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Sotto falso nome (そして、デブノーの森へ)

私のお気に入り度 ★★★★☆(87点)

ネタばれありあり。

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ベストセラー作家Serge Novakとしての正体を隠して作家生活を送るDaniel(Daniel Auteuil)は、義理の息子の結婚式に出席するため、カプリ島へ向かうフェリーの中で、Milla(Anna Mouglalis)という美しい女性に出会い、誘われるまま一夜を共にする。翌日の結婚式に花嫁として現れたのはMillaだった。ジュネーブに戻った後も、Millaは執拗にDanielを誘惑し、2人は許されぬ情事にのめりこんでゆく。しかし関係が深まれば深まるほどMillaの存在は謎に包まれ、逆にDanielのNovakとしての存在がさらけ出されることに…。



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前半だけ観ると、息子の嫁に手を出し愛欲に溺れた2人が崩壊の道を辿る、Jeremy IronsとJuliette Binocheの『ダメージ』を彷彿させるが、単なる中年の色恋モノに終わらず、DanielやMillaの過去が明らかになるにつれ、友をそして自分自身を裏切らない頑なな誠意や、事実の下に秘められた真実の重みをつきつけられるのである。



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3回目にしてようやくストーリーが分かったワタクシ(滝汗)、初めて観た時には、『ダメージ』に漂う愛欲の世界や、MillaとEwaの友情以上の関係が伏線になっているものとばかり思い込み、本筋から全く離れたところに行き着いてしまった。だから最後に自死の道を選んだDanielの行為が、全く理解できませんでしたわ、トホホッ。



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Serge Novakとしての正体を公表することを決意した時点で、Danielはすでに生きる意味を失っていたのだ。自分の中にある絶対的な誠実を守り通したかった。彼は頑なで生き難い人間なのだ。20歳の時に自死したDanielの友人の遺言、それに従って綴った小説がベストセラーになる。Danielと友人の関係、そしてDanielが最期に求めたもの、そこに至るまでに私はかなりの時間を要した。自死の道を選んだのは、友人や家族やMillaへのDanielの愛だったのか?何と哀れで潔いのだろう。もしMillaが彼の前に現れなければ、あのまま地位や名誉や幸せを手に入れて、温和な人生を送ったのだろうか?

相変わらず官能的なムグラリスですね。女の私でさえクラクラ~ッとするような官能的な視線や眉間の小さなシワや美しい首筋にしなやかな肢体…、シャネルの看板娘は持っているものが違いますなぁ。

製作国:France, Switzerland, Italy
初公開年:2004年
監督:Roberto Andò
キャスト:Daniel Auteuil, Greta Scacchi, Anna Mouglalis, Giorgio Lupano, Magdalena Mielcarz ...


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by amore_spacey | 2009-03-29 17:36 | - Other film | Comments(0)

おくりびと

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

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所属する東京のオーケストラが解散し職を失ったチェロ奏者の大悟(本木雅弘)は演奏家を続けることを諦め、妻の美香(広末涼子)を連れて故郷の山形に戻ってくる。早速求人広告で見つけたNKエージェントに面接に出かけ、その場で採用になるが、それは遺体を棺に納める納棺師という仕事だった。戸惑いながらも社長の佐々木(山崎努)に指導を受け、新人納棺師として働き始める大悟だったが、美香には冠婚葬祭関係の仕事に就いたとしか告げられずにいた。第32回モントリオール世界映画祭でグランプリを、第81回米アカデミー賞外国語映画賞をそれぞれ受賞する。



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薄化粧を施し、新しい着物を着せ愛用の品々を納めて、故人をあの世に送り出す。そこに納棺師という仕事があるとは知らなかった。自分の感情を押し殺し、茶道にも似た形の納棺師の淡々とした所作は、無駄な動きが無く実に美しいものだった。静謐(せいひつ)なる世界。20年以上も前に祖母を看取ったはずなのに、通夜から告別式までのことを断片的にしか覚えていないのはなぜだろう?

