カテゴリ:- Other film( 355 )

ルージュの手紙 (Sage femme)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 セーヌ川流れるパリ郊外に暮らす助産婦Claire (Catherine Frot)の元に、30年間姿を消していた血のつながらない義理の母Béatrice (Catherine Deneuve)から電話があり、「会いたい!」と言われる。Claireはずっと、大事な父を捨てた彼女のことを許せなかった。父はその後、自殺をしてしまったのだ。真面目すぎるClaireと自由奔放に人生を謳歌しているBéatrice 。性格が全く違う二人だが、互いを受け入れ、Béatriceの古い秘密が明らかになることによって、失われた年月が埋まっていく。いつしかClaireはBéatriceの生き方に影響され、人生の扉を少しずつ開きはじめる。(作品の詳細はこちら


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機内上映第5弾。実直で生真面目なClaireにFrot、人生を謳歌する自由奔放な義母Béatrice にDeneuveを配するなんて、これは適材適所の見本です。ストーリーや人間関係は全く違うが、『歓びのトスカーナ』で描かれた人のぬくもりに通じるものがあった。心を通わせることができる相手が、そばにいる。そして傷ついた心を癒してくれる。それが親子であろうと友人であろうと血の繋がらない母娘であろうと、支えがあるというのは、心強いパワーになるってもんです。


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年齢を重ねたからこそできる会話がある。辛口のユーモアも、笑い流すことができる。一生許せないほど憎んでいたはずなのに、その感情がいつの間にか消滅する。そして母娘の関係をこえた、人間同士の絆が芽生えていくのだ。フランスを代表する女優の競演は、大袈裟にならず落ち着いていて期待通りでした。が、Claire付き合い始めたPaul Baron(Olivier Gourmet)の存在が中途半端で、ちょっぴりもやもやが残りました。


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by amore_spacey | 2017-09-20 23:27 | - Other film | Comments(0)

昼顔 (Belle de jour)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 Séverine(Catherine Deneuve)と若い外科医Pierre(Jean Sorel)は、仲の良い幸せそのものの若夫婦だ。しかし幼い頃、野卑な鉛管工に抱きすくめられたことのあるSeveineは、それがトラウマとなって不感症になり、Pierreとベッドを共にできない。が、その一方でしばしば、淫らな妄想に駆られる。
 ある時彼女は友人のRenee(Macha Méril)から、良家の夫人たちが、夫には内証で売春をしているという話を聞き、大きな衝撃を受ける。しかし意を決してその高級娼館を訪れたSéverineは、女主人Anais(Geneviève Page)から「昼顔」という源氏名をもらった。こうして貞淑な妻だった彼女は、昼間だけ娼婦として欲望に身をまかせるようになる。第28回ヴェネツィア国際映画祭で、金獅子賞を受賞。(作品の詳細はこちら


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シャンシャンシャンシャンと鈴を鳴らした馬車が、夫婦を乗せて森の小径を走ってくる。執拗なこの音がサンタクロースを乗せたソリのようで、冒頭から大爆笑してしまった。そして真っ赤なコートを着たDeneuveがアップになる。ポーセリンのような肌に美しいブロンドの髪。清楚で気品に満ちた振る舞い。このとき23歳。彼女の美しさの前では、全てが色褪せる。何不自由なく大切に育てられ、殆どの男性にとっては高嶺の花のような存在。フランスのGrace Kellyだ。


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しかしだからこそ、手の届かない女を、卑猥な言葉で蔑(さげす)んでみたい。縄で縛り上げムチを打ち付けて、悶(もだ)え苦しむ姿を見てみたい。というサディスティックな感情も芽生えてくる。貞淑な妻Séverineの淫らな妄想ということになっているが、実は若くて美しいDeneuveを、傷つけ痛めつけてみたいという監督の欲望が抑え切れず、映像化したんじゃないか?と勘繰ってしまう。女性も想像力に富んでいるから、色々と妄想するが、これは男性の目線で描かれた作品に違いない。とにかく、監督業って美味しすぎるわ、うふふっ。


