カテゴリ:- Other film( 343 )

Men & Chicken (メン&チキン)

ネタばれあり?

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 奇妙な性癖のある兄Elias(Mads Mikkelsen)と冴えない大学教授の弟Gabriel(David Dencik)は、死に際に残した父親のメッセージから、育ての親が実の親ではなかったばかりか、それぞれ母親も違うことを知った。そこで本当の父親を訪ねて行った彼らは、さらに3人の異母兄弟と遭遇する。家畜だらけの寂れた屋敷で、クセ者揃いの男たちが巻き起こす、奇想天外なルーツ探し狂想曲。(作品の詳細はこちら


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デンマーク映画だしポスターが強烈だったから、何かやらかしてくれるだろうと予想はしていたが、ストーリーが展開するにつれ、バイオレンスやブラックユーモアやシュールな場面が畳み掛けてきて、これらがまた恐ろしくナンセンスでバカバカしくて、前半は大いに笑いました。5人のうちの誰かが出てくるだけで、おかしいんだから。これは、監督や脚本や役者たちの演技力に尽きるでしょう。Madsの風貌や挙動不審や切れっぷりに笑い、弟とのすれ違いや自制心の欠如に悶々とする姿に、切なくなる。


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Eliasはところ構わずマスターベーションを始めるし、お化け屋敷に住む3人の異母兄弟たちは、異常なまでに凶暴で、いい年をした男たち5人が皿の模様(これ、伏線だったのね)を巡って大喧嘩したり、和やかに始まったはずのバドミントンが、血まみれの取っ組み合いに終わったりする始末。哲学や編み物や読み聞かせやハクセイ製作…など、それぞれ素晴らしい特技を持つ一方で、精神面が全く成熟していないため、うっかり地雷を踏んでしまうと血を見ることになる。そんな中で唯一Gabrielだけが‘まとも’といえるかもしれない。が、この作品を観ていると、‘普通’とか‘まとも’の基準が分からなくなってくる。というより、こういったカテゴリー化に意味ある?

家畜だらけで謎の多いお化け屋敷の秘密や、不気味な5人の異母兄弟の出生の秘密が明らかになるにつれ、終盤は猟奇的な空気が色濃くなる。ある意味『ハンニバル』を上回るようなシーンが出てきて、小学校の理科実験室にあった薄暗い一角を思い出し、気分が悪くなった。ホルマリン漬けとか・・・やめてくれェ。


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このまま絶望的なエンディングを迎えるのかと思いきや、父親の実験のせいで重い運命を背負った、凶暴な5人の野生児が、徐々に社会性を身につけ、彼らなりに新しい人生を切り開いていこうとする。実際こんな人たちが隣に住んでいたら、不安と恐怖でおちおち眠ることもできないし、何か事件でも起こそうものなら、速攻で警察を呼ぶに違いない。そんな人たちなんだけど、トコトンまで憎むことができず、何となく愛おしくすら思えてくるから不思議だ。ま、映画の中の出来事だから、都合のいいことを言ってられるんだけど…ね。



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by amore_spacey | 2016-05-24 23:42 | - Other film | Comments(2)

The Dressmaker (ザ・ドレスメーカー)

ネタばれあり!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 1951年、Tilly(Kate Winslet)は心身を病んだ母親Molly(Judy Davis)の面倒をみるため、オーストラリアにある生まれ故郷の小さな町に帰ってきた。彼女は10歳の時、男の子を殺した疑いをかけられて、追われるように町から出て行った。ヨーロッパ各地を転々としたあと、パリで有名なファッションデザイナーから仕立屋のトレーニングをうけ、ドレスメーカーとして成功をおさめた彼女は、垢抜けない地元の人々を素晴らしいドレスで大変身させていく。しかし彼女はいつまでたっても、未解決の男児殺人の呪縛から逃れられない。そんな彼女を唯一理解し支えてくれたのは、Teddy(Liam Hemsworth)だった。(作品の詳細はこちら


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前半はコメディタッチで展開していくが、どこか素直に笑えないブラック・ジョークが多い。しかも殺された男の子ときたら、意地悪で性格が悪く、「不審な死に方をしても、自業自得だよね」と思わずにはいられない。もやもやした気持ちの中で、パッカーンと突き抜けていたのが、Kate Winsletの衣装だった。原色のドレスが目にも鮮やかで、熟しきった貫禄のあるボディや美しいブロンドの髪を引き立ててくれる。

