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高慢と偏見 (Pride and Prejudice) BBCドラマ 全6話 

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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19世紀初頭、ロンドンに近いHertfordshireの田舎街。女ばかり5人姉妹のBennet家は、もし父親のBennet氏(Benjamin Whitrow)が亡くなれば、家も土地も遠縁の従兄弟の手に渡ってしまうという状況に置かれている。Bennet氏本人は書斎で好きな読書と思索にふけって、自分が楽しんでいられればいいと、我関せずの態度だが、母親のBennet夫人(Alison Steadman)は、娘たちに金持ちの婿を取って片付けてしまおうと、躍起になっていた。Jane Austenの同名小説をドラマ化。(作品の詳細はこちら



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英国のTVドラマは1シーズン6回と、ちょうどよい長さでシリーズが終わるのがいい。原作が良いのは勿論だけれど、キャスティングが素晴らしい。ここまでハマり役を選んだキャスティング・ディレクターの腕に唸ります。初回さえ観れば、Bingley(Crispin Bonham-Carter)とBennet家の長女Jane(Susannah Harker)、Darcy(Colin Firth)と次女Elizabeth(Jennifer Ehle)が結ばれるだろうことは、ほぼ明らかです。にも拘らず最後まで観た(観たくなる)のは、丁寧で巧みな人物描写に引き込まれたからでした。Colin Firth、若っ、顔が真四角。この作品で大ブレイク。Jennifer Ehleが微笑むと、全てが丸く収まるような優しい気持ちになりました。中村紘子やMeryl Streepを彷彿させます。



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Bennet家の父親は、自分さえ良ければ全て良し。あのマイペース振りが実に微笑ましい。チャボのように始終けたたましく金切り声を上げているBennet夫人とは対照的で可笑しかった。そして長女や次女はともかく、容姿に自信がない3女のMary(Lucy Briers)や4女のKitty(Polly Maberly)や末っ子のわがままLydia(Julia Sawalha)、5人の姉妹もそれぞれによかった。しかし一家に5人の娘って…。そこにけたたましい母親が加われば、最強の女性軍団じゃありませんか。父親の居場所なんてありません。女性陣の衣装代もバカにならない、なんて現実的なことを思ったり。

嫌な輩(やから)もたくさん登場しましたが、Bennet家の財産相続権を持つ遠縁のCollins牧師(David Bamber)と、Darcyの叔母でCollins牧師の後見人であるCatherine夫人の2人は秀逸でありました。Collins牧師の持つ独特の雰囲気によって、彼が登場しただけで、画面はどよーんと濁ってくる。皆をうんざりさせるのが得意な男だ。おべっか使いでねちっこく絡みつくような喋りが、どうにも我慢ならないのに、なぜか憎めない。胸がスカッとしたのは、Elizabethと白鳥麗子的なキャラのCatherine夫人(白鳥麗子は若いからいいけど、夫人は年取ってる分だけ始末が悪い)の一騎打ちシーン。冷静で論理的なElizabethに軍配あり。でも夫人の過干渉のお陰で?ElizabethはもやもやしていたDarcyへの愛を確信するので、世の中捨てたもんじゃありません。

製作国:U.K.
初公開年:1995年
原作:Jane Austen
監督:Simon Langston
キャスト:Jennifer Ehle, Colin Firth, Susannah Harker, Julia Sawalha, Alison Steadman, Benjamin Whitrow, David Bamber ...


by amore_spacey | 2009-12-02 01:48 | - TV series | Comments(4)
Commented by kakko at 2009-12-02 23:23 x
コリンファースのBBC『高慢と偏見』が一番好きかも。(笑)
中村紘子かメリルストリープには、笑いました。まさに!(笑)
定番なストーリーながら、ついついはまるジェーンオースティン。(笑)海外版橋田壽賀子かって?!(爆)
Commented by amore_spacey at 2009-12-03 01:30
☆ kakkoさんへ。
ご無沙汰しております(*^^*) 私はキーラが苦手で映画は観ていませんが、このBBC版で大満足しました。Jenniferって普段着の時にはそうでもないのに、メイク&衣装を着ると途端にメリル・ストリープや中村紘子になっちゃうんですよね(笑) 海外版橋田壽賀子って、kakkoさんてば鋭すぎますよぉ、ナイス(^^)v
Commented by momo at 2009-12-14 06:57 x
昨夜,久しぶりに,『高慢と偏見』を読み直しておりました。で,もう何度も読んだ本なのですが,ふと,「これって,橋田壽賀子ジャン!」。それで,
Google で,[ジェーン・オースティン 橋田壽賀子]と入力して,ここにたどりつきました。私も,キーラがエリザベスを演じた映画よりも,このBBCの高慢と偏見のほうが好きです。橋田壽賀子風の,ドロドロ感が,リアルで,それゆえに,エリザベスの性格が際立っているように思います。イギリスのビクトリアン・エイジものって,映画も小説も大好きです。貴族でなくても,衣食住満ち足りてしまった,21世紀の私たち(世界にはいっぱいいるので,私は,まぁ,21世紀の貴族ってところなんでしょうが。決して私が裕福わけではありません。平均所得弱の日本人です。)には,こう,彼らのメンタリティーが,ぴったりくるのかなぁと。
また,WEBのぞきにきます。Favoriteに入れました。
Commented by amore_spacey at 2009-12-17 21:11
☆ ももさんへ。
いらっしゃいませ~♪&コメントをありがとうございます(^^)
私も学生時代にオースティンを習ってから『高慢と偏見』を読みましたが、あれっきりでストーリーがどうだったかも定かでないような状態でこれを観ました。コリン・ファースの出世作というのをずっと昔に聞いていたのに、ずっと観そびれていたのもあって、初回からぐっと引き込まれてしまいました。そう、上のコメントでkakkoさんが書かれた「橋田壽賀子」という鋭い指摘に唸った一人です。もう1つイギリスの歴史物でハマっているTVドラマに、ジョナサン・R・メイヤー主演の『チューダー朝』があります。こちらはSeason 4が来年放映になるので、とっても楽しみにしているんです。お気に入りに入れて下さって、ありがとうございます。 
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