ローマの休日 その2 (Roman Holiday) 

私のお気に入り度 ★★★★☆ (94点)

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【あらすじ】 翌朝、彼女がAnn王女(Audrey Hepburn)であることを知ったJoe(Gregory Peck)はスクープをものにするチャンス喜び、ローマ見物の案内役をひきうけた。Joeの魂胆も知らず、王女はまず床屋で髪を短く切り、1日中のびのびと遊び歩いた。
 Joeの同僚のカメラマンIrving Radovich(Eddie Albert)は、隠し持った小型カメラで、ぬけ目なく王女の行動をスナップした。一方、王女失踪で大使館は、上を下への大騒ぎ。しかし世間に公表するわけにも行かず、本国から秘密探偵をよびよせて、捜査に当らせた。(作品の詳細はこちら


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その1では脇役について書いたが、今回は王女とJoeのロマンチックなシーンを取り上げる。パジャマを着ているのに、喉元まで上げた掛け布団を、しっかり手で押さえる王女。


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この理容室はなくなり、普通の店になっていた気がする。当時は彼女のショートカットが大流行した。前髪パッツンが良く似合う。


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ジェラート・ブームに火をつけた、スペイン階段のシーン。王女はジェラートを舐め終わったあと、コーンは捨ててしまう。撮影当時40℃をこえる暑さで、あっという間にとけてドロドロになってしまう。内心焦りながらジェラートを舐めてたかも?


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王女とJoeとIrvingの3人は、映画史上(たぶん)最強のトリオ。ミニチュア・フェチの私は、ライター式のカメラに目がくぎづけになった。Bar Roccaも、今はもうない。


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ヴェスパやフィアットの500の売り上げが増大。このあと警察のお世話になるが、Joeの咄嗟のウソ「結婚ほやほやの夫婦」で釈放。被害届けも取り下げられ、皆から祝福されるという展開。ええ、確かに事情があれば、見逃してくれることもある。女性警官の場合は、まずムリだけど。


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このシーンがなかったら、真実の口は今ほど注目されなかったでしょう。映画のお陰で、ローマを訪れる観光客が激増した。


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とてもいい雰囲気で踊る2人。


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びしょぬれの2人が、初めてのキスをかわす。とても自然なキスに、胸きゅん。


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Joeのアパートのバスルームから出てくる王女が、とても大人っぽくしっとりした雰囲気に包まれて、ドキッとしたんだけど、2人は身も心も結ばれたのでしょうか。


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このシーンは…もう、何と言っていいのか…。これで2度と会うことはないのよ、永遠に。こんな出会いも、もう2度とないの。言いたいことはたくさんあるのに、言葉にできない2人。ええい、もう、駆け落ちしちゃえーーー!


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たった一日で見違える成長を遂げた王女。ラストシーンの凛とした姿が忘れられない。そして名残惜しそうに立ち去るJoe。この作品の成功には、Dalton Trumboによる脚本も一役買っている。世界中の人々に、永遠に愛され続ける作品の1つになるだろう。


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オフの時間に、トランプで遊ぶ2人。彼らの交友は長く続いた。Audreyが亡くなったときGregoryは、彼女が大好きだったインドの詩人・思想家Rabindranath TagoreのUnending Loveを朗読して、最期のお別れをした。


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# by amore_spacey | 2017-07-14 00:41 | - Other film | Comments(2)

ローマの休日 その1 (Roman Holiday)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (90点)

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【あらすじ】 ヨーロッパ最古の王室の王位継承者であるAnn王女(Audrey Hepburn)は、欧州各国を親善旅行で訪れていた。ローマでも公務を無難にこなしていだが、これまでのハードスケジュールで疲れやストレスが溜まっていた。
 主治医に鎮静剤を投与されるものの、気の高ぶりからか逆に目が冴えてしまった彼女は、こっそり夜のローマの街へ繰り出すことに。やがて薬が効いてくると、ベンチで寝入ってしまった。そこへ偶然通りかかったアメリカ人の新聞記者Joe(Gregory Peck)は、彼女を一国の王女であることも知らずに、自分のアパートで休ませるのだが…。(作品の詳細はこちら


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不朽の名作。ローマから戻ってくると、必ず観てしまう。そして新たな感動に包まれ、幸せな気持ちになる。大学の卒業旅行で、映画とほぼ同じコースを歩いた。スペイン階段でジェラートを食べたり、真実の口に手を入れたり…、楽しかったなぁ。ただ、車の中のAnn王女のお手振りに、やや違和感が。手の向きが違うような気がするのですが…。


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この作品には、魅力的な脇役がたくさん登場する。王女を取り巻くお付きの者たち。脱げた王女の靴を見た、侍従たちの表情といったら!庶民代表のタクシーの運転手も、人間味溢れていた。車内に王女を残したままJoeが立ち去ろうとした時、「ちょっと待たんかい!」 逃がすもんか!とばかりにJoeの袖を掴んだ、素早い反射神経や慌てっぷりが愉快だった。