さて、Kate扮するTillyの帰郷の本当の目的は、殺人の罪をなすりつけた人々に復讐すること。この町の住人にとって、Tilly&Molly母娘は、目障りで邪魔な存在だったから、男児殺人事件の現場にTillyがいたとなれば、邪魔者を消すには好都合という訳だ。しかしこの町の住人たちも、Tilly&Mollyに負けず劣らずの変わり者だから、物事が平和に運ぶはずがない。


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この作品の中で唯一いいヒトTeddy役のLiamは、目の保養&心のオアシス。彼が登場するたびに、胸がドキドキしました。「ひょっとして、(下着の)パンツまで脱いじゃう?」なんて、余計な期待心配までしちゃった。Chris兄貴よりずっとイケメンで可愛いじゃないか。LiamとKateが友人で同年代という設定は、どう考えてもあり得ないが、ま、いいのだ。

なのに、Teddyのあんな退場って…(絶句) 私、ぎゃん泣きしました(T^T) Teddyがいなくなって、重苦しい空気に拍車がかかる。もう観るの、やめようか?(やめなかったけど)


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数奇な人生を歩んできたTillyの母Mollyは、娘の気持ちがよく分かる。しかし、如何せん、天邪鬼で捻くれているため、真っ直ぐ娘を愛することができない。母娘の関係が実に面倒くさくて紆余曲折するが、娘のために最後はヒト肌脱いだ。決めるところはビシッと決める。かあさんの娘を思う気持ちに、うるうるです。


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知らなかったけれど、Hugo Weavingってあちこちで女装を披露してるんですね。えっ、私生活でも?(爆) 女装癖のある警官の登場で、重苦しい空気が幾らか軽くはなったが、いやはや、後味の悪い作品だった。


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by amore_spacey | 2016-05-10 02:31 | - Other film | Comments(2)

Amore, cucina e curry (マダム・マロリーと魔法のスパイス) 

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (75点)

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【あらすじ】 インドのムンバイでレストランを営むKadam家の次男として生まれたHassan(Manish Dayal)は、名料理人の母から絶対味覚を受け継ぐ。だがある晩、彼らの店は選挙絡みの暴動により全焼し、母親まで失ってしまった。失意の父(Om Puri)は子供たちを連れてヨーロッパに移住し、南フランスにある自然豊かな山間の小さな町にたどり着く。(作品の詳細はこちら


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フランスを舞台に、格式あるフレンチレストランのMadame Mallory(Helen Mirren) と、インド料理店の経営者(Om Puri)のバトルが、イタリアのTVドラマBenvenuti a tavolaに登場する、Conforti一家(ミラノ) vs Perrone一家(南イタリア)のバトルに似ていて、可笑しかった。2人のベテラン役者の、落ち着いた佇まいは、さすがキャリアや年の功だなと思う。


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食欲をそそる彩り豊かな料理が登場した。中でもHassanの母親が大鍋に作っていたウニのスープ(ソース?)や、Madame MalloryがHassanと一緒に作ったスパイシーなオムレツ、この2つがとてもおいしそうで気になった。ウニのスープに具は何も入ってないのかなぁ?


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Kadam家の次男Hassanを演じたManish Dayalは、インドのイケメン青年!目の保養になりました。邦画のタイトルは、、、何だかなぁ。


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by amore_spacey | 2016-04-05 01:11 | - Other film | Comments(2)

Julie & Julia (ジュリー&ジュリア)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (76点)

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【あらすじ】 1949年、Julia Child(Meryl Streep)は外交官の夫Paul Child(Stanley Tucci)の転勤でパリにやって来る。そこで食に目覚めた彼女は名門料理学校ル・コルドン・ブルーのプロ養成コースに通い、やがて料理本を執筆するまでになる。その50年後、Julie Powell(Amy Adams)はJuliaの524のレシピを1年で制覇し、ブログに載せるという無謀な計画を実行する。(作品の詳細はこちら


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Julieのたくましさや並外れたユーモアのセンスに笑い転げ、自己実現のために奮闘するJuliaの姿に、思わずエールを送りたくなる。楽しい作品だった。意地になってタマネギを刻むJulieと、『プラダを着た悪魔』の鬼のようなMirandaが、同一人物とは到底思えない。Meryl Streepもこの役を演じるのが、楽しくて仕方がないといった感じだった。ただ・・・大袈裟な演技は滑稽で面白いが、度重なると鼻につく。今回は線上ギリギリ。コメディの度合いは、『マンマ ミーア!』ぐらいが好きだ。


