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気ままに生きて (Anche libero va bene)

私のお気に入り度 ★★★★☆(86点)
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【あらすじ】 11才の少年Tommi(Alessandro Morace)は、TVのフリー・カメラマンの父Renato (Kim Rossi Stuart)と姉Viola(Marta Nobili)の3人暮らし。普段は優しいが、仕事が上手くいかない父は時々癇癪を起こす。そこへ音信不通だった母Stefania(Barbora Bobulova)が、姿を現した。彼女は過去にも突然帰ってきたかと思えば、また行方知れずになったりしたことが何度もあり、全くつかみどころがない。
 母の帰宅に姉は大喜びするが、成長期で多感なTommiは、母に強い不信感を募らせる。それと同時に、今まで描いていた頼り甲斐のある父親像が、ガラガラと崩れ落ちていくのだった。(作品の詳細はこちら


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Kim Rossi Stuartの初監督作品。完成を目前にした昨年12月に彼は交通事故に遭い、入院&手術を余儀なくされました。自宅療養中は映写機を持ち込んで、フィルム編集と最後の仕上げに没頭したという。主人公の少年役を見つけるために、Kim自身がローマの公園や中学を歩き回ったのだそうです。


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パパの仕事は不定期で収入も少なく、そこそこの暮らしではあるが、3人が力を合わせて何とか楽しく毎日を送っている。


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そこへまた突然ママが帰ってくる。父子家庭で3人の歯車がうまくかみ合う頃に、いつも母親が乱入して家族のバランスが崩れる。「今までのことは許して欲しい。私が家庭のことは何でもやるから。あなたたちなしでは生きていけないのよ~」 Renatoの足元で泣き崩れる。何度も繰り返されたシーン。


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ママにはうちにいて欲しいViola、頑張っているパパを気遣い、素直にママが好きになれないTommi。


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妻に振り回され、ほとほと愛想をつかしたRenato。気が短く頑固で思い込みが激しい性格が災いして、せっかく手にした仕事もボツになる。家計はますます苦しくなり、彼の気持ちはどんどん荒(すさ)んでいく。そんな父を間近に見ながら、Tommi少年の心に変化があらわれる。イライラする父と気性の激しい母に挟まれ、居場所のないTommiは、少しずつ孤独と向き合う術を学んでいく。


「人間形成の上で思春期に子どもたちが体験するものは、良かれ悪しかれその後もずっと引きずっていくことになる。人生の上で要になる時期。ガラス細工のような壊れやすい家庭を舞台に、そんな家庭環境に育つ少年の目から見た、親や家庭や自分の世界といったものを描きたかった」 というKim新監督のコメントです。が、場面のつなぎ方やストーリー展開には、かなり唐突で無理があったかもしれません。人生に絶望した夫が、八つ当たりで吠えまくるシーンだけが、やけに心に残っています。


《気になったシーン》
①大きめのTシャツにTバック?のキムがアイロンをかけている。おしりが見えそうで見えない…。②トミーは朝食をとらないで中学に行くんだけど、ちゃんと朝ご飯を食べていこうよ。③ひょっとするとキム自身も気が短くて、普段から荒っぽく罵り言葉を口にしているかも。ま、イタリア人ですから。④トミー少年が心を寄せる同級生の女の子の教科書に、「好きだよ」と書いた紙切れをはさむ。うふっ♡ ⑤屋根の上にあるトミー少年の秘密基地。ここが彼の心を癒してくれる唯一の場所。⑥〆はヒゲ大魔王のキム様。


by amore_spacey | 2006-05-10 20:53 | - Italian film | Comments(10)
Commented by マヤ at 2006-05-17 11:40 x
いやあ、まるでもう観たような錯覚に陥ってしまいました(笑)、ありがとうございます。
ブログにリンクを貼らせていただきたいのですがよろしいでしょうか?それに実はわたし、ケビン・スペイシー大好きなんですよー。ケビンとキムに何か共通点があるのでしょうか・・・
それも嬉しかったのです~。
Commented by amore_spacey at 2006-05-17 21:27
♡ マヤさんへ。
リンクの件、OKです。こちらにも貼らせて下さいね。

ケヴィとキムの共通点は、
名前がKで始まる・舞台出身・スレンダーでタイトな身体・知的で
頭の回転が素早い・瞳がとてもきれい・仕事に情熱的…
もっとあるはずなのですが、とりあえず思いつくままに(*^^*)
今年もロンドンでケヴィの舞台が上演されるので、秋に行って参ります。
もうケヴィなしでは生きていけない私。
Commented by マヤ at 2006-05-20 23:08 x
キムがカンヌに行ったようですね。その記事の中に参考ブログとして紹介させていただきました。

さて、・スレンダーでタイトな身体・知的で、
これ、キム様はいいのですけど、ケヴィにはブーイングな人が結構いるのではないでしょうか(笑)

