カテゴリ:- Other film( 348 )

Mostly Martha (マーサの幸せレシピ) 

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 Martha Klein(Martina Gedeck)はハンブルクのフランス料理店で女性シェフとして働いている。優れた味覚と腕前を持ちながらも、オーナーからは“街で2番目のシェフ”と評されていた。Marthaは仕事は優秀だが、逆に自ら食事を楽しむこともない。なかなか人に心を開かず休日も一人で過ごし、デートにも出掛けない。
 だがそんな彼女にも一大転機が訪れる。姉が事故死し、その娘Lina(Maxime Foerste)をMarthaが引き取ることになった。始めは互いにギクシャクしていたが、陽気に人生を楽しむイタリア人シェフMario(Sergio Castellitto)の出現によって、忘れていた心の触れ合いに気付いていく。(作品の詳細はこちら


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料理をメインにしたドイツ映画なんて珍しい。ずいぶん前に観たリメイク版『幸せのレシピ』がなかなか良かったので、このオリジナルも楽しみにしていた。期待を裏切らない作品だった。主役の2人が美男美女でないところにも、親近感を抱いた。

Marthaを演じたMartina Gedeckが、とても魅力的だった。誰にも心を開かず、ひねくれ者で拘りの強いMartha。そこに登場するのが、これまたMarthaに似た性格の姪っ子Lina。自分自身のことさえ持て余しているMarthaに、姪の扱い方なんて分かるはずがない。しかしMarioや階下に引っ越してきたバツイチのSam(Ulrich Thomsen)のお陰で、徐々に角がとれ、心の氷がゆっくり融けていく。固い表情だったMarthaやLinaから、笑顔が見え隠れするようになるにつれ、視聴者も嬉しくなる。


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Marthaが目隠しをされて、味をあてるゲーム。このシーンは本作品もリメイクも、エロティックでドキドキする。最後にMarioが優しく口づけするシーンは、甘くロマンティックでとろけそうになる。音楽も素晴らしい。それからMarioやLinaが厨房でスパゲッティを食べるシーン。Marioのリズミカルなフォーク使いや、ぎこちない手つきで食べるLinaを見ていたら、速攻でスパゲッティが食べたくなった。スパゲッティには、ラーメンのような威力があって、見たらすぐに食べたくなる。満腹でも食べられる。Marthaのセラピストを演じるAugust Zirnerや、階下の隣人を演じるUlrich Thomsenが、何気に可笑しい。


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by amore_spacey | 2016-03-21 18:46 | - Other film | Comments(0)

Eat, Pray, Love (食べて、祈って、恋して)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (62点)

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【あらすじ】 ニューヨークでジャーナリストとして活躍するElizabeth(Julia Roberts)は、離婚と失恋を経た後、全てを捨てて自らを探す旅に出る。イタリアでは食の快楽を追求し、インドのアシュラムでは精神力を高めるべくヨガと瞑想(めいそう)に励む。そして最後に訪れたインドネシアのバリ島では、彼女の人生を大きく変える出会いが待っていた。Elizabeth Gilbertの自伝的小説を映画化。(作品の詳細はこちら


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公開当時ひじょうに評判が悪かったので、Luca Argenteroが出演しているにも関わらず、観ないまま過ぎてしまったが、今回ある調査のため、本作品のイタリア編だけ観た。あちゃーーっ、こりゃヒドイ。「ギャラもらったから出たけど…」なオーラが、どの出演者からも出ていて、痛々しく腹立たしい。なので今回の目的である「食」とLucaの鑑賞のみに集中することにした。


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朝のバール・散歩途中のジェラート・トマトソースのシンプルなスパゲッティ・本場ナポリの特大ピッツァマルゲリータ・友人たちとの食事・ワイン・丸ごとローストしたホロホロ鳥(ターキー?)…。こうしてみていると、イタリアは食の舞台にふさわしい。フレンチや和食に比べれば、彩りや盛り付けが大雑把だけど、素材をいじくり回さないから、素材がよければ、すこぶるおいしい。そしておいしいものを大勢で囲んで食べれば、なお美味しい&楽しい&話が弾む。これなんだなぁ、イタリアの食の醍醐味は。


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でもねェ、何の説明もなく、いきなりJulia姐とLucaが一緒に登場したり、Lucaの恋人?やトスカーナで暮らすLucaの家族が、脈絡なく出てくるのには参りました。「ストーリーは、視聴者の想像力にお任せ」「ヒントをあげるから、適当に補って繋げちゃって下さい」の、丸投げ状態。ロケ中も、何だかなぁ?な場面があったんだろうな。笑顔の素敵なLucaが、まったく冴えないんだもん。妙にひきつった笑いが隋所に出てきて、かわいそうな役どころでした。「ま、でも、ギャラもらってるから、いっか」ってなトコロですかね。それにしても主人公には、まったっく共感できなかったな。


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by amore_spacey | 2016-03-19 00:26 | - Other film | Comments(0)

Remember (手紙は憶えている)

ネタばれあり?

