カテゴリ:- Other film( 343 )

Zoolander 2 (ズーランダー 2)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (76点)

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【あらすじ】 世界のトップモデルとなったDerek Zoolander(Ben Stiller)、彼のキメ顔はファッション界を根底から変えた。しかし彼が創立したモデル学院は不慮の事故で倒壊し、これに巻き込まれた妻は死亡、1人息子Derek Zoolander Jr.やライバルのHansel(Owen Wilson)は行方不明となる。一方ローマに本部のあるファッション・インターポールのエージェントValentina(Penélope Cruz)は、ファッションに携わる何者かがローマで陰謀を企んでいる情報をつかんだ。Valentinaはモデルに復帰するようDerekやHanselを説得し、捜査協力を要請する。(作品の詳細はこちら


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15年ぶりに、DerekとHanselの名コンビが戻ってきた。 『ズーランダー』同様、大勢の俳優や人気セレブたちがカメオ出演しているおバカ映画。今回はローマを舞台に、Justin Bieberの冒頭シーンや時代を反映したインスタグラム、カメオのレベルを超えたBenedict Cumberbatchの顔演技や、『ローマの休日』のワンシーンのCG挿入など、楽しいアイテムが満載だった。


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食わず嫌いだったPenélope Cruzだけど、あの弾けっぷりに好感度上昇中。ローマのValentino Garavani本店が、インターポールの本部だなんて…(爆) カメオ出演したStingやSusan SarandonやKiefer Sutherlandなどは、主役顔負けの真剣演技&ノリが良い。John MalkovichやMika(彼、どこにいた?)や娘たちの世代が良く知っているセレブたちも、「参加することに意義がある!」で、みんなノリノリ。この手のB級映画は、頭を空っぽにして楽しめるのがいい。


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by amore_spacey | 2016-02-19 01:54 | - Other film | Comments(0)

Trumbo (トランボ)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (80点)

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【あらすじ】 ハリウッド黄金期に第一線で活躍していた脚本家Dalton Trumbo(Bryan Cranston)は、冷戦の影響による赤狩りの標的となり、下院非米活動委員会への協力を拒んだために、投獄されてしまう。釈放された後もハリウッドでの居場所を失ったTrumboは、親友Ian McLellan Hunter(Alan Tudyk)の名前を使って『ローマの休日』などの名作を世に送りだし、アカデミー賞を2度も受賞する。逆境に立たされながらも信念を持って生きたTrumboの映画への熱い思いと、そんな彼を支え続けた妻Cleo(Diane Lane)や長女Niki(Elle Fanning)たち家族や映画関係者の真実を描き出す。(作品の詳細はこちら


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赤狩りやレッド・パージの言葉を聞いたことはあるが、ハリウッド黄金期に絡んでいたとは知らなかった。またこの作品を観る前に、偶然この記事目にして2度びっくり。暗黒時代のハリウッドを暴き、政治思想を含んだ作品ではあるが、娯楽映画としての面白みも遺憾なく発揮されて、最後まで楽しむことができた。


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映画業界から干されたTramboは、プライドなんかクソ食らえ!日銭のために脚本を書いて、どこが悪い!開き直った人間は、強いね。閉塞した古い体質のハリウッドに挑戦し、B級映画の分野で結果を出した。コミュニストだろうが何だろうが、実力があれば必要とされるのが、映画の世界なのだ。


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しかし彼が復活する過程で払った犠牲も大きかった。失業した仲間の裏切りや、業界からの排除、そして家庭内での孤立。知らず知らずのにうちに、自分の心身をも損なっていく。エンド・ロールのあとに流れるTrambo本人の映像には、悪夢の時代の犠牲者として生きた1人の人間として、また父親としての思いに満ち溢れ、心を揺り動かされる。


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by amore_spacey | 2016-02-18 00:07 | - Other film | Comments(0)

Zoolander (ズーランダー)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (88点)

