Quando sei nato, non puoi piu' nasconderti (13歳の夏に僕は生まれた)

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

ネタばれあり。 

e0059574_21495899.jpg
北イタリアの街ブレーシャの裕福な家庭に育った少年サンドロ。13歳の夏、彼&父親&父の友人の3人で地中海クルージングに出かけたが、誤って真夜中の海に転落してしまう。父親の必死の捜索もむなしく、サンドロを見つけ出すことはできなかった。
幸運にもサンドロは通りかかった密航船に乗船していた難民の一人ルーマニア人の少年に救出される。様々な国籍の難民がひしめき合うその船上で、彼はルーマニア人の少年ラドゥとその妹アリーナの助けを借りながらイタリアに帰り着き、難民センターに保護されて無事両親のもとに帰るのだが…。



e0059574_21503836.jpg
自分の命の恩人(=ラドゥとアリーナ)の力になりたい、何かしてあげたい(=彼らを養子にして欲しい)、という一途でくもりのないサンドロの強い願いも、世間体や建前と本音を使い分けるずるい大人(=父親)の前では無力でひ弱なものなのだ。



e0059574_2254313.jpg
父親(Alessio Boni)にしてみれば、死んだものと諦めていた息子が自分の元に戻ってきてくれた!その瞬間に彼は「全財産を投げ打ってでも、助けてくれた兄妹には何かしてやりたい。彼らの願いをかなえてやりたい。」と確かに思った。「息子さえいればそれでいい」と強く思ったのだ。
しかし悲しいかな、人の心は時間の経過とともに移り変わる。息子が家に戻り日常生活の中で冷静に考え直して見ると、「よかれと思い兄妹を家に引き取るつもりで招待してみれば、こそ泥のように家の物を盗んで夜逃げなんかする奴らだ。所詮難民なんてこんなものさ。面倒なことにはかかわりたくない。」
息子が難民の味方になればなるほど、父親は頑なに更に冷ややかになる。「お前には世の中の仕組みというものが、まだ分からないのだ。」

心に突き刺さるシーンがたくさんある中、父親が「ささやかなお礼に…」といって、息子を助けてくれた少年ラドゥの手に、何枚かのお札と自分の携帯電話をねじ込んで逃げるように立ち去る姿を見て、誠に嫌な気分になった。お礼と言うより、自分の気持ち(=助けてもらったという負い目)を納得させるためだけの行為だったのだから。私の中にある薄汚れたずるい部分を突きつけられたようで、苦い思いをしたシーンだった。



e0059574_21514039.jpg
一方妹アリーナを訪ねていったサンドロは、彼女の変貌と普通でない室内の様子から、彼女が娼婦をしながら生計を立てているであろうことを感じ取る。その時の絶望と幻滅と切ない思い。人を助けるということは、生半可な気持ちではできない。彼女の人生を丸ごと受け止められるほど、今の自分には力もお金もない。何もない。無力な自分しかいない。
13歳の夏にパンドラの箱を開けてしまった少年、「絶対に見てはなりませぬ」という開かずの間をこっそり覗き見してしまった少年は、もう後戻りできない。厳しい現実社会の中で、この先彼らはただ翻弄されるがままなのか?ラストシーンにはそんな問いかけともつかない余韻があった。



e0059574_21551879.jpg
いやん、Alessio Boni様ったらァ、最高によいですことョ(*^^*)
『La Meglio Gioventu' (輝ける青春)』では、世の中には白か黒しか存在しない、生き難い人間像を心に迫る演技で私のを鷲づかみ(^^)
そして今回のこの作品ではうってかわって、建前と本音をうまく使い分ける切れ者のエリートビジネスマンを、これまたしっくり馴染んだ仕草や表情で演じ、私のをまたもや奪ってくれたのでした~♪^^

製作国:Italy
製作年:2005年
監督:Marco Tullio Giordana
キャスト:Alessio Boni, Michela Cescon, Matteo Gadola, Rodolfo Corsato, Andrea Tidona, Adriana Asti ...
[PR]
by amore_spacey | 2007-09-03 21:56 | - Italian film | Comments(2)
Commented by マダムS at 2007-09-24 21:49 x
こんばんは~ トラコメ有難うございました~♪
こちらこそ すっかりご無沙汰しちゃって・・(^^;)
これ、良かったですよねぇ~ 劇場で一度観たきりですので、もう一回DVDで見直したいです。 私はあの父親にそんなに嫌な感じは持たなかったんですけど、それはアレッシオだったからかな?(爆) 日本ではまだまだ知名度が低いので彼の作品をまた劇場で観ることが出来るだろうか?わかりません(泣)
今週はトルナトーレの「題名のない子守唄」を観に行く予定ですよ~ん
amoreさんはご覧になっていらっしゃいましたかしらん?
Commented by amore_spacey at 2007-10-02 03:28
♡ マダムSさんへ。
このところ映画やDVDから遠ざかっていたので、そちらに伺うのが
本当に久し振りになってしまいました。

『輝ける青春』のアレッシオがあまりにも真っ直ぐで不器用な生き方だったので、今回の作品でどんな演技をするのか、とても楽しみでもあり、反面こわくもありました。そーなんですよね、アレッシオだったから嫌な感じはなかったけれど(^^)、大人の汚い部分が滲み出ていたなぁと。蟻地獄に嵌ったように、アレッシオの世界にズルズル引き込まれてま~す♡♡

トルナトーレ氏の作品は未見です。楽しみですね♪
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< Narcisista? (ナル... ケヴィ様、カプリ島へ! (Ke... >>