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 妻を亡くした老人Zev Gutman(Christopher Plummer)は認知症を患いながら、高齢者ケア施設で知り合った、アウシュビッツの生存者の仲間Max Rosenbaum(Martin Landau)の手紙を基に、かつて自身の家族を殺したアウシュビッツの監視人に復讐を図る。(作品の詳細はこちら


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本作品の主役を演じたChristopher Plummer。若かりし頃の彼は、Michael Fassbenderを彷彿させる超イケメンで、『サウンド・オブ・ミュージック』のVon Trapp大佐(当時36歳)があまりにもダンディー&クールで、彼が画面に出てくるたびにクラクラ目眩がしたものだった。


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あのTrapp大佐も、いまや86歳。準主役陣も高齢のため保険代が高くなり、製作に難航したという逸話があるらしい。初めのうちは色々な意味で、「大丈夫かな?」と思わせるが、話が展開するに従い、作品にぐいぐい引き込まれていく。


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徐々に緊張感で引き締まり、重鎮俳優たちの健在ぶりに圧倒されながら、意外な事実に仰天させられる。あんなに都合よく偶然が重なることは不可能に近いが、こんな方法で復讐することもできるのだ。もちろん作品にも魅かれたが、いくつになっても現役で活躍している役者の姿や、与えられた生を役者として全うしたいという心意気に、感動で胸が熱くなった。


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by amore_spacey | 2016-03-10 02:23 | - Other film | Comments(2)

Legend (レジェンド - 狂気の美学)

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★☆☆(75点)

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【あらすじ】 1960年代初頭、活気に満ちたロンドン。双子のギャング、Reggie Kray(Tom Hardy)とRon Kray(Tom Hardy)は、手段を選ばない方法で街の権力を手中に収めつつあった。さらなる勢力拡大のためにアメリカのマフィアと手を組み、有力者やセレブリティとも懇意の関係を築き上げた彼らの影響力は、イギリス社会の上流階級にまで及び、その勢いはとどまるところを知らなかった。そんな時Reggieは部下の妹Frances(Emily Browning)と恋に落ち結婚。悪事と手を切ると約束したReggieは、自らが所有する複数のナイトクラブの経営に注力するようになる。 しかし組織内の不調和、警察の執拗な捜査、Ronの凶暴性、偏執性と自滅的な行動が引き起こす数々の災厄によって、彼らの栄華は徐々に脅かされてゆく。(作品の詳細はこちら


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ギャングと言うと、Robert De NiroやMarlon BrandoやAl PacinoやAlain Delonが頭に浮かび、クールで粋な奴らのハードボイルドな生き様を期待してしまう。が、本作品はガラの悪い連中たちの縄張り争い的ちっちゃな規模で、どこを探しても、狂気の美学は見つからなかった。邦画のタイトル、カッコよすぎて、照れるぜェ。何か中途半端で、尻すぼみだったのが残念。ナレーターを務めるFrancesは終始淡々と語るが、Feggieとの関係が破綻し、自死の道を選んだ彼女を思うと、あまりにも可哀想すぎる。


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ReggieとRonの演じ分けは、なかなか見ものだった。Ronの独特の声色やじっと見る異様な眼差しに、彼の特異なキャラが滲み出ていた。結局厄介なRonのせいで、順調に行くかに見えたReggieは、自分の人生を台無しにしてしまう。それだけReggieは繊細で、悲哀に満ちた人間だったと思えるのだ。


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by amore_spacey | 2016-02-26 23:36 | - Other film | Comments(2)

Sous le sable (まぼろし)

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (80点)

