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ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命 (Jackie)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 1963年11月22日、テキサス州ダラスでパレード中、夫John・F・Kennedy大統領(Caspar Phillipson)が、群衆とファーストレディJacqueline Kennedy(Natalie Portman)の目前で暗殺された。しかし愛する夫の死を悲しむ暇もなく、葬儀を執り仕切り、代わりに昇格する副大統領の大統領就任式に立ち会い、更にホワイトハウスから出て行かなければならない。また事態を飲みこめない幼い二人の子供たちへの対応に苦しみ、夫の命を奪った犯人に怒り、様々な感情がJackieを襲う中、何よりも彼女の心を占めたのは、暗殺されるや否や夫が「過去の人」として語られることへの憤りだった。(作品の詳細はこちら


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銃声のあと、後部トランクに上がったJackie、大統領夫妻を守るべくシークレット・サービスが後部トランクに駆け上がる。世界中を震撼させたKennedy大統領暗殺の映像は、私たちの脳裏に刻印され、そこで時間は止まったまま。あの後も、夫妻を乗せた車が病院に向かって走り続けていった現実を、私たちは知らない。その後のJackieについて私が知っているのは、ギリシャの実業家Onassisと再婚したことだけだ。育ちがよく気品があり才色兼備で当時のファッション・リーダーだった。今でも彼女のグラビアが出され、知性と気品のある女性をJackieに例えられるが、どれだけ贔屓目に見ようとしても彼女に好感が持てない。


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本作は、極度に断片化されたJackieの個人史、暗殺から葬儀までの4日間を彼女がどんな思いで過ごしたのか、ジャーナリスト(Billy Crudup)が迫る。暗殺事件を歴史的な視点で捉えた作品と異なり、4日間のJackieの心の動きを追うスタイルは興味深い。

あんな過酷な状況の中でさえ、ブレることなく、妻として母としてファーストレディとして、彼女は使命を全うした。身も心もバラバラになりそうな彼女を辛うじて支えていたのは、自分の使命。悲しみよりも優先することがある。夫の名が後世まで語り継がれるかどうかは、私の采配にかかっている。夫が築き上げたものを、単なる過去には決してさせない。この私が、夫を伝説にしてみせる。そしてその使命の底に、悲劇のファーストレディの姿を映画のように人々の心に焼きつけ、永遠に語り継がれていって欲しいというJackieの願望も、見え隠れする。新しいアメリカ、新しいホワイトハウスのイメージに奔走したという彼女らしい、一世一代の演出だったに違いない。

そんな彼女を演じたNatalie Portmanは、Jackieを研究し尽くして作品に臨んだだけあって、申し分なかった。良い意味での生真面目さがあり、残された記録や映像などをもとに、知られざるJackieの素顔を忠実に再現したのは素晴らしい。が、それ以上でもそれ以下でもなかった。Natalieの優等生的な演技よりも、Jackieが過ごした4日間や、ジャーナリストの控えめながら的を得た問いに惹きつけられた。ところで・・・Johnson副大統領の大統領宣誓が、エアフォースワン機内!で行われたとは、知りませんでした。Jackieは一体どんな気持ちで、就任式に立ち会ったのでしょう。


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by amore_spacey | 2017-02-25 00:25 | - Other film | Comments(2)

マリアンヌ (Allied)

ネタばれあり!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (68点)

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【あらすじ】 1942年、極秘諜報員のMax(Brad Pitt)とフランス軍レジスタンスのMarianne(Marion Cotillard)は、ドイツ大使暗殺という重大な任務のためカサブランカで出会う。二人は敵の裏をかくため夫婦を装い、任務の機会をうかがっていた。その後、ロンドンで再会し次第に惹(ひ)かれ合った二人は愛を育んでいくが、Marianneは愛するMaxにも打ち明けられない秘密を持っていた。(作品の詳細はこちら