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パワフルでたくましいJulieに対して、Juliaはキュートで愛嬌があり、どんな失敗も許せてしまう。それにしても524のレシピを1年で制覇してブログに掲載って、、、。終わってしまえばあっという間の1年だけれど、目の前にあるこれからの1年は長い。毎日欠かさず1~2のレシピを作り、しかもブログに書き続けるってのは、ド根性がないと出来ない。


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んっ?パステル・ブルーのスーツを着たあの方は、『Glee』でチアリーディング部の顧問を演じた、Jane Lynchですね。背が高いから、目立ちます。かなり天邪鬼なんだけど、根っこは可愛らしいキャラ、そんな彼女が大好き。


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by amore_spacey | 2016-03-26 19:37 | - Other film | Comments(2)

Les saveurs du Palais (大統領の料理人) 

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 フランスの田舎でこじんまりとしたレストランを経営するHortense(Catherine Frot)のもとに、ある日フランス政府の公用車がやって来る。彼女はパリ中心部にあるエリゼ宮殿と呼ばれる大統領官邸へ招かれ、François Mitterrand大統領(Jean d'Ormesson)のプライベートシェフに任命されたのだ。だがこれまで女性料理人がいなかった男社会の厨房で、Hortenseはよそ者でしかなかった。フランス大統領官邸史上唯一の女性料理人の実話を映画化。(作品の詳細はこちら


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大統領官邸と南極基地の厨房の風景。Hortenseの過去と現在の職場シーンを交差させながら、ストーリーが展開していく。大衆食堂のおばちゃん風の彼女が、紅一点で頑張る。男たちの嫉妬や専横に構わず、数々の細かい約束事を時には大胆に無視、栄養士なんかクソ食らえ!で、美味しい料理をつくることだけに、真摯に豪快に突き進んでいく。唯一彼女が気にかけていたのは、自分の料理が大統領を幸せにしているかどうかということ。そんなHortenseの人柄にひきつけられた。


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望まざる栄光を得ながらも、その栄光をあっさりと捨て、自ら望む幸せを掴もうとする、底抜けに強いHortenseの、料理しかないという潔い生き方がかっこいい。南極の最後の日のシーンにほろり。調査隊にとって母親のような存在のHortense、彼らに慕われ、頼りにされていたんだな。


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お腹が空いていたら尚更、お腹が空いていなくても、この映画は食欲のツボを刺激して、困ってしまう。


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真夜中、大統領とHortenseが一緒に食べる、黒トリュフのタルティーヌをみたら、猛烈に食べたくなった助手の青年Nicolas(Arthur Dupont)が、Hortenseの横でいい雰囲気を醸し出していた。


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by amore_spacey | 2016-03-24 21:21 | - Other film | Comments(2)

Mostly Martha (マーサの幸せレシピ) 

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 Martha Klein(Martina Gedeck)はハンブルクのフランス料理店で女性シェフとして働いている。優れた味覚と腕前を持ちながらも、オーナーからは“街で2番目のシェフ”と評されていた。Marthaは仕事は優秀だが、逆に自ら食事を楽しむこともない。なかなか人に心を開かず休日も一人で過ごし、デートにも出掛けない。
 だがそんな彼女にも一大転機が訪れる。姉が事故死し、その娘Lina(Maxime Foerste)をMarthaが引き取ることになった。始めは互いにギクシャクしていたが、陽気に人生を楽しむイタリア人シェフMario(Sergio Castellitto)の出現によって、忘れていた心の触れ合いに気付いていく。(作品の詳細はこちら


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料理をメインにしたドイツ映画なんて珍しい。ずいぶん前に観たリメイク版『幸せのレシピ』がなかなか良かったので、このオリジナルも楽しみにしていた。期待を裏切らない作品だった。主役の2人が美男美女でないところにも、親近感を抱いた。

Marthaを演じたMartina Gedeckが、とても魅力的だった。誰にも心を開かず、ひねくれ者で拘りの強いMartha。そこに登場するのが、これまたMarthaに似た性格の姪っ子Lina。自分自身のことさえ持て余しているMarthaに、姪の扱い方なんて分かるはずがない。しかしMarioや階下に引っ越してきたバツイチのSam(Ulrich Thomsen)のお陰で、徐々に角がとれ、心の氷がゆっくり融けていく。固い表情だったMarthaやLinaから、笑顔が見え隠れするようになるにつれ、視聴者も嬉しくなる。


