カテゴリ:- Other film( 370 )

バリー・シール アメリカをはめた男 (American Made)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 TWA の俊英パイロットBarry Seal(Tom Cruise)は、CIAのエイジェントMonty Schafer'(Domhnall Gleeson)にスカウトされた。CIA偵察機のパイロットとなった彼は、極秘作戦の過程で麻薬組織と接触し、麻薬の運び屋としても才能を発揮する。政府の命令に従う一方で、違法な密輸ビジネスで荒稼ぎするBarryだったが…。(作品の詳細はこちら


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機内上映第4弾。オレ様Tom Cruiseが昔からすごく苦手で、彼が出ているというだけでパスした作品は数知れない。けれど本作品は結構面白いと聞いたので、騙されたと思って機内上映で観てみたら、、、これが軽妙で本当に面白かった。Tomがあんなにコミカルで砕けた役を演じるなんて(生お尻見せちゃうし)、、、驚いた。頭の中に銭の花が咲いちゃった能天気な男の人生が、アップテンポでスリリングに展開していくが、その本質はコミカルどころか、アメリカの情報機密機関が関わる深刻なものだった。結末は何となく分かるのだが、それでもBarryが欲張って、麻薬の密輸や武器の横流しにまで手を出すようになる辺りから、大丈夫なのか?と心配になって来る。


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日本語のタイトルは、アメリカをはめた男だが、はめられ利用された男はBarryなのだ。だから彼に罪はないとは言わないけれど、悪党野郎という印象を受けないのは、アメリカという国が何食わぬ顔して、一民間人に汚い仕事やらせた。国防のためという大義名分で、ヘタをすれば命を落としかねない仕事を押し付ける、そのやり方が極めてあざとくて汚い。Barryはそんな連中に、骨の髄まで利用されたんだよ、という同情的な見方ができるからかもしれない。エンターテインメントとして笑って観ていたけれど、これって史実なんだ。いやいや、笑ってる場合じゃありません。


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by amore_spacey | 2018-02-18 02:22 | - Other film | Comments(0)

ブレードランナー 2049 (Blade Runner 2049)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 舞台は2049年のカリフォルニア。人間社会に紛れ込んでいる、労働用の人造人間レプリカントを処分する役目の捜査官K(Ryan Gosling)は、ある重大な秘密に辿り着き、その真相を知るため元捜査官Rick Deckard(Harrison Ford)の行方を追っている。レプリカントを製造する科学者&実業家Wallace(Jared Leto)は、「彼が鍵を握っている」と言うが、彼とは誰か?そしてDekardの居場所をつきとめたKは、過去に何があったのかを彼に問う。(作品の詳細はこちら


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機内上映第3弾。久々にやっちまいました、途中で早送り…。疲労のせいで長時間の作品に集中できず。Jared Leto扮するWallaceの儀式のようなシーンとか、サクサク飛ばしました。

前作『ブレードランナー』は、雨が降るネオンの陰鬱な街角を飛ぶ近未来な車や、Vangelisの音楽など、ストーリーよりも映像やメロディーの美しさに圧倒された。そして本作品は砂嵐の中の廃墟に、Hans Zimmerの郷愁を帯びた音楽。前作のRutger Hauerの存在感が揺るぎないものだったので、Ryan Goslingで大丈夫なのかしら?と思ったが、それは余計な心配だった。クールで無表情な、自分の内面を見せないRyan扮するKにとって、任務を遂行することは、同時にK自身の自分探しの旅になっていたとも言える。「俺は一体、何者なのだ?」が、常につきまとう。孤独に押し潰されそうになるKを支えるのが、とってもキュートで健気なJoi(Ana de Armas)。Joiのように可憐な子がそばにいたら、癒されますぅぅ。


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無菌室で暮らす娘Ana(Carla Juri)とDekardを再会させる、その大役を果たすのもK。結局彼は、2人を引き合わせる道具に過ぎなかった、と言えなくもない。が、そこには人間らしい愛が、確かにあった。雪が舞い落ちるラストシーンのKに、目頭が熱くなりました。

2つの作品に共通するのは、たとえ人造人間やロボットであっても、生きる者として高次元の精神活動が可能であり、慈愛の心を手に入れることができるという願いだと思う。ですが、2020年の東京オリンピックにも大量導入されるというロボットや、原発周辺の危険区域の撮影や介護などの現場で既に活躍する産業ロボットを、人間に近い存在として捉えるのは・・・うーん、やっぱりムリがあるな。


