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Cime Tempestose (嵐が丘)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(70点)

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【あらすじ】 イギリスはヨークシャーの荒野に立つ、荒れ果てた館「嵐が丘」を舞台に、復讐に燃えるHeathcliff(Alessio Boni)とCatherine(Anita Caprioli)の愛と悲劇を描いた作品。


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Alessio Boniの舞台を観て、Alessioブームが再燃し、ひっそりAlessio祭りを楽しんでいます。さてイギリス古典文学の王道で今更感のある『嵐が丘』ですが、昔Laurence OlivierのHeathcliffを観た時、端正な顔立ちに見え隠れする暗さや翳が、私の思い描いていたHeathcliffにあまりにもハマリすぎて、強烈な印象が残っていたせいか、巻き毛ライオン頭のAlessioに、ものすごく違和感。あれってHeathcliffではなくて・・・


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『ベルばら』のアンドレ・グランディエ?でなかったら、QueenのギタリストBrian May??


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それからイタリア語を話すHeathcliffやCatherineって、どうなの?伊国営放送のTVドラマだから、台詞は当然イタリア語。そのせいか?変なフィルターがかかって、嵐が吹きすさぶ厳しい自然の中にあるはずのヨークシャーが、北イタリアはドロミテ渓谷や南チロル地方の風景とダブったりして、どうもしっくりこない。Catherineを演じるAnita Caprioliが、やけに早口で甲高いのも癇に障る。

そこをぐっと我慢して、何とか最後まで辿りついたんだけど、何度も出てくる「ヒースクリーーーーフ!」や「キャサリーーーーーン!」の絶叫が可笑しくて、悲恋どころじゃなくなっちゃった。彼らが一生懸命やればやるほど笑えるなんて失礼な話ですが、でも悲劇は喜劇と紙一重と言いますしぃ(^^ゞ


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そんな私でも大昔は、少女漫画を読みながら涙していたティーンエイジャーでした。そうそう、これを観てやっと話の詳細が蘇ってきた。2人の恋路を邪魔したのは、Catherineの兄Ivory(Franco Castellano)だったんですね。ろくでなしのIvoryはもちろんのこと、Catherineの優柔不断で女性特有の気まぐれのせいで、叶う恋もダメになった、なんて言い過ぎ?Linton家のEdgar(Juraj Rasla)との縁談をスッパリ断れば、あんなに泥沼化しなかった。でもそれじゃ、話は終わっちゃう。気まぐれやすれ違いや誤解や邪魔者がいなけりゃ、この手の話は面白くも何ともないのだ。ほぼ同じ年に書かれたAlexandre Dumasの『モンテ・クリスト伯』のような復讐劇のある後半が面白いのに、TVドラマではテキトーにお茶を濁しただけ。2人のメロドラマだけに焦点をあてて、視聴者を泣かせたかったんだな。

製作国:Italy(Rai 1)
放映日:2004年10月4~5日
監督:Fabrizio Costa
原作:Emily Brontë
キャスト:Alessio Boni, Anita Caprioli, Franco Castellano, Ivo Novák, Luca Cianchetti, Juraj Rasla, Winter Ave Zoli , Guglielmo Pinelli, Giovanni Anzaldo ...


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by amore_spacey | 2014-02-26 01:09 | - Italian film | Comments(4)

“新参者”加賀恭一郎「眠りの森」

私のお気に入り度 ★★★☆☆(74点)

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【あらすじ】 警視庁捜査一課の刑事・加賀恭一郎(阿部寛)は、ひょんなことからバレエ「白鳥の湖」を観にいく羽目になった。公演中に居眠りをしてしまうが、浅岡未緒(石原さとみ)が演じる黒鳥に目を奪われ、その才能にすっかり魅了される。 そんなある日、その公演を主催する名門・高柳バレエ団の事務所で、一人の男が殺された。居合わせたバレリーナ・斎藤葉瑠子(木南晴夏)が被疑者とされ事情聴取を受けるが、不審者から身を守る上での正当防衛だと主張する。被害者の男・風間利之(内田朝陽)と葉瑠子は面識がなく、プリマである高柳亜希子(音月桂)を中心に、バレエ団側も葉瑠子の証言を疑わなかった。 しかし捜査が進む中で幾つかの不審な点が浮かび上がり、事件が混迷を極める中、今度はバレエ団の敏腕演出家・梶田康成(平岳大)が毒殺された。果たして、最初の事件と関係があるのか?


