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Django Unchained (ジャンゴ 繋がれざる者)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(70点)

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【あらすじ】 奴隷制度をめぐる対立が色濃くなる1859年のアメリカ南部。ドイツ系賞金稼ぎDr. King Schultz(Christoph Waltz)と出会い、奴隷を繋ぎとめる鎖から解放されたDjango(Jamie Foxx)は、Dr. King とともに南部の指名手配犯を捕まえながら鍛錬を積み、奴隷市場で生き別れとなった妻Broomhilda von Shaft(Kerry Washington)を探している。そのBroomhildaは、Calvin Candie(Leonardo DiCaprio)が営む農園にいた。Calvin は奴隷を鍛えあげ、奴隷同士を闘わせては楽しんでいる。Djangoは妻を救うため、極悪人Calvinに生死を賭けて立ち向かう。本作でChristoph Waltzは、2012年の第85回アカデミー助演男優賞を受賞。


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Quentin Tarantino監督はチャンバラ劇の娯楽映画専門で、特に好きでも嫌いでもないけれど、上から目線&テキトー男なChristoph Waltzが出ていると聞いて、遅ればせながら観てみた。いや、想像以上に派手なチャンバラ劇でした。オドオドしていたDjangoがDr. Schultzのお陰で早撃ちの名人になり、徐々に自信がついて精悍な顔つきに変わっていく、彼の成長ぶりがよかったー。小気味のよいテンポで展開するDjangoとDr. Schultzの掛け合いや、賞金稼ぎには強欲なDr. Schultzが情に厚いという意外性を含め、特に前半が軽快で楽しかった。途中で流れた曲も◎◎◎


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おぉ、Franco Neroがいる!渋い!まだまだいけるじゃないか。のサプライズがあったり、ちらっと登場した監督に、「えっ、別人?太った?」と、そっちに気をとられて、それまでの集中力がぷっつり切れたり、Samuel L. Jacksonってどこに出てるんだ?と思っていたら、ラスト近くになってやっと黒人執事役だったのかと気づいたり(◎∇◎)と、サプライズもてんこ盛り。拳銃ぶっ放しや半端ない流血量や激しい銃撃戦は、Tarantino監督の十八番ですな。壮絶で景気のいいクライマックスに、、気持ちがスカーッとする。あれだけ粉々にセットをぶっ壊すなんて、監督も太っ腹。この手の作品は、さらっと楽しめるかどうか、だけ。モラルやルールや歴史をひっぱり出してきて、ねちっこく語る人は、観ないほうがいいかも?

製作国:U.S.A.
初公開年:2012年
監督:Quentin Tarantino
キャスト:Jamie Foxx, Christoph Waltz, Leonardo DiCaprio, Kerry Washington, Samuel L. Jackson, Walton Goggins, Dennis Christopher, Franco Nero, Quentin Tarantino ...


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by amore_spacey | 2013-10-30 01:46 | - Other film | Comments(0)

Scorpio (スコルピオ)

私のお気に入り度 ★★★★☆(83点)

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【あらすじ】 CIA諜報部員Cross(Burt Lancaster)は、Scorpioのコードネームを持つ殺し屋Laurier(Alain Delon)と共に、中近東某国の首相をパリ・オルリー空港で暗殺し、一路ワシントンへと向かう。仕事を終えたLaurierに、CIAのFilchock(J.D. Cannon)は、なぜCrossをも殺さなかったのかと迫った。CrossがCIAの極秘秘密をソ連側に通報していたことが発覚し、LaurierはCross殺害指令を受けていたのだ。しかし永年の仕事上の相棒を殺すことなどできない。一足はやくCIAの動きを察知したCrossは、最愛の妻Sarah(Joanne Linville)に別れを告げ、逃亡の旅に出た。ワシントン・パリ・ウィーンを舞台に、巨大な組織CIAに挑む殺し屋の姿を描く。


