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転々

私のお気に入り度 ★★★★☆(84点)

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大学8年生の竹村文哉(オダジョー)。借金を抱えて返済の当ても無い彼に、借金取りの福原(三浦友和)が、「借金をチャラにする代わりに自分の東京散歩に付き合え。」と持ち掛ける。更にその報酬として100万円をやると言われ、胡散臭さを感じながらも福原の提案を受け入れ、2人の散歩が始まる。



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『時効警察』シリーズや『図鑑に載ってない虫』の三木聡監督が、藤田宜永の同名小説をもとに、冴えない男2人の悲喜こもごもなヘンテコ東京散歩を、しみじみとしたタッチで描いた人情コメディ。



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のっけから登場の三浦友和の風貌にギョッ★ いいお父さんや良き上司という、従来の彼のイメージを覆す役柄だったけれど、内に秘めた優しさや弱さを表すには、適役だったでしょう。オダジョーもいいねぇ。彼、いつも地毛なの?それともヅラ??クスっと笑えるコネタが盛り込まれ、何度見てもしみじみよいデス。

製作国:Japan
初公開年:2007年
監督:三木聡
キャスト:オダギリジョー, 三浦友和, 小泉今日子, 吉高由里子, 岩松了, ふせえり, 松重豊, 麻生久美子, 石原良純, 岸辺一徳 ...
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by amore_spacey | 2008-06-30 00:46 | - Japanese film | Comments(4)

手紙

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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東野圭吾の同名小説を映画化した社会派ドラマ。兄が強盗殺人を犯したために、いわれなき差別に苦しむ主人公の姿を通して、加害者の家族をとりまく社会のあり様を真摯なまなざしで見つめる。



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事件の被害者や加害者の家族の手記を読んだことがある。それはこの作品に描かれているより、もっと過酷で真綿で首を絞められるような、心身の苦しみが赤裸々に綴られていた。東野圭吾の著作がそれほど好きでないこと、主役の山田孝之がどーも苦手なこと、それらが災いして?この作品には最初から最後までのめりこむことができなかった。残念である。

兄の犯した罪が弟に影響を及ぼす。犯罪者の家族という括りで、差別は偏見を持たれ社会から隔離されていく。自分は何もしていないではないか!運命を呪い世の中の不平等を嘆き、終いには兄貴の存在そのものを否定する。兄貴がいる限り、俺の人生はハズレなのだ。兄貴を演じる玉山鉄二が素晴らしかった。

製作国:Japan
初公開年:2006年
監督:生野慈朗
キャスト:山田孝之, 玉山鉄二, 沢尻エリカ, 吹石一恵, 田中要次, 山田スミ子, 吹越満, 風間杜夫, 杉浦直樹...
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by amore_spacey | 2008-06-10 01:42 | - Japanese film | Comments(0)

Giorni e nuvole (日々と雲行き)

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

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娘が自立しこれから夫婦水入らずでゆったり優雅に暮すことができるはずだったのに、事態は一転!奈落の底へ叩きつけられる。そこで問われる夫婦の絆や真価。いや、そんな悠長なことを言っていられるような状況ではない。どうする?人生にこれが正解!という選択はない。自分が信じるものにすがりながら先に進むしかないのだ。とにかく初めの一歩を踏み出そう。Pane e tulipaniのSoldini監督が、港街ジェノヴァを舞台にある1組の夫婦の生き様を描く。



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大学で遺跡修復のコースを終え、長年の夢だった美術史の学位を手にして喜びの絶頂にいる妻Elsaと、その祝賀パーティーの中で暗い影を落とす夫のMichele。彼は共同経営していた会社から2ヶ月前に追い出されて失業、この素晴らしい自宅やヨットも手放さねばならない。現実は厳しく、あれよあれよという間に暮らし向きが激変する。お洒落なマンションから、友人たちの手を借りて修理して、やっと住めるようにしたアパートへドタバタ引越し。その片付けもそこそこに、とりあえず暮していくためElsaはすぐに求職活動に出て2つの仕事を掛け持ちするのに、ボロ雑巾のようになって夜遅く帰宅する彼女の前には、歯切れの悪いMicheleがソファーでゴロゴロしている。過去の功績や見栄や妙なプライドが邪魔して、なかなか仕事が見つからないのだ。疲労と焦りと情けなさとやるせなさで2人は常にイライラ、一食触発の状態にあった。