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【あらすじ】 Marie(Charlotte Rampling)とJean(Bruno Cremer)は結婚して25年になる50代の夫婦。子どもはいないが幸せな生活を送っている。いつものように今夏もバカンスを過ごすため、フランス南西部の別荘にやって来た。2人はビーチに出たが、Marieが浜辺でうたた寝をしている間に、Jeanは海に泳ぎに行ったらしく、目を覚ました彼女は、夫が海から戻っていないことに気づく。夫が海で溺れたのではないかと、ヘリコプターまで出動して大がかりな捜索を行ったが、Jeanは行方不明のまま。1人でパリの自宅に戻った彼女は、何事もなかったように夫と普通に暮らしているように見えた。(作品の詳細はこちら


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Charlotte Rampling祭り。愛する人の姿が見えない時のざわっとした嫌な気持ち。これが失踪したかもしれない強い不安に変わり、愛する人を失った現実を受け入れられないMarie。ぽっかり穴があいた心の中を、夫の幻覚で埋めていく日々。ときどき「えっ?」な発言はあっても、彼女は人前で取り乱したりせず、泣き言すら言わないで、淡々と暮らしている。傍目には以前と何ら変わりがない。そこにゾッとする怖さが潜んでいる。


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夫の幻覚を見るたびに、彼女の心情が赤裸々に描き出され、切ないったらない。Jeanは海で溺れたのか?自殺したのか?それとも、自由を求めて失踪したのか?私のことを愛していなかったの?答えが見つからないMarie(そして視聴者)に、姑は言葉の刃を投げつける。それはMarieにとって衝撃的ではあったが、相変わらず答えは出ない。遺体や遺品の確認をしても、宙ぶらりんのまま。目に見えないごく僅かな速度で、Marieはすでに壊れ始めていた。


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当時54歳のCharlotteが、ある時は20代の女性に、またある時は初老の女に見えたり。彼女の演技も素晴らしいが、幾つもの瞬間の彼女を撮った監督やカメラマンは、それ以上に凄い。余談だけど、コトの最中に突然女性が笑い出したら、男性はビックリして萎える…よねェ。


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by amore_spacey | 2016-02-21 03:00 | - Other film | Comments(0)

Zoolander 2 (ズーランダー 2)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (76点)

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【あらすじ】 世界のトップモデルとなったDerek Zoolander(Ben Stiller)、彼のキメ顔はファッション界を根底から変えた。しかし彼が創立したモデル学院は不慮の事故で倒壊し、これに巻き込まれた妻は死亡、1人息子Derek Zoolander Jr.やライバルのHansel(Owen Wilson)は行方不明となる。一方ローマに本部のあるファッション・インターポールのエージェントValentina(Penélope Cruz)は、ファッションに携わる何者かがローマで陰謀を企んでいる情報をつかんだ。Valentinaはモデルに復帰するようDerekやHanselを説得し、捜査協力を要請する。(作品の詳細はこちら


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15年ぶりに、DerekとHanselの名コンビが戻ってきた。 『ズーランダー』同様、大勢の俳優や人気セレブたちがカメオ出演しているおバカ映画。今回はローマを舞台に、Justin Bieberの冒頭シーンや時代を反映したインスタグラム、カメオのレベルを超えたBenedict Cumberbatchの顔演技や、『ローマの休日』のワンシーンのCG挿入など、楽しいアイテムが満載だった。


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食わず嫌いだったPenélope Cruzだけど、あの弾けっぷりに好感度上昇中。ローマのValentino Garavani本店が、インターポールの本部だなんて…(爆) カメオ出演したStingやSusan SarandonやKiefer Sutherlandなどは、主役顔負けの真剣演技&ノリが良い。John MalkovichやMika(彼、どこにいた?)や娘たちの世代が良く知っているセレブたちも、「参加することに意義がある!」で、みんなノリノリ。この手のB級映画は、頭を空っぽにして楽しめるのがいい。


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by amore_spacey | 2016-02-19 01:54 | - Other film | Comments(0)

Trumbo (トランボ)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (80点)

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【あらすじ】 ハリウッド黄金期に第一線で活躍していた脚本家Dalton Trumbo(Bryan Cranston)は、冷戦の影響による赤狩りの標的となり、下院非米活動委員会への協力を拒んだために、投獄されてしまう。釈放された後もハリウッドでの居場所を失ったTrumboは、親友Ian McLellan Hunter(Alan Tudyk)の名前を使って『ローマの休日』などの名作を世に送りだし、アカデミー賞を2度も受賞する。逆境に立たされながらも信念を持って生きたTrumboの映画への熱い思いと、そんな彼を支え続けた妻Cleo(Diane Lane)や長女Niki(Elle Fanning)たち家族や映画関係者の真実を描き出す。(作品の詳細はこちら


