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少年H

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (76点)

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【あらすじ】 昭和初期の神戸。Hこと妹尾肇(吉岡竜輝)は、好奇心に満ちた少年だった。洋服の仕立屋を営む父・盛夫(水谷豊)、優しい母・敏子(伊藤蘭)に温かく見守られながら、妹の好子(花田優里音)とともにのびのびと育った。幸せいっぱいに過ごす妹尾一家だったが、近所のうどん屋の兄ちゃん(小栗旬)が政治犯として逮捕されたり、召集されたおとこ姉ちゃん(早乙女太一)が脱走したりと、一家の周囲にも次第に戦争の足音が忍び寄ってきた。


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祖父母や両親は、戦時中の話をよくしてくれた。子どもの頃祖父母宅にはまだ大八車があったし、近所には防空壕が残っていた。そんなエピソードや戦争映画・ドラマから、戦争を視覚的にとらえることはできたが、当時どんな気持ちで人々が暮らしていたのか?この作品にはそこに視点が置かれ、丁寧に描かれている。ずいぶん前に読んだ原作は、妹尾河童氏の優れた描写に引き込まれて、あっという間に読み終えた。映画は淡々と展開していく。


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主人公の少年を演じる吉岡くんが、まぁ、どこで見つけてきたんだろう?というくらい、妹尾氏の少年時代にそっくり^^ 白黒はっきりつけたい年頃の少年Hにとって、当時の世の中の流れは理解しがたいものだった。もやもやした少年の思いを、父親は頭ごなしに叱ったりしない。静かに受け止め、「あんたはなぁ、」と言って、子どもにとって摩訶不思議な本音と建前の存在や使い分けを教え諭す。父親の言葉の一つ一つに、子どもへの愛情や生きる力が込められていた。

理不尽でバカげた世の中だと思いながらも、その時代に生まれてしまったからには、なんとか生きていかねばならない責任が誰にでもあることを、父親が身を持って教えてくれたのだ。

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by amore_spacey | 2014-09-27 17:27 | - Japanese film | Comments(0)

Il Vigile (交通警察)  

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (72点)

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【あらすじ】  無職の男Otello Celletti(Alberto Sordi)は、自分の息子が市長(Vittorio De Sica)の子どもを助けたことを恩に着せて、市の交通警官の仕事を得る。しかし素人仕事のOtelloのせいで、無数の問題が発生する。


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イタリア的なドタバタコメディ。あることないことベラベラ喋るし、何もできないのに大きなお世話を焼いて、人々に嫌がられる。仕事はやりたいが、カッコよくて楽な仕事がいい。そんなOtelloを演じるコメディ役者Alberto Sordiと、浮気性でロマンスグレーのペテン師をやらせたらピカイチのVittorio De Sicaの競演が見モノ。


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2人とも妻には頭が上がらないが、若くて綺麗な女性をみると、鼻の下を伸ばしてにやけてしまう。当時のイタリア人像そのまま。こんな人が近くにいたら迷惑だけれど、どこか憎めないのだ。ひねりも何もない自虐ギャグの連続で、単純明快なコメディである。

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by amore_spacey | 2014-09-22 00:48 | - Italian film | Comments(0)

Che strano chiamarsi Federico (フェデリコという不思議な存在)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】  風刺雑誌の仕事場で出会ったFederico FelliniとEttore Scolaのエピソードや、Mastroianniとの友情やFelliniが撮影に使ったチネチッタの第5撮影スタジオ、そしてFelliniの作品を織り交ぜながら、ドキュメンタリー風に仕上げた。没後20年を記念してEttore Scolaが、親交のあったFelliniの素顔に迫る。


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Felliniと親しかったMastroianniやAlberto SordiやGiulietta Masina(嗚呼、みなさん故人なんですね、シクシク)が、Felliniについてインタビューに答えた貴重な映像や、Fellini自身のコメントや、作品の中でFelliniを演じる役者が映画について語るシーンなど、一見バラバラのものがFelliniらしいトーンにまとめられて(さすがScola監督!)、映画に対するFelliniの思いや関わり方が少しずつ浮き彫りにされていく。


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Felliniの作品には一種独特の雰囲気があり、それが苦手で数えるほどしか観ていないが、いずれも見終わったあと心に強烈な何かを残す。それは恰幅の良い登場人物だったり、奇抜な舞台装置だったり、人々の奇声だったり。ストーリーはあってないようなもので、瞬間的に爆発するエネルギーが、私たちに何かを訴えようとする。それにしても、風刺漫画がうまいなぁ。


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ラストには彼が描いた風刺絵カットや、全盛期の頃の懐かしい映像が、大盤振る舞いされるので、これはファン必見。

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by amore_spacey | 2014-09-18 00:06 | - Italian film | Comments(0)

Legends (レジェンズ) 第1話~5話

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】  FBI潜入諜報員のMartin Odum(Sean Bean) は、事件ごとに自分自身を全く別人に変えてしまう特殊能力を持っていた。しかしある時、謎の男(Billy Brown)から、Martinは自分自身が考えている人間ではないと告げられ、アイデンティティが揺らぎはじめる。


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『ミッシング』のSean Beanが、客寄せ的なひどいキャスティングだったので、今回は主役でガンガン行ってくれるもんだと大いに期待していたんだけど、第4話まで観て、「これ、ハズレかも?」 でももう少し我慢して観ようと気を取り直したら、期待にこたえてくれたのか?第5話は面白い展開になってきた。Martinのアイデンティティは、どうやらイラクと関係がありそうだ。しかもその鍵を握っているのは、彼の妻?!


