2017年 09月 05日 ( 1 )

切腹

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

e0059574_130514.jpg
【あらすじ】 寛永七年十月、彦根藩井伊家の上屋敷に、津雲半四郎(仲代達矢)と名乗る浪人が現れ、「切腹のためお庭拝借」と申し出た。生活に困窮した浪人が「切腹する」と言っては、庭や玄関を汚されたくない人々から金品を巻き上げることが流行っており、家老の斎藤勘解由(さいとうかげゆ、三國錬太郎)は、数ヶ月前にやってきた千々岩求女(ちぢいわもとめ、石浜朗)という若い浪人の話を始めた。家老が切腹の場を設けてやると言い出すと、求女は狼狽したあげく、竹光で腹を切った上に舌を噛んで絶命したと。話を聞いた半四郎は、求女は自分の娘婿であることを告げた。1963年に第16回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞。


e0059574_13182.jpg
e0059574_1312271.jpg
e0059574_1313456.jpg
仲代達矢の1人祭り。仲代達矢が演じる津雲半四郎の、異様な落ち着きぶりや存在感。そして淡々とした彼の語り口や狂気と紙一重の眼差し。この男はいったい何者なんだ?もう彼から目が離せなくなってしまった。全く蟻地獄のように恐ろしい子です、仲代達矢という役者は。

領主に対し問答を始めるなど、身の程知らずと言える行為だが、恐ろしい子@仲代達矢は無礼を承知で、わが身を明かし、育て親として千々岩の無念の思いを汲んでやる。時おり不敵に笑う、謎めいたど迫力には、家老でなくともたじろいでしまう。しかしそこは井伊家の家老、内心の焦りなど微塵も見せず、堂々と渡り合っていく。先が読めない2人のやりとりの、この緊迫感が堪らない。まるでミステリーのような展開だ。


e0059574_1315225.jpg
e0059574_132665.jpg
e0059574_1321954.jpg
静かなシーンが淡々と進んでいくが、もちろん殺陣もある。特に仲代と丹波の一騎打ちは、カッコよく美しく、見ごたえ十分。ここからフィナーレに向かって、驚くべき展開が待っている。誰が正しいか?武士道とは何なのか?その答えには、各々のモラルや立場や考え方が、如実に反映されるだろうと思う。


e0059574_132333.jpg
当時29歳の仲代、あの老成した演技に深く感動した。彼の娘を演じた岩下志麻が、当時20歳。9歳しか違わない父娘なのに、全く違和感がなかった。いやはや、仲代様には恐れ入りました。


[PR]
by amore_spacey | 2017-09-05 01:35 | - Japanese film | Comments(0)