この作品の軸になっているのは、今でもややタブー視されている「死」。それを無闇に恐れたり美化するのではなく、日々の暮らしの中で誰もがいずれは迎えるものとして描いていた。人生の終わりではなく通過地点ととらえる。私もあなたも彼も彼女も何れは「死」を跨いで行くのである。恐れることはない。1人の死によって家族1人1人の捻じれた感情や滑稽さやその家庭の内情などが一気にあぶり出され、故人を含めた全てが非常に人間臭くさく、時にはユーモアに溢れたものになる。これこそが1人の人間が生きた証だろう。餓鬼の如く肉にむしゃぶりつく、あの姿は私たちなのである。命あるものを食べて、そしてそれをうまいと感じる、それが生きているということ。だから食事の前には両手を合わせ心を込めて「頂きます」と言っております。



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言葉で語り過ぎないのが何よりもよかった。台詞が心に沁み入る。喋りすぎるイタリア人よ、こういった日本人の美徳を見習いたまへ。大雑把に見える山崎努の振る舞いの中に、深い情愛を感じさせる演技力はさすがである。口や眉毛の動きで心情を語る本木雅弘には、かつての少年隊のモック~ン!なんて軽々しく呼べない貫禄があった。少年隊の頃からすっきいだったのよぉ、モックン(*^^*) ちょいとひねて擦れた余貴美子の雰囲気もよかねぇ。

あああぁぁ、しかし、しかし、広末涼子!あれ何とかなりませんか?彼女が女優なら私は天才女優よってなくらい演技がへたっ★ Jean Renoと共演した『WASABI』は、見ていて不快になるくらい下手くそだったし(あれは作品自体ひどかった。Jean Renoは猿芝居だった)、この作品のラストで石を互いに渡しながら納得顔で微笑むシーンに至っては、お手軽なTVドラマよりひどい、ひどすぎるっっ。あの石は広末の顔に投げつけるべきでありました。脚本まちがってますよ。だから私のお気に入り度が85点ぽっきりなのです。

製作国:Japan
初公開年:2008年
監督:滝田洋二郎
キャスト:本木雅弘, 広末涼子, 余貴美子, 杉本哲太, 吉行和子, 笹野高史, 山田辰夫, 峰岸徹, 山崎努 ...


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by amore_spacey | 2009-03-25 01:49 | - Japanese film | Comments(2)

Ladri di Biciclette (自転車泥棒)

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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Antonio(Lamberto Maggiorani)は長い失業のすえ、ようやく映画のポスター貼りの仕事を得た。妻がかき集めてくれたありったけのシーツを彼は質に入れて、仕事に必要な自転車を請け出したのだ。6歳の息子Bruno (Enzo Staiola)を車に乗せてポスターを貼ってまわった。ところがちょっと目を離したすきに自転車が盗まれてしまった。哀れなAntonioは自転車を探して息子とともに街をさまようのである。



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混乱と貧困に満ちていた敗戦後のイタリア、一台の自転車が貴重な財産だったころの庶民の生々しい現実を淡々と描いているが、やりきれない思いが残る。唯一救われたのは、息子の涙によってAntonioは逮捕されず刑務所行きにならなかったことでしょうか。



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父子が必死になって自転車を探す背景にサッカーの試合風景が垣間見えた時にも、気持ちがほっとした。あの時代にも、いや、あんな時代だからこそ、サッカーの試合に熱くなる人々がいたのですね。耳をすませてよく聞いてみると、セリエAのローマ vs モデナではありませんか!当時は地元チームのモデナがセリエAで頑張っていたのだ。数年前セリエAに奇跡の昇格をしたものの、その後は坂道を転がり落ちるがことく、ただ今セリエC入りが危ぶまれているのであります。隔世の感あり。

製作国:Italy
初公開年:1948年
監督:Vittorio De Sica
キャスト:Lamberto Maggiorani, Enzo Staiola, Lianella Carell, Gino Saltamerenda ...


