私のお気に入り度
★★★☆☆(78点)
【あらすじ】 太平洋戦争末期、中年兵として招集された松山啓太(豊川悦司)ら100名の兵士は、上官によるくじ引きで決められた戦地に赴任する事になっていた。くじ引きが行われた夜、フィリピンに送られる事になった仲間の定造(六平直政)から、妻の友子(大竹しのぶ)より送られてきた一枚のハガキを手渡される。定造は、もし啓太が生き延びる事ができたら、妻にハガキは読んだと伝えてくれと依頼する。やがて戦争が終わり、生き残ったのは啓太を含め100名のうち6名だけだった。
まるで舞台劇を観ているような作品だった。やり場のない怒りや悲しみや絶望や諦め、束の間の笑いや安らぎなど、人々が放つ感情の渦に巻き込まれた。舞台や台詞がシンプルな分だけ、歴史には名前すら残らない大勢の庶民を代表した、登場人物たちの生き様が際立つ。残された人々が立ち上がって前進しようとする姿が、『風とともに去りぬ』のScarlet O'Haraに重なった。
製作国:Japan
公開年:2011年
監督:新藤兼人
キャスト:豊川悦司, 大竹しのぶ, 六平直政, 大杉漣, 柄本明, 倍賞美津子, 津川雅彦, 川上麻衣子 ...