ええ、でも大好きですよ、ケヴィン。
ビヨンド・ザ・シーのヅラネタも自分をパロディにしてて、ファンにはたまりませんでしたね。いいなあ、ロンドンに舞台・・・
Commented by amore_spacey at 2006-05-22 20:21
♡ マヤさんへ。
な、なんでじゃ?
ケヴィもスレンダーでタイトで知的ですよぉぉぉぉぉ!
異議ありです?
今日からロンドン舞台のチケット、一般販売スタートなり~♪^^
Commented by マヤ at 2006-05-25 10:40 x
ケヴィさんは、日本にまだ一度も来てくれてないので、私にとっては未知の部分が多い人なのですよー。
知的には100%賛同いたしますです。
会話をするには、キムよりも楽しそうですもんねって、よく知らんけど。

ああ、いいなあロンドン舞台・・・
Commented by amore_spacey at 2006-05-26 21:13
♡ マヤさんへ。
そうなんですよね、いつになったら来日してくれるのでしょう?
イタリアにも来て下さいねって、ファンレターに書いたのだけれど
ケヴィはちゃんと読んでくれたかな? 彼と一緒にお話したら
鋭い突っ込みされそうで、ちょっとコワイ…(^^ゞ
Commented by マダムS at 2006-06-09 10:57 x
コメントと記事のご紹介有難うございまーす♪
実はマヤさんの所に時々お邪魔しているので、こちらの記事もこっそ~りチェックさせて頂いてましたぁ~(笑)
キムキムはなかなか多才ですね~監督業にも進出ですか・・この作品も日本で公開するでしょうかっ 「家の鍵」で私のように注目したファンもいると思うのでいい作品ならば・・(怪)
昔むかし、マストロヤンニとS・ローレンの映画などは大声で吼えまくる男女がしょっちゅう出てくるので(あの「ひまわり」でさえ)、イタリア人の気質なのか~?などと思っておりましたよ(笑)
アモーレさんはきっと穏やかなご主人さまと一緒なのかしらん?うふふ。
来月の初めにイタリアに観光で行く事になりました。 ツアーですが、ミラノーヴェネツィアーボローニャーフィレンツェーローマーナポリと回ります。 モデナってどこかしらって地図を探してしまいましたよー♪近くを通過しますのでよろしく~~~!
Commented by amore_spacey at 2006-06-09 19:07
♡ マダムSさんへ。
そう言えばどこかでお見掛けしたことがあると思ったのです。
個人的にはこの作品は何だかなぁ?でしたが、カンヌ映画祭での
映画関係者の間での評判はとってもよかったようですよ。
来年の東京イタリア映画祭できっと公開されると思います(^^)

わぁ、こちらにいらっしゃるのですね。
モデナはボローニャの隣のちっこい田舎街です。
ボローニャに着いたら、大声で叫んで下さいね~♪
Commented by マダムS at 2007-05-13 09:39 x
なんだかしょっちゅうお邪魔してます(笑)
こんにちは! この作品の記事へもどうしてもお邪魔しなくちゃでした!
アモーレさんともこれがご縁(家の鍵絡み)でお知り合いになれたのでしたっけ・・(^^;)
もう一年前になるんですね~~
で、アモーレさんの予想通り、お陰様でイタリア映画祭でこれを鑑賞出来て良かったです。
結論から言うと、私はとってもツボな作品でした。イタリアやフランスでは評価も高かったようですね?嬉しいです。ところが日本では結局買い手が付かなかったようで、一般公開は見込めないしで、洋書専門店でDVDを購入してしまいました~~(高かった&この英語字幕のはしょり様は何!?Σ( ̄ロ ̄lll)) 
上映当日のQ&Aでも会場からあまり良い質問も出ず(私がもっと勇気があれば!) キムさまガッカリされたかも?と思うと気の毒で。。
キム様の オ○リ&オ○ラを味わえる映画なんて他にそうそうはないと思いますけど(爆) 不安定な家庭の子供たちの気持ちが実に良く表現出来ていて驚きです。 監督としてもこれから頑張って欲しいですねー!
Commented by amore_spacey at 2007-05-16 00:18
♡ マダムSさんへ
いつでもお気軽にいらして下さいね。
出不精の私はここでお待ちしておりますので…。 笑

わぁぁぁ、DVDも購入されたのですね。
これで何回も堪能できますね。私はこの作品は、キムもよかったけれど
あの少年に惹かれました。涼しげな眼差しの下に隠された怒りや
哀しみ。「ママ~!!!!!!」 心を開いて素直にママに甘えることが
できない複雑な心模様と不器用さに、私がハグしてあげたく
なりましたよ~♪ 

やっぱり見えましたよね、キム様のきりっとひきしまったお○り(^^)
ママ役のBarbora Bobulovaは、あちこちで見かけるのですが
カメレオンのように変わりますね。髪形や色をちょっと変えるだけで
同一人物だとはすぐには分からない。不思議な人だ~。
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