Una sconfinata giovinezza

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】 Lino(Fabrizio Bentivoglio)は有力新聞のスポーツジャーナリストであり、Raiスポーツのコメンテーターとして活躍し、妻のFrancesca(Francesca Neri)は大学でロマンス学を教えている。彼らは子どもを望んでも授かることができず苦悩した時期もあったが、互いに支え合って幾多の困難を乗り越えてきた。そんな2人にようやく平和が訪れたかに見えたが、Linoの言動が徐々におかしくなり、日常生活に支障をきたし始める。若年性アルツハイマーだった。愛する夫の変貌にFrancescaは苦悩し悲しみ時に憤りながらも、何とか夫の気持ちに寄り添いたいと奮闘する。


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若年性アルツハイマーに罹ったLinoの心が、あちこちさまよい歩く。少しずつ現実から離れていく。どんどん子どもに戻っていく。昔友だちと遊んだあの場所で再会した愛犬と一緒に、彼はどこか遠くへ行ってしまう。幼い頃の思い出の森に迷い込んで、とうとうこちら側に戻って来れなくなった。象徴的なこのラストシーンには、Linoの純粋な心が映し出されているような気がする。


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若年性アルツハイマーをテーマにした『頭の中の消しゴム』『明日の記憶』は、病の症状を外側からとらえ、本人や彼を取り巻く人々の葛藤、そして一緒に乗り越えていこうとする過程を描いているのに対して、本作品は主人公の心に映ったものをより多く描き出そうと試みている。家族や身内の絶望的な悲しみや辛さと同じくらい、Linoの心にもスポットをあてている。楽しかった幼年時代の思い出の中に生きる彼は、今とても幸せなのかもしれない。そんな彼を見ていると、底なし沼に足を踏み入れてしまったかのような重苦しさはぬぐえないものの、本人や彼を支える人々にとって、それはかすかな救いになり得るとさえ思えるのだ。

・・・と、言うは易し。現実は過酷で情け容赦ない。怒涛の日々を送る当事者にとって、そんな気休めや奇麗事は、神経を逆撫でされるばかりであろう。

製作国:Italy
初公開年:2010年
監督:Pupi Avati
キャスト:Fabrizio Bentivoglio, Francesca Neri, Serena Grandi, Gianni Cavina, Lino Capolicchio, Manuela Morabito, Erika Blanc, Vincenzo Crocitti ...


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by amore_spacey | 2013-02-18 01:21 | - Italian film | Comments(2)
Commented by petapeta_adeliae at 2013-02-19 22:26
亡父もアルツハイマーでした。
父は昔のことは昨日の様に覚えているのに、ちょっと前のことに
なると分からなかったんです。なので3年ぐらいは父の昔ばなしを
よく聞かされ、子供返りしてダダをこねたりとLinoの行動が
容易に想像がつきます。
見てみたいけど、こちらでDVDになってるかな?
Commented by amore_spacey at 2013-02-21 02:40
☆ ソーニャさんへ。
お父様、そうだったんですね。当事者にしてみれば、「現実はそんなファンタジーの世界ではないんです」と言いたくなる作品かもしれません。自分の身内ともなれば尚更、イライラすることも多いと思います。でも何年か経って、「ああ、あの時の夫(あるいは妻あるいは父や母)は、そんな世界をさまよっていたんだなぁ。それなりに幸せな瞬間を味わっていたんだなぁ」と思えることで、自分を癒し、今はもういない彼らにも優しくなれる。そしてやりきれないでいた気持ちに、ひょっとしたら折り合いをつけられるのかもしれませんね。
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