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話の展開にメリハリがなく、謎解きも何だかなぁ?な感じで、無駄に長い2時間半だった。手っ取り早く言えば、交通事故の後遺症で耳が聞こえなくなりつつあるバレリーナ・浅岡未緒(石原さとみ)が、最後の公演を成功させるために、青木という男を撲殺したという話なんだけど、脚本がひどすぎて全く盛り上がりがなかったな。阿部ちゃんと太田刑事を演じる柄本明の絡みも、脚本や演出次第でもっと味のある面白い場面になったはずなのに、これもイマイチ。


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若くて綺麗なバレリーナたちのあーだこーだは、面白くもなんともなかったけれど(艶やかで芯のある音月桂の声は魅力的で華がある)、ストーリーには直接関係のない枝葉的な部分に、私のツボをくすぐる旨味が隠されていた。TRICK繫がりで?仲間由紀恵が阿部ちゃんのお見合い相手として登場するシーンにクスっと笑ったり、「おぉ、阿部ちゃんが英語しゃべってるよ!」と驚いたり。そして父親(山﨑努)とのぎくしゃくした関係に、居心地の悪さを感じつつ苦笑したり。彼らは会うどころか、めったに電話すらかけ合わない。その電話も、用件のみ。「・・・。以上」なんて、木で鼻をくくったような無愛想な留守電メッセージ。お互いに分かったような分からないような、イライラするのに、いつも心のどこかにひっかかっている存在。意地っ張りで不器用なこの2人、何とかなりませんかねぇ。苦笑 相変わらずいいタイミングで流れる達郎の♪街物語♪が、ラストを盛り上げてくれて、墜落は免れた模様。

製作国:Japan(TBS)
放映日:2014年1月2日
演出:土井裕泰
原作:東野圭吾
キャスト:阿部寛, 松尾貴史, 名高達男, 石原さとみ, 音月桂, 大谷英子, 柄本明, 竹財輝之助, 山﨑努, 仲間由紀恵, Kバレエカンパニー ...


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by amore_spacey | 2014-02-21 04:43 | - Japanese film | Comments(2)

La Carne del Marmo - Un oratorio per Michelangelo - 

私のお気に入り度 ★★★☆☆(65点)
私のAlessioお気に入り度 ★★★★☆(90点)

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【あらすじ】 ルネサンス期の彫刻家・画家・建築家・詩人である天才芸術家Michelangelo Buonarroti(Alessio Boni)と素晴らしい作品を生み出す大理石が織り成す関係を、ソネット(定型詩)や音楽や映像やバレエやナレーションによって、多面的に描き出す。


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だめだー、この手のコラボ。何がダメって、神経を逆撫でするような音楽に、若い2人のダンサーの前衛的な踊り(とても上手いんです、でも…)。そして抽象的&形而上的すぎる映像( ̄∇ ̄;) Alessioのナレーションだけで十分だったのに。場内に着席して舞台を見た瞬間、嫌ァな予感がしたのね。舞台装置がなぁんにもないの。数ヶ所にタイルの破片の山と、手動のスポットライトが1台あるだけ。ガラーンとした舞台に、「あ、今日はハズレかも?」 悪い予感が当たっちゃった。

『ダヴィデ像』の原材料となる大理石の原石に命の宿りを感じ、その原石を若い男の肉体としてとらえ、そんな彼の若さや美しさやたくましさを、狂おしいまでに慈しみ愛でる。それなのに自分と来たら老醜をさらし、死を待つだけの枯れた人生。オレは終わってる。およそ美や永遠からは程遠い自分をのろい、嫉妬にのたうちまわるMichelangelo。たぐいまれな才能に恵まれた芸術家の心の奥底に秘められた、脈打つ生々しい魂を表現する手段として、今回のような試みもありだと思う。私の趣向に合わなかっただけ。


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年老いた芸術家という役柄上、Alessioが登場したときは、「えっ?」 一瞬だれなのか分からなかった。けれどモノローグが始まり手足や身体が動き始めると、そこに横たわっていたのは紛れもなくAlessioだった(*^^*) 彼の声は聞き取りやすく、とても心地よい。それは彼のインタビュー(音が出ます!)からも分かる。隣に座ってずっと彼の声を聞いていたい。Colin Firthのように、何をやってもどんなに崩しても品がある。正統派・品行方正な役者でありながら、取り澄ましたり大上段に構えたりしない。気さくで安心できる人だ。『輝ける青春』から11年。デビュー当時のカッコイイだけの青年から、深みのある素晴らしいベテラン役者になった。もう彼から一時も目が離せない!053.gif

劇場:Teatro Duse (Bologna)
上演日:2014年2月13日
監督:Alessio Pizzech
映像:Giacomo Verde
音楽:Dario Aricidiacono
キャスト:Alessio Boni, Compagnia Imperfect Dancers