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客としてくるのが、風変わりな男ばかり。美しく清楚なDeneuveだからこそ、変な男たちに弄(もてあそ)ばれるエピソードは、より官能的で男たちの妄想を膨らませるのにうってつけなのだ。現実と妄想の世界を行き来しているかのようにみえるが、実は最初から最後まで監督(=世の中の大部分の男性)の妄想だったのかもね。しかしDeneuveは、こんな役をよく引き受けたものです。脚本を何度か読むうちに、彼女の中に潜んでいたMな部分が刺激されて、演じてみたくなったのかしら?何だこりゃ?なシーンがてんこ盛りで、面白おかしく楽しめました。また当時流行ったサンローランの服を纏い、色々なヘアスタイルのDeneuveを堪能できたのも、目の保養になりました。


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by amore_spacey | 2017-09-18 01:29 | - Other film | Comments(2)

ドリーム (Hidden Figures)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (77点)

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【あらすじ】 1960年代の初め、ソ連との宇宙開発競争で遅れを取っていたアメリカは、国家の威信をかけて有人宇宙飛行計画に乗り出す。NASAのKatherine G. Johnson(Taraji P. Henson)、Dorothy Vaughan(Octavia Spencer)、Mary Jackson(Janelle Monáe)は、差別や偏見と闘いながら、宇宙飛行士John Glenn(Glen Powell)の地球周回軌道飛行を成功させるため奔走する。人種差別が横行していた1960年代初頭のアメリカで、初の有人宇宙飛行計画を陰で支えたNASAの黒人女性スタッフの知られざる功績を描く伝記ドラマ。(作品の詳細はこちら


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機内上映第4弾。久しぶりに見るKevin Costnerを楽しみにしていたんだけど、数字の天才Katherineや冷静沈着なDorothy Vaughan、そしてちょっぴりお転婆なMary、個性的な3人にすっかり魅せられ、作品にぐいぐい引き込まれた。差別や偏見に、どう立ち向かっていくのか?そこが見所だ。


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あまりにも理不尽な状況に、Katherineがたった一度だけ我を忘れて怒りを剥き出しにするシーンがある。が、瞬時にして取り戻す自制心や理性や冷静さには、数学の天才とか栄光あるNASAの職員とかいう肩書きなんぞ吹っ飛ばす、猛烈に強い説得力があった。Katherineは、まさに神対応をみせてくれた。正当であること、その表現の仕方がスマートでエレガントなのだ。人々が狼狽するのも無理はない。


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それにしても、どこをどうすると、『Hidden Figures』が『ドリーム』(邦題)になっちゃうんだろう?興行成績を優先する、耳に心地よい言葉に置き換えただけでは、この映画の真意は伝わりませんでしょ?


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by amore_spacey | 2017-09-17 02:42 | - Other film | Comments(2)

タクシー・ドライバー (Taxi Driver)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 ベトナム帰りの元海兵隊員Travis Bickle(Robert De Niro)は夜のニューヨークをタクシーで流しながら、腐敗しきった世の中に苛立ちを感じていた。大統領候補の選挙事務所に勤めるBetsy(Cybill Shepherd)と親しくなるが、彼女をポルノ映画館に誘ったことで絶交されてしまう。Travisの不眠症はますますひどくなり、心は荒んでいく一方であった。そんな中、彼のタクシーに突如13歳の少女Iris(Jodie Foster)が逃げ込んできた。ヒモらしい男Sport(Harvey Keitel)が彼女を連れ戻す。やがて闇ルートから銃を手に入れ 、自己鍛錬を始めたTravisに、ひとつの計画が沸き上がった。第29回カンヌ国際映画祭で、Palme d'Orを受賞。(作品の詳細はこちら


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機内上映第2弾。ベトナム戦争によるトラウマから、重度の不眠症に陥り、社会に順応出来ずに、孤独や絶望に苦しんでいるTravisに、カチッとスイッチが入った。彼の中に芽生えた独りよがりで狂気に満ちた正義感は、もはや誰にも止めることができない。


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自分の正義を貫き浄化作戦を完了したあと、Travisは何事もなかったかのように再びタクシーのハンドルを握る。そのシーンは冒頭に繋がり、負のスパイラルの中で回り続ける。出口が見えない、やりきれなさ。ひとときだけ英雄扱いされてチヤホヤされようが、彼の暮らしは変わらない。虚しさが残るだけ。


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実はこの作品を初めて観た。そして暴力への厭世感や矛盾に満ちた現実への、やり切れなさや絶望。殺伐とした街や人間の心情を、ここまでクールに淡々と演じたDe NiroやMartin Scorsese監督の優れた演出に、大きく揺さぶられた。暴走するTravisを批判しながらも、ある部分で共感している自分にハッとした。13歳のJodei Fosterの妖艶な美しさが印象的。


