タグ:Giuseppe Battiston ( 16 ) タグの人気記事

Perfetti sconosciuti (おとなの事情)

私のお気に入り度 ★★★★☆ (82点)

e0059574_2302397.jpg
【あらすじ】 長年の友人である7人。Lele(Valerio Mastandrea)とCarlotta(Anna Foglietta)、Cosimo(Edoardo Leo)と Bianca(Alba Rohrwacher)の2組の夫婦とPeppe(Giuseppe Battiston)は、皆既月食の夜、Eva(Kasia Smutniak)とRocco(Marco Giallini)夫婦の家で開かれた夕食会に集まった。食事が始まって間もなくEvaが、親友や夫婦の間に秘密はないはずだから、全員携帯電話をテーブルに出して、夕食中に受信するメッセージや電話を、皆にオープンにするゲームをしようと提案する。その場の成り行きで、ゲームをすることになったが…。(作品の詳細はこちら


e0059574_2303628.jpg
e0059574_2305077.jpg
本作品は夕食会の席で繰り広げられる辛口コメディの舞台劇で、『おとなのけんか』を彷彿させる。和やかに始まった夕食会で、あんな変なゲームをやってみない?なんて言い出すEvaってどうなの?実際にあんなことを言う人は、まぁ、いないでしょうが、やってみたら怖面白いかも。


e0059574_231215.jpg
e0059574_2311643.jpg
e0059574_2312814.jpg
私たちの誰もが公的な顔とプライベートな顔を持ち、さらに自分だけの秘密を持って暮らしている。秘密の程度はピンきりで、人それぞれ。携帯電話の登場によって、この秘密(たとえば浮気)に拍車がかかったかもしれない。そう考えると、携帯と秘密の関係って、なんとなく隠微よね、うふふっ。固定電話の時代より、浮気のハードルが確実に下がった。

みんなの携帯電話には、一体どんなメッセージが届いているのかな?それが誰かの目に触れたら…。本作品でも息をつく間もなく、次々に小さなハプニングが起きる。そのたびに7人の間にはさざなみが立ち、次第に大きなうねりとなっていく。視聴者も、ハラハラ&ドキドキ。そして、「ああ、もう、絶体絶命!」な事件の勃発で、修復不可能なところまで行ってしまう。さあ、どうする?どうなる?いや、その前に、時間の長短はあるものの、それぞれのカップルは、一緒に暮らしてきた相手のことを、そこそこ知っていたつもりでいたのに、小さな亀裂によって、突然見知らぬ他人になってしまう怖さが、そこに隠されている。最後の1分に用意された、意外などんでん返しに、色々思うところがあり、面白かった。


e0059574_2314063.jpg
e0059574_2315235.jpg
ゲームの行方以上に気になったのが、夕食会に登場したメニュー。スティック野菜やポルペッタ(肉団子)、ズッキーニの肉詰め?やじゃがいものニョッキのトマトソース、ミーとローフにローストポテト、そしてティラミス。お腹が空いたときに、観るもんじゃないわぁ。辛かった。


[PR]
by amore_spacey | 2016-03-16 02:32 | - Italian film | Comments(0)

Falstaff

私のお気に入り度 ★★★☆☆ (68点)

e0059574_4511545.jpg
【あらすじ】 時は14世紀初頭の英国国王Henry IVの統治下、舞台は中部イングランドのウィンザー。Henry IVを悩ませていたのが、皇太子のHarry王子(後のHenry V)だった。跡継ぎにもかかわらず王子は政治に一切関知せず、放蕩仲間たちと居酒屋などで遊び回っている。彼の一番の親友がSir John Falstaffだった。Falstaffは大兵肥満の老騎士。臆病者で戦場のビリっかす、大酒飲みで強欲、狡猾で好色。だが限りないウィットに恵まれ、時として深遠な警句を吐く憎めない人物なのだ。もう若くはないが、そのふてぶてしい生き様が、格式ばった王宮で育った王子には、とても魅力的な存在だった。しかし父Henry IVが病気で倒れたのを機に、Harry王子は心を入れ替え、身辺整理をして、父と和解する。こうして生まれ変わったHenry Vは、友人だったFalstaffを拒絶する。


e0059574_4515296.jpg
うーむ、疲れた。前半9人の登場人物が、これでもか!とばかりに大声で喋り倒す。その声が途中から徐々に遠のいて、気がついた時には、うつらうつら(=_=)ZZzzz... 不覚にも劇場で初めて寝てしまいました。