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by amore_spacey | 2018-02-16 01:29 | - Other film | Comments(0)

キングスマン: ゴールデン・サークル (Kingsman: The Golden Circle)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (77点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 謎の組織Golden Circleによって、ロンドンにある高級スーツ店を隠れ蓑(みの)にしたスパイ組織Kingsmanの根城が破壊されてしまう。残ったのは、以前Harry Hart(Colin Firth)にスカウトされて腕を磨いたEggsy(Taron Egerton)と、教官でありメカ担当のMerlin(Mark Strong)だけだった。二人は敵を追い、同盟組織のStatesmanの協力を求めてアメリカへ渡る。(作品の詳細はこちら


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機内上映第2弾。1作目に負けず劣らずアップテンポ&ハイテンションで、突っ込みを入れるヒマがなかった(笑) 辻褄の合わないところは多々あるが、娯楽映画なんだからトコトン楽しんでしまいましょう。キャストが前回以上に豪華だったが、居ても居なくても?な方々もいたかな。ま、細かいところに拘らず、さらっと観るのが良い。


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まずはEggsyの成長ぶりに驚いた。ひ弱で、こう言っちゃなんだけど、カリスマ性に乏しく、惹かれるものもなく、Colin Firthとコンビを組むなんて、100年早い!格が違い過ぎると思ったが、今回は鍛えられた肉体(スーツがピッチピチ)の上、役柄に馴染んだせいか?ブレることなく、敵陣に突っき進んで行った。ベテランが揃う脇役陣から、学ぶことが多かったのでしょう。


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死んだはずのHarryの復活には、無理矢理感が拭えないが、それでもやはり嬉しい。記憶がなくなって、どうかすると蝶が舞う幻覚症状に悩まされても、Colinがいなくちゃダメ。ビシッと決めた英国紳士な彼も素敵、でも着古したジャージ姿の腑抜けたColinもなかなかいいじゃないですか。悪役や意地悪な役をやらせると、Julianne Mooreは生き生きしてきて(誰でもそうかな)、こんな彼女なら受け入れられる。


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しかし、まぁ、Elton Johnには、誰もが仰天したんじゃないでしょうか?最初に登場した時にはそっくりさんかと思い、それが本人だと分かってからも、チョイ役に過ぎないんじゃないかと。いやいや、チョイ役どころか、出ずっぱり?あの破壊力には恐れ入りました。仮にもSirの称号を持つEltonが、あそこまでノリノリに弾けてくれるなんて、紅白の小林幸子も真っ青ね。コンサートとは違うノリで、彼もさぞや楽しかったことでしょう。あの終わり方は、続編ありってことですよね。楽しみです。


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by amore_spacey | 2018-02-15 00:42 | - Other film | Comments(2)

ヴィクトリア・アンド・アブドゥル (Victoria & Abdul)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (75点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 1877年、インドのAgraという町に暮らす、24歳の刑務所吏員Abdul Karim(Ali Fazal)は、すらりと背が高いというだけの理由から、ゴールデン・ジュビリーの機会にイギリス・ワイト島にあるイギリス王室の離宮で、Victoria女王(Judi Dench)に古代の貨幣を贈呈する名誉ある役を抜擢された。女王の目にとまり寵愛を得たAbdulは側近として可愛がられ、コーランやヒンドゥー語などインドの文化を教えることになる。作家Shrabani Basuによる、実話を元にした本「Victoria and Abdul: The True Story of the Queen's Closest Confidant」を映画化。(作品の詳細はこちら


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日本に一時帰国した往復の機内上映で、4本半(最後は時間切れ)の映画を観たので、暫くの間そのレビューを綴っていきます。

んもう、Judi Denchの可愛らしさやボケっぷりに、がっつりハートを鷲づかみにされました。彼女が出演する作品は概ね外れることがないので、安心して観ていられる。Judi扮するVictoria女王がとてもお茶目で、憮然とした顔で機械的に食べ物を口に突っ込んだり、肉をムシャムシャ食べたり、上座にいながら食事中に居眠りしちゃったり、自分の気持ちに素直過ぎる姿を観て、思わず頬が緩んだ。