場面変わって、Via Margutta 51にあるJoeのアパート。鉄砲をかついで、王女のいるアパートの入り口を警備する守衛のおじいさんが、大袈裟で可笑しい。彼はJoeが王女に幾らかお金を貸す現場を、遠くから目撃してしまう。あれは、勘違いをしても仕方がない状況だ。当時のお札が異様に長くて大きいのに、ビックリ。財布もデカかったんだろう。


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バッサリ切っていいという王女にビビって、何度も確認する理容師Mario Delani(Paolo Carlini)が、Christohper Plummer似のイケメンだったりする。Joeの部屋の掃除をする女性や、メルカートので靴を売るシニョーラも、明るくて威勢がいい。


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William Wyler監督の2人の娘さんが、エキストラ出演している。トレヴィの泉でJoeにカメラを取られそうになる女の子が、11歳の次女Judy、それを見て先生を呼ぶのが14歳の長女Catherine。あの時のメガネをかけた先生が、いかにも由緒正しいお嬢様学校にいそうだ。


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初めてみたときから、この秘密探偵(↑右側)が結構好きだった。真面目でコワモテだけど、とんでもない(可笑しな)ことをやらかしそうな雰囲気がある。


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スクープ記事で一儲けを目論んだJoeと同僚のIrving(Eddie Albert)だが、王女にすっかり魅了され、Joeは自分の心の卑しさを恥じる。


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Irvingが渡した封筒を開け、写真をちらっと見る王女。目が一瞬、泳ぐ。あの日の出来事は3人の秘密。この大人対応が素晴らしい。あれが今の時代で、スクープ狙いのブン屋につかまったりしていたら、SNSでダダ漏れだったかも。


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Hugh JackmanやGeorge ClooneyやClark GableやCary Grantのいいとこ取りをしたような、当時37歳のダンディなGregory。Audreyは24歳。



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# by amore_spacey | 2017-07-12 00:46 | - Other film | Comments(2)

フェリーニのローマ (Fellini Roma)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 リミニで生まれ育ったFederico Fellini(Peter Gonzales Falcon)は、第二次世界大戦中ローマに初めて出て、アパート暮らしを始める。監督の第二の故郷となった、愛するローマへの映像オマージュを編んだ作品。(作品の詳細はこちら


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ストーリーはほとんどないが、それ自体にあまり意味はない。監督の少年時代・青年期・現在を通して、彼の心に映るローマの風景が、断片的に映し出される。性に享楽する若者、社会問題、雑然としたアパートやその界隈、淫乱な女たち、下町の劇場や娼館、ヴァチカンでの俗悪なファッションショー、夜のローマを疾走する暴走族…。映像や音や人々の喧騒に身を委ねて観るくらいが、ちょうどいいかもしれない。監督自身も作品の中で、「映画は理論ではない」と明言している。


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庶民の暮らしぶりが生き生きとリアルに描かれ、これはやはり人間が好きな監督ならではの手腕だ。女たちが実に貪欲で逞しい。人々が集い、よく喋り飲んで食べて、踊って歌う。同じテーブルにつけば、もうあなたは家族も同然。

路面電車の線路を挟んで並べられたテーブル。あのシーンはロケではなく、当時のAppio Tuscolano界隈を、スタジオで忠実に再現したという。ちょうど6月下旬のSan Giovanniの日で、店の主(あるじ)がカタツムリの料理を皿に盛ったり、女の客がFellini青年に食べ方を教えるシーンが出てくる。この日はカタツムリを食べて(カタツムリの角から悪魔を連想し、その悪魔を追い払う意味で食べるらしい)お祝いするのだ。猥雑な下町で繰り広げられる人間の営みに、監督は愛情と郷愁の眼差しを注ぐ。このシーンは、何度みても飽きない。彼の人間愛の根本は、マンマへの愛に尽きるだろう。


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さてヴァチカンでのファッションショーは、絶対にあり得ないシチュエーションと、そこに登場する斬新なデザインの法衣が、意表を突いている。カトリックの総本山を抱えるイタリアならではの、唸るような面白おかしいエピソードだ。教会を冒涜する意図はなく、天上の存在と崇め奉るのでもない。敬意を表しつつも、聖職者の世俗的な部分に光を当てただけ。天皇の人間宣言のように、聖職者もまた人間なのです。

ローマを丸ごとひっくるめて愛するFellini。Nino Rotaの音楽がこれまた素晴らしい。Anna Magnani、Gore Vidal、Marcello Mastroianni、Alberto Sordi、Alvaro Amiciらのカメオ出演も、嬉しいサプライズだった。