舞台装置や衣装が現代風にアレンジされて画期的だった。が、中世の英国といえば、TVドラマ『テューダー朝』のセットが頭に焼きついている。それと比較するのは意味がないとはいえ、ソファが散らばっただけの居酒屋風景や、亀の甲のような半球状のものを腹に乗っけて、Falstaffや仲間たちの太鼓腹に見せかけた小道具や、色仕掛けでFalstaffに迫る2人の娼婦がオールヌード(靴と下着のパンツは着用)という設定は、奇をてらい過ぎてそこだけ強調され、全体のバランスが良くなかった。ロンドンのOld Vic劇場で観た『RICHARD II』の舞台装置も、21世紀に置き換えられていた。が、それほど違和感がなかったのは、私がケヴィ様ファンだから、どうしたって好意的な見方になるから・・・なのかも。


e0059574_45264.jpg
奇をてらうと言えば、ラストシーンに登場したFalstaffの巨大な顔(↑)には、場内ビックリ。舞台に敷かれた白いビニールが、空気が送られることによって、積乱雲のようにモリモリそびえあがっていく様子は、異様で不気味なのね。悪い夢を見そう(汗) FalstaffとHenry IVの1人2役を、Giuseppe Battistonがよく頑張っていた。因みに同名タイトルのGiuseppe Verdiのオペラは、Shakespeareの喜劇『ウィ ンザーの陽気な女房たち』をもとに作られた。

劇場:Teatro Storchi (Modena)
上演日:2014年11月30日


[PR]
by amore_spacey | 2014-12-16 05:00 | Theatre | Comments(2)

Complice del silenzio

私のお気に入り度 ★★★☆☆(75点)

e0059574_0251563.jpg
【あらすじ】 1978年ブエノスアイレス。スポーツ記者Maurizio Gallo(Alessio Boni) とフォトレポーターUgo Ramponi(Giuseppe Battiston)の2人のイタリア人は、世界サッカー大会の報道のため、ブエノスアイレスに向かう。表向きはサッカーに沸くが、アルゼンチンはJorge Rafael Videla大統領による軍事政権によって統治され、「汚い戦争」の真っ只中だった。世界大会の記事を書く一方、Maurizioにはイタリアからブ エノスアイレスに移住したイタリア人の元妻Ana Ramírez(Florencia Raggi)に会い、金を渡すという任務があった。2人は出会った瞬間、恋に落ちる。しかしAnaは、Videla独裁政権を倒そうとする左派ゲリラのメンバーの1人で、やがて秘密警察に追われる身になった。


e0059574_0252957.jpg
血にまみれたアルゼンチンの暗い歴史についてほとんど知らなかったので、その意味ではこれを観てよかった。汚い戦争とは、1976年~1983年にかけてアルゼンチンを統治した軍事政権によって行われた国家テロのことで、左派ゲリラの取締を名目として労働組合員や政治活動家や学生やジャーナリストなどが逮捕・監禁・拷問され、3万人が死亡または行方不明となった。スポーツ記者Maurizio Galloもこの動乱に巻き込まれ、逮捕・監禁・拷問に遭う。秘密警察が暗躍する暮らしが、ついこの間まであったという事実に戦慄した。国民を牛耳る理不尽な政権が、世界のどこかにまだまだあるはず。


e0059574_0254199.jpg
考えさせられることはあったが、作品自体が甘ったるい味付けで虫歯になりました。何だかんだ言ってもAlessio Boniはメロドラマ要員だから、観る前から嫌ァな予感はあったんだけど、的中★ いたぶられるAlessio、心身ともに傷ついたAlessioを見るのも、悪くないもんだわぁ。なんて思っちゃった。アタシってSかも、ぐふふっ。

製作国:Italy, Spacin, Argentina
初公開年:2008年
監督:Stefano Incerti
キャスト: Alessio Boni, Giuseppe Battiston, Jorge Marrale, Juan Leyrado, Florencia Raggi ...