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Abdulを演じたAli Fazalは、彫りが深く濃いイケメン。女王の顔を見るのは恐れ多いこと、絶対に見てはいけないと事前に釘をさされたのに、彼ときたら女王の足の指にキスするという暴挙に出る。あれは死刑レベルなのですが、ここでAbdulが退場してしまうと映画が終わってしまうので、この件に関しては注意にとどまり、Victoria女王の老いらくの恋路線で、話は続行していきます。Abdulとの出会いによって、女性ホルモンが全身を駆け巡ったのでしょう。死んだような顔はほんのりピンク色に染まり、まるで少女のような表情に変わっていくのを、私は見逃しませんでした。彼女ってホントに自分の気持ちに素直で、ウソがつけません。


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しかしAbdulが結婚していたことを女王が知った辺りから、シンデレラ物語に影がさすようになる。女王命令でインドから呼び寄せたAbdulの妻が、それほど美人でなかったことに女王がホッとしたり、Abdulには立派な一軒家が与えられたのに、一緒にインドから来たMohammedは不当な扱いをうけ、祖国に帰りたいと言い続けながら、寒い屋根裏部屋で弱って亡くなったり。そして女王亡きあとは、Abdulへの寵愛をやっかんでいた息子Bertie(Eddie Izzard)らが、待ってましたとばかりにAbdul一家を追放し、女王とAbdulに関するものも全て焼却。後味はあまりよろしくありませんでした。それはそうとVictoria女王は、熟れどきのマンゴーを召し上がることができたのかしら?それがちょっぴり気になっています。


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by amore_spacey | 2018-02-14 00:48 | - Other film | Comments(0)

麦の穂をゆらす風 (The Wind That Shakes the Barley)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (68点)

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【あらすじ】 1920年アイルランド、英国による圧政からの独立を求める若者たちが、義勇軍を結成した。医師を志すDamien(Cillian Murphy)も将来を捨て、過酷な戦いに身を投じていく。激しいゲリラ戦は英国軍を苦しめ、停戦となった。1921年の休戦協定からアイルランド自由国が成立するが、イギリスの自治領という立場を受け入れるか否かで、アイルランド人達は二つに分裂。Damienと自由国兵士となった兄Teddy(Pádraic Delaney)も対立し、戦うことになる。2006年カンヌ国際映画祭で、Palme d'Orを受賞。(作品の詳細はこちら


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まだまだCillian1人祭り。正直言ってこの作品は、ちょっと勘弁して欲しいと思ってしまいました。歴史的事実をひたすら描写し続けていくだけで、これほど退屈な作品を観るくらいなら、当時のドキュメンタリーを観たほうが何倍もマシ。どこか1ヶ所でも見せ場があれば許せることもあるが、本作品は...。「一体いつ終わるの?」「早くエンドロールになってくれェ」 なんて思いながら観た作品は久々ですが、これをきっかけにアイルランドが歩んできた歴史を紐解いて学んでみよう、という思いにさせてくれた。


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脚本や演出がかなり残念だったのでは、と思われます。せっかくアイルランド出身の優れた役者たちを起用したのに、彼らこそイギリスと自国の関係に深い関心を持っている証人なのに、役者たちの良さが引き出されておらず、「やらされている」感が強かった。でも『ゲーム・オブ・スローンズ』でJon SnowやSansaの重臣Davosを演じるLiam Cunninghamの、40代の頃の姿を観る事ができたのは、嬉しいサプライズでした。 

 
 
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by amore_spacey | 2018-02-12 23:45 | - Other film | Comments(0)

オン・エッジ 19歳のカルテ (On The Edge)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (72点)

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【あらすじ】 反抗的な19歳の青年Jonathan(Cillian Murphy)は、飲んだくれの父の自死をきっかけに深刻な鬱状態に陥り、盗んだ車で崖から湖に飛び込んで、自殺を図った。助かった彼は精神病患者の収容施設に入り、そこで同世代のグループカウンセリングに参加させられる。親身になってくれるセラピーのFigure先生(Stephen Rea)と衝突ばかりしていた。が、同じグループのRachel(Tricia Vessey)やToby(Jonathan Jackson)との間に友情を築いていくのだった。(作品の詳細はこちら