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【あらすじ】 Derek Zoolander(Ben Stiller)は超売れっ子のスーパーモデル。年間最優秀モデルを3年連続で受賞して、トップの座に君臨していた。しかし新人のHansel(Owen Wilson)に4年連続受賞を阻まれる。Derekは友達の不幸もあって、ますます落ち込み、引退を決意して家族が炭鉱で働いている地元に戻った。だが、家族に歓迎されず再びファッション界に身を置くことになる。既に居場所のないDerekに、ある日業界ナンバー1のデザイナー、Mugatu(Will Ferrell)からショーモデルのオファーがかかる。これを機に復活を懸けるDerekは、Mugatuがある計画を企んでいるなど知る由もなかった。(作品の詳細はこちら


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昨日から公開されている続編のZoolander 2を観に行く前に、15年前の本作品をおさらいしておこうと思って観なおした。こういう超B級映画や、ナンセンスなおバカ映画が大好き。えっ、Ben Stillerがスーパーモデルって(爆) キメの顔とか、ちっちゃい携帯とか、PCからデータを出そうする2匹の類人猿とか・・・アホ・レベルが桁違いで、突き抜けちゃっている。これはもう、突っ込み入れながら笑うしかない。

登場する人たちは、悪役も含めて憎めない奴ばかり。しかもカメオ出演が超豪華。私の笑いのツボをうまい具合に刺激して、気持ちよーくしてくれる作品だ。Ben Stillerと笑いのセンスが似てるってこと?これって、喜んでいいの?(O_o)


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Jon Voightなんて大真面目だったし、Vince Vaughnはスリムで別人だし、David Bowieがこんなシーンに出ちゃっていいの?なレベルの必殺パンツ抜き取りワザ。自分を捨てたMilla Jovovichの半端ないバカっぷりに、彼女のことがめちゃくちゃ好きになったの。



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by amore_spacey | 2016-02-14 02:55 | - Other film | Comments(0)

Stardust Memories (スターダスト・メモリー)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (81点)

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【あらすじ】 売れっ子俳優・映画監督Sandy Bates(Woody Allen)は、Stardustホテルで開催された彼の新作プレミアショーに呼ばれた。気が進まないまま会場に赴くが、ふっとした拍子に様々な過去が目の前に立ち現れては消えていく。彼の作品にも出演し、しばらく付き合ったDorrie(Charlotte Rampling)との日々は楽しかった。
 今は2人の子がいるフランス人女性Isobel(Marie-Christine Barrault)との関係に行き詰まり、そこから逃避したくて、知り合ったバイオリニストDaisy(Jessica Harper)を口説いている。そんなSandyと、映画製作者・評論家・偽知識人・マネージャー・ファンとの関係など、彼を取り巻く環境や時代の空気を、アイロニカルに表現した作品。(作品の詳細はこちら


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Charlotte Rampling1人祭り。モノクロ映像にジャズ音楽、現実と過去と妄想(私もよくある)、好きな女性たち、そして自虐ネタ。この作品はWoody Allenらしい揶揄やメタファーに溢れ、軽快で毒を含んだユニークな話し振りに、何度もクスッと笑った。「もうドタバタ映画はいやだ。これからは心の懊悩を描いたシリアスな映画を撮りたい」というSandy監督と、従来のドタバタ映画のほうがいいという評論家やマネージャーやファン。宇宙人にまでダメ出しされたら、Sandyでなくても頭を抱えちゃう。

分厚いレンズのメガネをかけ、若くしてハゲの兆候が色濃く出ている。異様に鼻がデカくて、風采が上がらないSandy。なのに何故こんなにもてるんだろう?たまに会って喋るには楽しいけれど、一緒に生活したくないタイプ。彼は神経質で理屈っぽいから、瞬間湯沸かし器な私では、とても面倒見切れません。


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そんな冴えない男と何度もキスさせられたCharlotte Ramplingは、クール・ビューティーの元祖といえる。官能的なまなざしやハスキーボイスが、一段と美しさを増した引退間際の山口百恵とダブって映った。他人に媚びず、自己主張し過ぎない、賢い人だ。


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Sandy監督があれほど苦悩したのは、過去の女性との恋愛体験から、彼独自の恋愛幻想が生まれ、願望と虚実がグダグダになってしまったところにあるように思う。踏ん切りがつかない。それが映画制作にも影を落とし、袋小路に追い込まれたような状態なのかも。Sandy監督のプライベートな恋の世界と映画の世界が1つに溶け込んでいくあのワンシーンは、とても洒落ている。喋り倒したあとの静けさに平和な空気が流れ、ほっと息をつかせてくれた。ちょい役をもらった当時22歳のSharon Stoneは、この頃からすでにゴージャスな雰囲気を放っている。