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by amore_spacey | 2014-02-19 05:43 | Theatre | Comments(0)

ごちそうさん

私の空腹度&しあわせ度 ★★★★☆(95点)

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【あらすじ】 1945年(昭和20年)夏、戦争で焼け野原となった大阪で、子供たちに炊き出しを振る舞う一人の女性がいた。彼女こそこの物語の主人公・西門(卯野)め以子(杏)である。 大正モダン華やかなりし東京。父・大五(原田泰造)と母・イク(財前直見)が切り盛りする洋食屋で育った娘のめ以子(=めいこ、杏)は、おいしいものを目一杯食べてすくすくと育った。子どもの頃から誰よりも食いしん坊だっため以子は、女学生になっても頭の中は食べ物のことばかり。下宿人の大学生・西門悠太郎(東出昌大)には、「何の魅力もない人間」と痛烈に批判されるが、その悠太郎の家に嫁いだ彼女は、料理を通じて温かい家庭を作ろうと奮闘する。


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久しぶりに朝ドラを観たいと思ったのは、何といっても脇役の食べ物が魅力的で、『孤独のグルメ 1 2 3』 に出てくる庶民の味方@ザ・B級グルメが満載と聞いたから。食事のシーンがたくさん出てきて、とてもうれしい。食卓を囲んでみんなが食べている姿をみていると、しあわせな気持ちになる。「あなたのカレーは天下無敵です」と理系男子の悠太郎が褒めるカレーライスを筆頭に、オムレットライス・黄身がトロ~リ流れ出すスコッチエッグ(これは目からウロコ)・とろろ納豆あんの袋揚げ・白身魚のフライにタルタルソースを絡めた具入りの洋風おにぎり・がわがわ夏に食べる冷たい汁物などなど。洋食屋さんメニューや普段着の和食が、次々に出てくる。どれもこれも、おいしそーー。


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ダイジェスト版を観ているので、大まかなことしか分からないが、主人公が頑張るという設定は、少女漫画と同じで、これは朝ドラのお約束キャラ。「努力は報われる」という努力信仰の上に成立しているんだけれど、世の中はそれほど甘くないことぐらい、私たちはよく知っている。いつも無駄な努力ばかり。「もう、いやっ!」 でもこの努力がひょっとしたら実を結ぶかも?と、心のどこかで信じているから、前に進んでいけるところもある。だから青いと言われようが、有り得ないがんばリズム!と失笑されようが、努力は報われると信じたい。とにかく、まずはごはんを食べなくちゃ力が出ません。


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め以子を演じる杏の食べっぷりや爽やかな声を見たり聞いたりしていると、自然に元気が出てくる。彼女を応援したくなる。悠太郎の長姉を演じるキムラ緑子のイケズぶりは、あっぱれ(Ф_Ф;)


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そして近藤正臣おじいちゃんが、みょうに可愛い。1973年の大河ドラマ『国盗り物語』の明智光秀役で、初めて観た。あの頃はカッコいい役が多かったけれど、歳とともにちょっと侮れないヤツや愛嬌のある飄々とした人物や人懐こいキャラを好演。渋い魅力がある。『孤独のグルメ』も『ごちそうさん』もそうだけど、観終わったあと無性におにぎりが食べたくなる。

製作国:Japan(NHK)
放映日:2013年9月30日~2014年3月29日全150回
演出:木村隆文, 小林大児, 福岡利武, 盆子原誠
フードスタイリスト:飯島奈美
キャスト:杏, 東出昌大, 財前直見, 原田泰造, キムラ緑子, 高畑充希, 和田正人, 山中崇, 前田亜季, 中村靖日, ムロツヨシ, 宮崎美子, 吉行和子(語りも), 近藤正臣 ...


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by amore_spacey | 2014-02-13 02:23 | - Japanese film | Comments(5)

Tinker Tailor Soldier Spy (裏切りのサーカス)

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】  1970年代の東西冷戦下、英国情報局秘密情報部MI6とソ連国家保安委員会KGBは、熾烈な情報戦を繰り広げていた。そんな中、英国諜報部<サーカス>のリーダーControl(John Hurt)は、情報部の暗躍キラーであるRicky Tarr(Tom Hardy)から、組織幹部の中に長年にわたり潜り込んでいるソ連の二重スパイ<もぐら>の存在の情報を掴む。その頃ハンガリーの将軍が<もぐら>の名前と引き換えに亡命を要求。Controlは独断で、工作員Jim Prideaux(Mark Strong)をブダペストに送り込むが、Jimが撃たれて作戦は失敗に終わる。責任を問われたControlは、長年の右腕だった老スパイGeorge Smiley(Gary Oldman)と共に、組織を去ることとなる。直後にControlは謎の死を遂げ、引退したSmileyのもとに、<もぐら>を捜し出せという新たな命が下った。元英国諜報員でスパイ小説の大家として知られるJohn le Carréの傑作を映画化。