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BrapiとMarion Cotillardのカップリングに新鮮味を感じて、観てみました。話は淡々と進んでいき、特にこれと言った感動や驚きやどんでん返しもなく、ほぼ予想通りの結末を迎えて終了。チーン!BrapiとMarionは、とても絵になる美しいカップルなんですが、それだけでした。


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まず舞台になったカサブランカ、あれはスタジオでのセット撮影というのが隠し様もなく、一気に興ざめ。主役の2人のなれそめがさっぱり分からないし、愛し合っているのに柔らかい愛情が感じられず、パサパサで味気ないったらありません。

戦時下の諜報員、しかも偽装夫婦というドキドキの設定なのに、ここだけ別空間?ってなくらい、妙に落ち着いた空気が流れ、手に汗を握るようなシーンも殆どない。悪女の本領を発揮してくれるか?と最後のどんでん返しを期待したけれど、こちらも空振り。脚本に従って忠実に再現してみました!な作品で、主役の2人はとても目の保養になった(Brapi若いなとか、Marionの背中が綺麗だなとか…)ものの、「こりゃ、あんまりだわ」なレベルで残念。


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by amore_spacey | 2017-02-22 02:33 | - Other film | Comments(4)

サンレモ音楽祭のキアヌ・リーブス (Keanu Reeves al festival di Sanremo)

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第67回サンレモ音楽祭(2009年にはKevin Spacey様が出演)の2日目のゲストは、Keanu Reeves。あいかわらず大物俳優らしくない庶民的な雰囲気に、とっても親近感が沸きます。


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司会者のMaria De Filippiから若い頃の話を振られると、何度も椅子に座り直したり腕を組み直したりしながら(こういう場が落ち着かないんでしょうね)、高校時代はアイスホッケー一筋だっただったこと、トロントではイタリア食品店でパスタを作っていたこと、大好きなバイクの事故で何度も病院にお世話になったこと、薄幸な少女との出会いがきっかけで詩集を出版したこと、そして最近ついに家を買ったことなどを話した。しきりに照れるKeanuが可愛い!


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オーケストラボックスから受け取ったベースギターで、ちょっとだけ演奏もしてくれた。


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もう1人の司会者Carlo Contiは普通に握手しただけなのに、MariaはKeanuのアゴをがっちり固定して、強引にキスした。(● _ ●)エッ…、ちょっと待ってよ。司会者の特権って…そりゃそうかもしれないけど、それってずるーい。John Wick Chapter 2、早く観たい。


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by amore_spacey | 2017-02-17 02:39 | My talk | Comments(0)

谷口ジローさん、安らかに (Jiro Taniguchi)

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谷口ジローさんが絵を担当した、久住昌之氏原作の「孤独のグルメ」は、原作とイタリア語版を読み、B級グルメが満載のTVドラマも、毎回とても楽しみだった。


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日本の普通の暮らしを描いた文学風の作品、とりわけ静的で一つ一つの絵を丁寧に描き込んだ精密な作風が人気を呼び、20作品以上がイタリア語に訳されている。「69歳だなんて、あまりにも若すぎるじゃないか(涙)」と夫。彼が描く絵やストーリーは、すっかり忘れてしまった、懐かしくも切なく、甘酸っぱくそしてほろ苦い思い出を、心のタイムカプセルの中から、大切にそっと取り出してくれる。彼が描く昭和の風景は、胸が苦しくなるほど懐かしい。


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彼が描いた絵を眺めていたら、またヴェネツィアの町を散策したくなってきました。谷口さん、どうぞ安らかにお眠り下さい。合掌。


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by amore_spacey | 2017-02-14 01:00 | My talk | Comments(0)

2017年いい男に囲まれた暮らし Matt Damon その3

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小さい頃から夫はメガネをかけているせいか、メガネやサングラスにはちょっとした拘りがあるらしい。メガネフェチの私には最高に嬉しい話で、サングラスの彼を見ると、今でも初デートの時のようにドキドキときめいてしまう(*^^*)


