残念なケヴィン・スペイシー

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ハリウッドの大物プロデューサーHarvey Weinsteinのセクハラ問題で大揺れの映画界だが、30年以上前に当時26歳のKevin Spaceyが、Anthony Rapp(当時14歳の未成年)に対して性的アプローチをかけたとの疑惑が持ち上がった。これについてKevinはAnthonyに、Twitter上で謝罪したが、その直後に、「男性と女性のどちらとも関係を持ったことがあり、男性とロマンチックな出会いもありました。男性をも愛してきました。これからは、ゲイとして生きることを選択します。」と告白・宣言を(今さら?)している。

いやいや、このタイミングでカミングアウトはない。問題のすり替えと批判されても、仕方がありません。それにしても、何でこんな馬鹿げた謝罪しか出来なかったんだ?やはり謝罪原稿は、腹心の部下Dougや作家Thomasに任せるべきだったよ、Frankくん。


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この疑惑を受けて国際テレビ芸術科学協会は、今月ニューヨークで開催される第45回国際Emmy賞のパーティーで、同賞をKevinに授与すると6月の段階で発表していたが、10月30日に取り消しが決定した。(詳細) またKevinが主演の人気TVドラマHouse of Cardsを配信するNetflixは、次のシーズン6で打ち切ることを発表、シクシク。(詳細


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告発は続く。「KevinがOld Vic劇場の芸術監督時代に、彼から性的アプローチを受けたが、何とか逃れた。彼は30歳以下の若い男優にはほぼ全員に手を出している。この先Harvey Weinstein級のスキャンダルになったとしても、私は驚かない」と、メキシコ人俳優Roberto CavazosはFacebookに書いている。(詳細) 黒いエピソードが芋づる式に出てきそうで、色々なことが残念すぎる。
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Anthony Rappが口火を切ったKevinのセクハラ疑惑はさらに広がり、告発者が続々と名乗り出てきた。Anthony同様、その当時未成年(14~15歳)だった人もいるという。CNN(音声あり!)によると、House of Cardsの現場で8人の男性スタッフが、Kevinからセクハラ被害を受けたと告発した。

これら一連の疑惑問題に対してNetflixは、11月2日の夜、House of Cardsをシーズン6で打ち切り(Robin Wrightをメインにし、Kevinの登場はない)、予定していたKevin主役のTVドラマ『Gore』も製作を中止し、今後NetflixはKevinと仕事をすることはないと発表。またKevinが所属するエージェンシーは彼との契約を打ち切り、広報担当者は辞職したと伝えた。Kevin、孤立。ぽつん・・・。「現在Kevinは、新たな治療プログラムを受ける準備をしているところだ」と彼の弁護人はコメントしている。(詳細) 11月4日加筆


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# by amore_spacey | 2017-11-02 03:10 | Kevin Spacey | Comments(6)

特捜部Q 檻の中の女 (Kvinden i buret / The Keeper of Lost Causes)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (83点)

ネタバレあり!

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【あらすじ】 捜査ミスにより部下を殉職させ、自身も重傷を負った経験を持つ殺人課の刑事Carl(Nikolaj Lie Kaas)は、特捜部Qへ転属されることになったが、そこは未解決事件の残務整理を主な業務とする閑職部署だった。仕事をしていく中で、Carlは5年前に起きた女性議員の失踪事件に興味を持つ。議員のMerete(Sonja Richter)が、船から投身自殺したとして処理されていたのだ。イラクから研修に来ている助手Assad(Fares Fares)の力を借りながら、Carlは再調査に挑むのだが…。Jussi Adler-Olsenのミステリー小説『特捜部Q』を映画化。(作品の詳細はこちら


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Mads Mikkelsenと何度も共演していて、気になっていたNikolaj Lie Kaasが、何と!主役じゃないですか。嬉しくなって観てみたら、期待を裏切らない面白さで、見事にハマッてしまいました。派手なカーチェイスや銃撃戦なんてものは、1度も登場しない。むさくるしいおっさん刑事2人が、寒くて陰鬱な北欧の地で、未解決事件の捜査にあたる。残酷なシーンや血まみれシーンもほとんど登場しない。それどころか異様に美しいシーンが時々出てきたりして、面食らう。それが却って不気味で、猟奇的な雰囲気を煽るのだ。今回は粘着気質な人間特有の執拗さに、背筋が凍りつきました。

