キツツキと雨

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】 人里離れた山村に住む岸克彦(役所広司)は、森林で木々を伐採する、いわゆる木こり。妻に先立たれ、定職に就かない息子(高良健吾)と二人暮らしをしていた。ある日仕事の途中、映画の撮影で山に来た気の弱い若手映画監督の田辺幸一(小栗旬)と出会う。車が溝に嵌って身動きが取れない幸一らを撮影現場まで送ると、ゾンビのメイクをされエキストラ出演するハメに。嫌がりながらも内心はまんざらでもない克彦は、やがて幸一の姿に息子と自分自身を重ねるようになる。


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役所広司が出ている、これだけの理由で観始めたのだが、作品に漂う不思議な魅力にどんどん引き込まれていった。ゾンビ映画の撮影という非日常な出来事を除けば、私たちと同じような日常が流れている。それでもこの作品を観終わったあと、平凡な日常が少しだけ違うものに見えてきた。変化のない毎日が続く。ときには何をやってもうまくいかない時期がある。けれどちょっとしたこと(特に人との出会い)がきっかけとなって、具体策が見つかった訳ではないが、まぁ何とかなるさ!と前向きな気持ちになれるノダ。


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目元やアゴに年齢相応のシワやたるみが出てきた役所広司、だけどどうしてこんなに魅力的なんだろう。彼が居るだけで、ざわざわした空気が落ち着いてくる。緊迫した空気が和らぐ。そこに居てくれるだけで安心できる人だ。これは持って生まれた役所の人柄や人徳なんだと思う。彼が醸し出す、少々遠慮がちではあるけれど彼独特のオーラが、全体をいい感じに包み込んでいた。

そんな役所が演ずる中年の木こりを、幸一は「うざいヤツ」「変なおっさん」と煙たがっていた。なのに彼のことが気になる。年齢や環境や職種をこえて、2人の距離が縮まっていく様子が、小さなエピソードを丁寧に積み重ねながら描かれている。2人が食堂で向き合って食べてるとき、役所があんみつのあんを、いきなり小栗の口の中に押し込んだのにはビックリ(☆o☆) ゾンビのメイクや、エキストラ出演のことを弁当食べながら木こり仲間に語ったり、大浴場で一人ゾンビの練習をする役所の姿、劇中劇の平田満の演技や痔持ちのベテラン俳優山崎努の表情・仕草など、クスッと笑えるシーンが盛り沢山。温泉に入って身体の芯までじわ~っと温まる、そんな作品だ。

製作国:Japan
公開年:2011年
監督:沖田修一
キャスト:役所広司, 小栗旬, 高良健吾, 臼田あさ美, 古舘寛治, 嶋田久作, 平田満, 伊武雅刀, 山崎努 ...


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by amore_spacey | 2012-12-15 01:28 | - Japanese film | Comments(0)
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