2017年 06月 19日 ( 1 )

夏目漱石の妻 全4話

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 裕福な家庭で自由に育った鏡子(尾野真千子)が、19歳で金之助(漱石=長谷川博己)と見合いをし、一目惚れで結婚をしてから、金之助が英語研究のイギリス留学から帰国後、神経衰弱を患いながらも『吾輩は猫である』『坊っちゃん』などの小説を次々と発表、重度の胃潰瘍に苦しんだ晩年までの、鏡子と金之助の物語を描く。(作品の詳細はこちら


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ハセヒロ1人祭り。『セカンドバージン』で、初めて彼を観た時の第一印象は、品行方正で折り目正しい青年だけど、謎めいたストイックな色気がダダ漏れ。クールで人を寄せ付けないよそよそしさがあって、この人が切れたら相当コワいに違いない。でもそれが彼の持ち味で、きっと病みつきになる。これ、当たってます。彼の魅力にどんどんハマッているから。底なし沼かもしれない。

『地獄でなぜ悪い』の狂気に満ちたハセヒロや、このドラマの中で自分の夢を語る時の輝いた表情、心が平穏な時の静かな語り口や慇懃無礼な口調、偏屈で気難しく地雷がどこに潜んでいるのか(自分も他人も)分からない。こんな面倒くさいキャラの夏目漱石を演じたハセヒロ、そのどれも甲乙つけ難く、好きだ。


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共演者にも恵まれたと思う。妻・鏡子を演じたオノマチの演技には、はっと胸をつかれ、震えるほどの感動を覚えた。今流行(はやり)の大袈裟な顔芸ではなく、微妙な表情の変化で心の機微を映し出す。腹をくくった女は潔くて強い。でも夫にあそこまで邪険にされたら、寂しくて切なくて悲しいものなんです。この夫婦が醸し出す雰囲気に、私たちもうまく巻き込まれ、一緒に笑ったり泣いたり怒ったり悲しんだり。これぞ、映画やTVドラマの醍醐味です。義父を演じた竹中直人は、文句のつけようのない演技で、登場時間はわずかなのに、強烈な印象を残した。余談だけど、山高帽にマントの洋装というハセヒロが、Cumberbatch演じるSherlockに見えて仕方がない。


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さて今回特筆すべきは、舘ひろし。岩城滉一と一緒に統括していた、「クールス」の頃から知っている。が、格好つけたゴリラ顔のおっさん、でしかなかった彼が、えーっ、ちょっと、コレ、誰?何気に素敵なんですけど…。うまく歳を重ねると、内面からにじみ出てくるものがあるんでしょうか。貴族院議員時代のダンディな洋装、娘を思いやる父親や着物の佇まい、そして後ろ盾になっていた政治家の失脚により落ちぶれ、卑しさすら見え隠れする姿…。どのシーンも胸に迫ってきた。

近代日本文学史に残る偉人・夏目漱石が、このドラマによって、近所のおじさんや自分の父親のような身近な存在になり、今までとは違った視点で彼の作品を再読できる楽しみができました。


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by amore_spacey | 2017-06-19 02:58 | - Japanese film | Comments(0)