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幸せのレシピ (No Reservations)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(78点)

ネタばれあり?

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2001年のドイツ映画『マーサの幸せレシピ』を、大好きなキャサリン・Z=ジョーンズ姐の主演でリメイクしたラブコメディ。料理の腕は一流だけれど人付き合いの下手なヒロインが、図らずも直面した新たな人間関係の中で次第に頑なな心を解きほぐしていく姿を描く。結末は容易に見えるし意外性はない代わりに、ハッピーな気分になれる作品だった。オリジナル作品ではジャズとイタリアン・ポップスが流れるが、リメイク版ではイタリア・オペラの名曲が各シーンを彩り盛り上げてくれる♪


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マンハッタンの高級レストランの料理長を務めるケイト(キャサリン)は、一流の腕前と妥協のない仕事ぶりで知られる。しかし完璧主義が過ぎて独善的なところもあり、厨房の雰囲気はピリピリ、時には客と喧嘩してしまうこともあった。慌しい厨房の描写やお料理&デザート、そしてレストランのシーンは、TVドラマ『バンビーノ』をちらりと思い出させる。
実生活のキャサリンは、「マイケル(夫)は私の作ったものを黙って食べてくれるの。でもね、私は本当にお料理が下手なの。いつだったか?忍耐強いマイケルも“今日はレストランに行こうよ”と言った事があったのよ」 とある雑誌のインタビューに笑いながら語っている。


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さてそんなある日、たった一人の肉親だった姉が事故で亡くなり、遺された9歳の姪ゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)を引き取り、一緒に暮らすことになった。しかし子どもへの接し方が全く分からず、なかなか心を開いてくれないゾーイに苦悩するケイト。そんな折、副料理長としてニック(アーロン・エッカート)がケイトの厨房で働くことになる。陽気でフレンドリーなニックに、ケイトは嫌悪感をいだくが……。

ラブコメの触れ込みではあるが、ケイトとゾーイの心の距離が徐々に縮まり、少しずつ本物の家族となっていく過程を描いた人間ドラマという印象のほうが強かった。そのドラマ展開を支えるのは、アビゲイルちゃんの演技力だ。ソープオペラを賑わせている安っぽい演技の暑苦しいイタ男たちに比べると、彼女はよほど地に足がついていて、大人顔負けの落ち着きぶり。 この先が楽しみだ。


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ラブコメにイタリア・オペラ、これが不思議なほど合う。ただニックが来た厨房で、パヴァロッティ氏が歌う「誰も寝てはならぬ」(『トゥーランドット』)が流れた時には、愉快なシーンでありながら、トリノオリンピックの開幕で歌ったパヴァロッティ氏を思い、亡き人となってしまった寂しい事実に胸が痛みました。

厳格なクラシック&オペラ愛好家や関係者の中には、オペラとポップスの融合を試みた彼を酷評する人がいるけれど、オペラを一部のスノッブな人たちだけの高価な所有物に留めないで、一般の人々にも馴染みのあるものにし、浸透させた彼の功績は大きく評価したいと思う。彼のお陰で今まで敬遠していた私も、オペラの入り口に立つことが出来たのだから。この作品では彼が歌う「清きアイーダ」(『アイーダ』)を聞くこともできる。その他「ある晴れた日に」(『蝶々夫人』)や「わたしのお父さん」(『ジャンニ・スキッキ』)や「乾杯の歌」(『椿姫』)など、オペラを知らない人でもどこかで聞いたことのある名曲が、鍵になるシーンを盛り上げてくれる。

製作国:USA
製作年:2007年
監督:Scott Hicks
キャスト:Catherine Zeta-Jones, Aaron Eckhart, Abigail Breslin, Patricia Clarkson, Jenny Wade,
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by amore_spacey | 2007-09-24 02:50 | - Other film | Comments(16)

Narcisista? (ナルシスト?)

イタリアは朝晩とても涼しくなりました。
そんな爽やかな季節に眺めてみても
ひじょうに暑苦しい男たちがいます。

カレンダーを飾った男たち。
濃いです、脱いでます。
見てるほうがこっ恥かしくなるナルシストぶり。

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Alessandro Gassmann
CMの彼はライトなキャラで好きなんだけど。
若き日のパパVittorio Gassman(下段)は素敵~(*^^*)



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Alessandro Preziosi
刑事モノのTVドラマに出てたっけ?