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by amore_spacey | 2009-03-19 00:24 | - Italian film | Comments(2)

たみおのしあわせ

私のお気に入り度 ★★★★☆(84点)

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父・伸男(原田芳雄)と2人暮らしの神埼民男(オダギリジョー)はオクテで恋愛下手だが、最近お見合いした瞳(麻生久美子)とはうまくいき、結婚を目前に控えていた。一方伸男は部下の宮地(大竹しのぶ)と交際中。しかし民男の目を気にして、関係を秘匿していた。そんな中神埼家の天井裏に、ニューヨークから逃げ帰った親戚の透(小林薫)が居着く。透は偶然宮地に発見されてしまうものの、なんと2人は恋に落ちてしまい……。



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『帰ってきた時効警察』のオダギリ&麻生コンビは好きだなぁ。恋愛感情が芽生えそうでいつもコメディになっちゃいそうな不思議な2人です。そこが好きなんだけど。今回の久美子ちゃんはやけにシリアスでしたね。そんな彼女にも好感が持てます(^^) 飄々とした原田芳雄は、『歩いても 歩いても』に通じるところがあるけれど、父と息子の関係がこの作品では拍子抜けするくらいあっけらか~ん。同じ原田芳雄が父親を演じても、設定によってこんなに違うんだぁ。大竹しのぶの不貞腐れた表情や、ひょいひょいと男を乗り換えるうまさは地でいったのかしら?笑 可愛い女なのか?ふてぶてしい女なのか?未だに摩訶不思議なところのある方ですこと。

それにしても唐突な終わり方ではありませんか?「へっ?ここで終わるの?」と思ったのは私だけかしら?考えてみれば答えのない出来事や釈然としない思いは、日々の暮らしの中には数え切れないほどあるのだから、こんな終わり方があっても不思議はないけれど。「へっ?」と言えば、忌野清志郎さんってどこに出てましたっけ?

製作国:Japan
初公開年:2008年
監督:岩松了
キャスト:オダギリジョー, 原田芳雄, 麻生久美子, 小林薫, 大竹しのぶ, 富士眞奈美, 川辺久造, 石田えり, 忌野清志郎 ...


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by amore_spacey | 2009-03-13 01:24 | - Japanese film | Comments(0)

20世紀少年〈第1章〉終わりの始まり

私のお気に入り度 ★★★★☆(72点)

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ロックスターを目指していたが、今は実家のコンビニを継ぎ、失踪した姉の子供を育てているケンヂ(唐沢寿明)。同窓会で会った旧友から、「ともだち」と呼ばれる教祖が率いるカルト教団が、ケンヂが子供時代に作った「よげんの書」とそっくりの怪しい事件を起こしていることを聞く。その後仲間の1人だったドンキー(生瀬勝久)が殺され、事件の謎を解こうとケンヂは立ち上がる。しかし「ともだち」によって、テロリストの汚名を着せられてしまい…。

ダメ。全く作品にのめりこむことができませんでした。香川照之氏が出演しているというので観たのに、う~ん、彼の持ち味が…なぁ。小日向文世氏ってどこか危うい雰囲気が漂ってますなぁ。シリアスな石塚くんが意外にこの手の作品にハマってます?豊川悦司の野性ぶりもスゴイ。放置しておいたら確実に野獣化しますね、彼。豪華キャストなのにどの人も文化祭の劇レベルでとても残念です。いや、しかし、秘密基地とは、こりゃ懐かしいね(^^) 小学校の放課後、堤防際の空き地に葦で作った小屋(と呼ぶにはあまりにもお粗末)に集まってよく遊んだものでした。「ケーンジくん、あそびましょ~」が、娘の口癖。気に入っちゃったみたいです、この台詞(笑) これって3部作なんですか?参ったな^^;

製作国:Japan
初公開年:2008年
監督:堤幸彦
原作: 浦沢直樹
キャスト:唐沢寿明, 豊川悦司, 常盤貴子, 黒木瞳, 香川照之, 石塚英彦, 宇梶剛士, 宮迫博之, 生瀬勝久, 小日向文世, 佐々木蔵之介, 佐野史郎, 石橋蓮司, 池脇千鶴, 中村嘉葎雄 ...


