愛のために戦地へ (In guerra per amore) 

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (74点)

e0059574_185124.jpg
【あらすじ】 戦時中の1943年。ニューヨークのレストランで働くパレルモ出身のArturo(Pif)は、店のオーナーの姪Flora(Miriam Leone)と愛し合っている。だがFloraは在米マフィアの大物の一味の若い男と結婚を強いられている。愛し合う2人の結婚を可能にするのは、彼女の父親だけ。そこでArturoは、シチリアに住むFloraの父から、結婚の許可を得るため、シチリアに上陸しようと画策する米軍に入隊し、シチリアに赴任する。ところが米軍はシチリア占領をスムーズに進めるため、地元のマフィアと密約を結んでいたのだった。(作品の詳細はこちら


e0059574_161150.jpg
ArturoとFloraのラブストーリーに、マフィアをめぐる激動のイタリア近現代史を絡め、アメリカ軍のシチリア上陸がもたらした影響にも触れている。

とても真面目で誠実なんだけど、どこか抜けていて今一つ頼りなさそうなArturoを見ていると、まどろっこしくやきもきして、「大丈夫か?」「頑張れよ!」と、つい応援したくなる。コメディ路線を貫きながらも、彼を取り巻くコミカルな空気の端々から、当時の不安定な国情(イタリアは、色んな意味でいつも不安定ですが)やシチリアの暮らしやマフィア・米軍・市民の関係が垣間見えてくる。


e0059574_164576.jpg
マフィアの存在は、あくまでも脇役に過ぎない。アイロニーを込めた目線で捉え、マフィアの滑稽な道化師っぷりは、乾いた笑いを誘う。が、この道化師たちは、うまく立ち回って政治家と癒着し、じわじわとシチリアに根を張っていくのだ。そういった土壌にストーリーが展開していくので、口当たりの良いラブコメとは若干異なっている。ただマフィアの暗部に深く切り込んだ訳ではないので、ぽーんと問題提起はされたものの、「で?」と、もやもやが残るのは否めない。ま、娯楽作品としてなら重すぎず、これくらいがちょうどいいのだろう。


e0059574_17064.jpg
e0059574_171384.jpg
史実とフィクションの絡ませ方がうまく、また視聴者を笑いに誘いながら、シチリアのマフィア問題にさりげなく触れる手法は、コメディ出身のPif監督らしい。目の見えない男と足の悪い男のコソ泥コンビや、空襲警報のたびにマリア像やムッソリーニ像を抱えて逃げる人々など、脇役たちが個性的で愉快だ。Philip中尉(Andrea Di Stefano)がまるでArturoの兄貴のような2人の関係が微笑ましく、彼らの友情は心温まるものだった。  


[PR]
by amore_spacey | 2017-05-12 01:14 | - Italian film | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< 永い言い訳 ラッキー・ブレイク (Luck... >>