[PR]
by amore_spacey | 2014-05-27 00:27 | - Italian film | Comments(0)

A casa nostra

私のお気に入り度 ★★★☆☆(75点)

e0059574_173280.jpg
【あらすじ】 ミラノ。格式のあるレストランでランチをとりながら、銀行の幹部Ugo (Zingaretti)と起業家が黒いビジネスの打ち合わせをしている。この黒い取引き及びUgoの一部始終を盗聴するのは、財務警察の隊長Rita (Valeria Golino)。Ugoの情婦で高級娼婦のElodie(Laura Chiatti)。しがないスーパーの店員Gerry(Luca Argentero)。彼の妻(Valentina Lodovini)は病院の看護士。旧東ヨーロッパからイタリアに来て娼婦をしているBianca(Cristina Suciu)。ガソリン・スタンドの職員(Giuseppe Battiston)。彼らもミラノの片隅でささやかな暮らしを営んでいる。一見何のかかわりもない人々が、どこかですれ違っている、関わり合いを持っている。そんな商業の街ミラノ。


e0059574_181063.jpg
これぞ、Francesca Comenciniワールド!!! グレーで憂鬱な雰囲気が立ち込めるミラノ、かすかな希望すら見出せない街。21世紀のイタリアを象徴している。こんな作品を観ると、重苦しくて暗澹たる気持ちになる。先が見えない時代に生きているからこそ、現実にきちんと向き合おう。というスタンスに一理あり。でも後腐れのないさらっとした作品を見て、もやもやした気持ちから解放されたい、という思いも強い。後者の場合、本作品はハズレ。あ~あ、正義は存在しないんだな。結局とかげの尻尾が切り落とされるだけだ。貧乏くじを引いたGerry、お前が悪いんだ。


e0059574_174596.jpg
悪役Luca Zingarettiが、ふてぶてしくて実に嫌なヤツだ。心の底から憎悪が沸いてくる。正義の味方Montarbanoと正反対の役どころだが、演じ分け方が実に上手い。


e0059574_183069.jpg
脇役の常連Giuseppe Battistonも光っている。何日も洗っていないべっとりした髪の風采の上がらない男。見栄えが悪く、臆病で口下手、閉鎖的でうまく人間関係が築けないが、彼は心根の優しい男。Valeria Golinoは『レインマン』の頃から、少しも歳をとらない、サイボーグのような女優だ。

製作国:Italy
初公開年:2006年
監督:Francesca Comencini
キャスト:Valeria Golino, Luca Zingaretti, Giuseppe Battiston, Laura Chiatti, Luca Argentero, Fabio Ghidoni, Valentina Lodovini, Cristina Suciu, Jonathan Banks ...


[PR]
by amore_spacey | 2013-10-16 01:08 | - Italian film | Comments(0)

La forza del passato

私のお気に入り度 ★★★☆☆(70点)

e0059574_1214527.jpg
【あらすじ】 40歳になるGiovanni Orzan(Sergio Rubini)は児童文学作家で、妻Anna(Sandra Ceccarelli)と8歳の息子と暮らしている。そんなある日彼の父親が亡くなる。公私共に厳格な陸軍大将だった父親と、Giovanniは子どもの頃から良い関係を築けなかった。ある夜、父親の友だちだと称する男Gianni Bogliasco(Bruno Ganz)が、とつぜんGiovanniの前に現れ、生前の父親はファシスト党員ではなく実はKGBのスパイだったことなどを明かす。厳格な父親像がゆがみ始めたところへ、今度は妻の浮気を知らされ、今まで信じていたGiovanniの平穏な暮らしが足元から崩れ落ちていくのだった。


e0059574_1223836.jpg
自分にとって絶対的な拠り所であったものや、信じていたものの真の姿が暴かれたとき、それまでの自分の人生観や世界観がガラガラと音を立てて崩れていく。世の中の見え方も違ってくる。それらをうまく受け入れて、前向きに新しい自分を構築していくのか?いつまでも過去にしがみついて、悶々としながら生きていくのか?それはGiovanni次第である。この作品は、子どもが成長するにつれ、親と子の立ち位置や力関係が微妙に変わり、やがて入れ代わる時がやってくる、その過程を子の視点から描いている。


e0059574_1231450.jpg
地味な作品だけれど、共感できるところが多く、切なくやりきれない思いと過去の呪縛から解放される喜びが交錯した。こういう役をやらせると、小柄で地味なSergio Rubiniがきらりと光を放つ。かなり怪しげな人を演じたBruno Ganzも、いつもながら上手い。

製作国:Italy
初公開年:2002年
監督:Piergiorgio Gay
原作:Sandro Veronesi
キャスト:Sergio Rubini, Bruno Ganz, Sandra Ceccarelli, Giuseppe Battiston, Sebastiano Moise ...