ぶっきらぼうで無愛想なCarlと、毛むくじゃらで人懐こい助手のAssad。という安定のキャラ設定だが、Carl役や相棒のAssad役がハマり過ぎで、これ以上のキャスティングはあり得ないかも。画面にこの2人が出てくるだけで、何かありそうで(何もなくても)面白い。


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さて不条理な運命に憤る犯人の復讐は、どす黒くて凄まじく執拗なのに、交通事故の現場がとても静かで美しい。白い雪が舞う中に立つ、真っ赤なワンピースを着た天使?いや、あれは少女Mereteだ。そんな彼女を、横転した車の中から、当時少年だった犯人の目が追う。音もなくスローモーションで動いていくシーン。事故のショックで、一瞬、魂が身体から遊離するために起きる現象なのか?目の前の状況が、あまりにも現実離れしていて、キツネに抓まれたかのようだ。


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自分がこんな悲惨な人生を送っているのに、全てを奪った元凶のMereteは、女性議員として成功している。はらわたが煮えくり返るような憎悪。そしてあの時、一瞬でも彼女に魅了されてしまった自分へのおぞましさや自己嫌悪。そこに粘着気質が加わって、復讐の鬼と化すのだ。それにしても酷い拷問だ。あんなひどい目に遭わされるくらいなら、さっさと殺して下さい。


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犯人に辿り着くまでの展開も興味深いが、ちぐはぐな2人の刑事の捜査活動や、ちらっと垣間見えるCarlの私生活が、地味な作品に小さな起伏をもたらしてくれる。この2人が徐々に距離を縮めていき、面白コンビになっていく過程もたまらない。刑事という肩書きを取り払った、1人の人間としてのCarlの生き様を見ていくうちに、じわじわ親近感がわいてくる。Assadの淹れた不味いコーヒーも、後半で認めたCarl。あの微妙な表情が可愛い過ぎる、このシリーズの原作を、読んでみたくなりました。


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# by amore_spacey | 2017-10-31 01:51 | - Other film | Comments(0)

アラン・ドロン、Diorのメンズ・フレグランス

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Diorのメンズ・フレグランスEau Sauvageのテスティモニアルとして、Alain Delonが選ばれ、2009年から毎年新しいポスターが出ている。こちらは『冒険者たち』のワンシーン。野性味のある顔立ちです。


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『太陽が知っている』の幾つかのシーンは、CMやポスターに使われました。


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こちらは写真を撮るためにカメラの前でポーズしたのではなく、彼が休憩をしている時に撮ったもの。こんな渋い表情で休憩してたのかァ。素敵過ぎて、こっちが緊張しちゃう。


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オリジナル写真はこれ。煙草を挟んでいるが、このままでは喫煙を推奨するような形になり、禁煙方向に流れる世の中に広告として出すのは良くないということで、指に挟んだ煙草は消されました。


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この写真はカメラの前でポーズしてます。こんなに前髪が下がったAlainの写真が少ないので、とっても新鮮。


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# by amore_spacey | 2017-10-25 01:05 | Alain Delon | Comments(2)

終わりの感覚 (The sense of an ending)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

ネタバレあり?

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【あらすじ】 妻Margaret(Harriet Walter)と離婚したが、それなりに穏やかな引退生活を送る60代のTony(Jim Broadbent)のもとに、弁護士から手紙が届き、日記と500ポンドをTonyに遺したという女性の存在を知らされる。それは学生時代に恋人だったVeronica(Charlotte Rampling)の母親Sarah(Emily Mortimer)で、託された日記は、学生時代に自殺をしたAdrian(Joe Alwyn)のものだった。Tonyは記憶を懸命に探りつつ、かつての恋人を探しあてるが…。Julian Barnes原作の小説を映画化。(作品の詳細はこちら


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1通の手紙がTonyに届く。それを読んだ瞬間から、彼の穏やかな生活に遥か昔の学生時代の記憶が入り込んできて、何とも不思議な時間を過ごすことになる。すっかり忘れたはずの、しかし頭の片隅にこびりついていたあの事件。まさかこんな形で、過去を振り返ることになろうとは。本人が一番びっくりしたに違いない。

Tonyは何とかしてAdrianの日記を取り戻そうとするが、Veronicaがあれほどまで意固地になって拒否したり、当てつけのような冷たい態度をとったのは、納得がいかなかったが、観終わってから腑に落ちた。手紙を送った側は自分のやったことを憶えていないが、受け取った側は何年経っても憶えているものだから。