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Marthaが目隠しをされて、味をあてるゲーム。このシーンは本作品もリメイクも、エロティックでドキドキする。最後にMarioが優しく口づけするシーンは、甘くロマンティックでとろけそうになる。音楽も素晴らしい。それからMarioやLinaが厨房でスパゲッティを食べるシーン。Marioのリズミカルなフォーク使いや、ぎこちない手つきで食べるLinaを見ていたら、速攻でスパゲッティが食べたくなった。スパゲッティには、ラーメンのような威力があって、見たらすぐに食べたくなる。満腹でも食べられる。Marthaのセラピストを演じるAugust Zirnerや、階下の隣人を演じるUlrich Thomsenが、何気に可笑しい。


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by amore_spacey | 2016-03-21 18:46 | - Other film | Comments(0)

Eat, Pray, Love (食べて、祈って、恋して)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (62点)

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【あらすじ】 ニューヨークでジャーナリストとして活躍するElizabeth(Julia Roberts)は、離婚と失恋を経た後、全てを捨てて自らを探す旅に出る。イタリアでは食の快楽を追求し、インドのアシュラムでは精神力を高めるべくヨガと瞑想(めいそう)に励む。そして最後に訪れたインドネシアのバリ島では、彼女の人生を大きく変える出会いが待っていた。Elizabeth Gilbertの自伝的小説を映画化。(作品の詳細はこちら


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公開当時ひじょうに評判が悪かったので、Luca Argenteroが出演しているにも関わらず、観ないまま過ぎてしまったが、今回ある調査のため、本作品のイタリア編だけ観た。あちゃーーっ、こりゃヒドイ。「ギャラもらったから出たけど…」なオーラが、どの出演者からも出ていて、痛々しく腹立たしい。なので今回の目的である「食」とLucaの鑑賞のみに集中することにした。


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朝のバール・散歩途中のジェラート・トマトソースのシンプルなスパゲッティ・本場ナポリの特大ピッツァマルゲリータ・友人たちとの食事・ワイン・丸ごとローストしたホロホロ鳥(ターキー?)…。こうしてみていると、イタリアは食の舞台にふさわしい。フレンチや和食に比べれば、彩りや盛り付けが大雑把だけど、素材をいじくり回さないから、素材がよければ、すこぶるおいしい。そしておいしいものを大勢で囲んで食べれば、なお美味しい&楽しい&話が弾む。これなんだなぁ、イタリアの食の醍醐味は。


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でもねェ、何の説明もなく、いきなりJulia姐とLucaが一緒に登場したり、Lucaの恋人?やトスカーナで暮らすLucaの家族が、脈絡なく出てくるのには参りました。「ストーリーは、視聴者の想像力にお任せ」「ヒントをあげるから、適当に補って繋げちゃって下さい」の、丸投げ状態。ロケ中も、何だかなぁ?な場面があったんだろうな。笑顔の素敵なLucaが、まったく冴えないんだもん。妙にひきつった笑いが隋所に出てきて、かわいそうな役どころでした。「ま、でも、ギャラもらってるから、いっか」ってなトコロですかね。それにしても主人公には、まったっく共感できなかったな。


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by amore_spacey | 2016-03-19 00:26 | - Other film | Comments(0)

Remember (手紙は憶えている)

ネタばれあり?

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 妻を亡くした老人Zev Gutman(Christopher Plummer)は認知症を患いながら、高齢者ケア施設で知り合った、アウシュビッツの生存者の仲間Max Rosenbaum(Martin Landau)の手紙を基に、かつて自身の家族を殺したアウシュビッツの監視人に復讐を図る。(作品の詳細はこちら


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本作品の主役を演じたChristopher Plummer。若かりし頃の彼は、Michael Fassbenderを彷彿させる超イケメンで、『サウンド・オブ・ミュージック』のVon Trapp大佐(当時36歳)があまりにもダンディー&クールで、彼が画面に出てくるたびにクラクラ目眩がしたものだった。


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あのTrapp大佐も、いまや86歳。準主役陣も高齢のため保険代が高くなり、製作に難航したという逸話があるらしい。初めのうちは色々な意味で、「大丈夫かな?」と思わせるが、話が展開するに従い、作品にぐいぐい引き込まれていく。


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徐々に緊張感で引き締まり、重鎮俳優たちの健在ぶりに圧倒されながら、意外な事実に仰天させられる。あんなに都合よく偶然が重なることは不可能に近いが、こんな方法で復讐することもできるのだ。もちろん作品にも魅かれたが、いくつになっても現役で活躍している役者の姿や、与えられた生を役者として全うしたいという心意気に、感動で胸が熱くなった。