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大スクリーンで初めてこれを観たとき、「Alain Delonって、ストイックでカッコよすぎる!」 もうね、メロメロになっちゃった。彼以外の男が目に入らない。哀愁と孤独と血のにおいを漂わせるダークな一匹狼。そういう男性に憧れる時期ってありませんか?同年代の男の子なんて、子どもっぽくて話にならない。何様ですか?な発言なんですが(滝汗) 今観ても彼のカッコよさに変わりはないけれど、私が歳をとった分だけ心が汚れてしまったので、この手の作品はあれこれ突っ込みたくなる。ああいうタイプは、観賞用に限る。実生活でかかわったら、面倒なことになりそう。夕食がまずいって、いきなり無言でピストルぶっ放す?いや、私生活では、明石家さんまちゃんに負けないくらいお喋りだったりして。それもまた困るんですけどね。苦笑


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Burt LancasterとAlain Delonは、この作品の10年前に『山猫』で共演している。あの時は叔父と甥っ子という優しい関係だったが、今回は殺し屋の相棒でありながら1人がもう1人を殺さねばならない、冷酷非情な環境におかれている。2人の間にある戦友や友情の描写が曖昧なので、何となく説得力に欠けるか?という歯切れの悪さはある。でも目まぐるし舞台が変わるのは、いかにもスパイ映画らしく、それぞれの街並みを見るだけでも楽しい。


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忘れられないのが、この↑↑ラストシーン。暗闇の中で子猫をなでるAlain。彼の全身から、孤独のオーラが出まくり。大スクリーンの中に飛び込んでいって、抱きしめてあげたくなる。胸がきゅーんと痛むシーン。これぞ男の哀愁。新宿の某名画座で、他の2本と一緒にこれがオールナイト上映された期間、学生だった私は何度も通った。どーでもいいことだけど、私もAlainもBurtもさそり座っ☆..。・ ついでに、私とBurtの誕生日が同じ。

製作国:U.S.A.
初公開年:1973年
監督:Michael Winner
キャスト:Burt Lancaster, Alain Delon, Paul Scofield, John Colicos, Gayle Hunnicutt, J.D. Cannon, Joanne Linville ...


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by amore_spacey | 2013-10-28 03:19 | Alain Delon | Comments(0)

A time to kill (評決のとき)

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

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【あらすじ】 ミシシッピー州の田舎町。黒人労働者Carl Lee Hailey(Samuel L. Jackson)の10歳の娘が暴行&レイプされた。怒った娘の父は犯人の白人青年2人を射殺。逮捕されたCarl Leeは知り合いの若手白人弁護士Jake Brigance(Matthew McConaughey)に弁護の依頼をした。裁判は始まったが、裁判長や陪審員はすべて白人で、白人有利の状態だった。相手のベテラン検事Rufus Buckley(Kevin Spacey)も優秀で、勝ち目はほとんどなかった。裁判所の外では白人至上主義者の団体KKKが活動再開し、Jakeの周囲では次々事件が起きた。彼の父が殺され、彼の助手を務める有能な法学生Ellen Roark(Sandra Bullock)も襲われてしまう。


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この作品には、奴隷制に根ざす黒人差別・KKK団・レイプ・報復殺害・人が人を裁く・正義・陪審員制度と、一朝一夕には解決できない難問題が詰め込まれている。黒人労働者Carl Leeに対する判決が下ることで1つの結果は出るが、それでも何だかスッキリしない。それは人が人を裁くに際し、法の力や理論武装だけでは片付けられない人間の感情が絡み、白黒つけるのが難しいからだ。ものさしできっちり測ることができない、その辺りにもやもやが残る。また世の中には、長い時間培われて出来上がった仕組みというものがある。それを尊重しなければいけないから、小学校の道徳や学級会のように(って乱暴なたとえだけど)、「Aちゃんはクラスで決めたきまりを守りませんでした。反省して下さい」「ごめんなさい。これからは気をつけます」な~んて簡単に片付けられない。