[PR]
by amore_spacey | 2013-07-05 14:34 | Comments(0)

Un'anima divisa in due

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

e0059574_0305793.jpg
【あらすじ】  Pietro Di Leo(Fabrizio Bentivoglio)はミラノのデパートで、警備員として働いている。妻(Philippine Leroy-Beaulieu:)とは別居中で、週末になると息子が会いに来る。同じデパートの化粧品売り場で働くLidia(Silvia Mocci)とは、恋人未満の関係。何もかもが中途半端の彼は、時々精神不安から鼻血が出たり、突如として怒りが爆発したりする。そんなある日勤め先のデパートで、ジプシー  の少女Pabe(Maria Bakò)に出会う。彼女と関わっていくうちに不思議な感情が芽生え、Pietro Di Leoは彼女をジプシーの生活から救ってやりたいと思うようになった。そして彼女と一緒にミラノから脱出して、逃亡生活をしようと企てる。本作品でFabrizio Bentivoglioは、1993年第50回ヴェネチア映画祭の主演男優賞を受賞。


e0059574_031910.jpg
普通に暮らしていたら、どこかですれ違うだけの2人。1人はミラノのデパートの警備員Pietro、もう1人はジプシーの少女Pabe。彼女のことがなぜか気になる。それがきっかけだった。PietroとPabeの間には、燃え上がるような男女の愛というより、彼女を守ってやりたい、何とかしてやりたい、という父性愛に近いものがあった。ぽっかりあいた彼の心を埋めるのに、彼女の存在は大きかった。逃亡生活は無謀で有り得ないとはいえ、「いい夢を見させてもらったぜ」 冒険にわくわくする少年のようなPietroや、外界におびえる子どものようなPabeに、愛しさを感じた。

Fabrizio Bentivoglioが若い。20年前だから36歳かぁ。彼には男女の関係をこえた優しさがにじみ出ていて、たまらなく好きだ。ちらっと出てくるGiuseppe BattistonやAntonio Albaneseも若い。Antonioはむかしから頭の真ん中がつるつるだったんだぁ(爆) 

製作国:Italy
初公開年:1993年
監督:Silvio Soldini
キャスト:Fabrizio Bentivoglio, Maria Bakò, Philippine Leroy-Beaulieu, Jessica Forde, Felice Andreasi, Silvia Mocci, Giuseppe Battiston, Antonio Albanese ...


[PR]
by amore_spacey | 2013-05-16 00:31 | - Italian film | Comments(0)

Io sono Li (ある海辺の詩人 ~ 小さなヴェニスで ~)

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

e0059574_0362278.jpg
【あらすじ】 間もなく8歳になる一人息子を中国に残して、ローマ郊外の縫製工場で働くShun Li(Tao Zhao)は、上から命じられて、ヴェネツィア近郊の小さな町キオッジャにやって来た。そして中国人に買われたオステリアParadiso(天国)で働き始める。 男ばかりの職場と拙い語学力で孤独だったが、オステリアの常連のスラブ系移民で「詩人」と呼ばれる年配のBepi(Rade Serbedzija)に出会い、次第に打ち解けていった。彼は成長した息子と離れ、一人でこの街に暮らしている。年齢や文化を越えて友情を育むShun LiとBepiの交流は、思い掛けず周囲の人々に波紋を広げることになった。


e0059574_0363296.jpg
クリスマス休暇が終わった直後に観たのが、どうもいけなかった。何と表現したらいいのか・・・今の私の一番危ういところを見透かされたような作品だったのだ。イタリアのクリスマス休暇は美味しく楽しいが、日本の大晦日やお正月とは雰囲気が全く違う。休暇中はもやもやした心が彷徨(さまよ)い続け、休暇が終われば終わったでホッとする反面、寂しさがじわじわ募ってくる。普段は殆ど意識しない自分の中の日本人が、年末年始にぎゅっと濃縮されて顔を出すらしい。「イタリアに暮らしているけれど、本当は(という言い方も変だけど)日本人なんだよ~!」と心の中で大暴れしているDNAをなだめるために、お正月には和の小物を出したり和風のお惣菜をいつもより高頻度で作ったりする。だったら年末年始は日本に帰ればいいんだけど、冬の日本の家屋はすごく寒いから嫌。って、どんだけわがままなんだ、私。海外で暮らしているみなさんは、そこんとこ、どーなのかしら?

