2017年 06月 28日 ( 1 )

イタリア式離婚狂想曲 (Divorzio all’italiana)

ネタばれあり

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 シチリアの没落貴族Ferdinando(Marcello Mastroianni)は、連れ添って12年になる妻Rosalia(Daniela Rocca)に飽き飽きし、彼女が何度も死ぬ妄想にかられる。その上17歳の従妹Angela(Stefania Sandrelli)と恋仲になるが、妻と死別するほか再婚の望みはない。しかしイタリアでは、離婚が認められていなかった。そこで不貞した妻を殺害しても刑が極端に軽いという法律を悪用し、Ferdinandoは妻をそそのかして不貞を働かせ、名誉のために殺害したことにしようと計画する。1962年度カンヌ映画祭で最優秀喜劇映画賞、1963年アカデミー賞で脚本賞、同年のGolden Globe賞で主演男優賞(Marcello)を受賞。(作品の詳細はこちら


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封建的な色彩の強いシチリアを舞台に、地方色豊かな人間模様が生き生きと描かれている。それにしても、当時世界中の女性をときめかせたMarcello Mascroianni、その彼がこんなクズ男を演じるなんて、ビックリ。そりゃ、17歳のAngelaを前に、気持ちが浮ついても仕方がない。若くて美しく可憐で純真無垢の少女なんだもん、男なら気持ちがムラムラするじゃないか。女の私でも、当時15歳のStefania Sandrelliの美しさには、ため息が出る。だけどいい歳した男なんだから、心の中でひっそり恋愛を楽しめばいいものを、Angelaと結婚するために殺人を計画してしまう。中年オヤジが暴走すると、最強無敵。四六時中、殺すことばかり考えている。本作品でイケメンMarcelloが、飄々とした3枚目キャラで、滑稽な姿を晒してくれる。


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まぁ、しかし、倦怠期の夫婦って、こんなもんでしょうか。妻(または夫)がどんなに甲斐甲斐しく仕えても、夜の寝室で可愛らしく甘えてみても、夫(または妻)にとってはただ鬱陶しいだけ。古女房の存在そのものが、腹立たしいのだ。なるほど妻を演じたDaniela Roccaには、圧倒的な存在感があって暑苦しい。決して悪い人ではないけれど、一本に繋がった眉毛や、ヅラのような髪型が重苦しく、Ferdinandoの気持ちが分からないでもない。が、それで殺人って…。


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彼らを取り巻く脇役も、ユニークなキャラが揃っている。絵描きCarmeloを演じたLeopoldo Triesteの、困惑した表情やオドオドぶりが、時代も国籍も全く違うのに、なぜか滝藤賢一を彷彿させる。Ferdinandoのパパも助平で、女中の尻を撫でたり、自宅の窓からAngelaを双眼鏡で見たり。男はいくつになっても男だ。それからこの家のやる気のない若い女中や、時代遅れの貞操観念をもったAngelaのパパ、ゴシップ大好きな村の人々など、誰もが主役のような濃いキャラで目が離せない。あのラストシーンに、ニヤリ( ̄ー ̄)


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by amore_spacey | 2017-06-28 00:17 | - Italian film | Comments(0)