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元カノVeronicaと秀才Adrianが付き合っていると知り、Tonyは鬱憤をぶちまけた手紙を2人に送った。そのことを彼はきれいに忘れているが、巡り巡ってこの手紙がTonyに衝撃の真実をもたらす。因果応報。Veronicaに気づかれないように後をつけたことで、Tonyは想像もしていなかった真相に突き当たる。

障害のある青年。過去の記憶を照らし合わせていくと、この青年はVeronicaとAdrianの子ではないか?Tonyも視聴者もそう思う。それがごく自然な流れだと思うのだが、この真相に迫る展開は二転三転して、とてもスリリングだ。しかしこの真相には、うーん、ちょっと飛躍のし過ぎ?とも思ったが、まぁいいでしょう。


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若かりし頃のTonyを演じたBilly Howleが、いかにも正当な英国青年という風貌でハマリ役ですね。過去と現在のTonyを見ながら思うのは、彼が離婚に至ったのも、愛する人々に無関心な部分があるから?友人Adrianや元カノVeronicaへの仕打ちは酷いものだし、元妻や娘に対しても似たようなことがいくつもあったからに違いない。

それは冒頭に登場する、郵便配達の兄ちゃんとのやりとりからも分かる。しかしあんなにつっけんどんだったTonyが、フィナーレでは兄ちゃんにカフェをご馳走しちゃうんだから。一連の事件から、Tonyは自分という人間や人生の見え方が変わり、ほんの少し人間味が出てきたという訳だ。


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# by amore_spacey | 2017-10-22 02:17 | - Other film | Comments(0)

暗黒街 シーズン1 全10話 (Suburra stagione 1 episode1-10)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (88点)

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【あらすじ】 マフィア・バチカン・政治家・地域の犯罪組織・ジプシーの犯罪グループが蠢(うごめ)くローマ。この街で、金や権力に飢えたAureliano(Alessandro Borghi)・Spadino(Giacomo Ferrara)・Gabriele(Eduardo Valdarnini)の三人の男たちが、ローマ再開発法案の利権にありつき、それぞれの縄張りを拡大すべく戦う。Netflixで配信された初めてのイタリアTVドラマ。(作品の詳細はこちら


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映画『暗黒街』をTVドラマ化、しかも映画版のキャストが何人か続投と聞けば、面白くない訳がない。最初の1~2分でその日のエピソードの終わりを見せ、一呼吸おいてエピソードを遡っていく構成なので、「どうしたんだ?何があった?」と、のめる込むように全話を観た。Michele Placido監督の作戦に、まんまと嵌められたのです。


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きっかけは、ほんの些細なこと(いや、大部分の人にとっては大事件なんだけど)。ジプシーの縄張りで、誤って麻薬の密売をしてしまった。この落とし前をつけてくれようじゃないか。速攻で大金を支払わねばならないが、大学生のGabrieleにそんな大金はない。どう調達する?ここから話が始まり、ドミノ倒しのように地元の犯罪組織やジプシーや政財界やヴァチカンを巻き込みながら、負の連鎖がどこまでも続いていく。この世界に1歩足を踏み入れたら、二度と抜け出せない。終わりがないのだ。

昨日の敵は今日の友、今日の友は明日の敵。戦況は刻々と変わり、誰と誰が裏側で繋がっているのか分からない。使う人間と使われる人間の立場も、うかうかしていると簡単に入れ替わってしまう。自分の身がやばくなったら、容赦なく裏切る。仕掛けられた罠をうまくよけつつ、金や権力を手に入れ、縄張を広げていく。それらに否応なく巻き込まれる人々の人間模様が、危うくて虚しく、儚くて哀しい。


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映画版のAlessandro Borghiは、容貌もさることながら、言動がキレッキレで尖り過ぎていて、ちょっと触っただけで血が滲みそうだった。が、ドラマ版では人間味のあるAurelianoを演じている。可愛いSpadinoとの絡みが、とても微笑ましい。今回Samurai役のFrancesco Acquaroliが、腹立たしいくらい上手い。こういった輩が、暗黒街を牛耳っているのか。あんな終わり方なんだもん、続きが気になって仕方がない。一日も早くシーズン2を配信して下さい。


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# by amore_spacey | 2017-10-19 01:27 | - Italian film | Comments(2)