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by amore_spacey | 2017-09-14 00:15 | - Other film | Comments(2)

サルバドールの朝 (Salvador)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (81点)

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【あらすじ】 1970年代初頭、フランコ政権末期のスペインで、自由解放運動のグループに所属する25歳のSalvador(Daniel Brühl)は、不慮の発砲により若い警部を死なせてしまう。彼は正当な裁判を受けられないまま死刑を宣告され、彼の家族や仲間、担当の弁護士Arau(Tristán Ulloa)や彼の同僚たちは何とか処刑を防ごうと手を尽くすが…。(作品の詳細はこちら


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近代~現代スペインにあんな過酷な歴史があったなんて、この映画で初めて知りました。30年以上も軍事独裁政権が牛耳っていた?軍隊や秘密警察が、ついこの間まで普通に市民生活を脅かしていた?うわぁ、想像がつきません。

激動する歴史に翻弄される役を演じると、Daniel Brühlはじわじわと、しかし圧倒的な説得力で迫ってきます。チャラい役は似合わない。と言っても、主人公のSalvadorは革命の闘士になって、この国を変えてやる!ほどの意気込みはなく、当時の若者の間ではカッコイイことだった政治を熱く語ることで、少しだけ目立ち、人から一目を置かれたかった。


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Jesús刑務官(Leonardo Sbaraglia)が言うように、独裁打倒!を掲げつつも、お坊ちゃんの遊びでしかなかったのかもしれない。だからJesúsはSalvadorに、嫌悪感を抱いたのだ。そのJesúsは、父に宛てて書いたSalvadorの手紙の中に、肉親への愛や慈しみを感じ、共感を寄せ次第に友情を抱いていく。Salvadorの処刑を目の当たりにして、自分こそ権力の犬であったことを恥じ、「Francoは人殺しだ!」と思わず叫ぶ。


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絶望的な状況を熟知しつつも、Arau弁護士は最後まで信念を曲げず突き進み、Salvadorの隣で支え続ける。Salvadorと家族(特に姉妹とのやりとり)の愛情や友人たちとの友情…など、人間の良心に心を動かされ、この国にも救いや希望があるのを見ました。Daniel Brühlの1人祭りはとりあえず、これで終わります。


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by amore_spacey | 2017-09-13 00:05 | - Other film | Comments(0)

ユダヤ人を救った動物園 ~アントニーナが愛した命~ (The Zookeeper's Wife)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 1939年、第二次大戦下のポーランド。夫婦でワルシャワ動物園を営み、愛する動物に囲まれて生活していたJan(Johan Heldenbergh)とAntonina(Jessica Chastain)は、ナチスドイツの侵攻に大きな不安を抱いていた。Janはナチスドイツがユダヤ人を弾圧するのを見て、Antoninaに動物園を彼らのための隠れ家にすると言う。強制居住区域に暮らすユダヤ人たちを救い出しては動物園にかくまう彼らだったが、次第にナチスドイツの警戒は厳しさを増し彼らにも危険が迫る。300人ものユダヤ人を匿い逃亡させたDiane Ackermanのベストセラーを映画化。(作品の詳細はこちら


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Daniel Brühlの1人祭り&機内上映第1弾。ホロコーストに動物ものを抱き合わせて、いかにも興行成績を狙った作品だ。その下心が、邦題に透けて見える。良いテーマを扱っているだけに、脚本や演出が散漫だったのが残念でした。だったら観なくてもいいのにって話になりますが、キャストにDanielの名を見つけてしまったから、その勢いで何となく観てしまったのでした。という言い訳はともかく、ナチスドイツへの不安や恐怖はそれなりに、ユダヤ人たちを救い出す夫婦の善意も、人間として当然のことをしたまでといったスタンスで、事実を淡々と描き出している。


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さてドイツ軍将校で動物学者Lutz Heckを演じたDaniel。彼はユダヤ人を弾圧する側に立つ人間だが、とても色っぽく綺麗な、そして人情味のあるAntoninaにすっかり入れ込んでしまう。彼も人間だから、特別な感情を持った相手がユダヤ人であろうが、何とか手を貸してやりたいと思うのは、ごく当然の成り行きだろう。しかし時は第二次大戦下のポーランド、Lutzにはドイツ軍将校としての任務がある。私情と任務の狭間で苦しんだ末、彼が選んだのは…。

