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2017年 02月 03日 ( 1 )

マダム・フローレンス!夢見るふたり (Florence Foster Jenkins) 

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 Florence Foster Jenkins(Meryl Streep)はニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、ソプラノ歌手を目指して活動しているが、その歌唱力は音痴というしかない絶望的なレベルだった。夫St Clair Bayfield(Hugh Grant)は、マスコミを買収したり、理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。そんな中Florenceが、カーネギーホールで歌いたいと言い始める。実話をもとに映画化。(作品の詳細はこちら


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予告編を観た時には、「音痴を自覚していない金持ちマダムの道楽?」で、スルーするつもりだったのに、Hugh Grantが気になって観てしまった。いやぁ、観てよかった。正解でした。冒頭からFlorenceが超音痴な声で歌うシーンに、なぁんだ、やっぱりドタバタコメディだったのかと脱力するやら、夫のSt ClairがFlorenceの邸宅から出て、タクシーで別の家に行くとKathleen(Rebecca Ferguson)という若い愛人がいるという展開に、「ぇえーーーっ、二股かけてる?(◎∇◎)」 状況が良く飲み込めず、これってHughお得意のパターン?彼って未だに90年代のラブコメ路線を引きずっているのかしらと、目眩がするやら…。

それは私の早合点で、事実婚の関係にあった2人は、音楽を通した人間愛によって固く結ばれていたのでした。最初の結婚で夫から移された梅毒は、当時不治の病とされ、Florenceは死に怯えなら生きてきた。治療の副作用で体力を失い、左手も不自由になってピアニストの夢を断念せざるを得なかった。そんな彼女を支えていたのは、幼い頃から愛してやまなかった音楽だった。音楽は彼女に生きる力を与えてくれたのだ。

さて夫のSt Clairはというと、妻が梅毒に罹っているため肉体関係が持てない。だから?妻に内緒で外に愛人をもつのだが、そういった事情であれば仕方がないのかも。ただどうして妻にあそこまで献身的だったのか、初めは不思議で仕方がなかった。遺産目当て?なんて邪推してしまうが、もう見た通りSt Clairは妻のことを心の底から愛していたのだ。

歌っている時の幸せに満ちた彼女の表情を見るのが大好きで、それがそのまま自分の幸せになった。世間知らずなところもあるが、無邪気で純真無垢な妻が、可愛くて愛しくて仕方がなかった。カーネギーホールで歌いたいという妻の夢も叶えてやりたい。Florenceには人をひきつける不思議な魅力があり、守ってやらねばという気持ちになる。だから彼女の歌声をバカにする奴らを見たとき、思わず頭に血が上り、詰め寄って食ってかかる。あのシーンはグッときました。夫を演じたHugh様ですが、56歳という年齢相応にしわが増え、笑うと顔中しわくちゃになっちゃうんだけど、いい感じに歳を取ったなぁと思います。相変わらず軽薄な雰囲気も残っていて、若い頃より断然好感度が高い。


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脇役たちも、芸達者が揃っていた。特にピアノ伴奏者Cosméを演じたSimon Helbergったら、もうお茶目で愛嬌たっぷりで、いちいち目が離せなかった。彼のボケや突っ込みが、そのまま私たち観客の目線で、「へっ?」とか「それ、マジっすか?」な表情や、その場の空気が読めず目が泳いでしまったりする、世間擦れしていないぎこちなさが、もうバカ受けでした。


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初めてFlorenceの声を聴き、あまりの酷さに堪(こら)え切れず爆笑するNina(Agnes Stark)。外に連れ出されたあとも床で笑い転げていたが(そこまで笑う?)、カーネギーホールでは嘲笑する兵士たちを叱責してFlorenceを励ますという、心温まるエピソードを残している。誰もが認める音痴だが、人の心をつかむ魅力的なFlorenceの歌声が、戦時下の人々にひとときの夢をもたらしてくれたに違いない。


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by amore_spacey | 2017-02-03 00:36 | - Other film | Comments(2)