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奇抜な色や形にはほとんど興味がなく、基本的には黒・茶・銀の3色&細くて軽いフレームが好きなんだって言ってた。


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だから今年のバレンタインデーは、チョコメガネに決定。でも倹約家の彼に、「何でこんな無駄遣いするんだァ?」「豆腐屋、不景気なんだぞ~!」って一喝されるかも。機嫌がいい時を狙って、渡そ。最悪の場合、私が食べればいいんだもんね。(Mattシリーズ、これにて終了)


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by amore_spacey | 2017-02-12 00:14 | My talk | Comments(2)

モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン3 第2~5話 (Mozart in the Jungle season 3 episode 2-5)

ネタばれあり!!!

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 ニューヨークでは、NY交響楽団のコンサートホールがバブルショーに使用されたため、Cynthia(Saffron Burrows)たち楽団員たちは抗議デモを行った。一方ヴェネツィアではRodrigo(Gael García Bernal)が、伝説のオペラ歌手Alessandra(Monica Bellucci)に、現代劇を歌ってはどうかと提案する。そうこうするうちに気持ちが燃え上がり、2人は一夜を共にしたが、彼女は男と寝ると声が出なくなり、行方をくらましてしまう。   
 Alessandraを捜しに行くため、Rodrigoはオーケストラの指揮をHailey(Lola Kirke)に任せた。そこへ楽団存続の危機にあるGloria(Bernadette Peters)とThomas(Malcolm McDowell)が訪ねてくる。そして復帰公演当日、RodrigoとHaileyのキスを見たAlessandraにやる気スイッチが入り、水上公演は大成功をおさめた。しかし歌姫は2度とRodrigoとは組まないと言い放つのだった。(作品の詳細はこちら


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そうでしょ、そうでしょ、RodrigoとAlessandraは絶対にこういう流れになる!2人の濡れ場がある!と確信していました。世界のMonicaファンにとって、このシーンは眼福ものだったでしょう、ぐふぐふ。でもMonicaの貫禄に比べるとね、Gaelが何とも頼りなくて、成熟した大人の濃厚なベッドシーンのはずが、母と息子の近親相姦か?って、ごめんね、Gael。


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復帰公演を水上でやるとは、ヴェネツィアのロケーションを最大限に生かした粋な計らいに、TVドラマとはいえなかなか本格的で感動しました。おまけに76歳のPlacido Domingoもカメオ出演って、豪華すぎやしませんか?三大テノールと呼ばれた全盛期に比べれば、容姿も声も及びませんが、それでもやはり素敵なテノールに違いありません。うーん、PlacidoとMonicaの濡れ場が見たかったかも、へへッ(p_-)


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勢いで一夜を共にしたとは言え、世界の歌姫Alessandraが指揮者ごときに遊ばれたなんて、プライドが許さない。いや、Rodrigoにそんなつもりは毛頭なく、あの時のあの流れや勢いからすれば、行き着く先は誰が考えても、ベッド・・・でしょ?怒りの炎をメラメラ燃やしたAlessandraは、公演の最中にあの手この手でRodorigoに「復讐」する。彼のチャームポイントのエクステンション(って言うの?尻尾みたいについてる極細の三つ編み)を、ザックリ切り落としちゃうわ、ピストルぶっ放すわ。この次バッタリ会ったりしたら、大事なトコも切り落とされそう。怖ぇーーーっ。

でも、これでいいんです。HaileyのことをHailaiと呼んで可愛がるRodrigoと、そんな彼に好意を抱くも、自分の気持ちに気づいていないのか?自信がないのか?何となく宙ぶらりんの状態にいるHailey。この2人はRodrigoの婆ちゃんの予言どおり、きっと結ばれるでしょう。


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by amore_spacey | 2017-02-08 03:03 | - TV series | Comments(0)

マダム・フローレンス!夢見るふたり (Florence Foster Jenkins) 