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Cillian1人祭り。うひゃーーっ、Cillianがとても若い。少年みたい。中性的な美しさが、際立っていました。パジャマの上からセーターを羽織った無防備なCillianが、可愛い過ぎる(*^^*)

さて反抗的なJonathanはFigure先生と衝突を繰り返すが、同世代のグループのリーダー的な存在になっていくのは、ごく自然のなりゆきだったように思う。誰かに何かを命令したり仕切ったりする類(たぐい)のリーダーではなく、そばに居てちゃんと話を聞いてくれる存在で、彼には人をひきつける何かがあった。


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成り行き上?話の聞き役&慰め役になるが、当のJonathanだって実は愛情に飢え、他の若者たちのように人のぬくもりが欲しかったに違いない。けれど彼らは頭が良く繊細すぎるが故に、色々なことを考えすぎ、苦しみ悩み惑って同じ所をグルグル。若いから感情のコントロールがうまくできない。無茶なことや馬鹿なことを仕出かしてしまう。死に憧れたりする。でもこういった時間や経験が、誰にも必要なのだ。人生の荒波に飛び込んでいく前の、大事な時期なのだと思う。


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by amore_spacey | 2018-01-11 02:30 | - Other film | Comments(4)

プルートで朝食を (Breakfast On Pluto)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 親から捨てられた乳飲み子のPatrick(Cillian Murphy)は、Liam Neeson神父(Liam Neeson)に助けられBraden家の養子になる。美しく中性的な青年Kittenへと成長したPatrickは、アイルランドの田舎町では浮いた存在だった。ひょんなことから自分は孤児だと知り、実の母(Eva Birthistle)を探す旅に出る。Patrick McCabeの同名の小説を映画化。(作品の詳細はこちら


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Cillian Murphy1人祭り。これ、いいわぁ。すごく良かった。各エピソードにタイトルがついて、夢のようなおとぎ話のような、ふんわりした雰囲気に包まれている。けれどそこかしこにKittenの悲しみや孤独が垣間見えて、笑いながら心のどこかがきゅんと痛む。風に揺れる柳のように、どんな事件に巻き込まれても抗わず、あるがままを受け止めて乗り越えていく。自分の気持ちにウソがつけないから、傷ついたり面倒なことに巻き込まれると分かっていながら、困難な道を選んでしまう。ええ、そういう人っていますね。


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飄々と生きているように見えるが、抱えきれないほどの悲しい思いがあり、他人には優しくできても、自分のことになるとどうしていいのか分からない。一大決心をして実の母に会いに行ったのに、自分の正体を告げることなく立ち去るなんて、何やってんの?ここ、一番大事なトコでしょ?ずっとずっと会いたかったんじゃなかったの?ったく、切なすぎるじゃありませんか。あのシーンは、画面に飛び込んで行って、ぎゅっとハグしてあげたかった(T^T)


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70年代のサイケな衣装や音楽が懐かしくて、動画で音楽(←音が出ます)をさがしてしまいました。あの頃のファッションやヘアスタイルも満載で、色んなCillianが堪能できます。無邪気で可愛いだけでなく、しなやかで妖艶な姿を惜しみなく見せてくれる。当時29歳ですかァ?女よりずっと女らしくて、悩まし過ぎ。もう、何なんですか、あの色気は! IRAにもさらっと触れつつ、それは本作品のテーマではないので掘下げることなく、はいっ、次!ってな具合に、話は淡々と進んでいく。ポップでクールな中に、誰にも言えない深い悲しみが紛れ込んでいるのでした。


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by amore_spacey | 2018-01-05 02:41 | - Other film | Comments(6)

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦 (Anthropoid)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (85点)

ネタばれあり!

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【あらすじ】 第2次世界大戦下、ナチス第三位の高官であったReinhard Heydrich(Detlef Bothe)は、非情かつ残忍で「プラハの虐殺者」と恐れられていた。イギリス政府とロンドンのチェコスロヴァキア亡命政府から、彼を暗殺する指令を受けて、ロンドンから送り込まれたJosef Gabcík(Cillian Murphy)やJan Kubis(Jamie Dornan)ら7人の暗殺部隊は、落下傘でチェコに潜入する。現地ではHajský(Toby Jones)などのレジスタンスの協力を得て、Heydrich襲撃は実行されたが、予想通りナチスの容赦ない報復が始まる。第2次世界大戦下の史実をもとに、ナチス高官Reinhard Heydrich暗殺作戦の顛末を描く。(作品の詳細はこちら


