人気ブログランキング | 話題のタグを見る

戦場のメリークリスマス (Merry Christmas Mr. Lawrence)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

戦場のメリークリスマス (Merry Christmas Mr. Lawrence)_e0059574_1372793.jpg
【あらすじ】 1942年、ジャワ山中にある、600名を収容する日本軍俘虜収容所には、厳格で規律を重んじる、所長のヨノイ大尉(坂本龍一)の管理下、武士道の精神に生きるハラ軍曹(ビートたけし)や、彼が信頼を寄せる俘虜の英国軍中佐Lawrence(Tom Conti)がいた。
 そんなある日、反抗的なJack Celliers(David Bowie)が、収容所に送られてくる。しかし過ぎ行く日々の中で、ヨノイは次第にCelliersの言動に心を奪われていくのだった。(作品の詳細はこちら


戦場のメリークリスマス (Merry Christmas Mr. Lawrence)_e0059574_1373653.jpg
戦場のメリークリスマス (Merry Christmas Mr. Lawrence)_e0059574_1374715.jpg
戦場のメリークリスマス (Merry Christmas Mr. Lawrence)_e0059574_138274.jpg
戦場のメリークリスマス (Merry Christmas Mr. Lawrence)_e0059574_1381369.jpg
公開から33年も経っているなんて、信じられない。そんな昔の作品をなんでまた観たかというと、Bowie一人祭りをやりたかったからなんです。この作品には、戦闘シーンや女性などは出てこない。ハラとLawrenceの奇妙な友情関係、ヨノイとCelliersの淡い同性愛的な関係、この2つを軸にストーリーが展開していくのです。

ハラもLawrenceも、生身の人間らしさを感じさせる。終戦後、ハラが敗戦国の死刑囚となったけれど、立場が逆転しても、彼らの間には敵味方をこえた人間愛があった。人間同士なんだもん、戦時下で敵味方に分かれていたとはいえ、共感できることがあれば、一緒に笑ったり、そこに友情らしきものが芽生えても、何ら不思議はない。それにしても、ビートたけしが地のままで、面白すぎます。ロケの休憩中に、たけちゃんマンとか「コマネチー!」とか、やってそう。


戦場のメリークリスマス (Merry Christmas Mr. Lawrence)_e0059574_1382451.jpg
戦場のメリークリスマス (Merry Christmas Mr. Lawrence)_e0059574_1383482.jpg
戦場のメリークリスマス (Merry Christmas Mr. Lawrence)_e0059574_1384644.jpg
Celliersの美しさに魅了されたヨノイは、何かにつけCelliersに寛大になる。そんなヨノイの気持ちを見透かしてなのか?いつもの反抗的な態度の延長上にあったのか?Celliersはヨノイの頬にキスをする、という暴挙に出る。ほんの一瞬のシーンなのに、何だろう、あの衝撃は!当時BLシーンは、竹宮恵子の漫画ぐらいしか知らず、大スクリーンにいきなりこんなシーンが出てきて、頭の中は真っ白、心はドキドキ&ざわざわ。軍事裁判でCelliersが服を脱いで背中を見せるシーンも、官能的でした。


戦場のメリークリスマス (Merry Christmas Mr. Lawrence)_e0059574_1385815.jpg
大島監督は、人間の相容れない感情にも、光を当てている。ヨノイはCelliersの美しさに惹かれながらも、規律を守らない彼に憎悪の念を抱くが、実は自由奔放なCelliersが、羨ましかったのかもしれない。軍人という立場上、ハラは武士道を重んじつつ、個人的には欧州の思想や人に惹かれる。自由奔放に見えるCellieresも、学生時代いじめにあった弟を助けなかったことが、心のシコリとなって、ずっと罪の意識に苛まれている。

誰もが様々な感情を抱えて生きている。それをなかったことにすれば楽だけど、そう簡単にはできない。だから色々と面倒くさいのです。


by amore_spacey | 2016-07-17 01:41 | Japanese film | Comments(2)
Commented by koharu07028 at 2016-09-05 21:46
こんばんは。
私のブログに「イイネ」していただきありがとうございました。
たくさんの映画について綴られていて、すごくうれしいです。
ゆっくり拝見させてくださいね。

「戦場のメリークリスマス」、新宿でロードショーを見に行って
すごくドキドキしたことを思い出しました。
あのメロディーが映画館全体で鳴り響いたときは圧巻でした。
当時、竹宮恵子さんの漫画も大好きでしたので、うれしくてコメントした次第です。

また遊びに来ますのでよろしくお願いします(^^)
Commented by amore_spacey at 2016-09-09 01:03
☆ koharu07028さんへ。
いらっしゃいませ~♪&初コメありがとうございます。
映画やTVドラマって、観なくてもどーってことないものですが、観始めるとハマってしまって、なかなか抜け出せないアリ地獄みたいなものですね。

実はこの作品、ロードショーを逃してしまって、何年か経ってから観たように記憶しています。音楽や映像やボウイや坂本龍一の官能的な美しさにドキドキしました。ビートたけしは、地のままって感じですね(笑)

またお時間のあるときに、ぜひお立ち寄り下さいね。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< めぐり逢わせのお弁当 (Dab... 猫侍 シーズン2 >>