タグ:Federico Fellini ( 6 ) タグの人気記事

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私のお気に入り度 ★★★☆☆ (70点)

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【あらすじ】 著名な映画監督Guido(Marcello Mastroianni)は医者に勧められ、また騒がしい現実から逃れるため、湯治場にやって来た。新作の撮影準備を進めてから5か月が過ぎたにもかかわらず、クランクインが遅れている。愛人Carla(Sandra Miloや妻Luisa(Anouk Aimée)や若手女優Claudia(Claudia Cardinale)や知人たちの幻影に悩まされ、映画の構想が全くまとまらないのだ。療養中も亡き両親の姿や少年時代の思い出がよみがえり、これが現実なのか虚構の世界なのか、次第に曖昧になり、Guidoは混乱していく。1964年第36回アカデミー賞で、衣裳デザイン賞と外国語映画賞を受賞。(作品の詳細はこちら


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Marcello Mastroianni1人祭り。Fellini監督は作品の中に、自分自身のこと、自分が育ったRiminiや熟年期の拠点となったRomaを積極的に取り入れる。今回は映画制作にからんだ自身の苦悩を、そのまま映画にしてさらけ出している。これを映像にするのはなかなか難しいと思うが、監督らしい撮影と演出で、見事に実現した。でもこの手の作品が、実は苦手だったりします。


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妄想の中で起きるハーレムのどんちゃん騒ぎが、とてもシュールで面白かった。撮影中も楽しかったでしょう。清楚で可憐なClaudia Cardinaleは、まるで野に咲くマーガレットやすずらんのようで、綺麗だったんだなぁ。ところで黒縁メガネのMarcelloが、『シングルマン』『キングズマン ザ・シークレット・サービス』のColin Firthを彷彿させたが、き
たぶんColinが意識して真似たに違いない。音楽担当は、お馴染みのNino Rota。

 
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by amore_spacey | 2017-07-27 00:27 | - Italian film | Comments(0)

フェリーニのローマ (Fellini Roma)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (80点)

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【あらすじ】 リミニで生まれ育ったFederico Fellini(Peter Gonzales Falcon)は、第二次世界大戦中ローマに初めて出て、アパート暮らしを始める。監督の第二の故郷となった、愛するローマへの映像オマージュを編んだ作品。(作品の詳細はこちら


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ストーリーはほとんどないが、それ自体にあまり意味はない。監督の少年時代・青年期・現在を通して、彼の心に映るローマの風景が、断片的に映し出される。性に享楽する若者、社会問題、雑然としたアパートやその界隈、淫乱な女たち、下町の劇場や娼館、ヴァチカンでの俗悪なファッションショー、夜のローマを疾走する暴走族…。映像や音や人々の喧騒に身を委ねて観るくらいが、ちょうどいいかもしれない。監督自身も作品の中で、「映画は理論ではない」と明言している。


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庶民の暮らしぶりが生き生きとリアルに描かれ、これはやはり人間が好きな監督ならではの手腕だ。女たちが実に貪欲で逞しい。人々が集い、よく喋り飲んで食べて、踊って歌う。同じテーブルにつけば、もうあなたは家族も同然。

路面電車の線路を挟んで並べられたテーブル。あのシーンはロケではなく、当時のAppio Tuscolano界隈を、スタジオで忠実に再現したという。ちょうど6月下旬のSan Giovanniの日で、店の主(あるじ)がカタツムリの料理を皿に盛ったり、女の客がFellini青年に食べ方を教えるシーンが出てくる。この日はカタツムリを食べて(カタツムリの角から悪魔を連想し、その悪魔を追い払う意味で食べるらしい)お祝いするのだ。猥雑な下町で繰り広げられる人間の営みに、監督は愛情と郷愁の眼差しを注ぐ。このシーンは、何度みても飽きない。彼の人間愛の根本は、マンマへの愛に尽きるだろう。


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さてヴァチカンでのファッションショーは、絶対にあり得ないシチュエーションと、そこに登場する斬新なデザインの法衣が、意表を突いている。カトリックの総本山を抱えるイタリアならではの、唸るような面白おかしいエピソードだ。教会を冒涜する意図はなく、天上の存在と崇め奉るのでもない。敬意を表しつつも、聖職者の世俗的な部分に光を当てただけ。天皇の人間宣言のように、聖職者もまた人間なのです。