それでは、どうしたらいいのでしょうか?この答えもすぐには出ない。が、まずは映像によって、現状や実態を世に知らしめる、これは大きな影響力があるはず。黒人差別・奴隷問題、と歴史の教科書に太く書かれた字面(じづら)を暗記して、テストの解答欄に書くだけの作業とは違う。百聞は一見にしかず。


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それにしても超豪華キャスト!すごい。しかも主役級の役者が適材適所に配置され、キャスティングもお見事。Matthew McConaugheyもKevinも他のキャストもみんな若い。なのにKevinのデコは既にあんな残念なコトに…(爆) おのれの損得勘定を抜きにして、正義に徹するMatthewが潔く健気でいい。メガネも似合う。彼が法廷で語りかけた台詞は、青臭いと言ってしまえばそれまでだが、しかし心にじわじわ沁みる重みがあった。このシーン(←音が出ます!)は圧巻。本当に重い題材だった。ちゃらちゃらしたラブコメ役者の印象が強かったMatthewを、あらためて見直す作品でもありました。

製作国:U.S.A.
初公開年:1996年
監督:Joel Schumacher
原作:John Grisham
キャスト:Matthew McConaughey, Samuel L. Jackson, Sandra Bullock, Kevin Spacey, Ashley Judd, Donald Sutherland, Chris Cooper
, Oliver Platt, Kiefer Sutherland ...


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by amore_spacey | 2013-10-26 04:20 | Kevin Spacey | Comments(2)

Padroni di casa

私のお気に入り度 ★★★☆☆(60点)

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【あらすじ】 タイル職人のCosimo(Valerio Mastandrea)とElia(Elio Germano)兄弟は、有名なポップス歌手Fausto Mieli(Gianni Morandi)の家のテラスの仕事を任された。Faustoの妻Moira(Valeria Bruni Tedeschi)が、不治の病で車椅子の生活を余儀なくされたため、彼は引退を決意した。アペニン山ろくの小さな村にある豪邸で、幸せに暮らしているかに見える夫婦だったが、実態はどうやらそうではないらしい。CosimoとEliaも傍目には普通の兄弟に見えるが、2人の間にはわだかまりがあった。またFaustoが暮らす小さな村の住人はとても閉鎖的で、この兄弟にも不信感を抱き、まるで外国人のように扱うのだった。そして兄弟と村の住人たちの関係は、ある事件を機に悪化していく。


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映画やTVドラマを観る時、観る側の心の状態やそのときの季節や天気が、多少なりとも影響しているのでは?と思うことがある。たとえばこの作品を観たのは、霧雨の降る肌寒い初秋のある土曜日のゆううつな昼下がり。ようやく夏のヴァカンスの楽しい思い出から抜け出して(いつまで浸ってる?)、日常生活に戻った頃だった。楽しいはずがない。そんなときに観ちゃったから、うわーー、絶望的!救いがないよ、救いが。ワタシの心は鉛色にどよよ~んと重くなるばかり。観なきゃよかった、と大後悔。もっと違う状況(例えば春らんまんの中でとかバラ色のヴァカンス中にとか)で観たなら、てんこ盛りの突っ込みをしながら、サディスティックに楽しめたかも?それはそれで不健康な楽しみ方だけどね。


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と、長~い前置きはさておき、この作品でポップス歌手を演じたGianni Morandiは、実生活でも現役ポップス歌手である。彼の物真似をする芸人が何人かいるほど、仕草や口調や口癖に特徴があって、顔が全く似ていなくてもジェスチャーだけで、Gianniだ!と名前を当てられる、分かりやすいおじさんなのだ。Luciano Pavarottiのお葬式に来ていた彼を見かけた時にも、Gianniらしい仕草が満載で、場違いと思いつつ心の中でクスッと笑ってしまった。あの気さくなおじさんが、表と裏の顔をうまく使い分けるこんな嫌な役もやっちゃうんだぁ。誰にも多重人格の要素があるから、今さら驚きはしないけれど、映像は直接迫ってくるから、その残酷さに心が凍りついてしまった。どうしてValeria Bruni Tedeschiは、病を患ったり不幸な女の役が多いんだろう?不幸体質?実妹Carla Bruniのように、もう少し図太くなってもいいんじゃ?逆に言えば、繊細な感性の持ち主だから、女優や監督業が務まるとも言えるのかなァ。

製作国:Italy
初公開年:2012年
監督:Edoardo Gabbriellini
キャスト:Valerio Mastandrea, Elio Germano, Gianni Morandi, Valeria Bruni Tedeschi, Francesca Rabbi, Mauro Marchese, Lorenzo Rivola ...


