2017年 10月 22日 ( 1 )

終わりの感覚 (The sense of an ending)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

ネタバレあり?

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【あらすじ】 妻Margaret(Harriet Walter)と離婚したが、それなりに穏やかな引退生活を送る60代のTony(Jim Broadbent)のもとに、弁護士から手紙が届き、日記と500ポンドをTonyに遺したという女性の存在を知らされる。それは学生時代に恋人だったVeronica(Charlotte Rampling)の母親Sarah(Emily Mortimer)で、託された日記は、学生時代に自殺をしたAdrian(Joe Alwyn)のものだった。Tonyは記憶を懸命に探りつつ、かつての恋人を探しあてるが…。Julian Barnes原作の小説を映画化。(作品の詳細はこちら


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1通の手紙がTonyに届く。それを読んだ瞬間から、彼の穏やかな生活に遥か昔の学生時代の記憶が入り込んできて、何とも不思議な時間を過ごすことになる。すっかり忘れたはずの、しかし頭の片隅にこびりついていたあの事件。まさかこんな形で、過去を振り返ることになろうとは。本人が一番びっくりしたに違いない。

Tonyは何とかしてAdrianの日記を取り戻そうとするが、Veronicaがあれほどまで意固地になって拒否したり、当てつけのような冷たい態度をとったのは、納得がいかなかったが、観終わってから腑に落ちた。手紙を送った側は自分のやったことを憶えていないが、受け取った側は何年経っても憶えているものだから。


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元カノVeronicaと秀才Adrianが付き合っていると知り、Tonyは鬱憤をぶちまけた手紙を2人に送った。そのことを彼はきれいに忘れているが、巡り巡ってこの手紙がTonyに衝撃の真実をもたらす。因果応報。Veronicaに気づかれないように後をつけたことで、Tonyは想像もしていなかった真相に突き当たる。

障害のある青年。過去の記憶を照らし合わせていくと、この青年はVeronicaとAdrianの子ではないか?Tonyも視聴者もそう思う。それがごく自然な流れだと思うのだが、この真相に迫る展開は二転三転して、とてもスリリングだ。しかしこの真相には、うーん、ちょっと飛躍のし過ぎ?とも思ったが、まぁいいでしょう。


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若かりし頃のTonyを演じたBilly Howleが、いかにも正当な英国青年という風貌でハマリ役ですね。過去と現在のTonyを見ながら思うのは、彼が離婚に至ったのも、愛する人々に無関心な部分があるから?友人Adrianや元カノVeronicaへの仕打ちは酷いものだし、元妻や娘に対しても似たようなことがいくつもあったからに違いない。

それは冒頭に登場する、郵便配達の兄ちゃんとのやりとりからも分かる。しかしあんなにつっけんどんだったTonyが、フィナーレでは兄ちゃんにカフェをご馳走しちゃうんだから。一連の事件から、Tonyは自分という人間や人生の見え方が変わり、ほんの少し人間味が出てきたという訳だ。


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by amore_spacey | 2017-10-22 02:17 | - Other film | Comments(0)