人気ブログランキング | 話題のタグを見る

グッバイ、レーニン! (Good Bye Lenin!)

私のお気に入り度 ★★★★☆(90点)

グッバイ、レーニン! (Good Bye Lenin!)_e0059574_1592267.jpg
東西ドイツの統合前後(瞬間)の様子を、東ベルリンに暮らす一家族の視点から描いたところに、この作品のよさがあるように思います。何よりも息子アレックス(ダニエル・ブリュール)とその母親クリスティアーネ(カトリーン・ザース)の暖かい心の通い合いが全体を包み込んで、私たちを優しい気持ちにさせてくれる。母親を混乱させないため、あの手この手と必死に駆け回るダニエル・ブリュールが、一途で誠実で母親思いの青年を好演し、鑑賞後とても爽やかな雰囲気に浸りました。


グッバイ、レーニン! (Good Bye Lenin!)_e0059574_224677.jpgベルリンの壁崩壊に至る経緯や、東西ドイツ統合に関する歴史的な説明や描写を一切つけなかったのは、監督の狙いだったのでしょう。一市民にとっての壁崩壊という捉え方は、私たちの日常生活に置き換えて観ることができる。庶民レベルで、分かりやすかった。東ベルリンという近いようで遥かに遠かった街を、ぐっと身近なところにまで引き寄せてくれたような気がします


グッバイ、レーニン! (Good Bye Lenin!)_e0059574_233317.jpgヤン・ティルセンのピアノ曲がこれまたいい。寂しげで心細いメロディー(←音が出ます)なのに、何だかその曲想がクスッとおかしい。『アメリ』でも彼独特の威力を遺憾なく発揮していました。


グッバイ、レーニン! (Good Bye Lenin!)_e0059574_24486.jpg臨時合唱隊やピクルス入れ替え作業や、架空のTVニュース製作や、撤去されたレーニン像が空中運搬される様子や、紙くず以下になった瞬間の旧東ドイツ紙幣…と、ユーモラスなシーンを挙げればきりがありません。


グッバイ、レーニン! (Good Bye Lenin!)_e0059574_243224.jpg母親のピクルスの食べっぷりにはビックリしました。サンドイッチやつけ合せに、薄くスライスしたピクルスというのはお馴染みですが、彼女のように瓶から1本取り出して、丸ごとポリポリ食べちゃうなんて…、斬新。

製作国:Germany
初公開年:2002年
監督:Wolfgang Becker
音楽:Yann Tiersen
キャスト:Daniel Brühl, Katrin Saß, Chulpan Khamatova, Florian Lukas, Alexander Beyer, Burghart Klaußner ...


by amore_spacey | 2005-12-02 02:08 | - Other film | Comments(10)
Commented by ちまき at 2005-12-03 00:04 x
昨年、映画友達と見に行きました。良かったですよね。
一応コメディ?でも、大笑いするような感じでもなく
切ない、優しい、温かい・・・という余韻のある映画。
久々に私も★5つ、と思いました。
Commented by amore_spacey at 2005-12-03 23:42
ちまきさんへ。
イタリア版DVDはこの記事1枚目の写真どおり
あまりパッと人目をひくカバーではないのですよ。
(日本版のカバーのほうがずっと魅力的)

派手でも有名な役者がいるわけでもないけれど
作品は非常によかったですよね。切なく心に響いてくる。。。
息子と母親の関係って、こうなのかな?
私、母のためにここまで奔走できるかな??
Commented by nouilles-sautees at 2005-12-04 04:54
よかったですねえ、この映画。
ドイツ映画ってどうもつまらなさそうっていう偏見が抜けないので、こうしていい映画にめぐり合えると得した気分になります。

ダニエル・ブリュール、顔とか別に好きじゃないですが、この役に妙に合っていたのが印象的。
Commented by ミミヅク at 2005-12-04 14:43 x
これがウワサのピクルスかぁ。ふむふむ。あ、ヴィゴ、こんなところで、ニュース読んでる。。
Commented by amore_spacey at 2005-12-05 05:10
nouilles-sauteesさんへ。
ドイツ映画ってピンと来ません。
えっと、今あたまに浮かぶのは
デートリッヒとロミー・シュナイダーぐらい?

ダニエル・ブリュールって、どこにでもいそうな青年ですよね。
「俳優さまがお通りになる~!!!!!」って偉そうなトコがないし
母親役のカトリーン・ザースとも息がぴったり。
ロケ現場では、みんな楽しく撮影したのだろうなーって思いました(^^)
Commented by amore_spacey at 2005-12-05 05:13
ミミヅク@まだ「グッバイ・レーニン!」を観てないなんてダメよんさんへ。
あーーー、長っっ↑(自分で書いておいてさ…)
でしょ~、この時のためにヴィゴが整形したって知ってた?
よーく見てね。アゴのえくぼがないじょ~!!
主人公のかあちゃんが、ピクルス大好きなんです。
んでびんから一本とりだして、ぼりぼり食べちゃうの。
アレ見てたらピクルス食べたくなっちゃったのよねー、姉ちゃん。
Commented by ミミヅク at 2005-12-10 00:37 x
見た。よかった。ジャック・ブラック似の息子、いいヤツ。ヴィゴもいいヤツ。ママ、最後気づいてたんじゃない。なんとなく。
Commented by amore_spacey at 2005-12-12 00:40
■デビューしたかったのにカットされたミミちゃんへ。
すごいでしょ、そっくりさんがいっぱいで(爆)
私もそう思う、息子思いのママちゃんだから、気づいてて知らん振り
してたのではないかなぁと。なかなかよい作品でしょ?
Commented by dim at 2006-03-11 00:11 x
こんにちは。
TBありがとうございました。
これ…特別期待もしないで借りたのですが、いい映画だったのですごい嬉しかったのであります。
でもですね、あの息子…なんだっけアレックスだっけ、あの子が知り合いの誰かに似ているのですよ。それが誰だか未だに解明できなくて気持ちが悪いのです(笑)。
Commented by amore_spacey at 2006-03-12 23:33
■dimさんへ。
私も同じ。
かなり前に夫がこのDVDを買ってきたのですが
しばらく放ってありました。全然知らなかったのもありますけど…。
それである日曜日に観たら…、いやぁぁぁ、面白かったです。
東西ドイツ統合をこんな視点で描くなんて、スゴイ。役者さんたちも
息がぴったりあって本当の家族のようでよかったですよね。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< エド・ノートン (Ed Nor... 皇帝ペンギン (La Marc... >>