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by amore_spacey | 2016-02-13 00:01 | - Other film | Comments(2)

45 years (さざなみ)

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★★☆ (86点)

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【あらすじ】 イギリスはNorfolk州の田舎町。土曜日に結婚45周年の記念パーティを控えるGeoff(Tom Courtenay)とKate(Charlotte Rampling)夫婦。しかし月曜に届いた手紙がきっかけとなって、山岳事故で命を落としたGeoffの元恋人の存在が、2人の間に浮き上がってくる。かつての恋人との記憶をよみがえらせてはそれに浸るGeoffと、すでにこの世にはいない彼女に嫉妬を募らせていくKate。次第にKateはGeoffに対する不信感を抱くようになり、長い夫婦生活で育んできた愛情や絆がゆるぎはじめる。David Constantineの短編小説を映画化。(作品の詳細はこちら


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イギリスの田舎町に暮らす70代前後の夫婦の、月曜日から土曜日までの日常生活を描いている。静かな中にもじっくりと見応えのある作品で、男性・女性それぞれの視点から楽しめると思う。長く連れ添った夫婦の心の機微を、何気ない仕草や会話の端々に上手く描き出している。


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どうしても共感できなかったのは、元恋人のことを忘れられないGeoff。かつて付き合った人や、結婚まで約束したのに諸事情で別れた人のことなどを、何かの折にふっと思い出したりすることは誰にだってある。そこでちょっぴり幸せになったり、「自分は若かったな」と苦笑したり。でも昔の恋人に関する物をいつまでも大事に隠し持っていたり、丑三つ時に屋根裏部屋で昔の彼女の1人スライド映写祭をやったりするGeoffの脳みそって、どうなってんの?目の前に愛する妻がいながら、彼の心を大きく占めているのが、事故で亡くなった元恋人って、あんた、それ、マジで言ってんの?と一喝したい。男性の心は永遠の少年、とか何とか都合のいいことを言うけれど、ふざけんじゃないわよ。


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そんなGeoffなのに、結婚45周年記念パーティで、、「私の人生で最大の収穫はKate、君と出会い結婚できたことだ」と、予想通り涙ながらのスピーチ。その後プラッターズの「煙が目に沁みる」に合わせて、2人はハグしながら踊るが、Kateの目は宙を彷徨い、まるで上の空。どうやっても埋められない溝が、2人の間に出来てしまった。2人にはどんな暮らしが待っているんだろう?


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ところでCharlotte Ramplingのピアノ演奏、あれは彼女が弾いていたんですよねぇ?椅子の軋む音が気になったけれど、ピアノに向かうCharlotteが素敵だったなぁ。若い頃の彼女も、本当に素敵。Charlotteのアンニュイな雰囲気に、かなり最近までフランス人だと思っていました。


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by amore_spacey | 2016-02-09 02:01 | - Other film | Comments(0)

Richard III (リチャード3世)

ネタばれあり!

私のお気に入り度 ★★★★☆ (86点)

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【あらすじ】 生まれつきせむしで醜悪な容貌だが、優れた頭脳で政治の実権を握るYork家の三男Richard(Ian McKellen)。彼は暗殺した前国王の息子の未亡人Ann(Kristin Scott Thomas)をうまく抱きこみ、次兄George(Nigel Hawthorne)を暗殺。また病弱な兄王Edward IV(John Wood)を憤死させ、気の強いElizabeth王妃(Annette Bening)の弟Rivers伯(Robert Downey Jr.)ら親族を殺害して妃を孤立させ、王子たちも幽閉し、ついにRichardは国王の座に就くのだった。1930年代の英国に舞台を置き換えて、Shakespeare『Richard III』を映画化。(作品の詳細はこちら