基本的にDanielは性善説の世界の人だから、悪人にはなり切れない。どんなにワルぶっても、無理して演じているのが痛々しくて、観ていられないのだ。今回は脇役だったこともあるが、演技に隙がありすぎたのと、やっつけ仕事的に演じていたようにしか見えず、だったらこんな役を引き受けなければ良かったのに、と八つ当たりさえしたくなる。感動の実話かもしれないが、観る前からお涙頂戴的なキャッチフレーズを並べ立てられると、興冷め。


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by amore_spacey | 2017-09-09 00:01 | - Other film | Comments(0)

ラヴェンダーの咲く庭で (Ladies in Lavender) 

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 1939年、イギリスはコーンウォール。静かな村にある海岸の屋敷に暮らす老姉妹Janet(Maggie Smith)とUrsula(Judi Dench)は、ある日海岸に打ち上げられた青年を発見した。負傷したAndrea(Daniel Brühl)という名のこのポーランド人を屋敷に運び入れ、医師を呼んで治療・養生・リハビリさせる。そんあ彼には類まれなヴァイオリンの才能があった。こうして彼が老姉妹の家で暮らすようになり、JanetやUrsulaの生活にちょっとした変化が訪れる。(作品の詳細はこちら


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今日からDaniel Brühl1人祭りを始めます(*^^*) 若くして夫を亡くした姉Janetと、たぶん1度も結婚しないまま現在に至った妹Ursula。この2人に扮したMaggieとJudiの共演(競演)が素晴らしかった。哀愁に満ちたヴァイオリンの音色も感動もの。音楽は言葉をこえる。姉には長女らしい分別があり、年齢相応のたしなみがあるのに、Andreaが来てから妹は、親愛の情をこえた特別な感情を彼に抱き、恋する乙女になってしまった。愛があれば、歳の差なんて…。何でもアリなご時勢だけど、やっぱりこれはないわァ。小説や映画の世界ならまぁいいが、現実にあったら、正直なところ、嫌だな。

以前も書いたように、Judi Denchの芸域の振り幅の広さには驚く。コワい子だわぁ。M女史から同性愛ものまで、何でもござれ。チワワのような目のMaggie女史は、とってもキュートな2枚目半。あんなおばあちゃまになりたいもんです。


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さてさて、Andreaだって鈍感じゃない。老姉妹の手厚い看護に深く感謝し、自分を見るUrsulaの特別な気持ちにも気づいている。けれど助けてもらった命を無駄にせず、自分の人生を歩んでいきたい気持ちもある。書置きする時間すらなく、後ろめたい思いを抱えて、姉妹を捨てるようにAndreaは立ち去った。

当時26歳のDaniel Brühlが、まるで少年のようで、Jude Denchでなくても惚れちまいます。看護だって何だってやります、うふふっ。目の覚めるようなイケメンではない。セクシーが売りの役者でもない。むしろ童顔&地味で、ちょっぴり憂いが漂う。不器用でゴツゴツした印象がある。けれど、彼の中から滲み出ている何かに惹かれてしまう。母性本能をそそられるのかしら?そんな彼(実際にはJoshua Bell)が演奏するLadies in Lavender(←音が出ます)を聴いていると、色々な感情が幾重にも折り重なり、苦しくなってきます。


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作品に流れる純粋で淡いトーンを吹っ飛ばしてしまうのが、肝っ玉かあちゃん的な屋敷の家政婦Dorcas(Miriam Margolyes)。Andreaとじゃがいもをむくシーンは愉快。「皮はこっちで、剥いたじゃがいもはあっち!」


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そして、こちら。ロマンチックなムードぶち壊しの、この魚のパイ。何、これ?魚の頭や尾がパイから飛び出ているなんて、ビックリ仰天です。家政婦のDorcasが有り合わせの材料で、適当に作ったパイかと思ったら、Stargazy pieって立派な名前のついた、伝説の惣菜なんですね。


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by amore_spacey | 2017-09-07 00:30 | - Other film | Comments(0)

ローマの休日 その2 (Roman Holiday) 

私のお気に入り度 ★★★★☆ (94点)

