Grand Budapest Hotel (グランド・ブダペスト・ホテル)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (72点)

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【あらすじ】 ヨーロッパ大陸の東端、旧ズブロフカ共和国の国民的大作家(Tom Wilkinson)が語り始めたのは、ゴージャスでミステリアスな物語だった。1932年、品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのM. Gustave(Ralph Fiennes)は、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。しかし常連客のMadame D.(Tilda Swinton)が殺されたことで莫大な遺産争いに巻き込まれてしまう。Gustaveは信頼するベルボーイのZero(Tony Revolori)と一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡る。(作品の詳細はこちら


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一応ストーリーはあるんだけど、むしろそのストーリーを彩るシーンの美しさや面白さや滑稽さやナンセンスに比重が置かれ、クスッとしたり爆笑したり突込みを入れたりする、そんな楽しみ方ができる作品だ。でもWes Anderson監督の独特の世界には、なかなかすんなり入って行けないところがある。大胆にカリカチュアされた登場人物が漫画のようなおとぎ話のような舞台で暮らしているところへ、突然深刻で重苦しい現実や過去の歴史(本作品では遺産相続やファシスト)が踏み込んでくる。かと思えば一発ギャグ的なコネタが、脈絡なくぽつんぽつんと打ち上げられたりする。これが面白いと思う瞬間もあれば、「それが何なの?」と突っ込みたくなるコトもあるのだ。

向こう(作品)が深刻だから、私も真面目に考えてみようと膝を正すと、向こうは「なーんちゃって…」とはぐらかす。それで私が「なんだ、からかわれたのか」と軽く受け流そうとすると、「あ、でも、実はね」と向こうが低い声で告白し始める。落ち着かないったらありゃしないというのが、この作品を観終わった直後の正直な感想。私の中の感情スイッチが、うまく対応できないってことか。


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Tilda Swintonの奇抜なメイクや役柄にピッタリのAdrien Brodyや、胡散臭そうなMathieu Amalric、そしてイカれたWillem DafoeをRalph FiennesとTony Revoloriがソリで追いかけるナンセンスなシーンに笑い、ファシストの登場には暗澹たる思いに包まれ、遺産相続の展開や脱獄シーンにドキドキ・ハラハラする。

その一方で、Saoirse Ronanが作る可愛らしいお菓子(おいしそう)やおとぎ話に出てくるようなグランド・ブダペスト・ホテルの外観、そして地上とホテルを結ぶケーブルカーなど、オモチャ箱を開けたようなシーンに胸をときめかせる。1つの作品で、喜怒哀楽の感情を目まぐるしく忙しく味わった。


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by amore_spacey | 2015-01-24 00:04 | - Other film | Comments(0)
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