Come l'acqua per il cioccolato (赤い薔薇ソースの伝説)

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】 革命下のメキシコ。Tita(Lumi Cavazos)は裕福な農家の末娘として生まれた。年頃になった彼女に青年Pedro(Marco Leonardi)は求婚するが、末娘は年老いていく母の世話をしなければいけないという風習を守る厳格な母親Elena(Regina Torné)は、2人の結婚を許さなかった。それどころかPedroにTitaの姉Rosaura(Yareli Arizmendi)を嫁にどうかと薦める。それがTitaの近くで過ごせる唯一の方法なのだと考え、Pedroはこの理不尽な申し出を承諾するのだった。



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メキシコと言えば、マヤ文明・スパイス・媚薬・魔術・スペイン人の侵略…が思い浮かぶ。それらを色で表現したかのような、全体に流れるキャンドルの灯りのトーン。そしてTitaが心を込めて作るメキシコの田舎料理の数々。例えばPedroとRosauraの結婚披露宴を台無しにしたTitaの涙の混じった杏子のウェディングケーキ、次女のGertrudis(Claudette Maillé)を革命軍兵士のもとへ出奔させた官能的な赤い薔薇ソースの鶉料理、神経を病んだTitaを一瞬にして回復させた牛のスープ、それからAlex(Andrés García Jr.)とEsperanza(Sandra Arau)の結婚披露宴で出席者に媚薬効果をもたらしたチリ・エン・ノガータ。料理が人に及ぼす不思議な効果のようなものが、とても魅力的に描かれている。


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人間の感情が自然の法則をも変え得るという発想は、とても興味深いものだった。Titaが生まれる冒頭のシーンでは、歓喜のあまり洪水のような涙が流れ、その涙が乾いたあとの床には塩が残った。赤い薔薇ソースを飲んで興奮した次女Gertrudisは、身体の火照りを鎮めるためにシャワーを浴びるが、あまりの熱気でシャワー小屋が発火して火事になる。また亡霊になった母親Elenaは、Titaへの憎悪と腹いせからPedoroを火だるまにする。人間の感情の激しさは、自然を軽く超越してしまうのだ。自然の驚異とよく言うけれど、人間が秘める感情も舐めてはいけない。しかしあのラストは…。あそこまで一途に1人のことを思い続けることは、私には出来ないなぁ。

オリジナルタイトル(直訳すると『チョコレートに使う水のように』)の詳しい説明がこちらにあるので、ご覧下さいね。目からウロコです。

製作国:Mexico
初公開年:1992年
監督:Alfonso Arau
キャスト:Marco Leonardi, Lumi Cavazos, Regina Torné, Mario Iván Martínez, Ada Carrasco, Yareli Arizmendi, Claudette Maillé ...


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by amore_spacey | 2010-10-21 00:51 | - Other film | Comments(2)
Commented by sandonomeshi at 2010-10-21 08:32
あっ!、ご覧になられたんですね、この映画。82点ってことは結構気に入られたってことでしょうか。^^
それにしてもあも〜れさんの映画評は本当に凄い。簡潔にしかもつぼを押さえて内容の説明、ご自身の感想をまとめてらっしゃる。
リンクしていただいたのは嬉しいのですが、内容はお恥ずかしい限りで・・・。^^;
でもオリジナルタイトルの本当の意味を知ってしまうと、邦題がほんと生っちょろく感じません? あも〜れさんの言葉をお借りするなら「自然の法則をも変え得る」人間の感情を描いた映画なんですもの・・・ね。
Commented by amore_spacey at 2010-10-23 00:41
☆ sandonomeshiさんへ。
これ、ものすごくよかったです。メキシコは未踏の国だから尚更かもしれませんが、21世紀の今でも謎めいた迷信やら秘薬・媚薬などがあるようなイメージを勝手に抱いているので、この作品はそのイメージにすっぽりハマったという訳です。ホント、邦題って興行成績を上げるためとしか思えないような、オリジナルタイトル&内容無視のものが多いですね(苦笑) 愛とか天使とか薔薇とか…大衆受けするロマンチックな言葉を選ぶ傾向にあるような気がします。って、訳者の御苦労も分かりますけど。
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