The Green Butchers (フレッシュ・デリ)

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

e0059574_0561833.jpg
【あらすじ】 Svend(Mads Mikkelsen)とBjarne(Nikolaj Lie Kaas)は評判の精肉店で働いていたが、店主Holger(Ole Thestrup)の傲慢ぶりに耐えられず、独立して2人で肉屋を開業することにした。しかし客はまったくやって来ない。ある日Svendは、冷蔵室を修理に来た電気工事業者をうっかり閉じ込めて、凍死させてしまう。動転した挙句にSvendは、死体を切り分けマリネにして店で売ってしまった。相棒の狂気の所業に戸惑うBjarneだが、マリネは評判を呼んで、店の外には長蛇の列ができる大繁盛ぶり。事態は既に引くに引けない状況に陥った。そんな折も折り、事故で植物人間になっていたBjarneの双子の弟Eigil (Nikolaj Lie Kaas=1人2役)が、奇跡的に回復したとの連絡が入る。


e0059574_056484.jpg
ブラックでシュール!だけど常軌を逸した設定の中で、ヒューマンドラマ(人を殺して人肉マリネを売るってぇのに)が静かに展開されていく。人肉マリネの「具材」調達の行方も気になるが、SvendとBjarneの生い立ちや現在の暮らしぶりを見て、不幸な過去を持つ彼らがこの先どうなっていくのか?こちらも大いに気になる。

ここまで芸人キャラに徹するMads!良い意味でのサプライズだった。一度見たら忘れられない髪型。パッと見た感じは宮崎県の東国原知事、額の生え際の盛り上がりはゴロー?インパクト強すぎ!!汗っかきだから、いつも顔がテカってるし。しかも神経質で自己中でキモい。知り合いにはなりたくないタイプ。極めつけは子どもの頃から愛された体験がないため、人嫌いでコミュ障。でも実は愛されることに飢えている。Madsは『ハンニバル』以前に、もうこの頃から人肉を調理していたのね(爆)


e0059574_0571181.jpg
相棒のBjarneもこれまた変わり者で、イケメンなのに無口・無気力・陰鬱としていて、黒い怒りをどっぷり溜め込んでいる。この2人はブラックなネタ専門のお笑いコンビのようだが、人を笑わせようなんて意図は微塵もなく、当人たちは至って大真面目、どころか現状を何とかしようと必死。負のスパイラルから抜け出そうと、ひっそり発狂している人たちなのだ。


e0059574_0575014.jpg
そんな皮肉な状況に苦笑する私たちも、Bjarneの双子の弟Eigilが登場するあたりから、「これ、何とかならんの?」「助けてあげたいな」「うまくいくといいんだけど」と同情したり応援したりしている。私たちの中の「善」が掘り起こされて、いつの間にか優しい気持ちに包まれているってわけ。双子の兄弟を1人2役で演じたNikolaj Lie Kaas、イケメンで感じがいい。『幸せな孤独』でMadsと共演してたっけ(*^^*)


e0059574_0583126.jpg
しかしあれだけ人を殺しておいて、こんなエンディングはあり?ってなもんですが、倫理観や過程を度外視(無視?)した結末に、ほろりとさせられちゃったりするんだから、ったく監督や芸達者な役者陣にやられたなァ。フィレンツェでMadsに会ってからMads熱が再燃したので、一人祭りをひっそり再開中。

作品の詳細はこちら


[PR]
by amore_spacey | 2014-12-27 01:01 | - Other film | Comments(4)
Commented by melocoton1 at 2014-12-27 04:41
これ、ずいぶん前に観ましたが、ブラックだけど、珍しいデンマークのコメディで楽しめました。

Nicolajクン、なぜか好みなんですw。

Madsはデンマーク映画って言うと、またあんたかーって思うぐらい登場率高いですよね。 他に俳優いないのか?ってたまに思います。 

テレビにはお兄さん(弟?)の方が良く出てるけど。
Commented by canned_cat at 2014-12-27 13:52
こんにちは。
あもーれさんのご感想を楽しみにやって参りました^^
>ブラックなネタ専門のお笑いコンビ
まさにそうですね! この二人なら、M-1王者にはなれないだろうけれど、痛烈なネタと独特のテンポで病みつきになるファンが多そうです(笑)。
オチは半ば反則技でしたが、その分100%平和裏にエンディングを迎えてくれたので、こちらも気持ちが(うっかり)ほっこりしました。
ニコライ・リー・カースさんは、『しあわせな孤独』の時には役柄のせいもあって少々取っ付きづらい印象だったのですけれども、この映画を観て何でも出来る人なんだなぁと感心したのを憶えています。

私も年末年始でマッツの作品を幾つか観る予定です。まだレヴューを書いてない映画が10本ぐらいあるので、感想をUPするのはちょっと先になりそうですが…。
あもーれさんのマッツ祭り、とっても楽しみにしています^^
Commented by amore_spacey at 2014-12-28 02:31
☆ meloさんへ。
確かにデンマーク映画=Madsなとこってありますね。TVドラマ『シャーロック』で初めてお兄さんを見ましたが、彼が暗がりから突然出てきたら、怖くて泣いちゃうかもしれません。Nicolajくん、いいですよね。米国のTVドラマ『Prison Break』の主役Michaelを演じたWentworth Millerにそっくり。坊主頭だからかも?演技力は比べ物にならないくらいNikolajは上手いけど。
Commented by amore_spacey at 2014-12-28 02:45
☆ canned_catさんへ。
神経質でイケてないSvendとだる~いモードでイケメンなBjarneは、対照的なのに2人とも自分の首をしめて窮地に陥っていくところは似てますね。ええ、確かにあのエンディングはちょっと乱暴で無謀だったと思いますが、不思議なことに「ま、あれでもいいか」と許せてしまうのは、全体を包んでいる優しいまなざしが心地よかったからでしょうか?

Nicolajくん、いいですよね。『しあわせな孤独』の時のほうがヴィジュアル的には好きなのですが(坊主あたまが苦手で…)、今回は1人2役(どっちもかなり難しいキャラ)を演じたことで、彼の演技力や芸域に驚きました。ちらっとMadsの作品リストをみたら、彼と共演しているのがまだあるようなので嬉しいな。canned_catさんのレビューも楽しみにしています^^
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< The Salvation (... Downton Abbey f... >>