ローマを丸ごとひっくるめて愛するFellini。Nino Rotaの音楽がこれまた素晴らしい。Anna Magnani、Gore Vidal、Marcello Mastroianni、Alberto Sordi、Alvaro Amiciらのカメオ出演も、嬉しいサプライズだった。


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by amore_spacey | 2017-07-08 00:00 | - Italian film | Comments(0)

カビリアの夜 (Le notti di Cabiria)

ネタばれあり

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】 貧しい暮らしの娼婦のMaria 'Cabiria' Ceccarelli(Giulietta Masina)は、いつか全うな人生を歩みたいと思っているが、その願いはなかなか叶わない。ある時は恋人に鞄を奪われたばかりか、川に突き落とされ、またある時は有名な映画俳優(Amedeo Nazzari)の気まぐれで、彼の屋敷に招かれるという千載一遇のチャンスに恵まれるが、愛人Jessy(Dorian Gray)の登場で冷たい扱いを受けてしまう。宗教にすがってみるが、これも役に立たず。そんなある日、ふらりと立ち寄った劇場で、Oscar D'Onofrio(François Périer)という男性に声を掛けられ、結婚を申し込まれる。(作品の詳細はこちら


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Cabiriaは、つくづく男運の悪い女だ。今度こそうまく行くかに見えるのに、最後に必ず裏切られる。冒頭のシーンからしてああだから、今までにも色んな目に遭ったんだろう。私だったら、川でのうのうと溺れてなんかいない。あの男をとっつかまえ、娼婦仲間たちの前で公開処刑です。映画俳優との一夜は、普通あり得ない話だから、残念な結果になったのは仕方がないでしょう。が、Oscarの仕打ちは断じて許せない。プロポーズのシーンで、「今度こそ大丈夫かな?幸せになってね」と思ったのに。ところでクズ男Oscarを演じたFrançois Périer、目元の涼しいイケメンですね。


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Cabiriaは打たれ強い女だ。どんな悲惨な状況にあっても立ち上がって、前を向いて進んでいく。生きているだけで、まるもうけってヤツです。彼女自身の強さもあるが、彼女だって1人で生きている訳ではない。頼りになるWanda(Franca Marzi)や娼婦仲間たち、毎日の暮らしの中で出会う人々のお陰で、苦しくったって、悲しくったって、生きていけるってもんです。


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Giulietta Masinaは決して目を見張るような美人ではなく、少年のような身体つきから中性的なイメージが強い。が、くっきりした眉毛やくるくるした瞳が愛らしく、揺るぎのない自分軸を持った表情に、はっとさせられる。映画俳優(Amedeo Nazzari)の屋敷に招かれたCabiriaの、好奇心に満ちた表情がとても印象的だ。またどの衣装も素敵で、セーラーカラーのワンピースは、よく似合っていた。Giulietta Masinaのように小柄で、気働きができる、そんな人を知っている。彼女も芯が強く、腹が据っている。


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by amore_spacey | 2017-06-22 00:53 | - Italian film | Comments(0)

Cinecittà (ローマのチネチッタ)

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久々にローマのチネチッタを訪れた。ファシズム旋風が吹き荒れる1937年、Benito Mussolini首相・息子のVittorioそしてファシスト党幹部Luigi Freddi(ファシスト政権の映画部門の総責任者)によって創設された。第2次世界大戦の空襲で一部が破損したものの、大部分は当時のままで、建物にファシズムの香りがする。

ここはトリノ映画博物館やヴェネチア映画祭と並んで、イタリア映画界の聖地である。『Ben-Hur』 『8 1/2』 『The Godfather PartIII』 『Gladiator』 『The English Patient)』『Gangs of New York』 『The Passion of the Christ』 『アマルフィ – 女神の報酬』 『テルマエ・ロマエ』など、イタリア国内外の大作が撮影された。『Gangs of New York』撮影時は、Leonardo DiCaprioをはじめとする役者が集結して、ファンを歓喜させた。


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巨大なセットを組んだことで有名なFederico Felliniの『Casanova』(1976年)に登場する、巨大な女神像頭部の複製が、中庭から博物館をじっと見守っている。Fellini御用達の第5劇場は、監督の第二の自宅と呼ばれた。


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HBO・BBC・RAIの共同制作によるTVドラマ『Rome』(2005~2007年)のセット。新しく作り直す場合もあるが、経費節約のため、以前に使われたセットに手を加えて(色や模様や形など)、使いまわすことが多いという。