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by amore_spacey | 2013-10-24 01:03 | - Italian film | Comments(0)

すーちゃん まいちゃん さわ子さん

私のお気に入り度 ★★★☆☆(75点)

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【あらすじ】 料理好きで十数年カフェに勤務し、最近は職場の中田マネージャー(井浦新)に関心を寄せているすーちゃん(柴咲コウ)。OA機器メーカーに勤め、実りのない恋愛をしているまいちゃん(真木よう子)。母と二人で祖母を介護している、WEBデザイナーのさわ子さん(寺島しのぶ)。3人はかつて一緒にアルバイトをしていた仲間で、それから十数年経ち、それぞれの道を歩みながらも友情は続いている。自分の年齢や結婚やお金や先のことを考えると、不安がよぎる。これまでに歩んできた道を振り返って、これでよかったのか悩むこともある。それでも3人は小さな幸せに目を向けて、今を生きていく。


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あったなぁ、こんな気持ちになったこと。遥か昔のことだけど、何気ない日常生活の中で、急にくるあの寂しいような不安なような、自分だけ世間から取り残されたような、心細~い気持ち。秋風に髪が揺らめく季節、仕事からの帰り道に、ふっと「私ってどうなるんだろう?」って思ったっけ。みんな何かしら不安を抱えながらも、ささやかな幸せを見つけて前に進んで行っている。おぃおぃ、新くん、そこで↑↑鼻血?


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キャリア・ウーマンまいちゃんの心のつぶやきが面白かった。真木よう子の低い声が、あの独り言にハマりすぎ(≧∇≦) 彼女はクールでハードボイルド系かと思ったら、こんな役も合うのねぇ、と嬉しいサプライズ。失礼な上司や同僚に言ってやりたい台詞って、ある、ある。

失礼といえば、寺島しのぶが演じたさわ子さんの同級生も、超失礼でバカな男だ。「歳が歳だから、子どもが出来るかどうか、病院で証明書をもらって来て欲しい」なんて、はぁあああ?どのツラ下げてそんな台詞が言える?柴咲コウちゃんは、年齢の割に仕草や喋り方や声のトーンが老けてないか?と前々から気になっていたんだけど、この作品で確信。「ちゃんと朝ごはん食べてる?」って、ポンと肩を叩きたくなっちゃう。この3人の10年後がどうなっているのか、知りたいな。

製作国:Japan
初公開年:2013年
監督:御法川修
原作:益田ミリ
キャスト:柴咲コウ, 真木よう子, 寺島しのぶ, 木野花, 井浦新, 染谷将太 ...


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by amore_spacey | 2013-10-21 03:06 | - Japanese film | Comments(2)

Despicable Me 2 (怪盗グルーのミニオン危機一発)

ワタシの笑った度 ★★★★☆(90点)

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【あらすじ】 月泥棒の偉業を成し遂げ、孤児3姉妹の父親となったGru(Steve Carell)は、悪党稼業から足を洗い、世界レベルで悪と戦う超極秘組織「反悪人同盟」の捜査官として活動していた。そんなある日、Gruの仲間でバナナが大好物の謎の黄色い生物Minionたちが、何者かに誘拐されてしまう。Gruは3姉妹と相棒の美人捜査官Lucy(Kristen Wiig)とともにMinionを助け出すため冒険に出る。2010年に公開された『怪盗グルーの月泥棒 3D』のシリーズ第2作。