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ピーキー・ブラインダーズのシーズン1234を観て、Cillian Murphyにハマッてしまい、さっそく1人祭りを始めたのですが、その最初の作品として観るには、余りにも重かった。当時の世界情勢も知らなさ過ぎました。とてつもないエネルギーで迫る、Heydrich襲撃や大聖堂での血の報復戦を思い出すと、その緊迫感や臨場感に今でも心拍数が上がってしまう。


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何が重いって、Josefたちが下した苦渋の決断である。Heydrichを暗殺したところで、代わりはいくらでもいるし、暗殺後、報復措置として大勢のチェコ市民が殺されることは安易に予測できる。「そこまで分かっていながら、なんで暗殺計画を決行したんだ?」ということになるが、当時のチェコの状況を調べると、その理由が浮かび上がってくる。Adolf Hitler率いるドイツは、前代未聞の快進撃で着実に領土を拡大し、チェコも無理矢理ドイツに併合する一方で、労働者を優遇する政策を打ち出す。飴とムチでチェコを懐柔しようという訳だ。でもこのままドイツに丸め込まれてしまったら、チェコはドイツの味方とみなされ、欧州の中で孤立してしまう。さあ、どうする?

「孤立?ドイツの傘下におさまれば、全く問題なーし」という者がいれば、「ドイツと味方?それはないわ」と考える者もいた。後者が憂慮しているのは、チェコという国の存続。「チェコは連合国側であり、反ナチスの国なんです」と、欧州各国に対して明確な意思表示をし、何らかの形でナチスに抵抗しなければ、祖国が消滅する危機に瀕していたのだ。

…といった史実や苦悩は、鑑賞後に調べて分かったもので、作品の中でもう少し突っ込んで描いてくれたら、脳ミソ空っぽな私もそれなりに状況が理解できたなァ。それはさておき、ダイナミックで鮮烈な映像から迸(ほとばし)り出てくる、群集心理に駆られた人間の狂気に満ちた残虐性や、世の中の不条理や、理不尽な歴史に翻弄された人々の慟哭が、あまりにもドス黒く大きく渦巻いて、盃のような私の許容量では受け止めきれず、打ちのめされてうな垂れているばかりです。あの霊柩車が10分早く大聖堂に着いていたら、Curda(Jirí Simek)の裏切りがなかったら、歴史は変わっていたかも?なんて言ってるレベルじゃありませんわ。


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で、Josefを演じたCillian Murphy。不謹慎な言い方ですが、危機に瀕した時の彼には、何とも言えないエロさがあって、クラクラ目眩がしました。ガラス玉のような瞳の奥に火が灯り、掴みどころのない表情がゆっくり動き始める。自分のこめかみに銃口を当て、引き金を引く瞬間のCillian!My love!シリアスなのに、私ってヤツは…。抑制の効いた控えめな演技だからこそ、より真実味があり、心に訴えかけてくる有無を言わせない力がある。相棒のJanを演じたJamie Dornanは、正統派イケメンですかね。彼のほうがクールで決断力もありそうなのに、Marieと恋仲になったりパニック発作を起こしたり、自分の気持ちにとても正直な人だったな。


 
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by amore_spacey | 2018-01-04 00:17 | - Other film | Comments(2)

アメリカン・アサシン (American Assassin)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (66点)

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【あらすじ】 両親を事故で亡くし、婚約者をテロ襲撃で失った 23歳のMitch Rapp(Dylan O'Brien)は、CIAから暗殺者としてスカウトされる。冷戦期に活躍したベテラン工作員、Stan Hurley(Michael Keaton)の指導の下、Rappは暗殺のための技術を次々と習得していった。そして他の工作員たちとともに、テロリストに立ち向かっていく。(作品の詳細はこちら


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まだまだ地味ィに続けている、Taylor Kitschひとり祭り。こんなスカスカな作品を、今年最後のレビューに取り上げるのも何だかなぁとは思いましたが、Taylorが観たかったのでお許し下さいまし。