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 Florence Foster Jenkins(Meryl Streep)はニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、ソプラノ歌手を目指して活動しているが、その歌唱力は音痴というしかない絶望的なレベルだった。夫St Clair Bayfield(Hugh Grant)は、マスコミを買収したり、理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。そんな中Florenceが、カーネギーホールで歌いたいと言い始める。実話をもとに映画化。(作品の詳細はこちら


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予告編を観た時には、「音痴を自覚していない金持ちマダムの道楽?」で、スルーするつもりだったのに、Hugh Grantが気になって観てしまった。いやぁ、観てよかった。正解でした。冒頭からFlorenceが超音痴な声で歌うシーンに、なぁんだ、やっぱりドタバタコメディだったのかと脱力するやら、夫のSt ClairがFlorenceの邸宅から出て、タクシーで別の家に行くとKathleen(Rebecca Ferguson)という若い愛人がいるという展開に、「ぇえーーーっ、二股かけてる?(◎∇◎)」 状況が良く飲み込めず、これってHughお得意のパターン?彼って未だに90年代のラブコメ路線を引きずっているのかしらと、目眩がするやら…。

それは私の早合点で、事実婚の関係にあった2人は、音楽を通した人間愛によって固く結ばれていたのでした。最初の結婚で夫から移された梅毒は、当時不治の病とされ、Florenceは死に怯えなら生きてきた。治療の副作用で体力を失い、左手も不自由になってピアニストの夢を断念せざるを得なかった。そんな彼女を支えていたのは、幼い頃から愛してやまなかった音楽だった。音楽は彼女に生きる力を与えてくれたのだ。

さて夫のSt Clairはというと、妻が梅毒に罹っているため肉体関係が持てない。だから?妻に内緒で外に愛人をもつのだが、そういった事情であれば仕方がないのかも。ただどうして妻にあそこまで献身的だったのか、初めは不思議で仕方がなかった。遺産目当て?なんて邪推してしまうが、もう見た通りSt Clairは妻のことを心の底から愛していたのだ。

歌っている時の幸せに満ちた彼女の表情を見るのが大好きで、それがそのまま自分の幸せになった。世間知らずなところもあるが、無邪気で純真無垢な妻が、可愛くて愛しくて仕方がなかった。カーネギーホールで歌いたいという妻の夢も叶えてやりたい。Florenceには人をひきつける不思議な魅力があり、守ってやらねばという気持ちになる。だから彼女の歌声をバカにする奴らを見たとき、思わず頭に血が上り、詰め寄って食ってかかる。あのシーンはグッときました。夫を演じたHugh様ですが、56歳という年齢相応にしわが増え、笑うと顔中しわくちゃになっちゃうんだけど、いい感じに歳を取ったなぁと思います。相変わらず軽薄な雰囲気も残っていて、若い頃より断然好感度が高い。


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脇役たちも、芸達者が揃っていた。特にピアノ伴奏者Cosméを演じたSimon Helbergったら、もうお茶目で愛嬌たっぷりで、いちいち目が離せなかった。彼のボケや突っ込みが、そのまま私たち観客の目線で、「へっ?」とか「それ、マジっすか?」な表情や、その場の空気が読めず目が泳いでしまったりする、世間擦れしていないぎこちなさが、もうバカ受けでした。


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初めてFlorenceの声を聴き、あまりの酷さに堪(こら)え切れず爆笑するNina(Agnes Stark)。外に連れ出されたあとも床で笑い転げていたが(そこまで笑う?)、カーネギーホールでは嘲笑する兵士たちを叱責してFlorenceを励ますという、心温まるエピソードを残している。誰もが認める音痴だが、人の心をつかむ魅力的なFlorenceの歌声が、戦時下の人々にひとときの夢をもたらしてくれたに違いない。


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by amore_spacey | 2017-02-03 00:36 | - Other film | Comments(4)