カテゴリ:- Italian film( 246 )

Al di la delle Nuvole (愛のめぐりあい)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(70点)

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雲のなかを飛行機で旅する映画監督の私(John Malkovich)が、時にはナレーターになり、時には主役になって様々な愛の姿に出会う。4話からなるオムニバス映画。淡々と流れる美しい映像と俳優たち。それゆえ?ちょっとお洒落で詩的な作品に仕上がっているが、感動というものにやや欠けたかと。



e0059574_19583124.jpg【第1話 フェラーラ、存在しなかった愛の記録】
霧の立ち込めるフェラーラの街で、水力技師Silvano(Kim Rossi Stuart)とCarmen(Inés Sastre)が出会いと別れと再会。二人はお互いを求めつつも触れることはできない。彼はその後もずっと、この一度も自分のものとすることの無かった女を愛し続ける。
(Antonioni監督はフェッラーラ出身)

【第2話 ポルトフィーノ、女と犯罪】
父親を12回刺して殺害し、裁判で無罪になったというブティックで働く若い女性(Sophie Marceau)と私(John Malkovich)は、彼女の部屋で激しく抱き合う。

【第3話 パリ、私を探さないで】
アメリカ人の男(Peter Weller)にはアルコールに溺れる妻(Fanny Ardant)がいた。彼女は夫のイタリア出身の女(Chiara Caselli)との不実に耐えてきた。しかしもうどうにも我慢ができない。一人の新生活をスタートさせるべく…。

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【第4話 エクス・アン・プロヴァンス、死んだ瞬間(この泥の肉体)】
Niccolo青年(Vincent Perez)が青いコートの娘(Irène Jacob)を追うようにアパルトマンから出てくる。教会で祈りを捧げる彼女に惹かれる彼。が、娘は明日修道院に入る。

つい最近、大好きな乃南アサ氏の『涙』を再読。
こういう人生ってあるのだ。あって不思議はないのだ、と……。男が男であるためには、そうあらねばならないという、美学と弱さが……。追いかけて、追いかけて、未練ではなく、自分自身の納得のために、どうしても会わなければならない女の真実が……。
と、おすぎ氏が解説に書かれているようなこと、もっと生々しいものが、愛の水面下に隠されているのでは?と思う。それにしても、キム様、若いな~(*^^*)

製作国:Italy / France / Germany
製作年:1995年
監督:Michelangelo Antonioni, Wim Wenders
キャスト:Kim Rossi Stuart, Inés Sastre, John Malkovich, Sophie Marceau, Fanny Ardant, Chiara Caselli, Marcello Mastroianni, Jeanne Moreau...
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by amore_spacey | 2006-10-06 19:56 | - Italian film | Comments(2)

Festival di cinema (カンヌ映画祭)

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カンヌ映画祭では期待の呼び声の高かったキム・ロッシ・スチュワートの初監督作品『Anche libero va bene』が、5月20日に会場で上映されました。終了後、関係者の拍手喝采は5分以上続き、それが大きな波となってスタンディング・オヴェーションへ。思ってもみなかった会場の反応に、「いやぁぁ、正直言ってこれは予想もしていなかったのでびっくりだけれど、やはりとても嬉しいですね。」とキムの率直なコメント(^^) 彼のほかには、母親役のBarbora Bobulovaやトミー少年役のAlessandro Moraceが出席していました。詳細はこちら。なお『Anche libero va bene』の上映権はすでにフランスのMK2が獲得したので、フランスでは年内に11ヶ所で上映される予定です。

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キムの両親は彼が子どもの頃に離婚。日々絶えない彼らの激しい言い争いが、今も耳から離れない。ののしり合う二人の姿が脳裏から消えない。それを今も引きずっているし、この先もきっと忘れないだろう。自分の成長過程に及ぼした家庭環境、とくに親のあり方についてずっと考えていた。が、自叙伝としてではなく、また同情を買おうというつもりでもなく、あの頃の自分と同じ年頃の一人の少年を主人公にして、純粋に彼の心の動きを追ってみたかった。この映画はそんなキムの気持ちから生まれたものでした。そうすることで、あの頃の両親くらいの歳になったキムが、心の中で両親との和解を果たそうと、また子どもには理解できなかった両親の事情に近づこうと試みたのでしょう。

