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異邦人 (Lo straniero)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 平凡な会社員Arthur Meursault(Marcello Mastroianni)のもとに、養老院に預けていた母の死の知らせが届いた。葬儀で涙も流さない彼は、翌日、元同僚のMarie Cardona(Anna Karina)とコメディ映画を観に行き、そのまま夜を共にした。そんな彼は「太陽がまぶしかったから」という理由で、人を撃ち殺してしまい、断頭台による死刑を宣告される。Albert Camusの小説『異邦人』を映画化。(作品の詳細はこちら


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原作を読んだのは遠い昔のことで、詳細は忘れてしまったが、あまりにも有名な「きょう、ママンが死んだ。」「太陽がまぶしかったから。」は、覚えている。そして作品を観ているうちに、細部を思い出してきた。真夏のぎらぎらした太陽や蜃気楼のみえる町やよどんだ空気。全体に流れる虚無感や無関心や不条理。もうひたすらだるくて、人生どーでもよくなる。投げやりになっちゃいますね。


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母の死も恋人の存在もアパートの住人も友だちも、Meursaultにとっては全てが虚しい。そういう感覚は分からないでもないが、にしても現実味の薄い人だ。食べるコトや呼吸するコトすら、面倒な人なのかもしれない。殺人理由を聞かれて、「太陽がまぶしかったから」なんてシレッと答える彼が、唯一声を荒げたのは、死刑前夜のムショの中。「神の言葉が一体なんなのだ!母の死が、アラビア人の死が、一体なんなのだろう?いつかは誰れもが死ぬんだ!」って、それ言っちゃお終いだ。これじゃ、身も蓋もないです。


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そんな訳の分からんMeursaultを演じたMastroianni。女たらしでちょっぴりお調子者のヤサ男のイメージが拭いきれないため、最初から最後まで違和感がつきまとって、作品に入り込めなかった。若い頃のJean-Louis TrintignantやMontgomery Cliftにやらせたら、もう少し説得力があった気がします。ところで、当時の男性用水着(上下つなぎ型)が、かなり可愛いというか衝撃的です(爆) これを着ると男前のMastroianniも、あちゃーーっ、子どもみたい。


by amore_spacey | 2015-04-09 02:46 | ┗ L. Visconti | Comments(0)
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