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Gabriel Garko
この方もTVドラマでちらっと見た記憶が…。
視線からフェロモンが溢れ出てます(汗)
こんなポーズなんかとっちゃってますけど。

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by amore_spacey | 2007-09-13 21:06 | My talk | Comments(4)

Quando sei nato, non puoi piu' nasconderti (13歳の夏に僕は生まれた)

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

ネタばれあり。 

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北イタリアの街ブレーシャの裕福な家庭に育った少年サンドロ。13歳の夏、彼&父親&父の友人の3人で地中海クルージングに出かけたが、誤って真夜中の海に転落してしまう。父親の必死の捜索もむなしく、サンドロを見つけ出すことはできなかった。
幸運にもサンドロは通りかかった密航船に乗船していた難民の一人ルーマニア人の少年に救出される。様々な国籍の難民がひしめき合うその船上で、彼はルーマニア人の少年ラドゥとその妹アリーナの助けを借りながらイタリアに帰り着き、難民センターに保護されて無事両親のもとに帰るのだが…。



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自分の命の恩人(=ラドゥとアリーナ)の力になりたい、何かしてあげたい(=彼らを養子にして欲しい)、という一途でくもりのないサンドロの強い願いも、世間体や建前と本音を使い分けるずるい大人(=父親)の前では無力でひ弱なものなのだ。



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父親(Alessio Boni)にしてみれば、死んだものと諦めていた息子が自分の元に戻ってきてくれた!その瞬間に彼は「全財産を投げ打ってでも、助けてくれた兄妹には何かしてやりたい。彼らの願いをかなえてやりたい。」と確かに思った。「息子さえいればそれでいい」と強く思ったのだ。
しかし悲しいかな、人の心は時間の経過とともに移り変わる。息子が家に戻り日常生活の中で冷静に考え直して見ると、「よかれと思い兄妹を家に引き取るつもりで招待してみれば、こそ泥のように家の物を盗んで夜逃げなんかする奴らだ。所詮難民なんてこんなものさ。面倒なことにはかかわりたくない。」
息子が難民の味方になればなるほど、父親は頑なに更に冷ややかになる。「お前には世の中の仕組みというものが、まだ分からないのだ。」

心に突き刺さるシーンがたくさんある中、父親が「ささやかなお礼に…」といって、息子を助けてくれた少年ラドゥの手に、何枚かのお札と自分の携帯電話をねじ込んで逃げるように立ち去る姿を見て、誠に嫌な気分になった。お礼と言うより、自分の気持ち(=助けてもらったという負い目)を納得させるためだけの行為だったのだから。私の中にある薄汚れたずるい部分を突きつけられたようで、苦い思いをしたシーンだった。



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一方妹アリーナを訪ねていったサンドロは、彼女の変貌と普通でない室内の様子から、彼女が娼婦をしながら生計を立てているであろうことを感じ取る。その時の絶望と幻滅と切ない思い。人を助けるということは、生半可な気持ちではできない。彼女の人生を丸ごと受け止められるほど、今の自分には力もお金もない。何もない。無力な自分しかいない。
13歳の夏にパンドラの箱を開けてしまった少年、「絶対に見てはなりませぬ」という開かずの間をこっそり覗き見してしまった少年は、もう後戻りできない。厳しい現実社会の中で、この先彼らはただ翻弄されるがままなのか?ラストシーンにはそんな問いかけともつかない余韻があった。



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いやん、Alessio Boni様ったらァ、最高によいですことョ(*^^*)
『La Meglio Gioventu' (輝ける青春)』では、世の中には白か黒しか存在しない、生き難い人間像を心に迫る演技で私のを鷲づかみ(^^)
そして今回のこの作品ではうってかわって、建前と本音をうまく使い分ける切れ者のエリートビジネスマンを、これまたしっくり馴染んだ仕草や表情で演じ、私のをまたもや奪ってくれたのでした~♪^^

製作国:Italy
製作年:2005年
監督:Marco Tullio Giordana
キャスト:Alessio Boni, Michela Cescon, Matteo Gadola, Rodolfo Corsato, Andrea Tidona, Adriana Asti ...
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by amore_spacey | 2007-09-03 21:56 | - Italian film | Comments(2)