監督になったことに対して彼は、「ベニンニ監督の『Pinocchio』やプラチド監督の『Romanzo Criminale』に出演している頃から、カメラを通したシーンを常に頭に描いて演じていた。あの頃から監督をやってみたいと思うようになっていた。『Le chiave di casa(家の鍵)』のアメリオ監督には、本当にお世話になり、感謝しても仕切れないくらいである。特に監督への道を歩むに際して、あらゆる助言をくれ、そっと後押ししてくれた。」

さて次のキムの主演作は、38歳で自死したジャズのLuca Floresの半生を描いたもの。こちらも内面の葛藤にスポットをあてた作品で、キムは役作りに意欲的に取り組んでいるところだそうですョ(^^)
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by amore_spacey | 2006-05-22 20:02 | - Italian film | Comments(4)

Anche libero va bene (気ままに生きて)

私のお気に入り度 ★★★★☆(86点)

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キム・ロッシ・スチュワートの初監督作品。完成を目前にした昨年12月に彼は交通事故に遭い、入院&手術を余儀なくされました。自宅療養中は映写機を持ち込んで、フィルム編集と最後の仕上げに没頭したという。主人公のトミー少年役を見つけるために、キム自身がローマの公園や中学を歩き回ったのですョ。こだわりの人…です。


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11歳のトミー少年は、姉のヴィオラとTVのフリー・カメラマンのパパ・レナートとママ・ステファニアの4人家族。が、今まで何度もふらっと家を出てはそのまま行方不明になり、気が向けばふっと帰ってくるような自分勝手なママは、いないも同然。パパの仕事は不定期で収入も少なく、そこそこの暮らしではあるが、3人力を合わせて何とか楽しく毎日を送っている。



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そこへまた突然ママが帰ってくる。父子家庭で3人の歯車がうまくかみ合う頃、いつも母親が乱入して家族のバランスが崩れる。「今までのことは許して欲しい。私が家庭のことは何でもやるから。あなたたちなしでは生きていけないのよ~」 レナートの足元で泣き崩れる。こんなシーンも何度も繰り返された。



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ママにはうちにいて欲しいヴィオラ、パパを気遣って素直にママが好きになれないトミー。



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妻に振り回され、ほとほと愛想をつかしたレナート。気が短く頑固で思い込みが激しい性格が災いして、せっかく手にした仕事もボツになる。家計はますます苦しく、彼の気持ちはどんどんすさんでいく。そんな父を間近に見ながら、トミー少年の心に変化があらわれる。


「人間形成の上で思春期に子どもたちが体験するものは、良かれ悪しかれその後もずっと引きずっていくことになる。人生の上で要になる時期。ガラス細工のような壊れやすい家庭を舞台に、そんな家庭環境に育つ少年の目から見た親や家庭や自分の世界といったものを描きたかった」 キム・ロッシ新監督の弁。が、場面のつなぎ方といいストーリー展開といい、かなり唐突で無理があったのでは?人生に絶望した夫が、八つ当たりで吠えまくるシーンだけが、やけに心に残っています(汗) ということで、期待した割りには何だかなぁ?な作品でした。残念。

《気になったシーン》
①大きめのTシャツにTバック?のキムがアイロンをかけている。おしりが見えそうで見えない…うぅぅ、見、見たいっ。 ②トミーは朝食をとらないで中学に行くんだけど、ダメよ、ちゃんと朝ご飯を食べていかなくちゃ。 ③ひょっとするとキム自身も気が短くて、荒っぽい&ののしり言葉を頻繁に口にしてます?板についてたよな( ̄∇ ̄;) ④トミー少年が心を寄せる同級生の女の子の教科書に、「好きだよ」と書いた紙切れをはさむ。うふっ♡ ⑤屋根の上にあるトミー少年の秘密基地。ここが彼の心を癒してくれる唯一の場所。 ⑥〆はヒゲ大魔王のキム様でしょう(^^)

製作国:Itaty
製作年:2005年
監督:Kim Rossi Stuart
キャスト:Barbora Bobulova, Tommaso Ragno, Kim Rossi Stuart...
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by amore_spacey | 2006-05-10 20:53 | - Italian film | Comments(10)

Le Chiavi di Casa (家の鍵)

私のお気に入り度 ★★★★☆(88点)