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by amore_spacey | 2009-03-10 23:04 | - Japanese film | Comments(4)

Puccini

私のお気に入り度 ★★★★☆(65点)

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昨年放映の予定がなぜか年越してようやくTV放映された。生誕150年を記念したGiacomo Puccini(1858~1924)の生涯を、回想シーンを織り込みながら描いたものである。



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予告を見てかなり期待していたのだけれど、、、5時間足らずに彼の生涯を詰め込むなんてのが無理な話。脚本や演出があんまりじゃないかい?と言いたい。
Pucciniを演じたAlessio Boni、う~~~ん、『輝ける青春』で一目惚れ、前回のRai unoのTVドラマ『カラヴァッジョ』でも好演していたというのに、今回はただもう画一的な演技で退屈なだけ。久々にAlessio様に会えたと言うのに、がっかり。恋は盲目というように、好きな役者を過大評価するのはありがちだけれど、今回のAlessio様はまんまとバカな監督の口車に乗せられたか?「いや、もともと彼はそれだけの役者でしかないんだよ」横で夫が余計なことを言うから、気持ちがかき乱されて集中して観ることができないじゃないか!母親Albina役の大ベテランStefania Sandrelliも何~だか冴えなかった。



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音楽出版会社Ricordiの主Giulio Ricordi、こちらも薄っぺらくて見ていて情けなく辛かった。実物を知る由もありませんが、本当にあんなだったんでしゅか?涙



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唯一感情移入できたのは妻Elviraを演じたSophie Von Kasselである。初めて見る役者で新鮮味があったのだろう。大人しく従順で健気な妻だと思いきや嫉妬に狂うとその炎を心の奥底でメラメラ燃やし続け、最後には女中を服毒自殺(死亡)に追い込んだ罪で訴えられてしまう。
全体的に何かが空回りして拍子抜けだったが、彼の縁の地であるLuccaやTorre del Lago PucciniやViareggio近郊の街をもう一度訪ねてみたい。


製作国:Italy (Raiuno)
初公開年:2009年
監督:Giorgio Capitani
キャスト:Alessio Boni, Stefania Sandrelli, Sophie Von Kassel, Andrea Giordana, Franco Castellano, Massimiliano Buzzanca ...


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by amore_spacey | 2009-03-05 00:02 | - Italian film | Comments(0)

Il Mare (イルマーレ)

私のお気に入り度 ★★★★☆(84点)

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【あらすじ】 1997年、海辺の一軒屋に引っ越してきた青年ソンヒョ。彼はその家に“Il Mare"と名前をつける。その夜郵便受けに前の住人だと名乗る女性ウンジュからの手紙を発見する。それは新たな住人へのメッセージだったが、その日付が1999年であること、自分がつけたばかりの家の名前を彼女が知っていたことに疑問を感じる。やがて年が明け、「1998年1月9日に大雪が降る」と彼女が書いてきたことが本当に起こり、時を隔てて手紙を交わしていることを彼は知る。こうして2人の文通が始まるが…。



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遅ればせながらやっと観ました。とても不思議なストーリーにぐんぐん引き込まれました。どう考えてもあり得ないだろう?なコトがあったり、ラストはちょっと強引かなぁという気もしますが、まぁ、いいでしょう。何よりも映像が綺麗でした。



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潮の満ち引きによって、海の家が水上に浮かんだり砂浜に立つ足組が見えたり…。インテリアのディテールやアイテムの1つ1つにも目がくぎづけ。肩の力を抜いた2人の主役の、作為的でない自然な演技に好感が持てた。



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2006年にKeanu ReevesとSandra Bullockでリメイクされた『The Lake House』は未見です。舞台は湖畔の家に変更されたそうですね。『Speed』で共演した2人の印象が強烈に残っているし(あれは面白かった)、Sandraが苦手だし、アクション映画以外の作品になると、Keanuは何だかなぁ。でも気が向いたら、観てみます。

製作国:Korea
初公開年:2000年
監督:Hyun-seung Lee
キャスト:I Jeong-Jae 李政宰 , Jeon Ji-Hyun 全智賢 ...


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by amore_spacey | 2009-03-02 01:21 | - Asian film | Comments(2)