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この作品も『Sherlock』のエピソードのように、時間軸が入り乱れているので、ぼんやり見ていると何が何だか分からなくなる。画面をみながら伊語の字幕を読み(字幕のスピードについていけない)、どんな展開になっていくのか?ある程度予想しながら観ているので、目も頭もひじょうに疲れ、15分もすると集中力が途切れる。「えっ?この人、殺されたんじゃなかったっけ?」「えっとー、何でここでこの人が出てくるの?」「この人って、英国側?ソ連側?」「あれれー、時間軸はどーなってんだ?」 分からないことだらけ。その都度何度もDVDをとめて、Q&Aの時間です。映画館で観ている夫が、ネタばれぎりぎりのところで説明してくれたから、もやもやを引きずることなく完走(最後まで鑑賞)!こんな鑑賞の仕方は、はた迷惑で真っ当じゃないんだけどね、エヘヘッ。


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Gary Oldmanおじさま、すーごく好き(*^^*) 『Leon』の狂った刑事、麻薬カプセルを奥歯で「カチン!」と噛んで、身体をプルプルさせたイメージがあまりにも強烈で、私の中では未だに「Gary=危ない人」なんですが、本当はとても子煩悩で控え目な人柄だそうな。二重スパイを探し出す今回の老スパイ役は、その意味では生身の彼に近いのかなと思ったりする。大袈裟で奇抜なアクションはないが、顔の表情や目の動きで内面を語る、燻し銀のようなシルバーグレーのGaryも官能的(*^^*) De NiroやMarlon Brandoのような圧倒的な存在感はないけれど、Garyがいるだけでピーンと緊張感が高まり作品が引き締まる。彼は唐辛子のような人だ。


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「Tom Hardy、めっちゃカッコいい!」と巷の噂で知った彼の存在、ひょっとしたらどこか(端役)で見たかも。Rudolf Nureyevと若林豪を足して2で割った感じ?確かにイケメンだけど、筋肉ムキムキで男のフェロモン全開なとこが、濃すぎて暑苦しいかも。私はパス。

製作国:France, UK, Germany
初公開年:2011年
監督:Tomas Alfredson
原作:John le Carré, 'Tinker, Tailor, Soldier, Spy'
キャスト:John Hurt, Gary Oldman, Colin Firth, Benedict Cumberbatch, Mark Strong, Toby Jones, David Dencik, Ciarán Hinds, Simon McBurney, Tom Hardy, Svetlana Khodchenkova, Laura Carmichael ...


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by amore_spacey | 2014-02-10 03:57 | - Other film | Comments(2)

福家警部補の挨拶

私のお気に入り度 ★★★☆☆(62点)

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【あらすじ】 捜査一課の女性刑事・福家警部補は、身長152cmと小柄で、髪はショート、縁なしの眼鏡をかけ、四角いバッグをたすきがけにしているため、「刑事に見えない」と良く言われる。刑事に見えない風体から、容疑者は油断してしまうが、知らないうちに彼女のペースに巻き込まれていく。女性刑事・福家警部補を主人公とする本格ミステリーシリーズ。
 

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吾郎ちゃんが出ているっていうから、『TAKE FIVE』の岩月のキャラだったらなぁと期待しつつ観てみたら、こりゃヒドイ。脚本が手抜きのワンパターンでテキトー、役者たちの顔ぶれも何だかなぁ。吾郎ちゃんも眠そう&だるそう。彼の顔がアップになると、鼻の形が妙に気になるのはどーしてかなァ?って、関係ないトコで突っ込み入れてるくらい、つまんないエピソードばっか。期待した私が悪かった。

麗しい檀れいが2枚目半な警部補をやっても、痛いだけなのね。中途半端でぜんぜんしっくりこないし、可笑しくもなんともない。謎解きのシーンに至っては、そのまんまで捻りもなにもないし。第1話は「まぁ、始まったばかりだから、こんなもんか」、第2話は「富田靖子、やっぱりラストで爆発したな(≧∇≦)」、でも第3話で「もう我慢の限界ョっ」 ゴメンなさい、このシリーズは棄権します。

製作国:Japan(フジTV)
放映日:2014年1月14日~
演出:佐藤祐市, 岩田和行
原作:大倉崇裕
キャスト:檀れい, 稲垣吾郎, 柄本時生, 中本賢, 反町隆史, 富田靖子 ...


