Terraferma (海と大陸)

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】  シチリア島の南にある漁師の島Linosa。3年前に父を亡くした20歳のFilippo(Filippo Pucillo)は、母Giulietta(Donatella Finocchiaro)と祖父Ernesto(Mimmo Cuticchio)と暮らしていた。古いしきたりにとらわれ、あくまでも漁業に拘る頑固な祖父を尻目に、シチリア島経由で最近この島にもやってくるようになった観光客を相手に、母子は自宅を改装してB&Bを始める。彼らの最初の宿泊客は、北イタリアからヴァカンスにやってきた3人の若者たちだった。ある日沖合いに出たErnestoとFilippoは、不法入国移民の乗った小型船に遭遇。そこでアフリカの市民戦争から逃れてきた出産間近の女Sara(Timnit T.)とその息子Omar(Rubel Tsegay Abraha)を救助し、自宅に連れて帰った。しかし不法移民への救助行為は、法律に反する。彼らを見つけたら、救助せず、警察に通報するよう法律で定められているからだ。窮地に立たされたこの一家は、重大な決断を迫られる。本作品は2011年の第68回ヴェネチア映画祭で、審査員特別賞を受賞。


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あのぉ、ちょっといいでしょうか?字幕をつけて欲しかったな。こてこてのシチリア訛りを早口でまくし立てられると、何言ってるんだかさっぱり分かりませんでした。... という苦情はさておき、シチリアの海に囲まれておおらかに育ったFilippoが、ガラの悪い友人やB&Bにやってきた若者たちや不法入国移民たちとの衝撃的な出会いによって、大きく揺れ動きながらも、自分なりに1つの方向を見つけていく過程を、厳しくも優しいまなざしで描いている。


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シチリア近くの離島の海や空がとても美しくて綺麗だ。北イタリアのそれらとは、色が違う。濃くて深い。「不法入国移民は…」と声高に上から目線で訴えるのではなく、若い青年の心の揺らめきを絡ませながら、静かに問題提起するこのスタイルは、より心の奥底に訴えるものがあり響いてくる。

ところで、Claudio Santamariaが出ているはずなのに、どこ?どこ?どこ~?と、きょろきょろしていたら、なんとグレーの制服を着た税務警察だったんですねぇ。制服フェチな私は、一目で再び恋に落ちてしまいました。今回は超意地悪な役どころなのがちょっぴり気になったけれど、嫌味な税務警察もぴったりね。色んなTVドラマで熱演するBeppe Fiorelloって、見かけがどーも苦手なんだけれど、役者としてみると人間味溢れてなかなかいい。Fiorello兄貴より好感が持てる。Donatella Finocchiaro、メッチャ綺麗。

製作国:Italy, France
初公開年:2011年
監督:Emanuele Crialese
キャスト:Filippo Pucillo, Donatella Finocchiaro, Beppe Fiorello, Mimmo Cuticchio, Martina Codecasa, Tiziana Lodato, Claudio Santamaria, Filippo Scarafia ...


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by amore_spacey | 2012-03-19 04:23 | - Italian film | Comments(4)
Commented by erieri at 2012-03-20 03:23 x
あ、この映画見たいと思いつつ、つい忘れていたんですよ(笑
お勧めですか・・忘れないうちに記録しておこう・・。

Beppeファンの私には嬉しい映画、なのかな?
夏を前にシチリアの海が恋しくなりそうです。
Commented by レイネ at 2012-03-20 04:48 x
わ~、バッティングしました、今日のブログ記事!きっと貴ブログで取り上げれられるだろうと思いましたが。(しかも、使ってる写真も同じ)
最初、ポスターだけ見た時は、「ヴァカンスものか」と思ってスルー気味でしたが、リュミエールの冊子や映画新聞の記事や新聞評を読んで、「これは見なくちゃ」と宗旨替え。いやあ、よかった。ちょっと、ヴィスコンティの『揺れる大地』を思い出しました。タイトルと主人公の風貌が似てるので。
難民もの映画としては、Le Havreと見比べると、モア・ベターよ。
Commented by amore_spacey at 2012-03-21 01:09
☆ erieriさんへ。
Beppeファンなら、これ絶対にお勧めです。TVドラマの予告編などで彼を見かけますが、正義の味方参上っ!なオーラが出まくりで暑苦しいし、爬虫類系のあの視線がどうにもダメで(ゴメンなさい)、食わず嫌いの役者でした。いやぁ、本作品では主人公Filippoの叔父役を好演しています。肩の力が抜けて自然体の彼のよさを、じわ~っと感じました(^^)
Commented by amore_spacey at 2012-03-21 01:18
☆ レイネさんへ。
わぁ、直球でしたかぁ(*^^*) シチリアの海を舞台に青年とその家族と難民問題を描いた作品、というキャッチコピーに、難民問題が絡んでいるのかぁと躊躇したのですが、観てよかった!心の襞に沁み渡るシーンや人々の営みにじーんと来ました。Le Havre未見なので、これから探してみますね。ありがとうございます。

>ヴィスコンティの『揺れる大地』を思い出しました。タイトルと主人公の風貌が似てるので>  記憶が曖昧だったので検索して見たら、本当ですね。タイトルといい主人公の風貌といい、よく似ています。本作品は観た後、何とも言えぬほのかな気持ちに包まれますが、Visconti様の作品はネオレアリズモばりばりで、現実直視もいいのですが、気持ちが凹んでいるときはちょっと辛いかも…ですね。
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