火宅の人

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】 家庭を捨て、新劇女優と同棲するなど、自由奔放な作家の生き方を描く壇一雄の同名自伝的小説を映画化。火宅の人とは、燃え盛る家のように危うさと苦悩に包まれつつも、少しも気づかずに遊びにのめりこんでいる状態の人を指す。


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自分の欲望のままに生きていく。それを隠そうとしないどころか、愛人との生臭い男女関係を妻に口述筆記させたり、編集者の前で堂々と痴話喧嘩を繰り広げたり、愛人と妻が鉢合わせ成す術もなくうなだれる。ドロドロした中でもがきつつ、身から出たさびをひっくるめて全て味わおうとする桂一雄(=檀一雄)を、男盛りの緒形拳が淡々と好演していた。くしゃくしゃっとした緒形拳の笑い顔を見ると、しょうがない人だなと苦笑してしまう。それにしても緒形氏は、何人ものいい女と寝ることができて、こりゃ役者冥利に尽きるでしょう。

一雄を取り囲む女性陣、母(檀ふみ)・妻ヨリ子(いしだあゆみ)・新劇女優で愛人の恵子(原田美枝子)・そして旅先で知り合うホステス葉子(松坂慶子)たちの競演が、これまた見ものだった。実の祖母を演じた檀ふみの凛とした着物姿は、実に美しい。


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女性陣の中で演技が際立っていたのは、いしだあゆみ。嫉妬のあまり狂気と紙一重のところで、かろうじて踏み止まっている妻。「あなたがなさることは、何でも私、分かるんです。」 薄い声でそんなことを言われたら、不気味すぎて家に帰りたくない。夫は必ず自分のところに帰ってくる、という根拠のない自信が、ヨリ子を支えていたのだろうか?


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さてお待ちかねの原田美枝子のヌード。はちきれんばかりの健康的な肢体に、目も頭もクラクラ。女の私がこうなんだから、男性たちは一体どんな反応を示すんでしょうか。ほっそりした華奢な身体に、形のよい豊満な胸。ん もーーっ、羨ましいったらありゃしません。右目下の小さな泣き黒子が、これまた妖艶なんです。


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夫婦が丁寧語で話したり、父親のことを「チチ」と呼ぶなんて、ちょっと他人行儀で「ん?」と思ったが、当時の折り目正しい夫婦や家族の関係が新鮮に映った。檀一雄のような人間は、話のネタに困らなくて面白いが、彼氏や夫には絶対になって欲しくないタイプですね。

製作国:Japan
初公開年:1986年
監督:深作欣二
キャスト:緒形拳, いしだあゆみ, 原田美枝子, 松坂慶子, 利根川龍二, 一柳信之, 檀ふみ, 石橋蓮司, 蟹江敬三, 下元勉, 井川比佐志, 荒井注, 下絛アトム, 宮内 順子, 真田広之 ...


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by amore_spacey | 2014-06-27 02:55 | - Japanese film | Comments(2)
Commented by petapeta_adeliae at 2014-06-30 00:25
火宅の人は本で読んだだけですが、
親、旦那にはお断りですね。
それも実話でしょ。ワタシだったら絶縁だな。

檀ふみが母でいしだあゆみが妻って
いしだあゆみの方が年上ではないの??

Commented by amore_spacey at 2014-06-30 01:48
☆ ソーニャさんへ。
沢木耕太郎の『檀』も、とても興味深く読みました。身内にいたらホントに迷惑で一生を棒に振りかねませんね。奥様のヨリ子さんって、色んな意味でものすごい方だったんだと思います。あ、檀ふみさんは、回想シーンでちらっと登場デス。
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