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心の状態がよくないと、この作品を観ることができないだろうなぁと思いつつ、今日になってしまった。CGや特殊効果のある映像を見慣れた目には、ルカ・ビガッツィの撮影が非常に心優しく感じられた。キムがインタビューの中で語るように、ルカは役者の動きをかなり長いスタンスで撮影している。役者の一瞬の心の動きをも取り逃がさないかのように。


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バスを待つ2人。重度の障害を持つ二十歳の娘の母親(シャーロット・ランプリング)と、15年の空白を経て障害のある息子に会うことを決心した父親(キム・ロッシ・スチュワート)の会話。「あの子の身体を優しくマッサージしてやりながら時々思うの。この子が死んでしまえばいいのにって。」彼女の鋭い一言に答えが見つからない。語学力堪能なシャーロットは、この映画でもイタリア語を話している。「そのほうが会話がより自然だわ」と。その役者魂に惚れ直しました、シャーロットさま。


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ノルウェーにいるメール友だちの彼女に会いに行くのに、こんな杖があるんじゃかっこ悪いよ、という息子。「簡単だよ。ほらっ」と言って父親が海に杖を放り投げてしまったあとの2人は大笑い。2人の笑い声がフェリーの上で高らかに響き渡る。


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彼女への手土産にケーキを買ったのはいいが、今日は日曜日で学校に彼女はいない。さて、このケーキをどうしようか?「2人で食べちゃおうよ」と提案する父親に大きく頷く息子。キムの長い指がナイフになってケーキカット。なんて美味しそうに食べるんだろう(^^) キムのあの長い指で、でこピンしてぇ!同じものを一緒に食べる、一緒に生活してみる。そういう地道な積み重ねでしか、心の溝は埋められないだろう。公式サイト

製作年:2004年
製作国:伊・独・仏
配給:01 Distribution
監督:Gianni Amelio
キャスト:Kim Rossi Stuart, Charlotte Rampling, Andrea Rossi, Pierfrancesco Favino ...
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by amore_spacey | 2006-01-25 00:03 | - Italian film | Comments(16)

Romanzo criminale (野良犬たちの掟) 

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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映画の解説も原作も何も読まないで作品を観ました。色々な意味で衝撃でした。イタリア現代史をもう一度紐解いてみなければなりません。それより何より、Kimの非常に抑えた演技に引かれました。Stefano Accorsiはますます味わいのある素晴らしい俳優になってきましたね。私は今後のキムのさらなる成長に期待していますョ~(^^)
2時間あまりの作品…、しかも最後の最後までテンションが高くて息が抜けなくて、さらにStefano(ボローニャ)以外はみんなローマ出身で、語尾を飲み込むようなローマアクセントべたべた(-.-;) 何を喋ってるんだかほとんど聞き取れない(T^T) 帰宅したらもうぐったりでした。お願いだから字幕をつけてくれ、字幕を!!!!!!!!


e0059574_542172.jpgCast(俳優名の後ろの数字=写真内の数字)
Il Libanese: Pierfrancesco Favino…①
Il Dandi: claudio Santamaria…②
Patrizia: Anna Mouglalis…③
Commissario Scialoja: Stefano Accorsi…④
Il Freddo: Kim Rossi Stuart…⑤
Roberta: Jasmine Trinca…⑥
IL Nero: Riccardo Scamarcio…⑦

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イタリアの暗黒時代(Anni di piombo 1960年代末~80年代初頭)
イタリア国内では爆破テロ事件・身代金めあての誘拐事件が横行。
1969年 MilanoのFontana広場爆破事件
1970年 Gioia Tauroの事件
1972年 Peteano(Gorizia)事件
1973年 Milanoの警察署爆破事件
1974年 BresciaのLoggia広場爆破事件
1978年 「赤い旅団」によりアルド・モーロ誘拐・殺人事件
1980年 Bologna中央駅爆弾テロ事件
1981年 ヨハネ・パウロ2世、トルコ人テロリストに狙撃され、重傷を負う

製作国:Italy / France / UK
初公開年:2005年
監督:Michele Placido
キャスト:Stefano Accorsi, Kim Rossi Stuart, Anna Mouglalis, Claudio Santamaria, Pierfrancesco Favino, Riccardo Scamarcio, Jasmine Trinca, Gianmarco Tognazzi, Antonello Fassari, Elio Germano...
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by amore_spacey | 2005-10-03 04:53 | - Italian film | Comments(8)