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パパやママと一緒に来ていた幼稚園児や小学生より、ガハガハ笑っちゃった!!!何が面白かったのか、もう思い出せない。それくらいバカバカしい瞬間ネタのオンパレードなんだけど、楽しかった。お子様向けの作品らしいが、ギャグのいくつかは大人にしか分からない内容で、当然ながら笑っていたのは大人だけだったね。

切符売り場の窓口では、(たぶん5歳以下の)子どもたちに、Minionのお面をプレゼントしていた。ワタシも欲しかったー。


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今回はGruと美人捜査官Lucyの絡みがポイント(*^^*) 子どもの頃の嫌な思い出がトラウマになっているGruは、女性関係に物凄く臆病&慎重で、身辺に浮いた話がない。だからでしゃばりないとこや3人姉妹が心配して、あれこれ画策するのよね。


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メキシコ料理レストランの経営者Eduardo、実はマッチョな怪盗El Macho!彼が可愛がっているおんどり、これがなかなか手強いヤツなんだ。日本語吹き替え版では、中井貴一が担当らしい。聞いてみたいな。


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Eduardoの息子がプレイボーイのAntonio。こういう勘違い男って、たまにいるよね(爆) 人間観察するにはとても面白いけれど、身近にいたらかなり迷惑かも。このAntonioがぜーんぜんイケてないのに、Margoったら彼に一目惚れ。Margoの男の趣味ってどーなの?


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高齢でとてもスローなDr. Nefarioだけど、ここ一番!というところで大活躍。頼りになる爺さんだ。


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末っ子のAgnesちゃんは、優しくて愛嬌があって可愛いの^^ 

製作国:U.S.A.
初公開年:2013年
監督:Pierre Coffin, Pierre Coffin
吹き替え:Steve Carell, Kristen Wiig, Benjamin Bratt, Miranda Cosgrove, Elsie Fisher, Dana Gaier, Russell Brand, Steve Coogan, Ken Jeong ...


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by amore_spacey | 2013-10-18 01:51 | - Other film | Comments(0)

A casa nostra

私のお気に入り度 ★★★☆☆(75点)

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【あらすじ】 ミラノ。格式のあるレストランでランチをとりながら、銀行の幹部Ugo (Zingaretti)と起業家が黒いビジネスの打ち合わせをしている。この黒い取引き及びUgoの一部始終を盗聴するのは、財務警察の隊長Rita (Valeria Golino)。Ugoの情婦で高級娼婦のElodie(Laura Chiatti)。しがないスーパーの店員Gerry(Luca Argentero)。彼の妻(Valentina Lodovini)は病院の看護士。旧東ヨーロッパからイタリアに来て娼婦をしているBianca(Cristina Suciu)。ガソリン・スタンドの職員(Giuseppe Battiston)。彼らもミラノの片隅でささやかな暮らしを営んでいる。一見何のかかわりもない人々が、どこかですれ違っている、関わり合いを持っている。そんな商業の街ミラノ。


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これぞ、Francesca Comenciniワールド!!! グレーで憂鬱な雰囲気が立ち込めるミラノ、かすかな希望すら見出せない街。21世紀のイタリアを象徴している。こんな作品を観ると、重苦しくて暗澹たる気持ちになる。先が見えない時代に生きているからこそ、現実にきちんと向き合おう。というスタンスに一理あり。でも後腐れのないさらっとした作品を見て、もやもやした気持ちから解放されたい、という思いも強い。後者の場合、本作品はハズレ。あ~あ、正義は存在しないんだな。結局とかげの尻尾が切り落とされるだけだ。貧乏くじを引いたGerry、お前が悪いんだ。


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悪役Luca Zingarettiが、ふてぶてしくて実に嫌なヤツだ。心の底から憎悪が沸いてくる。正義の味方Montarbanoと正反対の役どころだが、演じ分け方が実に上手い。


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脇役の常連Giuseppe Battistonも光っている。何日も洗っていないべっとりした髪の風采の上がらない男。見栄えが悪く、臆病で口下手、閉鎖的でうまく人間関係が築けないが、彼は心根の優しい男。Valeria Golinoは『レインマン』の頃から、少しも歳をとらない、サイボーグのような女優だ。

製作国:Italy
初公開年:2006年
監督:Francesca Comencini
キャスト:Valeria Golino, Luca Zingaretti, Giuseppe Battiston, Laura Chiatti, Luca Argentero, Fabio Ghidoni, Valentina Lodovini, Cristina Suciu, Jonathan Banks ...