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第4話までは、事件の展開がステレオタイプでお粗末な上に、このシリーズのテーマであるMartinのアイデンティティの追求がおざなりだった。第1話であれだけMartinが、「本当の自分って何なんだ?」って苦悩していたのに、その後どうでもいい事件を3週間に渡って無駄にダラダラ引っぱっただけで、Martinの内面には少しも触れないって、何なの、コレ?どこか空回りしている気がするんだなァ。


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Martinの同僚Ali Larterを演じるCrystal McGuireが、これまた安っぽくて薄っぺらい。「あたしってきれいでしょ?」なオーラが、ムンムン出ていて苦手。某TVシリーズで売れっ子になったらしいが、どうも好きになれない。


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この子、どこかで見たことがあるような?と思ったら、 『ウォーターワールド』でKevin Costnerに髪の毛を散切りにされた少女Enolaを演じたTina Majorinoだね。逆立った髪型やビックリまなこが、とても印象的。キーホルダーにして、バッグにつけて歩きたい^^ 正統派美人ではないけれど、なかなかいい仕事をやってくれそう。

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by amore_spacey | 2014-09-14 00:56 | - TV series | Comments(0)

Il medico e lo stregone (医師と祈祷師)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 南イタリアの無医村Pianettaに、 Marchetti医師(Marcello Mastroianni)が着任してきたが、この村はDon Antonio(Vittorio De Sica)の手中にあった。彼は怪しげな心理学や魔術や秘薬を使って、村人たちの病気を治しているインチキ祈祷師なのだ。婚約者Corrado(Alberto Sordi)を何年も待ち続けるMafalda(Marisa Merlini)や、Marchetti医師に恋するアシスタントの看護婦Pasqua(Gabriella Pallotta)にも、Antonioは恋の媚薬やパワーストーンを使って、彼女たちに希望を与えた。そんな訳で来る当てのない患者を診療所で待つMarchetti医師と胡散臭いDon Antonioの間に、見えない戦いが勃発する。


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ペテン師をやらせると、Vittorio De Sicaは実に上手い。イケメンなおじさまで、人当たりもよさそう。適度な威厳があって言葉巧みに人の心を操る。しかも懐の深い人格者に見えるから、コロッと騙される。人を信じ込ませるというのは、ヒーラーに必要な特質かもしれない。同じペテン師でもDe Sica扮するAntonioは、「いい夢見させてくれて、ありがとよ」と思わせてくれる。心の奥底で人を裏切ることができない、いいヤツなのだ。そんな彼に治療してもらいたいな、うふふっ。


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こんな中世的な風習が根強く残る時代遅れの村に、若造のMarchetti医師の出る幕なんてあるわけがない。のに彼を頼る数少ない患者を根気強く診察&治療していくのだから、見上げたもんだ。私だったら、あのあばら屋を見ただけで、着任その日のうちに、さよならーーっ!女を泣かせる色男な役の多いMarcello Mastroianniが、こんな真っ当な役を演じるのは稀で、新鮮味があってなかなかいい感じでした。


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ペテン師で、口から出まかせの言いたい放題!と言えば、Alberto Sordiもその1人だ。喋りすぎて自分の言ったことを覚えていないという、ちょっと間抜けなところが憎めない。今回は友情出演で、ほんの数分足らずだけれど、存在感あり。ちょっぴりほろ苦いラストシーンだけど、人生それほど悪くないもんだと思わせてくれる。

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by amore_spacey | 2014-09-08 01:56 | - Italian film | Comments(0)

Open Hearts (しあわせな孤独)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】  23歳の女性コックCæcilie(Sonja Richter)は、大学で地理を専攻しているJoachim(Nikolaj Lie Kaas)との結婚を間近に控えていた。しかしJoachimが交通事故で、全身不随になってしまう。彼を轢いたのは、Marie(Paprika Steen)の運転する車で、助手席の娘Stine(Stine Bjerregaard)と口論していて、前方をよく見ていなかったのだ。絶望したJoachim はCæcilieに冷たく当たるようになり、それに疲れたCæcilieは、Joachimの入院する病院の医師で加害者Marieの夫Niels(Mads Mikkelsen)に慰めを求めた。2人の関係は、いつしか本気の恋へと変わっていく。


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交通事故がなければたぶん出会わなかった人々が、絡み合ったり遠ざかったりしながら、否応なく運命の力に押し流されていく。その中でJoachimのことを心から心配していたのは、たぶん過去の悲しみを乗り越えて生きてきた看護師だけだろう。他の人々も決して悪人ではないと思うが、優先順位は1番が自分だ。特に加害者Marie。Joachimが全身不随という重い現実を受け入れられず、絶望のどん底に突き落とされたというのに、見舞いに行くわけでもなく、子どもの誕生日パーティーなんぞやっている。故意に轢いた訳ではないからって、あの神経やあの態度は普通じゃない、理解し難い。良心の呵責の欠片もない。エンディングは、まぁ妥当か。


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Marieだけでなく、登場人物の誰にも負い目や薄暗い部分がある。ごちゃごちゃ&ドロドロした中で、Cæcilieのような若くて綺麗で、ちょっぴり憂いのある瞳に見つめられたら、野郎ならイチコロだよな。

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by amore_spacey | 2014-09-05 01:09 | - Other film | Comments(0)