Jack Frusciante e' uscito dal gruppo

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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主人公は17歳の少年Alex(Stefano Accorsi)、ボローニャに暮す平凡な高校生。彼は密かにイタリアのダサくて田舎臭い文化に苛立ちを感じている。17歳の彼にとってカッコイイことは、外国の文化であり、ポップ・ミュージックであり、映画であり、ファッションだから。政治にはとんと無関心なくせに、世論や慣習には順応したがらない。変に反発してみる。夢と現実の間(はざま)で揺れ動き、気持ちがささくれイライラしながら、自分が信じるカッコイイことにのめり込んで気取ってみる。この作品は1990年代のボローニャに生きるそんな若者たちの姿を描いている。ボローニャ出身のEnrico Brizziの同タイトル著書を映画化。日本では『狂った日曜日おれたち二人』で出版されているけれど、このタイトルってどうよ?( ̄∇ ̄;)



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冒頭からいきなりFeltrinelli(本屋)で待ち合わせだなんて、嬉しいシチュエーションじゃないですか(^^) 作品への期待は否応なく高まります。自転車をかっ飛ばして旧市街にある待ち合わせ場所にやってくるAlex。その自転車を本屋前の支柱にチェーンで留めるなんてのは、何気ないイタリアの日常風景でなかなかよろし。ちょうどボローニャの2つの塔が見下ろすあの三角スポットは、通り過ぎてしまえば何てことのないスペースだが、一瞬でも立ち止まってまわりを見渡してみるとよい。あの狭いスペースに人間模様がぎゅっと凝縮されているような場所なのである。



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ボローニャの街が夜の闇に浮かび上がり、むき出しの美しさと素朴さを映し出す。この街に生まれ育ったStefanoが主人公を演ずるなんて、言うことなしです。



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あと半年でアメリカの大学に留学するAidiに恋をしたAlex。お互い好感を持っているのに素直になれず、2人の関係はなかなか進展しない。それどころか、高校の廊下ですれ違っても彼女は無視したり、連絡がとれないような状況が、Alexを混乱させる。彼女の煮え切らない態度にボクはどうすればいいのだ?うぅぅ、Violante Placidoちゃま、演技ヘタ過ぎっ☆ ま、そこがいいんだけど。



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だったら彼女のことを忘れよう、しばらく距離を置こう。Alexは同級生と組んだパンク・ロックにのめり込む。しかし彼が一目を置く2つ年上の友人Martinoが言う。「欲しいものは手に入れろ!」 そっと背中を押してくれたMartino。それなのに…彼は銃で自殺、あっけなく逝ってしまった。Alexにとってカリスマ的存在だったMartino、何歩も先を見ていた大人だと思っていたMartinoの、ガラスのようにもろい一面を突きつけられ、Alexは哀しみ以上に怒りや絶望に打ちのめされる。心の拠り所を失ってしまう。

Stefanoのちょいと投げやりで斜に構えた態度や、神経質で切れやすくふてくされたような表情が、Alexという人物像をより現実味のある存在にしている。MaxibonのCMで見かけた彼が、何とも純粋で可愛らしくて気になっていたのだが、鬱々とした思春期の若者Alexを演じさせると、これまたうまいんだね。最近のStefanoよりこの頃の彼のほうが、私は断然好き。



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Aidiとの付き合いに反対こそしないが、やっかいな問題が持ち上がらないようにと、息子に避妊具代を手渡す親。自殺したMartinoがドラッグをやっていたらしいことを聞きつけて、息子も仲間ではなかったのか探りを入れる親。親と息子の気持ちはことごとくかみ合わない。いつだって親はそうなのだ、肝心な所は見て見ぬ振りを決め込む。表面的なことばかり気にして体裁を繕う。ボクのAidiへの切ない気持ちや、頼れる友人だと思っていたMartinoを突然失ったボクの空虚でやるせない思いには、少しも気づいてくれないのだ。

AlexもAidiとの気持ちがかみ合わないまま、アメリカ留学出発前夜を迎えてしまう。この小さな田舎街からアメリカへ飛び出そうとしているAidiを前に、彼も決心するのだ。見てろ、俺だっていつか自分の感性を武器に、世界へ羽ばたいてやる、と。

製作国:Italy
初公開年:1996年
監督:Enza Negroni
キャスト:Stefano Accorsi, Violante Placido, Alessandro Zamattio, Athina
Cenci ...
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by amore_spacey | 2005-09-23 03:22 | - Italian film | Comments(0)