初めの一歩が踏み出せないでいたMicheleは、成り行きで転がり込んだ娘Aliceのアパートに来て、初めて意固地な自分に気づく。気に食わないヤツだ!娘にはもっときちんとした男が相応しい、と今まで思っていた娘の彼氏の、他人の領域に土足で踏み込んで来ない気配りや、Aliceへの優しい心遣いに、今まで得たことのない安らぎを感じたのだ。頑ななMicheleの内側をそっと揺り動かしたのは、娘とその彼氏だったのかもしれない。



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かけ持ちの仕事の合間をぬって関わってきたフレスコ画の修復が終わり、天井壁に全貌が現れる。床に寝転んでぼんやりと見つめていたElsaの胸のうちには、様々な思いが去来する。2人の人間が一緒に暮していく中には、晴れの日もあれば曇りや豪雨や雪の日もあり、笑ったり泣いたり言い争ったり、浮いたり沈んだり…、そんなことは当たり前なのだ。誰にもあるのだ。美しいフレスコ画を見ているうちに、Elsaの気持ちが徐々に落ち着いていく。彼女の後をつけて修復現場に来たMicheleも、床に寝転ぶElsaとフレスコ画を見ながら、また自分の中に暖かいものが流れるのを感じる。静かだが1つの確信を伝えるようなラストだった。こんな夫婦もいれば、金の切れ目が縁の切れ目、とばかりに離婚する夫婦や、ののしり合いながらも一緒にいる夫婦もいる。

ある家族に何か不幸な事件が起きると、私の知るイタリア人たちの場合は、まず身近な人に心の内をぶちまける。自分ひとりでは抱えきれない鉛を、ひとまず他人にあずけるのだ。気持ちを空っぽにして、ようやく冷静に現実を見つめる余裕が生まれる。激しく落ち込み不平不満を口にしながら、立ち直る力を蓄え、少しずつ前向きになって行くのだ。その期間の長短は人それぞれだが、概ねさらっとしているような気がする。「ああ、あれね。もう起きちゃったんだからしょうがないわ。何とかなるから大丈夫よ。」 そう、「ま、何とかなるから…」という言葉を何度聞いたことだろう。姑が伴侶を亡くした時にも、友人が会社から突然解雇された時にも、友人の最愛の子供が不治の遺伝子病に罹っていると分かった時にも、みんな「何とかなるから。何とかしなくちゃ。」を口にした。私はこの言葉が好きだ。絶望の淵にいながら、少しでも前向きになろう!傍にいてくれる人に余計な心配をかけないようにしよう、というような配慮を感じるから。

製作国:Italy
初公開年:2007年
監督:Silvio Soldini
キャスト:Margherita Buy, Antonio Albanese, Giuseppe Battiston, Alba Rohrwacher, Fabio Troiano ...
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by amore_spacey | 2008-06-05 00:03 | - Italian film | Comments(2)

Nuova cinema paradiso (ニュー・シネマ・パラダイス)

私のお気に入り度 ★★★★☆(95点)

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シチリアの小さな村にある映画館Paradiso。そこで青春時代を過ごした映画監督Salvatore(Jacques Perrin)が、当時実の父のように慕っていた映写技師Alfredo(Philippe Noiret)の訃報を聞き、故郷に帰ってくる。


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そこでSalvatoreが手にしたのは、Alfredoの分身とも言える形見、山のようなフィルムだった。そこには映画への愛情がぎっしり詰まっていた。


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弱冠29歳のTornatore監督が、映画を愛する全ての人に送る感動の作品。劇場とフィルムにまつわるエピソードはどれも楽しく微笑ましく、その中で展開される悲喜こもごもの人生模様に、自分や知人の姿を重ねてみる。


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Ennio Morriconeの切なくも美しいメロディに包まれて迎えるクライマックスは、込み上げてくる熱いものや、押しとどめようとしてもこぼれ落ちる涙で、スクリーンが滲んでしまう。

先日ふっとラジオから流れてきたラブ・テーマ。これを聞くと懐かしく切なくなる。この映画を観るために何度も銀座に通った。私がイタリアに来る随分前の話、まだ未来の夫になる人にも出会っていない頃だった。観れば観るほど味わい深い作品である。

製作国:Italy France
初公開年:1988年
監督:Giuseppe Tornatore
キャスト:Salvatore Cascio, Marco Leonardi, Jacques Perrin, Antonella Attili, Pupella Maggio, Philippe Noiret ...
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by amore_spacey | 2008-06-02 01:13 | - Italian film | Comments(4)