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赤狩りやレッド・パージの言葉を聞いたことはあるが、ハリウッド黄金期に絡んでいたとは知らなかった。またこの作品を観る前に、偶然この記事目にして2度びっくり。暗黒時代のハリウッドを暴き、政治思想を含んだ作品ではあるが、娯楽映画としての面白みも遺憾なく発揮されて、最後まで楽しむことができた。


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映画業界から干されたTramboは、プライドなんかクソ食らえ!日銭のために脚本を書いて、どこが悪い!開き直った人間は、強いね。閉塞した古い体質のハリウッドに挑戦し、B級映画の分野で結果を出した。コミュニストだろうが何だろうが、実力があれば必要とされるのが、映画の世界なのだ。


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しかし彼が復活する過程で払った犠牲も大きかった。失業した仲間の裏切りや、業界からの排除、そして家庭内での孤立。知らず知らずのにうちに、自分の心身をも損なっていく。エンド・ロールのあとに流れるTrambo本人の映像には、悪夢の時代の犠牲者として生きた1人の人間として、また父親としての思いに満ち溢れ、心を揺り動かされる。


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by amore_spacey | 2016-02-18 00:07 | - Other film | Comments(0)

Zoolander (ズーランダー)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (88点)

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【あらすじ】 Derek Zoolander(Ben Stiller)は超売れっ子のスーパーモデル。年間最優秀モデルを3年連続で受賞して、トップの座に君臨していた。しかし新人のHansel(Owen Wilson)に4年連続受賞を阻まれる。Derekは友達の不幸もあって、ますます落ち込み、引退を決意して家族が炭鉱で働いている地元に戻った。だが、家族に歓迎されず再びファッション界に身を置くことになる。既に居場所のないDerekに、ある日業界ナンバー1のデザイナー、Mugatu(Will Ferrell)からショーモデルのオファーがかかる。これを機に復活を懸けるDerekは、Mugatuがある計画を企んでいるなど知る由もなかった。(作品の詳細はこちら


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昨日から公開されている続編のZoolander 2を観に行く前に、15年前の本作品をおさらいしておこうと思って観なおした。こういう超B級映画や、ナンセンスなおバカ映画が大好き。えっ、Ben Stillerがスーパーモデルって(爆) キメの顔とか、ちっちゃい携帯とか、PCからデータを出そうする2匹の類人猿とか・・・アホ・レベルが桁違いで、突き抜けちゃっている。これはもう、突っ込み入れながら笑うしかない。

登場する人たちは、悪役も含めて憎めない奴ばかり。しかもカメオ出演が超豪華。私の笑いのツボをうまい具合に刺激して、気持ちよーくしてくれる作品だ。Ben Stillerと笑いのセンスが似てるってこと?これって、喜んでいいの?(O_o)


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Jon Voightなんて大真面目だったし、Vince Vaughnはスリムで別人だし、David Bowieがこんなシーンに出ちゃっていいの?なレベルの必殺パンツ抜き取りワザ。自分を捨てたMilla Jovovichの半端ないバカっぷりに、彼女のことがめちゃくちゃ好きになったの。



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by amore_spacey | 2016-02-14 02:55 | - Other film | Comments(0)

Stardust Memories (スターダスト・メモリー)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (81点)

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【あらすじ】 売れっ子俳優・映画監督Sandy Bates(Woody Allen)は、Stardustホテルで開催された彼の新作プレミアショーに呼ばれた。気が進まないまま会場に赴くが、ふっとした拍子に様々な過去が目の前に立ち現れては消えていく。彼の作品にも出演し、しばらく付き合ったDorrie(Charlotte Rampling)との日々は楽しかった。
 今は2人の子がいるフランス人女性Isobel(Marie-Christine Barrault)との関係に行き詰まり、そこから逃避したくて、知り合ったバイオリニストDaisy(Jessica Harper)を口説いている。そんなSandyと、映画製作者・評論家・偽知識人・マネージャー・ファンとの関係など、彼を取り巻く環境や時代の空気を、アイロニカルに表現した作品。(作品の詳細はこちら


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Charlotte Rampling1人祭り。モノクロ映像にジャズ音楽、現実と過去と妄想(私もよくある)、好きな女性たち、そして自虐ネタ。この作品はWoody Allenらしい揶揄やメタファーに溢れ、軽快で毒を含んだユニークな話し振りに、何度もクスッと笑った。「もうドタバタ映画はいやだ。これからは心の懊悩を描いたシリアスな映画を撮りたい」というSandy監督と、従来のドタバタ映画のほうがいいという評論家やマネージャーやファン。宇宙人にまでダメ出しされたら、Sandyでなくても頭を抱えちゃう。