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by amore_spacey | 2013-10-16 01:08 | - Italian film | Comments(0)

A Late Quartet (25年目の弦楽四重奏)

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】 Daniel(Mark Ivanir)、Robert(Philip Seymour Hoffman)、Juliette(Catherine Keener)、Peter(Christopher Walken)の4人は、弦楽四重奏団を結成して25周年を迎えようとしていた。しかし、チェリストのPeterがパーキンソン病を患っていることが発覚。彼は引退を申し出、残されたメンバーは動揺する。そのことをきっかけに憤りや嫉妬、ライバル意識、それぞれの家庭の問題など、それまでに抑えられていた感情や葛藤があふれ出し、完璧なはずのカルテットに不協和音が鳴り響く。


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作品そのものより、要所で流れたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番が、涼しくなった秋の夜長に相応しく、しんみりと聞き入ってしまった。Peterの引退宣言によって楽団は危機に直面するようにみえるが、実は同じメンバーで25年も音楽活動を続けてこれば、何らかの不協和音が生じるのは当然のこと。一気に噴出したかのような不満や葛藤は、前々から徐々に溜まっていた。これから先の人生をどう歩んでいくのか?楽団の将来はどうなるのか?メンバーのそれぞれがずっと先送りしてきた問題に、否応なく向き合わなければならない時が来たのだ。


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楽団員を演じた4人の役者が実によい。特に純粋で駄々っ子のようなPhilip Seymour Hoffman、病に直面しながらも努めて冷静なChristopher Walken。動と静の対照的な2人は最高!いつも思うんだけど、Philip Seymour Hoffmanは年齢不詳の役者だ。近頃コミカルで3枚目的な役どころが続いたChristopher Walkenなので、今回もクスッと笑える変なことをやらかすかも?なんて妙に期待していたところがあったけれど、この作品でそれはありえませんね。バカな私っ。RobertとJulietteの1人娘Alexandra役のImogen Poots↑↑が、とってもキュート。

製作国:U.S.A.
初公開年:2012年
監督:Yaron Zilberman
キャスト:Catherine Keener, Christopher Walken, Philip Seymour Hoffman, Mark Ivanir, Imogen Poots, Madhur Jaffrey, Liraz Charhi ...


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by amore_spacey | 2013-10-14 00:12 | - Other film | Comments(0)

渋谷

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】 フリーのカメラマン水澤(綾野剛)は、渋谷の少女たちを撮り記事を書く仕事に行き詰っている。被写体に入り込まなければダメという編集長・栗山(石田えり)の言葉を、彼は理解できずにいた。そんな折、取材に出た渋谷センター街で「死んでもいいじゃん!」と切り裂くような声を聞く。水澤の目に飛び込んで来たのは、母親(松田美由紀)を突き飛ばして走り去る少女(佐津川愛美)の後姿。水澤は咄嗟に少女の後を追う。少女はユリカの名でヘルスで働いていた。センター街で見た彼女とは別人のような化粧っ気のない顔で、「ココにいるとすごい楽なの」と淋しげに微笑むユリカ。水澤はユリカに写真を撮らせてほしいと頼む。


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大都会の片隅で、今日もひっそりと生きている若者たち。彼らが抱える心の痛みや小さな孤独は、渋谷の喧騒や雑踏に紛れてしまう。それでも1人になると、寂しく哀しくてやりきれない。そんな水澤とユリカの気持ちの「ある部分」が、そっとそっと静かに重なり合ったあの瞬間、私の心の中にオレンジ色の水の輪が静かに広がった。じわっといい作品。オープニングに、「かったるそー」観る気力が失せそうになったが、思い留まってよかった。

スーツ姿の松田美由紀に、一瞬ぎょっ★ 下着の線や中年の体型が丸見えじゃないか。全裸より隠微な嫌らしさが漂ってエロすぎる。そそるものがあるな(まるっきりオヤジ目線)。それから綾野剛が食べていた卵かけごはん。あれはホントにおいしそうだった。食べたくなってきたぞー。今まさに、五郎の気分だ (^◇^) えーーっ、ARATAってどこにいたっけ?