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実物大より幾分小さく作られた建物なども、カメラ技術のお陰で、大きく高く見せることができる。これも経費削減の一環。


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敷地内の片隅には、『Gangs of New York』で使われたセットの一部が、瓦礫のように残っていた。これもまた別の作品で使い回す予定。左に見える巨大な白い壁は、CG処理をするために使う。白い壁にブルーまたはグリーンの布をかけて(ブルーバック)人物を撮影し、ブルーの部分には別に用意された背景を合成する。『Everest』はこの壁の前で撮影され、CG処理された。


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博物館には、『La dolce vita』の中でMarcello MastroianniやAnita Ekbergが着た衣装、『戦争と平和』でAudrey Hepburnが着た衣装、Fellini監督直筆の絵コンテ(↑)などが展示され、数々の有名な映画のシーンや監督たちのインタビューが流れている。イタリア映画ファンなら、1度は訪れたい。


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by amore_spacey | 2015-12-04 01:16 | My talk | Comments(0)

Che strano chiamarsi Federico (フェデリコという不思議な存在)

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (78点)

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【あらすじ】  風刺雑誌の仕事場で出会ったFederico FelliniとEttore Scolaのエピソードや、Mastroianniとの友情やFelliniが撮影に使ったチネチッタの第5撮影スタジオ、そしてFelliniの作品を織り交ぜながら、ドキュメンタリー風に仕上げた。没後20年を記念してEttore Scolaが、親交のあったFelliniの素顔に迫る。


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Felliniと親しかったMastroianniやAlberto SordiやGiulietta Masina(嗚呼、みなさん故人なんですね、シクシク)が、Felliniについてインタビューに答えた貴重な映像や、Fellini自身のコメントや、作品の中でFelliniを演じる役者が映画について語るシーンなど、一見バラバラのものがFelliniらしいトーンにまとめられて(さすがScola監督!)、映画に対するFelliniの思いや関わり方が少しずつ浮き彫りにされていく。


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Felliniの作品には一種独特の雰囲気があり、それが苦手で数えるほどしか観ていないが、いずれも見終わったあと心に強烈な何かを残す。それは恰幅の良い登場人物だったり、奇抜な舞台装置だったり、人々の奇声だったり。ストーリーはあってないようなもので、瞬間的に爆発するエネルギーが、私たちに何かを訴えようとする。それにしても、風刺漫画がうまいなぁ。


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ラストには彼が描いた風刺絵カットや、全盛期の頃の懐かしい映像が、大盤振る舞いされるので、これはファン必見。

作品の詳細はこちら


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by amore_spacey | 2014-09-18 00:06 | - Italian film | Comments(0)

Amarcord (フェッリーニのアマルコルド)

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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春一番が吹き荒れた日の夜、北イタリアの小さな港街では街中の人々が広場に集い、うず高く積み上げられたガラクタの上に冬の女神の人形をかかげて火をつけ、訪れる春を祝って歌い踊り、騒ぎ明かしていた。15歳を迎えるTitta少年(Bruno Zanin)も父(Armando Brancia)や母(Pupella Maggio)やおじいちゃん(Giuseppe Ianigro)や弟たちと一緒に祭に加わった。Amarcord とはリミニ地方のロマーニャ方言で a m'arcord = io mi ricordo(私は覚えている)という言葉が訛ったものである。1930年代を舞台にしたFederico Fellini自身にとって生涯忘れ得ぬ一年間の物語。


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食事のシーンに必ず登場するSangiovese(赤ワイン)、イタリアの豪華定期船レックス号、ムッソリーニのファシズム旋風、欲情するおじいちゃん、巨乳に挟まれて窒息するTitta少年…など、象徴的なシーンが次々に登場する。誰もが一度は通過するさまざまな人生の別れを体験しながら、Titta少年はやがて来る激動の青春期への旅立ちを、漠然とした意識の底にではあるが確実な手応えとして感じていた。お母さん役のPupella Maggioは、ニュー・シネマ・パラダイスでもお母さんを演じていた。1999年12月8日逝去。遅ればせながら合掌。

製作国:Italy
初公開年:1973年
監督:Federico Fellini
音楽:Nino Rota
キャスト:Pupella Maggio, Armando Brancia, Magali Noël, Ciccio Ingrassia, Nando Orfei ...


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by amore_spacey | 2009-08-04 00:11 | - Italian film | Comments(0)