Le Havre (ル・アーブルの靴みがき)

私のお気に入り度 ★★★★☆(84点)

e0059574_1445946.jpg
【あらすじ】 北フランスの港町ル・アーブルの駅前で靴磨きをして暮らしているMarcel(André Wilms)は、妻Arletty(Kati Outinen)と愛犬Laïkaとともにつつましい生活を送っていた。そんなある日、港にアフリカからの不法移民が乗ったコンテナが港にたどり着き、少年Idrissa(Blondin Miguel)が逃亡する。腕利きの警視Monet(Jean-Pierre Darroussin)や密告者がMarcelたちを脅(おびや)かし続ける中、近所の協力を得ながらMarcelは少年を家にかくまい、少年の母親がいるロンドンに密航させようとする。哀愁漂う市井の人情ドラマ。


e0059574_1451979.jpg
煙草に火をつける。煙草を吸う。靴を磨く。ワインを飲む。パンをちぎる。パンにチーズ(バター?)を塗る。フォークを持つ。バールで一杯やる。妻のお気に入りの黄色いワンピースを包む。玄関の扉を開ける。一張羅に着替える・・・。Marcelの人生の中で、幾度となく繰り返された彼の無意識の動作や仕草や手つきから、片時も目が離せなかった。ずっと見ていたかった。彼の両手がとても愛しいものに思えて仕方がなかった。


e0059574_1454044.jpg
ブルーのワイシャツに着古した黄土色の革ジャケットという彼の仕事着。この色の組み合わせも好きだ。落ち着いたブルーでまとめられた夫婦のアパート。彼を助けてくれたパン屋の褪せた赤。果物屋の水色。バールの黄緑色。間接照明の多用で、ほの暗くはあるが、決して陰鬱とした暗さではない。人のいるところには、ぬくもりのある明かりがある。アコーデオンの音色も心地よく、『アメリ』に流れていた雰囲気が蘇ってきた。あまりにも無表情な登場人物には困惑したが、彼らを取り巻く環境が伸びやかでほのぼのとして、鑑賞後じわじわっと幸せな気持ちに包まれる。心の中に小さな灯がともる。これぞ映画の醍醐味!久しぶりによい作品に巡り会えた。

製作国:Finland, France, Germany
初公開年:2011年
監督:Aki Kaurismäki
キャスト:André Wilms, Kati Outinen, Jean-Pierre Darroussin, Blondin Miguel, Elina Salo, Evelyne Didi, Quoc Dung Nguyen, Little Bob ...


[PR]
by amore_spacey | 2012-12-06 01:46 | - Other film | Comments(2)
Commented by turezure-italia at 2012-12-10 07:50
映画のいいところって、物語を離れたところで、日常の動作を改めてみられるところですよね。Marcelの所作、素敵なんですね。私も見たくなってしまった・・・!

色彩もきっと光の具合もいい映画なんでしょうね。

さすがAkiの映画!

私も買ってみてみようと思います!
Commented by amore_spacey at 2012-12-13 01:33
☆ turezureさんへ。
Akiの映画はコレが初めてでした。彼の作品はモノトーンで登場人物の表情も乏しくて眠くなる、と聞いていましたが、これはとてもよかったです。手のフェチではないんだけれど、Marcelの手の動きが良い意味でとても気になり、目が釘付けでした。これを機にAkiの他の作品も観てみようと思います。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< レンタネコ 孤独のグルメ Season2 ... >>