製作国:Japan
初公開年:2008年
監督:西谷真一
原作:藤原新也
キャスト:綾野剛, 佐津川愛美, 松田美由紀, ARATA, 大島優子, 西村和彦, 石田えり ...


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by amore_spacey | 2013-10-11 00:09 | - Japanese film | Comments(0)

Breaking Bad Season 5 episode 16 (ブレイキング・バッド シーズン5 最終話)

ネタばれあり?

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】 高校のしがない教師として安月給とアルバイトで妻Skyler(Anna Gunn)と脳性麻痺の長男Walter Jr(RJ Mitte)を養う優秀な化学者Walter White(Bryan Cranston)は、末期の肺がんと宣告された。そこで彼は家族のために金を残したい一心で、元教え子Jesse Pinkman(Aaron Paul)と共に化学の知識を利用して、通称クリスタル・メスと呼ばれる純度の高い麻薬を密造する。この麻薬を売りさばいて巨額の金を得るものの、裏の組織に巻き込まれ、心ならずも犯罪者へと変身していく。プライムタイム・エミー賞を主演のBryan Cranstonは3年連続で主演男優賞、Aaron Paulは2度助演男優賞、Anna Gunnは助演女優賞、2013年にドラマシリーズ部門最優秀作品賞、また2012~13年の全米脚本家組合賞を受賞。2013年度に最高視聴率ギネスレコードを獲得したテレビドラマ(2008年1月20日~2013年9月29日放映 全5シーズン)。


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ほぼ予想通りの結末だった。あれが妥当だろう。シーズンを重ねるにつれ、話はどんどんハードにどす黒く血生臭くなり、登場人物たちも精神的におかしくなったり邪悪・凶悪で執念深くなっていくが、一番豹変してしまったのはWalter。あのまま高校の化学の教師としてまっとうな道を歩んでいれば、温厚で臆病な人間にふさわしい、それなりの人生があったかもしれない。しかし麻薬の精製&密売という過ちを犯したことによって、彼は自分で引き寄せた負のスパイラルから抜け出せなくなった。


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それに気づいていながら、もう引き返すことができない。麻薬を精製する過程の、化学の美しさや完全性にとりつかれてしまったから。金儲けはそれに付随してきた2次的産物にすぎない。Walterにしか出来ないクリスタル・メス。それを開発したあの「研究所」は、彼が一番自分らしくいられる場所だったのだ。化学の世界に没頭している間は、現実や絶望から解放される。そんな自分の聖域で最期を迎えられたなんて、上出来じゃないか。しかも、やるべきことを果たして静かに逝った。そしてクリスタル・メスは幻の麻薬として、永遠にWalterのものとなった。ある意味、彼は勝利者かも?

彼が非人道的で凶悪になっていくのに、視聴者のまなざしは、なぜか?擁護的で優しい。これだけ支持や共感を得る凶悪犯も珍しいのではないかしらん。Walterという人間、そしてそれを演じたBryan Cranston。この2人が放つ人間味やキャラクターが、素晴らしかったからだ。人気絶頂のままシーズン5で終わらせたのも潔い。

製作国:U.S.A.(AMC)
放映日:2013年9月29日
制作者:Vince Gilligan
キャスト:Bryan Cranston, Aaron Paul, Anna Gunn, Dean Norris, Betsy Brandt, RJ Mitte, Bob Odenkirk, Giancarlo Esposito, Jonathan Banks ...


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by amore_spacey | 2013-10-09 01:00 | - TV series | Comments(0)