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# by amore_spacey | 2017-07-08 00:00 | - Italian film | Comments(0)

ラブ&ピース

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (72点)

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【あらすじ】 楽器の部品会社で働くサラリーマン・鈴木良一(長谷川博己)は、かつてロックミュージシャンを目指していたが挫折し、それ以来うだつのあがらない日々を過ごしていた。同僚の寺島裕子(麻生久美子)に想いを寄せているが、小心者すぎてまともに話すこともできない。
 ある日良一は、デパートの屋上で一匹のミドリガメと目が合い、そのカメとの出会いが転機となって、ロックスターへの道を駆け上がっていく。やがて謎の老人(西田敏行)と言葉を得たおもちゃたちの住む、不思議な地下の世界まで巻き込み、登場人物達それぞれの想いは、怒濤の展開を見せていく。(作品の詳細はこちら


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ハセヒロ1人祭り。タイトルやポスターが可愛らしい割には、考えさせられるコトが詰め込まれていた。無自覚にカメちゃんに「ピカドン」という名前をつける鈴木、欲望にあわせてカメちゃんが巨大化、ピカドンの東京破壊、鈴木が抱いていた夢と現実、不要になれば捨てられる玩具やペットたち、鈴木と寺島の淡い恋…。色々あったけれど、ミドリガメをトイレに流してしまうシーンが衝撃的すぎて、その後の話の展開が上の空でした。何であんなことをするのかなぁ(怒!)


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ハセヒロが蹴られたり押し倒されたり、逆に人を見下したり殴ったり。振り幅が広い、広すぎる。コスプレも板について、派手な衣装に負けてない、どころか全く違和感がありません。

巨大化しても声は可愛いままのカメちゃん、内股気味の後ろ足がうちのハムスターの姿に重なり、愛おしくてなりませんでした。


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# by amore_spacey | 2017-07-06 00:46 | - Japanese film | Comments(0)

デート~恋とはどんなものかしら~ 2015夏 秘湯

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

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【あらすじ】 ある日、山下公園で待ち合わせをしていた依子(杏)は、鷲尾豊(中島裕翔)の車に乗り込んだ。同じ頃、谷口巧(長谷川博己)は、和服姿の橋本彦乃(芦名星)と、温泉街を歩いていた。その1カ月前、依子と巧は「結婚契約書」の作成を続けていた。「浮気」に関する項目を入れ忘れていたと気づくが、自分たちには不要だと結論し、ようやく出来上がった結婚契約書を、身内の前で発表する。
 しかし依子の前に現れた母・小夜子(和久井映見)から、本当は依子は燃えるような愛欲を味わいたいと思っているのではないか、とハッパをかけられる。その言葉が響いた依子は、結婚前に予行練習期間を設けようと巧に提案、半同棲がスタートした。(作品の詳細はこちら


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ハセヒロ1人祭り。待ってました、『デート…』SP!オープニングでいきなり、ハセヒロ不倫か?と思わせるシーンに、「うわぁ、また面倒くさい展開になるか?こりゃ楽しみだわぁ」と、物凄く盛り上がってしまった。しかも和服のハセヒロが、エロい。割烹着姿のハセヒロにも、萌え~♪ 色んな小物で、違ったハセヒロを見せてくれて、本当にありがとう!そんな彼に、「月が綺麗ですね」なんて言われてみたい。一緒に温泉旅行にも連れてって!


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半同棲生活にあたって、依子が決めたルールやタイムテーブルは、確かに細かすぎて息苦しい。分刻みのスケジュールやピラミッド型に盛り付けた正方形の煮物って、あり得ない(爆) と言って笑っていたんだけど、曜日ごとに決めたメニューをうっかり変えられ、「今日(土曜日)が金曜日のように思えるから嫌」と依子が愚痴ったシーンには、思わず首を縦に振った。私も曜日ごとに家事を決めているから、何かの都合で変更を余儀なくさせられると、一日中何だか落ち着かないのだ。私も軽い依子症候群に罹っている模様。


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そんな彼女は、「2人の間に不倫なんてありえない、あーっはっはっは!」と笑い飛ばしたくせに、他の女性に目移した巧に対して、「よそ見をするのはやめて!」と、包丁を持ち出すほど愛に貪欲だ。「心の全部が欲しい」この台詞は、直球ど真ん中ストライクでした。ロボット・依子がどんどん人間味を帯びて、劇的な変化を遂げていく様は、感動的だった。思い込んだら突っ走る依子に、「月が綺麗ですね」と高等遊民らしい感性で迫る巧。なんてロマンチックなんでしょう。実を言うと最初は、ハセヒロと杏の組み合わせに、「大丈夫なのかなぁ」「このカップルは、似合わない」と思っていた。いやいや、愛すべき最強のカップルです。


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# by amore_spacey | 2017-07-03 03:47 | - Japanese film | Comments(0)