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by amore_spacey | 2014-02-08 02:11 | - Japanese film | Comments(2)

August: Osage County (8月の家族たち)

ネタばれあり!

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

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【あらすじ】 アル中の父親(Sam Shepard)が突然失踪したことをきっかけに、オクラホマの片田舎で暮らす母親Violet(Meryl Streep)の家に、3人の娘たちが久しぶりに集まった。毒舌家で一癖も二癖もあるVioletは、病気のため薬漬けの日々を送っている。勝気な長女Barbara(Julia Roberts)は、夫Bill(Ewan McGregor)の浮気や反抗期の娘Jean(Abigail Breslin)に悩んでいた。地味で内気な次女Ivy(Julianne Nicholson)はひそかな恋に胸を躍らせており、ちょっぴりKYな三女Karen(Juliette Lewis)は婚約者Steve(Dermot Mulroney)を連れて帰宅した。自分勝手な母親とそれぞれの人生を歩む娘たち、そして彼女らを取り巻く男たちの本音が次第に明らかになり、家族の秘密が暴かれていく。2008年にPulitzer賞ドラマ部門を受賞したTracy Lettsの同名の戯曲を映画化。


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ほとんどのシーンがVioletの家の中。その居間で、ご馳走の並んだバカでかい食卓を大勢の身内が囲んでいる。ここだけ切り取れば、ありふれた一家団欒のシーン、空腹を満たし家族の絆を深める幸せな一日のひとコマかなと思う。ところがアル中の父親の告別式のあとに、食卓を囲んで癒しを分かち合うはずが、緊迫した空気の中で売り言葉に買い言葉がヒート。できればこの場に居合わせたくないと誰もが思っている。ただでさえ息苦しくて居心地が悪いのに、容赦ない毒舌合戦が果てしなく続き、気持ちはどす黒くなっていく。とうとうみんなの心にカチッとスイッチが入る。もう、たくさん!仲良しごっこは、おしまい。親子も世間体も糞くらえ!それまで被っていた仮面を取っ払ってしまう。家族の本音や骨肉の争いが、ここまで赤裸々に描かれると、却って気持ちがすっきり。家族の存在は時にありがたく、時にうとましく、時に面倒くさい厄介なものだ。

衝撃的な秘密が暴かれるたびに、観ている私たちもあっけにとられる。浮気とか万引きとか、もうそんなレベルではないのだ。とてもインモラルな秘密の中に、人間の生と性の臭いを感じないわけにはいかない。アタシたち人間ってどうしようもない生き物ね。


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壮絶な子ども時代を生き抜き、苦労して3人の子どもを育て上げたあとに待っていたのが、空っぽになった家と病気で薬漬けの自分とアル中の夫。やればやっただけ報われる、コツコツと真面目に働いてきた人はそれなりの社会的な報酬に恵まれる、そんな時代は終わった。Violetだってそれなりに穏やかな晩年を望んだ一人だったはずなのに、気がついたら娘たちからも見放されて一人ぽっち。彼女の傍にいるのは、血の繫がりも縁もないメイドだけ。自業自得とは言え、「アタシの人生って、なんだったの?」


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Violetや彼女の3人の娘を取り巻く男たちは、存在感が薄いように見えるが、いやいや、要所要所で女たちが触れて欲しくない痛いところを突いてくる。それが真実だけに、彼女たちはぐうの音も出ない。男は女に比べて客観的な生き物なんだろうな。とりとめもなく書いたけれど、Meryl StreepとJulia Robertsが髪を振り乱して取っ組み合ったり、本音剥き出しの容赦ない言葉を浴びせるシーンは圧巻です。秘密を隠し持つ家族を熱演する名優たちの演技合戦にも息をのむ。Sherlockとは全く違うキャラを演じるBenedict Cumberbatchに若干イライラしながらも、そっと寄り添いたくなる。彼って母性本能を刺激するのね。

製作国:U.S.A.
初公開年:2013年
監督:John Wells
原作:Tracy Letts
キャスト:Meryl Streep, Julia Roberts, Chris Cooper, Ewan McGregor, Margo Martindale, Sam Shepard, Dermot Mulroney, Juliette Lewis, Julianne Nicholson, Benedict Cumberbatch, Abigail Breslin, Misty Upham ...


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by amore_spacey | 2014-02-05 00:56 | - Other film | Comments(0)