2人の心の交流が伝わり、Wieslerのセリフが私の耳の中で静かにこだまし続ける。『グッバイ・レーニン』がベルリンの壁崩壊前後のある市民の生活の激変を時にユーモラスに(市民にとっては笑えない話だが…)描いたのに対して、この作品は当局 vs 市民の姿を、第三者の勝手な解釈を交えず淡々と描いている。モノクロのような情景の下に込められている幾多の想いが、観る者の心を揺り動かすのだ。



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Wiesler大尉を演じたUlrich Müheの佇まいやちょっとした仕草や目の表情が、Kevi様にものすごく似ている(*^^*) 『私が愛したギャングスター』(1999年)でKevi様を追い続ける刑事を演じたStephen Dillaneにも似てますぅ。世界的な名声を得て、役者生活はますます充実という2007年7月病に倒れ逝去、享年54歳。合掌。

ベルリンの壁崩壊から20年、いつか必ず訪れてみたいと思っている。ベルリンへ行ったら、まずカールマルクス書店でしょうか。って、何それ?

製作国:Germany
初公開年:2007年
監督:Florian Henckel von Donnersmarck
キャスト:Martina Gedeck, Ulrich Mühe, Sebastian Koch, Ulrich Tukur, Thomas Thieme, Charly Hübner, Werner Daehn ...


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by amore_spacey | 2009-10-22 21:15 | - Other film | Comments(2)
Commented by ymomen at 2009-10-27 05:37
この映画、わたしも大好きです
Ulrich Müheという俳優さん、この映画でしかわたしは知りません
彼が娼婦と交渉するシーンの寂寥感が忘れられません
物語の終わり方、いつまでも心に残ります
Commented by amore_spacey at 2009-10-29 00:08
☆ もめんさんへ。
私もこの作品で初めてUlrich Müheに出会いました。
彼も旧東ドイツ時代にはシュタージの監視下におかれていたそうで、この作品は
そんな彼だからこそ内側から滲み出る苦悩や心の奥底に眠っていた善き魂が
徐々に目覚めていく瞬間をこれほど見事に演じることができたのかもしれないなぁと
思います。子どもと二言三言交わすエレベーターのシーンも好きです(^^)
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