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鍵泥棒のメソッド

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

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【あらすじ】 銭湯に入ってきた金持ちそうな男(香川照之)が転倒。その場に居合わせた貧乏役者の桜井(堺雅人)が様子を見ていると、男は頭を強打した影響で記憶を失っていた。桜井はちょっとした出来心を起こし、男のロッカーの鍵と自分の鍵をすり替える。案の定、その男は自分を桜井だと思い込む。しかし男の正体は誰も顔を見たことのない伝説の殺し屋・コンドウで、コンドウに成り代わった桜井のもとに大金が絡む、危険な仕事の依頼が舞い込み、桜井はやむなく引き受けてしまう。一方自分は桜井だと思い込んでいるコンドウは一流の役者を目指して真面目に努力する。そんなひたむきな姿に胸を打たれた女性編集長の香苗(広末涼子)は彼に求婚する。三者三様の奇妙な運命を描く。


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主人公の2人の立場が入れ替わる、というありがちな設定なのに、私たち観る人を決してがっかりさせない、想像を超える意外なストーリー展開にひきつけられて、最後まで楽しめた。突っ込みどころ満載で、「こんなの、ありえねー」とバッサリ斬り落とすこともできるが、「いや、待てよ。こんなことが起きてもいいじゃない。楽しいよね?」と思わせてくれるところがいい。それはこの奇妙な出会いによって3人が、わずかながらも何らかの変化を遂げるところにあるのかも。奇妙奇天烈な展開ながら、胸キュンものなのだ。


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桜井@堺の汚部屋 vs コンドウ@香川のモデルルームのような部屋は印象的だった。きちんと正座して、黙々と桜井の汚部屋を掃除整頓する香川氏に、『ゆれる』の中でちょっと卑屈なオーラを漂わせながら、静かにアイロンをかけていた彼がダブる。毎度のことながら、香川氏の豹変振りには目が点です。ああいうのが詐欺師や連続殺人犯だったりするんだろう。香苗@広末が仕事終了後、机に掃除機をかけるシーンには深く頷いてしまった。私もあんな感じだったから。当時はハンディタイプの掃除機がなかったから、手をほうき代わりにしたけど。

今まで広末涼子をあまり好きになれなかったのは、たぶんJean Renoと共演した『WASABI』(2001年)の彼女が、あまりにもチャラチャラしてふざけていたからだと思う。あの眩しそうにする定番の微笑み方や、ピキッと縦に入った額のシワも、姑息すぎてイライラ。けれどこの作品の彼女には、とても好感が持てた。容姿に恵まれているのに、無表情で頑なで几帳面。非社交的で自分に自信がないんだけど、仕事はサクサクやる、目標をもって成し遂げる。芯はしっかりしている。こんな香苗のような役どころが、彼女には向いているような気がする。堺くんのダメっぷりは、ご覧のとおり(≧∇≦)

製作国:Japan
初公開年:2012年      
監督:内田けんじ
キャスト:堺雅人, 香川照之, 広末涼子, 荒川良々, 森口瑤子 ...


by amore_spacey | 2013-05-17 01:00 | - Japanese film | Comments(0)
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