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by amore_spacey | 2016-03-10 02:23 | - Other film | Comments(2)

Legend (レジェンド - 狂気の美学)

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★☆☆(75点)

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【あらすじ】 1960年代初頭、活気に満ちたロンドン。双子のギャング、Reggie Kray(Tom Hardy)とRon Kray(Tom Hardy)は、手段を選ばない方法で街の権力を手中に収めつつあった。さらなる勢力拡大のためにアメリカのマフィアと手を組み、有力者やセレブリティとも懇意の関係を築き上げた彼らの影響力は、イギリス社会の上流階級にまで及び、その勢いはとどまるところを知らなかった。そんな時Reggieは部下の妹Frances(Emily Browning)と恋に落ち結婚。悪事と手を切ると約束したReggieは、自らが所有する複数のナイトクラブの経営に注力するようになる。 しかし組織内の不調和、警察の執拗な捜査、Ronの凶暴性、偏執性と自滅的な行動が引き起こす数々の災厄によって、彼らの栄華は徐々に脅かされてゆく。(作品の詳細はこちら


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ギャングと言うと、Robert De NiroやMarlon BrandoやAl PacinoやAlain Delonが頭に浮かび、クールで粋な奴らのハードボイルドな生き様を期待してしまう。が、本作品はガラの悪い連中たちの縄張り争い的ちっちゃな規模で、どこを探しても、狂気の美学は見つからなかった。邦画のタイトル、カッコよすぎて、照れるぜェ。何か中途半端で、尻すぼみだったのが残念。ナレーターを務めるFrancesは終始淡々と語るが、Feggieとの関係が破綻し、自死の道を選んだ彼女を思うと、あまりにも可哀想すぎる。


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ReggieとRonの演じ分けは、なかなか見ものだった。Ronの独特の声色やじっと見る異様な眼差しに、彼の特異なキャラが滲み出ていた。結局厄介なRonのせいで、順調に行くかに見えたReggieは、自分の人生を台無しにしてしまう。それだけReggieは繊細で、悲哀に満ちた人間だったと思えるのだ。


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by amore_spacey | 2016-02-26 23:36 | - Other film | Comments(2)

Sous le sable (まぼろし)

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (80点)

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【あらすじ】 Marie(Charlotte Rampling)とJean(Bruno Cremer)は結婚して25年になる50代の夫婦。子どもはいないが幸せな生活を送っている。いつものように今夏もバカンスを過ごすため、フランス南西部の別荘にやって来た。2人はビーチに出たが、Marieが浜辺でうたた寝をしている間に、Jeanは海に泳ぎに行ったらしく、目を覚ました彼女は、夫が海から戻っていないことに気づく。夫が海で溺れたのではないかと、ヘリコプターまで出動して大がかりな捜索を行ったが、Jeanは行方不明のまま。1人でパリの自宅に戻った彼女は、何事もなかったように夫と普通に暮らしているように見えた。(作品の詳細はこちら


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Charlotte Rampling祭り。愛する人の姿が見えない時のざわっとした嫌な気持ち。これが失踪したかもしれない強い不安に変わり、愛する人を失った現実を受け入れられないMarie。ぽっかり穴があいた心の中を、夫の幻覚で埋めていく日々。ときどき「えっ?」な発言はあっても、彼女は人前で取り乱したりせず、泣き言すら言わないで、淡々と暮らしている。傍目には以前と何ら変わりがない。そこにゾッとする怖さが潜んでいる。


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夫の幻覚を見るたびに、彼女の心情が赤裸々に描き出され、切ないったらない。Jeanは海で溺れたのか?自殺したのか?それとも、自由を求めて失踪したのか?私のことを愛していなかったの?答えが見つからないMarie(そして視聴者)に、姑は言葉の刃を投げつける。それはMarieにとって衝撃的ではあったが、相変わらず答えは出ない。遺体や遺品の確認をしても、宙ぶらりんのまま。目に見えないごく僅かな速度で、Marieはすでに壊れ始めていた。


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当時54歳のCharlotteが、ある時は20代の女性に、またある時は初老の女に見えたり。彼女の演技も素晴らしいが、幾つもの瞬間の彼女を撮った監督やカメラマンは、それ以上に凄い。余談だけど、コトの最中に突然女性が笑い出したら、男性はビックリして萎える…よねェ。


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by amore_spacey | 2016-02-21 03:00 | - Other film | Comments(0)