分厚いレンズのメガネをかけ、若くしてハゲの兆候が色濃く出ている。異様に鼻がデカくて、風采が上がらないSandy。なのに何故こんなにもてるんだろう?たまに会って喋るには楽しいけれど、一緒に生活したくないタイプ。彼は神経質で理屈っぽいから、瞬間湯沸かし器な私では、とても面倒見切れません。


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そんな冴えない男と何度もキスさせられたCharlotte Ramplingは、クール・ビューティーの元祖といえる。官能的なまなざしやハスキーボイスが、一段と美しさを増した引退間際の山口百恵とダブって映った。他人に媚びず、自己主張し過ぎない、賢い人だ。


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Sandy監督があれほど苦悩したのは、過去の女性との恋愛体験から、彼独自の恋愛幻想が生まれ、願望と虚実がグダグダになってしまったところにあるように思う。踏ん切りがつかない。それが映画制作にも影を落とし、袋小路に追い込まれたような状態なのかも。Sandy監督のプライベートな恋の世界と映画の世界が1つに溶け込んでいくあのワンシーンは、とても洒落ている。喋り倒したあとの静けさに平和な空気が流れ、ほっと息をつかせてくれた。ちょい役をもらった当時22歳のSharon Stoneは、この頃からすでにゴージャスな雰囲気を放っている。


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by amore_spacey | 2016-02-13 00:01 | - Other film | Comments(2)

45 years (さざなみ)

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★★☆ (86点)

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【あらすじ】 イギリスはNorfolk州の田舎町。土曜日に結婚45周年の記念パーティを控えるGeoff(Tom Courtenay)とKate(Charlotte Rampling)夫婦。しかし月曜に届いた手紙がきっかけとなって、山岳事故で命を落としたGeoffの元恋人の存在が、2人の間に浮き上がってくる。かつての恋人との記憶をよみがえらせてはそれに浸るGeoffと、すでにこの世にはいない彼女に嫉妬を募らせていくKate。次第にKateはGeoffに対する不信感を抱くようになり、長い夫婦生活で育んできた愛情や絆がゆるぎはじめる。David Constantineの短編小説を映画化。(作品の詳細はこちら


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イギリスの田舎町に暮らす70代前後の夫婦の、月曜日から土曜日までの日常生活を描いている。静かな中にもじっくりと見応えのある作品で、男性・女性それぞれの視点から楽しめると思う。長く連れ添った夫婦の心の機微を、何気ない仕草や会話の端々に上手く描き出している。


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どうしても共感できなかったのは、元恋人のことを忘れられないGeoff。かつて付き合った人や、結婚まで約束したのに諸事情で別れた人のことなどを、何かの折にふっと思い出したりすることは誰にだってある。そこでちょっぴり幸せになったり、「自分は若かったな」と苦笑したり。でも昔の恋人に関する物をいつまでも大事に隠し持っていたり、丑三つ時に屋根裏部屋で昔の彼女の1人スライド映写祭をやったりするGeoffの脳みそって、どうなってんの?目の前に愛する妻がいながら、彼の心を大きく占めているのが、事故で亡くなった元恋人って、あんた、それ、マジで言ってんの?と一喝したい。男性の心は永遠の少年、とか何とか都合のいいことを言うけれど、ふざけんじゃないわよ。


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そんなGeoffなのに、結婚45周年記念パーティで、、「私の人生で最大の収穫はKate、君と出会い結婚できたことだ」と、予想通り涙ながらのスピーチ。その後プラッターズの「煙が目に沁みる」に合わせて、2人はハグしながら踊るが、Kateの目は宙を彷徨い、まるで上の空。どうやっても埋められない溝が、2人の間に出来てしまった。2人にはどんな暮らしが待っているんだろう?


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ところでCharlotte Ramplingのピアノ演奏、あれは彼女が弾いていたんですよねぇ?椅子の軋む音が気になったけれど、ピアノに向かうCharlotteが素敵だったなぁ。若い頃の彼女も、本当に素敵。Charlotteのアンニュイな雰囲気に、かなり最近までフランス人だと思っていました。


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by amore_spacey | 2016-02-09 02:01 | - Other film | Comments(0)