Umberto D (ウンベルト・D)

私のお気に入り度 ★★★★☆(88点)

ネタばれあり。


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Umberto Ferrari(Carlo Battisti)は約半世紀の間まじめで地味な官吏生活を送ったあげく、クビになった七十歳の老人である。今はわずかな恩給を頼りに愛犬Flickとアパート暮しだが、部屋代がたまって追いたてをくっている有様。アパートにはMaria(Maria-Pia Casilio)というやさしい娘が、意地の悪い女管理人(Lina Gennari)の小言をくらいながらもまめまめしく働いていた。つらい浮世を嘆く孤独な老人と娘は折にふれてなぐさめあった。



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とうとうアパートから追い出されたUmbertoは、せめて愛犬のために安らかな住いを見つけてやろうと足を棒にして探すが、この犬をかわいがって置いてくれそうなところはどこにもない。ぎりぎりまで追い詰められた彼は、愛犬と一緒に死のうと決心する。列車が近づいて来た。一瞬犬は大声で鳴き叫んだ。そして轟然とともに列車が通過して行った。Umbertoは残り少ない人生をこの犬と生きて行こうと決めた。何の希望もあてもなく辛いことに違いないが、一匹の犬が自分の命を救ってくれたのだ。老人は愛犬の名を呼び、道端の松ボックリを拾って遠くへ投げると、再び犬と連れ立って歩きはじめた。

絶望や現実を超えた飄々とした中に、じわりと哀愁が漂うCarlo Battistiの演技は素晴らしかった。ああいう押さえた演技が、いつまでも心に残るのだ。ワンコも可愛かったなぁ、うるうる。ご主人の命を救ったんだもの、あのワンコこそ忠犬でございます。このUmberto老人のような背中を見て育ったのが、Vittorio De Sicaなんですね。

製作国:Italy
初公開年:1952年
監督:Vittorio De Sica
キャスト:Carlo Battisti, Maria-Pia Casilio Lina Gennari, Ileana Simova, Elena Rea, Memmo Carotenuto ...
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by amore_spacey | 2009-02-14 23:27 | - Italian film | Comments(0)
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