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何と!冒頭から壁をぶち破って、戦車が進撃して来るじゃないか。ものすごい迫力。と言うより、あれれっ?観る作品を間違えたかな?と一瞬思った。例えば『リチャード2世』には、こんな映場版舞台版があるように、Shakespeare劇の現代的演出は、これまで何度も試行されてきた。それによっていつの時代にも様々な形で存在する、血まみれの権力争いや独裁者たちが、いつの間にか視聴者の日常に溶け込み、臨場感あふれるものとなっている。脚本&主役を担当したIan McKellenは、歴史劇におけるこの同時代性を目指したのではないかなと思う。


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主役級が集合したから当然なんだけど、どの役者もうまい。真面目と不真面目の匙加減にも唸る。振り向いたRichardがいきなり牙を生やしたイノシシになっていたり、何かのパクリのようなRichardの最期のシーンなど、視聴者を嘲笑うかのような演出に、ほっとしたり苦笑したり。

Ianと同じように、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の中でも 主役のKevinが視聴者に向かって独白するシーンがある。主役と同時に語り手・進行役でもあり、それに便乗して辛口ギャグや毒気のあるコメントを挟んでいく。おいしすぎる役です。


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Dominic West1人祭り(たぶんこれ一発で終わり)の一環で観たんだけど、まるで少年のように若くて華奢な彼に、惚れ惚れしました。めっちゃイケメンです。現在の彼も好き、好き、大好き。本作品では、Edward IVの長女 Elizabeth王女(Kate Steavenson-Payne)と結婚するRichmond伯(のちのHenry VII Dominic West)を演じている。


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長い日本の歴史にも、王朝が二分する内乱や権力闘争の時代があり、やりたい放題のオレ様な独裁者たちがいた。中でも南北朝時代から江戸時代初期までの歴史を、現代劇演出したら、面白い作品ができるでしょう。平成の世に、足利尊氏や北条政子や織田信長がやって来た、と想像するだけでも楽しい。誰か脚本を書いてくれないかな。キャスティングは私に任せて下さい。阿部ちゃん・佐藤浩市・中井貴一・堤真一・役所広司・長谷川博己・稲垣吾郎など、ひいきの役者をバンバン投入させて頂きます。えっと、私もエキストラ出演していいですか?


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by amore_spacey | 2016-02-06 18:48 | - Other film | Comments(0)

Room (ルーム)

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★★☆ (86点)

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【あらすじ】 7年前から施錠された部屋に監禁されているJoy(Brie Larson)と、彼女がそこで出産し、外の世界を知らずに育った5歳の息子Jack(Jacob Tremblay)。この部屋しか知らない息子に外の世界を教えるため、そして奪われた自らの人生を取り戻すため、彼女は命懸けで脱出を計画するのだった。オーストリアで起きたFritzl事件をもとに書いた、Emma Donoghueの同名小説を映画化。(作品の詳細はこちら


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先日観たばかりの『灼熱の魂』に続いて、この作品も胸にズシーンと来た。少しずつヒントが与えられるので、ストーリーが進むに従い、この母子の置かれた状況が明確になっていく仕掛けになっており、最初から画面にくぎづけ。しかし平和な母子の暮らしが、Old Nick(Sean Bridgers )という男の登場によって一変する。Jackの脱出シーン。うまくいくことは分かっているのに、ハラハラ・ドキドキ。もう心臓に悪いったらありゃしない。


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初めて部屋の外に出たJackにとって外の世界は、人が多すぎる、広すぎる、明るすぎる。怖い。うまく声を出せない。階段の上り下りすら分からない。生まれてから5年かけて体験することを、Jackは(大袈裟に言えば)たった1日でやらなくちゃならない。だから毎日の暮らしは、黒船来航など比べ物にならないほど、衝撃の連続だ。

自宅に帰ってホッとしたのも束の間、脱出してからの暮らしのほうが、遥かに大変だという事実にJoyは気づく。マスコミ連中や野次馬。それ以上に神経を尖らせたのが、実の両親、特に父との関係だった。犯人にレイプされて出来てしまった子どもを生んだ娘。世間様に顔向けできない。


