Il giovane favoloso (Leopardi)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 Marche州の小さな町Recanatiの伯爵家に、3人兄弟の長男として生まれたGiacomo Leopard(Elio Germano)は、厳格で教育熱心な父親と信心深いが子どもへの愛情の薄い母親に育てられる。しかし窮屈で閉塞した家庭は牢獄でしかなく、24歳のとき自由を求めて保守的なRecanatiの町を飛び出した。
  あちこち転々としたが、Firenzeで生涯の友となるNapoli出身のAntonio Ranieri(Michele Riondino)と出会う。その後Romaに居を移すが、持病の脊椎カリエスが悪化し、日常生活にも支障が出てきたため、気候のよいAntonioの故郷Napoliに移り、Antonioの妹Paolina(Federica De Cola)と3人で暮らすようになった。思想家・哲学者としても知られる、19世紀前半のイタリア文学を代表する詩人Giacomo Leopardi(1798-1837)の半生を描く。(作品の詳細はこちら


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Leopardiといえば、Alessando Manzoniと共にイタリア人なら知らない人はいない。この偉大な詩人をElio Germano演じると聞いて、「イケメンな若手役者が、脊椎カリエスで背中が醜く曲がったせむし男をやるなんて、こりゃまた意表をついた挑戦(抜擢)だな」と思った。身体にハンディのある難しい役どころはマスコミ受けが良いし、人々の関心を集めやすいからね。本作品はそれにとどまらず、監督やElioの作り上げたLeopardi像がきちんと描かれていた。偏屈で変わり者でせむし男という不幸なレッテルを貼られた詩人に、労わりと尊敬を込めた暖かいまなざしをそそぎ、天才詩人もまた苦悩を抱えた一人の人間であったという解釈に親近感が湧いた。余韻に浸りながら、娘の教科書を借りて、Leopardiの詩篇を読んでみたわ~♪


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育った家庭環境や思うようにならない身体に因るところが大きいとは言え、天才にありがちな凸凹の多いかなり歪(いびつ)な側面が、Leopardiにもあった。子供のように傷つきやすく純心であり、頑固で気難しく僻(ひが)みっぽい。女性や恋愛には臆病&晩熟(おくて)で、告白なんてとんでもない!好きな女性を遠くから眺めるだけで、ボクは満足なんです(*^^*)


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と言いながら、官能的な人妻Fanny(Anna Mouglalis)を巡って、男前な友人Antonio Ranieriに嫉妬を隠そうともしない。また自分を支持しない文壇仲間に議論をふっかけて、ますます村八分にされる。父親の前では、熱く激しくたぎる思いを心の奥底に押し込め、平静で従順な息子を装う。そんな静&動の対比や心の濃淡をElioが演じると、心憎いまでに上手いのね。どんなに偏屈でも変わり者でも、Elioなら許せるわぁ。舞台劇的な演出のお陰で、成熟したElioの魅力を堪能できた。映像がこれまた素晴らしく、台詞はなくとも映像が語っていた。


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この作品は色んな意味で、太っ腹&大盤振る舞いだ。まずRecanatiに残るLeopardiの生家が、ロケ地として使われている。床から天井まで書物がぎっしり詰まった、図書館のような館。また彼の代表的な詩篇が随所に登場するので、イタリア文学通やLeopardiファンにはたまらない。ところで、、、下世話なことなんだけど、Anna Mouglalisが残念な老け方で、大ショックです。考えてみれば、あれから9年経ってるもんなぁ。って、自分はどーなの?


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by amore_spacey | 2015-02-26 04:28 | - Italian film | Comments(2)
Commented by 松たけ子 at 2015-03-01 22:49 x
amoreさん、こんばんは!
エリオ~!私も大好きです!でも、出演作が日本では全然公開されません~(涙)。
この映画のエリオも、イケメンぶり、演技力の高さを遺憾なく発揮してるみたいですね!ダニエル・デイ・ルイスの「マイ・レフト・フット」や、今年エディ・レッドメインがオスカーを獲った「博士と彼女のセオリー」とか、演技に自信ありな男前俳優のイケメン崩し的な熱演、好きなんですよね~。逆に、美人女優の美貌崩し熱演は苦手です。
美しい女優の老けは、ほんとにショックで残酷!松嶋7子も竹内U子も、ビツクリするぐらいオバハンになってますしね~…って、他人のこととやかく言える私じゃないんですけどぉ~♪
Commented by amore_spacey at 2015-03-06 00:04
☆ 松たけ子さんへ。
男前俳優のイケメン崩し的な役柄への挑戦、私もなにげに好きだったりします。賞を狙ったとしか思えない?美人女優の美貌崩し熱演は、うんざりだけど。本作品を観ていて、Elioって声もいいなと思いました。甲高すぎず低すぎず、耳に心地よい声でモノローグや詩篇を朗読したり話したりしてくれる。詩人Leopardiもなかなかイケメンだったようですが、気難しくて頑固な性格が災いして、生前はあまりいい評判がなかったみたい。Elioや監督のお陰で、気難しさの奥に隠された、Leopardiのポジティブな面が引き出されました。
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