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【あらすじ】 翌朝、彼女がAnn王女(Audrey Hepburn)であることを知ったJoe(Gregory Peck)はスクープをものにするチャンス喜び、ローマ見物の案内役をひきうけた。Joeの魂胆も知らず、王女はまず床屋で髪を短く切り、1日中のびのびと遊び歩いた。
 Joeの同僚のカメラマンIrving Radovich(Eddie Albert)は、隠し持った小型カメラで、ぬけ目なく王女の行動をスナップした。一方、王女失踪で大使館は、上を下への大騒ぎ。しかし世間に公表するわけにも行かず、本国から秘密探偵をよびよせて、捜査に当らせた。(作品の詳細はこちら


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その1では脇役について書いたが、今回は王女とJoeのロマンチックなシーンを取り上げる。パジャマを着ているのに、喉元まで上げた掛け布団を、しっかり手で押さえる王女。


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この理容室はなくなり、普通の店になっていた気がする。当時は彼女のショートカットが大流行した。前髪パッツンが良く似合う。


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ジェラート・ブームに火をつけた、スペイン階段のシーン。王女はジェラートを舐め終わったあと、コーンは捨ててしまう。撮影当時40℃をこえる暑さで、あっという間にとけてドロドロになってしまう。内心焦りながらジェラートを舐めてたかも?


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王女とJoeとIrvingの3人は、映画史上(たぶん)最強のトリオ。ミニチュア・フェチの私は、ライター式のカメラに目がくぎづけになった。Bar Roccaも、今はもうない。


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ヴェスパやフィアットの500の売り上げが増大。このあと警察のお世話になるが、Joeの咄嗟のウソ「結婚ほやほやの夫婦」で釈放。被害届けも取り下げられ、皆から祝福されるという展開。ええ、確かに事情があれば、見逃してくれることもある。女性警官の場合は、まずムリだけど。


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このシーンがなかったら、真実の口は今ほど注目されなかったでしょう。映画のお陰で、ローマを訪れる観光客が激増した。


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とてもいい雰囲気で踊る2人。


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びしょぬれの2人が、初めてのキスをかわす。とても自然なキスに、胸きゅん。


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Joeのアパートのバスルームから出てくる王女が、とても大人っぽくしっとりした雰囲気に包まれて、ドキッとしたんだけど、2人は身も心も結ばれたのでしょうか。


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このシーンは…もう、何と言っていいのか…。これで2度と会うことはないのよ、永遠に。こんな出会いも、もう2度とないの。言いたいことはたくさんあるのに、言葉にできない2人。ええい、もう、駆け落ちしちゃえーーー!


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たった一日で見違える成長を遂げた王女。ラストシーンの凛とした姿が忘れられない。そして名残惜しそうに立ち去るJoe。この作品の成功には、Dalton Trumboによる脚本も一役買っている。世界中の人々に、永遠に愛され続ける作品の1つになるだろう。


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オフの時間に、トランプで遊ぶ2人。彼らの交友は長く続いた。Audreyが亡くなったときGregoryは、彼女が大好きだったインドの詩人・思想家Rabindranath TagoreのUnending Loveを朗読して、最期のお別れをした。


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by amore_spacey | 2017-07-14 00:41 | - Other film | Comments(2)

ローマの休日 その1 (Roman Holiday)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (90点)

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【あらすじ】 ヨーロッパ最古の王室の王位継承者であるAnn王女(Audrey Hepburn)は、欧州各国を親善旅行で訪れていた。ローマでも公務を無難にこなしていだが、これまでのハードスケジュールで疲れやストレスが溜まっていた。
 主治医に鎮静剤を投与されるものの、気の高ぶりからか逆に目が冴えてしまった彼女は、こっそり夜のローマの街へ繰り出すことに。やがて薬が効いてくると、ベンチで寝入ってしまった。そこへ偶然通りかかったアメリカ人の新聞記者Joe(Gregory Peck)は、彼女を一国の王女であることも知らずに、自分のアパートで休ませるのだが…。(作品の詳細はこちら


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不朽の名作。ローマから戻ってくると、必ず観てしまう。そして新たな感動に包まれ、幸せな気持ちになる。大学の卒業旅行で、映画とほぼ同じコースを歩いた。スペイン階段でジェラートを食べたり、真実の口に手を入れたり…、楽しかったなぁ。ただ、車の中のAnn王女のお手振りに、やや違和感が。手の向きが違うような気がするのですが…。


