阿修羅のごとく

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】 堅物で通っている老いた父親(仲代達矢)に愛人がいるらしい。三女の滝子(深津絵里)が突き止めた一大事に、普段は疎遠な四姉妹が急遽顔を揃える。しかしその四姉妹にも内に秘めた憂いがそれぞれあった。長女の綱子(大竹しのぶ)は未亡人だが不倫相手がいる。次女の巻子(黒木瞳)は夫の浮気を疑い、潔癖な性格の三女は素直に恋愛ができない。そして幼い頃からみそっかす扱いの四女の咲子(深田恭子)が献身的につくす同棲相手は、芽の出ないボクサー。父の裏切りを、母(八千草薫)に気取られないようにすることだけは揃って賛同するのだが…。


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座敷の向こうには縁側、その外で母と4人姉妹が賑やかに白菜の漬け物を仕込んでいる。おせち料理を一通り食べたあと、届いた年賀状を1枚1枚眺める。自宅で出すお葬式。縁側で父と夫が碁をうつ。そんな昭和の家族の風景を通して、人間が隠し持っている狡さや弱さやうしろめたさやねたましさが、とても温かいまなざしで描かれているのは、向田作品ならではの魅力(^^) 『寺内貫太郎一家』もよかったなぁ。

玄関の靴箱の前で取っ組み合う大竹しのぶと料亭の女将の桃井かおり。母の病室で父親の横っ面を張り倒す黒木瞳。恋人の中村獅童と純粋で不器用な関係を育む頑固で劣等感の強い深津絵里。末娘らしく突っ張っている深田恭子。そして観音様のように柔和な表情で家族を見守る八千草薫。「お母さんはずっと我慢ばかりしていたわ」「本当に幸せだったのかしら?」という娘たちの心配をよそに、この作品の中の阿修羅度をランクづけするなら、№1は文句なしに八千草薫が演じた母親でしょう(彼女は1979年と1980年にNHKで放送された同題名TVドラマで次女を演じている)。母親や女性は、色々な意味で強靭なのだ。

エンドロールに流れるBrigitte Fontaineの ♪ ラジオのように ♪が、この作品の雰囲気に妙にしっくりくる。不思議だ。1970年にフランスで出されたアルバムに収録されている。抑揚のない無表情な声でささやくように歌っているのに、何か事件が起きるような予感をさせる危うさがある。ところどころ日本語に聞こえるのは気のせい?(ё_ё;) 

製作国:Japan
初公開年:2003年
監督:森田芳光
原作:向田邦子
キャスト:大竹しのぶ, 黒木瞳, 深津絵里, 深田恭子, 八千草薫, 仲代達矢, 小林薫, 中村獅童, RIKIYA, 桃井かおり, 木村佳乃, 紺野美沙子 ...
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by amore_spacey | 2011-08-02 00:16 | - Japanese film | Comments(0)
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