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アメリカではまあまあの興行成績だったそうですが、イタリアでは公開前から酷評され、散々な結果でした。主役はDylan O'Brienなんだけど、ポスターを見れば真の主役は誰かなんて、一目瞭然であります。若くてイケメンのDylanが、デキるCIA工作員としてもっとカッコいい男になっていく、そしてそれを脇でそっと見守るのがMichael Keaton。のはずなんだけど、Michaelのほうが良くも悪くも強烈でインパクトがあったし、ベテラン役者としての存在感は他を圧倒しておりましたなぁ。


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「Dylanくんは若いんだし、イケメンのイメージが大切だから、汚れたシーンは絶対にやらせられないですよぉ。」「ボクはもうこんな歳だから、ボコボコに殴られて血まみれになるような脇役も、ぜーんぜんOKですからね」by Michael なんて話が、キャスティングの段階で出たかもしれません。刺身のツマ的な脇役だったのに、作品が仕上がって試写会で観てみたら、Michaelの目立ちっぷりにみんな仰天!おいしいところを全部、Michaelに持って行かれちゃった、みたいな☆


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ま、そんなことはどーでもいいんです。私はTaylorばかり観てたから。やっぱり彼は、ショートヘアだな。毛糸の帽子も、よく似合ってる。あのシーンで彼が上半身裸なのは、全く意味不明ですが、ファンサービスですね、うふふっ。ってことで、これが今年最後の記事になります。どうぞ良い年末年始をお過ごし下さいませ。


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by amore_spacey | 2017-12-30 02:34 | - Other film | Comments(0)

ノッティングヒルの恋人 (Notting Hill)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (90点)

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【あらすじ】 バツイチの冴えない男William(Hugh Grant) は、ロンドン西部のノッティング・ヒルで旅行書専門の書店を営んでいる。大して儲かっていないその店に、ある日どこかで見たような女性が訪れた。それはハリウッド・スターAnna(Julia Roberts)だった。本を買った彼女は微笑んで店を去るが、そのすぐ後に飲み物を買いに出たWilliamと街角で衝突、Annaの服がオレンジジュースで汚れてしまった。うろたえたWilliamは自分のアパートに連れて行き、服を乾かす。不器用ながらも誠実な彼に、Annaは好意を寄せた。(作品の詳細はこちら


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ハリウッドの大スターと小さな本屋の店員のラブストーリー?いやいや、んなわけないだろうと突っ込みながらも、コミカルな会話に引き込まれて、「そんなことがホントにあったら、いいなぁ」と思わせてくれる、現代版おとぎ話。主題歌のShe(←音が出ます)が、これまた泣かせる。『ブリジッド・ジョーンズの日記』(2001)や『ラヴ・アクチュアリー』(2003)の元祖とも言える上質のラブコメで、何度観ても楽しめる作品だ。


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Hugh Grantの全盛期がちょうどラブコメブームと重なって、あのころ彼はラブコメの帝王でしたね(遠い目)。タレ目でちょっとはにかんだ表情が、憎めなくて可愛い。超イケメンじゃないけど、トータルでイイ感じ。彼にウソつかれても、意地悪されても、結局は許せてしまう。得なキャラの持ち主です。そんな彼の同居人Spike(Rhys Ifans)が、エキセントリックで強烈なインパクトがあって、ボケキャラの脇役なのに、アンタ、目立ち過ぎやろ(爆)


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Williamのお見合いシーンや、妹Honey(Emma Chambers)のバースデーパーティーのシーンは、色々な意味で忘れられない。フルータリアン(熟して木から自然に落ちた果実や種のみを食する人)という言葉を、この作品で初めて知った。パーティーの席では、大女優を前にして舞い上がるHoneyとKYなこの方のリアクションが、あまりにもかけ離れていて、人それぞれだなぁと。

人物描写が丁寧で、Williamを取り囲む人々の関係がとてもいいし、それぞれが良い意味でアクが強く、観ていて底抜けに楽しいのだ。ハッピーエンドに向かうときの躍動感や爽快感が心地よく、「William!頑張れ~!」と、思わず応援したくなる。ラストシーンの公園の2人も、ほーんとに良い雰囲気。素敵な余韻を残してくれる。


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Williamの本屋で働く(同僚?アシスタント?)兄ちゃん、チョイ役なんだけど、勘違い振りがお茶目。あんなタイプ、現実にもいる、いる。


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by amore_spacey | 2017-12-22 01:43 | - Other film | Comments(3)