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5歳の息子が次第に心を開き、健気にも広い世界へ踏み出していこうとしている一方で、Joyは失った7年の重みに押し潰されそうになり、次第に崩壊していく。そんな母を守ろうとするのが、5歳の息子だ。あんな素敵な言葉をJackにかけてもらったら、あんなに無垢で可愛い目で言われたら、おばあちゃん(Joyの母)やお母さんだけでなく、視聴者もうるうる、涙ぽろりデス。


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by amore_spacey | 2016-01-29 02:47 | - Other film | Comments(0)

Steve Jobs (スティーブ・ジョブズ)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 1984年 Macintosh発表会。本番40分前、主役のMacintoshがうまく作動せず、それなら発表会は中止するというSteve Jobs(Michael Fassbender)に、音声ソフトなしで進めることを提案するJoanna Hoffman(Kate Winslet)。会場の控室には元恋人Chrisann Brennan(Katherine Waterston)が、娘のLisa(Makenzie Moss)と待っていた。娘の認知を拒否し、タイム誌の取材に「米国男性の28%は父親の可能性がある」と言ったJobsに抗議に来たのだった。
 Steve Jobsの人生の中で転機となった、1984年 Macintosh発表会・1988年 NeXT Cube発表会・1998年 iMac発表会の幕が上がる前の舞台裏40分を描いた伝記ドラマ。(作品の詳細はこちら


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Fassbender1人祭り続行中。舞台劇のような作品で、1人の人間として、また父親としてのSteve Jobs像をじっくり堪能することができた。それにしても人間的には、問題の多い人だったようだ。頭ごなしにスタッフを怒鳴り散らす、うまくいかなきゃ子どものように拗ねる、友人の手柄を横取りする…。上司には絶対になって欲しくない。父親や夫もヤダ。ビジネス戦略には非常に長けていたが、歪(いびつ)で寂しい独裁者だったのでは?と思われる。真っ白なポスターに、Steveがぽつんと1人。これが全てを物語っている。


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もし才能溢れる友人たちやJoannaがいなかったら、カリスマSteveは誕生しなかったかもしれない。娘Lisaとの関係も、どうなっていたことやら。DNA鑑定で父親と認定されたにも拘わらず、娘を拒否し続けた。父親としてどうふるまっていいのか、彼自身が途方にくれていたのだ。娘のことを本当に愛せるかどうかさえ、彼には分からなかった。孤独な少年時代を過ごした彼は、温かい家族や親の存在に飢えていたにも拘らず、同時に、そういうものに嫌悪感を抱いていた・・・のかもしれない。

この作品でMichael Fassbenderの魅力に、ますますハマッた。アレがでかい(グフフッ)、危険な香りをまとっている、官能的でとてもセクシー。彼を形容する言葉は色々あるが、Steveを演じた彼はそのどれでもなく(危険な香りはあったかも)、誰にも埋められない孤独感や寂しさをまとい、ぎゅっとハグしてあげたかった。Kate Winsletもグッジョブ!


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by amore_spacey | 2016-01-27 02:33 | - Other film | Comments(2)

Incendies (灼熱の魂)

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★★☆ (88点)

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【あらすじ】 ケベック州に住む双子の姉弟Jeanne(Mélissa Désormeaux-Poulin)とSimon(Maxim Gaudette)は、亡くなった母親Nawal(Lubna Azabal)の遺言を公証人Jean Lebel(Rémy Girard)から受け、未だ見ぬ彼らの父親と兄の存在を知らされた。そして遺言によりJeanneは父親への手紙を、Simonは兄への手紙を託された。まだ見ぬ家族を探すためNawalの母国を訪れたJeanneとSimonは、そこで母の過去と向き合うことになる。(作品の詳細はこちら


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眠り病に罹ったのか?と思うほど、最近眠くて仕方がなく、この映画を観た夜もかなり眠くて、途中でうたた寝していたらしい(目撃談) ぼんやり画面を追いながら、しかし母Nawalがプールで、かかとの刺青(=縦に並んだ3つの点)を見た瞬間や、Simonが1+1=1?を繰り返すシーンに、頭をガツーンと殴られた。衝撃的だった。

     ソファから起き上がり、前のめりになって、「マジ??」

ジグソーパズルを1ピースずつ丹念に当て嵌めていくように、地道な作業で母の過去を再現してきた姉弟(そして視聴者)の前に、戦慄すべき事実がバーン!!!と突きつけられる。いや、JeanneもSimonも視聴者も、薄々は感づいていた、その事実。「でも、まさか・・・だよね?」と打ち消して来たそのことが、母の現実だったのだ。

