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昼顔 (Belle de jour)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 Séverine(Catherine Deneuve)と若い外科医Pierre(Jean Sorel)は、仲の良い幸せそのものの若夫婦だ。しかし幼い頃、野卑な鉛管工に抱きすくめられたことのあるSeveineは、それがトラウマとなって不感症になり、Pierreとベッドを共にできない。が、その一方でしばしば、淫らな妄想に駆られる。
 ある時彼女は友人のRenee(Macha Méril)から、良家の夫人たちが、夫には内証で売春をしているという話を聞き、大きな衝撃を受ける。しかし意を決してその高級娼館を訪れたSéverineは、女主人Anais(Geneviève Page)から「昼顔」という源氏名をもらった。こうして貞淑な妻だった彼女は、昼間だけ娼婦として欲望に身をまかせるようになる。第28回ヴェネツィア国際映画祭で、金獅子賞を受賞。(作品の詳細はこちら


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シャンシャンシャンシャンと鈴を鳴らした馬車が、夫婦を乗せて森の小径を走ってくる。執拗なこの音がサンタクロースを乗せたソリのようで、冒頭から大爆笑してしまった。そして真っ赤なコートを着たDeneuveがアップになる。ポーセリンのような肌に美しいブロンドの髪。清楚で気品に満ちた振る舞い。このとき23歳。彼女の美しさの前では、全てが色褪せる。何不自由なく大切に育てられ、殆どの男性にとっては高嶺の花のような存在。フランスのGrace Kellyだ。


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しかしだからこそ、手の届かない女を、卑猥な言葉で蔑(さげす)んでみたい。縄で縛り上げムチを打ち付けて、悶(もだ)え苦しむ姿を見てみたい。というサディスティックな感情も芽生えてくる。貞淑な妻Séverineの淫らな妄想ということになっているが、実は若くて美しいDeneuveを、傷つけ痛めつけてみたいという監督の欲望が抑え切れず、映像化したんじゃないか?と勘繰ってしまう。女性も想像力に富んでいるから、色々と妄想するが、これは男性の目線で描かれた作品に違いない。とにかく、監督業って美味しすぎるわ、うふふっ。


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客としてくるのが、風変わりな男ばかり。美しく清楚なDeneuveだからこそ、変な男たちに弄(もてあそ)ばれるエピソードは、より官能的で男たちの妄想を膨らませるのにうってつけなのだ。現実と妄想の世界を行き来しているかのようにみえるが、実は最初から最後まで監督(=世の中の大部分の男性)の妄想だったのかもね。しかしDeneuveは、こんな役をよく引き受けたものです。脚本を何度か読むうちに、彼女の中に潜んでいたMな部分が刺激されて、演じてみたくなったのかしら?何だこりゃ?なシーンがてんこ盛りで、面白おかしく楽しめました。また当時流行ったサンローランの服を纏い、色々なヘアスタイルのDeneuveを堪能できたのも、目の保養になりました。


by amore_spacey | 2017-09-18 01:29 | - Other film | Comments(2)
Commented by petapeta_adeliae at 2017-09-20 01:01
ドヌープって演技が出来て、歌も歌えて、何で出来るなんて
生まれながらの才能なんですね。
昼顔はストーリーよりファッションが気になってました。

ラ・ロシェルに行った時に「ロシュホールの恋人たち」の
舞台に連れて行かれたのですが、その映画のことを
全く知らずにいて、帰宅してすぐに有料放送で見て、
双子の相手役がドヌーブの姉だったことを知りました。
モノクロだったらどっちかわからなかったかも。
Commented by amore_spacey at 2017-09-20 23:49
☆ ソーニャさんへ。
歌って踊って演技も出来るなんて、やはりタダの女優ではありませんね。私も衣装やヘアスタイルにばかり目がいって、ストーリーは手薄になってしまいました。それにしても、妄想がてんこもりで笑っちゃいますね。『ロシュホールの恋人たち』のタイトルは忘れていましたが、お姉さんと共演したこの作品は、モノクロだったら、見分けがつかないくらいそっくりですよね。交通事故で25歳で亡くなったなんて・・・。
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