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この作品には、魅力的な脇役がたくさん登場する。王女を取り巻くお付きの者たち。脱げた王女の靴を見た、侍従たちの表情といったら!庶民代表のタクシーの運転手も、人間味溢れていた。車内に王女を残したままJoeが立ち去ろうとした時、「ちょっと待たんかい!」 逃がすもんか!とばかりにJoeの袖を掴んだ、素早い反射神経や慌てっぷりが愉快だった。

場面変わって、Via Margutta 51にあるJoeのアパート。鉄砲をかついで、王女のいるアパートの入り口を警備する守衛のおじいさんが、大袈裟で可笑しい。彼はJoeが王女に幾らかお金を貸す現場を、遠くから目撃してしまう。あれは、勘違いをしても仕方がない状況だ。当時のお札が異様に長くて大きいのに、ビックリ。財布もデカかったんだろう。


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バッサリ切っていいという王女にビビって、何度も確認する理容師Mario Delani(Paolo Carlini)が、Christohper Plummer似のイケメンだったりする。Joeの部屋の掃除をする女性や、メルカートので靴を売るシニョーラも、明るくて威勢がいい。


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William Wyler監督の2人の娘さんが、エキストラ出演している。トレヴィの泉でJoeにカメラを取られそうになる女の子が、11歳の次女Judy、それを見て先生を呼ぶのが14歳の長女Catherine。あの時のメガネをかけた先生が、いかにも由緒正しいお嬢様学校にいそうだ。


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初めてみたときから、この秘密探偵(↑右側)が結構好きだった。真面目でコワモテだけど、とんでもない(可笑しな)ことをやらかしそうな雰囲気がある。


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スクープ記事で一儲けを目論んだJoeと同僚のIrving(Eddie Albert)だが、王女にすっかり魅了され、Joeは自分の心の卑しさを恥じる。


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Irvingが渡した封筒を開け、写真をちらっと見る王女。目が一瞬、泳ぐ。あの日の出来事は3人の秘密。この大人対応が素晴らしい。あれが今の時代で、スクープ狙いのブン屋につかまったりしていたら、SNSでダダ漏れだったかも。


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Hugh JackmanやGeorge ClooneyやClark GableやCary Grantのいいとこ取りをしたような、当時37歳のダンディなGregory。Audreyは24歳。



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by amore_spacey | 2017-07-12 00:46 | - Other film | Comments(2)

レッド・ノーズ・デー・アクチュアリー (Red Nose Day Actually)

ネタばれあり!

私のお気に入り度 ★★★★☆ (90点)

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【あらすじ】 『ラブ・アクチュアリー』(2003年)に登場する人々の、14年後を描いた。(作品の詳細はこちら


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今年のレッド・ノーズ・デー(1985年から始まったチャリティー・イヴェントで、奇数年の3月に開催)のプログラムの中で、とりわけ注目されたのが、このショート・フィルムだった。イヴェント設立者の1人で、脚本家&監督のRichard Curtisが、彼の監督作品でもある『ラブ・アクチュアリー』の続編を作ってくれたんですから、ラヴ・アクが大好きな私としては、そりゃもう、テンションが上がるってもんです。

彼らのその後も気になるが、何よりも、あの素晴らしいキャストが、また私たちのところに帰ってきてくれた!それだけで、と~っても幸せ。某モデルのカメオ出演も、嬉しいサプライズだった。10分足らずの作品ですが、まるで同窓会に出たような懐かしさを覚え、うるうる。ああ、またラブ・アクを見直したくなってきたァ。


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Alan Rickmanと熟年夫婦を演じたEmma Thompsonは、出演を辞退した。「Alan Rickmanの死がまだあまりにも記憶に新しく、出演する気持ちになれない」と。同じような気持ちのRichard Curtis監督も、彼らの14年後をどう描いたらよいのか、良いアイデアが浮ばなかったという(涙)


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その代わりと言ってはなんですが、5月に追加された米国ヴァージョンには、Laura LinneyとPatrick Dempsey(ニューエントリー)のシーンが、追加されている。因みに去年のショートフィルムは、『ゲーム・オブ・スローンズ ミュージカル』でした。


 
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by amore_spacey | 2017-05-28 23:37 | - Other film | Comments(0)