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こんな間違いが起きたのは、「時代のせいだから、仕方がないのよ」「それでもあの子は、私の大切な息子」「ここで憎しみの連鎖を、断ち切らねばならない」と、全てを知った上で母は赦した。しかし残された姉弟は、この爆弾をどう処理するのか?どう折り合いをつけて、これから生きていくのだろう?レバノンの国情を、少しは勉強してからもう1度みようと思う。

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因みに大部分の国では作品のタイトルがIncendies(=戦火、火災)、日本語版は『灼熱の魂』、イタリア語版は『La donna che canta(歌う女)』、某国では『烈火焚身』、またある国では『母親的告白』など、色々。



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by amore_spacey | 2016-01-25 00:15 | - Other film | Comments(0)

Spotlight (スポットライト 世紀のスクープ)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (85点)

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【あらすじ】 2002年ボストン。アメリカの新聞Boston Globeは、SPOTLIGHTという見出しの新聞連載コーナーに、神父による児童への性的虐待やカトリック教会がその事実を看過していたという記事を掲載した。これをきっかけにMarty Baron新編集長(Liev Schreiber)率いるSpotlightチームのRobby(Michael Keaton)やMike Rezendes(Mark Ruffalo)やSacha Pfeiffer(Rachel McAdams)ら5人は、記者生命をかけて真相を調査し、社会で大きな権力を握る人物たちを失脚へと追い込んでいく。最後の余談となるが、2003年 Spotlightチームは、Pulitzer賞(報道部門)を受賞。(作品の詳細はこちら


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超豪華キャスト。「米国の長塚京三」と私が密かに慕っているMichael Keatonをはじめ、社会派ドラマにふさわしい役者たちが揃った素晴らしい作品だった。主役も(誰が主役?)脇役もほぼ同じラインに立ち、出過ぎず引き過ぎずほどよいバランスと適度な緊張を保ちながら、ストーリーが展開していく。出来得る限り客観的に描写することで、性的虐待を受けた者の生の声をくっきり浮かび上がらせた。抑制の効いたフィナーレによって、観終わった後も静かに余韻に浸り、様々な思いを巡らせることができる。


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教会は神殿、司祭や宗教指導者たちは神の使い。彼らは人の心を救う神聖な存在、絶対的な善なのだ。教会にメスを入れる者は、神に刃向かう異端者、神への冒涜に等しい。刃向かえば、相応の処罰が下る。彼らはタブーを印籠のように突きつけ、水面下で弱者を利用し傷つけ死に追い込んできた。ヤクザやマフィアより陰湿かもしれない。

Benedetto XVI教皇が在位中、神父による性的虐待事件とカトリック教会による長年の隠蔽問題が表面化し、大々的に取り沙汰された。しかし教皇自らこのスキャンダルを見過すとも受け取られ兼ねない曖昧な発言をしたため、教会批判はいっそう激しくなった。後任のFrancesco教皇に、期待が寄せられる。


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「Pulitzer賞の報道部門・公益(Public Service)は、社説・写真・時事漫画・報道などジャーナリズムによって社会の公益に貢献した新聞を対象とするもの」とWikipediaは定義する。

Spotlightチームのメンバーは、生身の人間の苦悩を見過すことが出来なかった。見過してきたことへの後悔があった。宗教指導者たちの性の道具にされ人生を狂わされた人々の声、教会の隠蔽工作によって闇に葬られた彼らの声をすくいとって国民に届け、教会の因習やタブーを畏れず真相究明に奔走した。その結果、生き残った被害者や残された家族が、打ちひしがれたまま泣き寝入りするのではなく、今まさに自らの足で立ち上がって歩き出そうとしている。これこそジャーナリズムが社会の公益に貢献したといえるのではないかと思う。ジャーナリストとして、それ以前に1人の人間として、善良な心を持つ果敢な人々が存在する、という事実に勇気づけられた。


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by amore_spacey | 2016-01-19 01:00 | - Other film | Comments(0)