おくりびと

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

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所属する東京のオーケストラが解散し職を失ったチェロ奏者の大悟(本木雅弘)は演奏家を続けることを諦め、妻の美香(広末涼子)を連れて故郷の山形に戻ってくる。早速求人広告で見つけたNKエージェントに面接に出かけ、その場で採用になるが、それは遺体を棺に納める納棺師という仕事だった。戸惑いながらも社長の佐々木(山崎努)に指導を受け、新人納棺師として働き始める大悟だったが、美香には冠婚葬祭関係の仕事に就いたとしか告げられずにいた。第32回モントリオール世界映画祭でグランプリを、第81回米アカデミー賞外国語映画賞をそれぞれ受賞する。



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薄化粧を施し、新しい着物を着せ愛用の品々を納めて、故人をあの世に送り出す。そこに納棺師という仕事があるとは知らなかった。自分の感情を押し殺し、茶道にも似た形の納棺師の淡々とした所作は、無駄な動きが無く実に美しいものだった。静謐(せいひつ)なる世界。20年以上も前に祖母を看取ったはずなのに、通夜から告別式までのことを断片的にしか覚えていないのはなぜだろう?

この作品の軸になっているのは、今でもややタブー視されている「死」。それを無闇に恐れたり美化するのではなく、日々の暮らしの中で誰もがいずれは迎えるものとして描いていた。人生の終わりではなく通過地点ととらえる。私もあなたも彼も彼女も何れは「死」を跨いで行くのである。恐れることはない。1人の死によって家族1人1人の捻じれた感情や滑稽さやその家庭の内情などが一気にあぶり出され、故人を含めた全てが非常に人間臭くさく、時にはユーモアに溢れたものになる。これこそが1人の人間が生きた証だろう。餓鬼の如く肉にむしゃぶりつく、あの姿は私たちなのである。命あるものを食べて、そしてそれをうまいと感じる、それが生きているということ。だから食事の前には両手を合わせ心を込めて「頂きます」と言っております。



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言葉で語り過ぎないのが何よりもよかった。台詞が心に沁み入る。喋りすぎるイタリア人よ、こういった日本人の美徳を見習いたまへ。大雑把に見える山崎努の振る舞いの中に、深い情愛を感じさせる演技力はさすがである。口や眉毛の動きで心情を語る本木雅弘には、かつての少年隊のモック~ン!なんて軽々しく呼べない貫禄があった。少年隊の頃からすっきいだったのよぉ、モックン(*^^*) ちょいとひねて擦れた余貴美子の雰囲気もよかねぇ。

あああぁぁ、しかし、しかし、広末涼子!あれ何とかなりませんか?彼女が女優なら私は天才女優よってなくらい演技がへたっ★ Jean Renoと共演した『WASABI』は、見ていて不快になるくらい下手くそだったし(あれは作品自体ひどかった。Jean Renoは猿芝居だった)、この作品のラストで石を互いに渡しながら納得顔で微笑むシーンに至っては、お手軽なTVドラマよりひどい、ひどすぎるっっ。あの石は広末の顔に投げつけるべきでありました。脚本まちがってますよ。だから私のお気に入り度が85点ぽっきりなのです。

製作国:Japan
初公開年:2008年
監督:滝田洋二郎
キャスト:本木雅弘, 広末涼子, 余貴美子, 杉本哲太, 吉行和子, 笹野高史, 山田辰夫, 峰岸徹, 山崎努 ...


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by amore_spacey | 2009-03-25 01:49 | - Japanese film | Comments(2)
Commented by s_fiorenzo at 2009-03-28 22:54
映画自体はまだ観ていないんですが、峰岸さんを授賞式に行かせてあげたかったです。
Commented by amore_spacey at 2009-03-29 17:57
☆ ACCOさんへ。
きっと空から峰岸さんもこの受賞を喜んでいらっしゃることでしょうね。

わたくし的には広末涼子の代わりに、実生活でも奥様である内田也哉子に
やらせたら、もう少し真実味のある話になったのでは?なんて思うの。
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