ということはさておいて、今イタリアで増え続けている移民、移民と地元民の間に生じる不協和音、それぞれのアイデンティティ、親子の関係、老いるということ。私たちのまわりや私たちの心の中で起きている様々なことが、キオッジャの日常風景の中に織り込まれた心に沁みる作品だ。監督はこの現状を肯定も否定もしない。それは観る側に委ねられている。どの登場人物も多くは語らないけれど、Luca Bigazziの静かな映像を通して、心の中に秘めている彼らの思いが伝わってくる。内に抱える問題をそれぞれのやりかたで乗り越えようとしている。みんな葛藤しているのだ。乗り越えたら、新しい自分に出会えるのかもしれない。新しい人生の展開が待っているかもしれない。ないかもしれない。

ところでGiuseppe Battistonが演じたDevisって、とんでもなくひどいヤツだよなぁ。Giuseppe Battistonのキャラが大好きなんだけど、今回は演技と知りつつ本気で憎んでしまいました。

製作国:Italy
初公開年:2011年
監督:Andrea Segre
キャスト:Tao Zhao, Rade Serbedzija, Marco Paolini, Roberto Citran, Giuseppe Battiston, Giordano Bacci, Spartaco Mainardi, Zhong Cheng ...


[PR]
by amore_spacey | 2013-01-10 00:38 | - Italian film | Comments(0)

Si puo' fare (人生、ここにあり!)

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

e0059574_2555457.jpg
【あらすじ】 1983年、ミラノ。1978年に制定されたバザリア法により精神病院が閉鎖され、行き場を失った元患者たちは、病院付属の「共同組合180」に集められ、慈善事業という名目の単純作業をしながら無気力な日々を送っていた。一方労働組合員のNello(Claudio Bisio)は、熱心すぎる活動がたたり、「協同組合180」への異動を命じられる。Nelloは持ち前の情熱で、仕事で稼ぐことの素晴らしさを元患者に伝えるべく、床貼りの作業を提案するのだが…。


e0059574_2561079.jpg
タブー的なテーマを根底に持ちつつ、ここまで人間味のある魅力的な作品に仕上げた監督や役者たちの努力と力量に感服した。希望を託した美談に終わっていなくもないが、元患者の側にも、彼らを受け入れる社会の側にも、乗り越えるべき多くの困難や精神的葛藤のあることを、静かに明確に語っている。これは生半可なことでは解決しないのだ。


e0059574_2564117.jpg
見切り発進のような床貼り作業にしても、一歩間違えば避難轟々たる売春婦と男性の元患者の性の問題にしても、ときにはユーモラスに、しかし茶化し過ぎず、そしてときには深い悲しみを含んで、患者の表情や内面を丁寧に描いている。決して上から目線ではないところに、監督の優しさと意思を感じた。元患者たちを演じた役者陣、もう最高!CMやバラエティ番組に引っ張りダコのClaudio Bisioなんだけど、この人がどーもだめ。偽善者というのか、日和見というのか、軽いというのか…。

製作国:Italy
初公開年:2008年
監督:Giulio Manfredonia
キャスト:Claudio Bisio, Anita Caprioli, Giuseppe Battiston, Giorgio Colangeli, Andrea Bosca, Giovanni Calcagno ...


[PR]
by amore_spacey | 2011-10-07 02:57 | - Italian film | Comments(0)

Agata e la tempesta (アガタと嵐)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(72点)

e0059574_2424349.jpg
【あらすじ】 ジェノヴァで書店を経営する40代の女性Agata(Licia Maglietta)が、常連客の若い男性Nico(Claudio Santamaria)に愛を告白され、初めは拒否するのだが、徐々に心が傾いていく。ところがAgataの弟Gustavo(Emilio Solfrizzi)の隠された過去が明らかになり、平穏だった姉弟それぞれの日常生活が一変する。『ベニスで恋して』のキャスト&スタッフが再結集したコメディー。


e0059574_24324.jpg
エンドロールになった瞬間、「へっ?」「それで???」 何もかも中途半端なまま放り出して、終わらせていませんか?消化不良気味の気持ちを、どこにもって行けばいいの?この割り切れないもやもや感は実生活そのものなんだけれど、せめて映画の中ぐらい夢を見させて欲しいと思う時もあるよね。Agataも弟Gustavoも、あれでいいわけ?Gustavoの妻Ines(Marina Massironi)とは、その後どうなったの?Agataと年下の男Nicoの関係は?私の大好きなGiuseppe Battistonが、今回も何かやらかすのかな?なんて期待していたのに、彼の持ち味が今ひとつ活かされず精彩に欠けていたし。『ベニスで…』がとてもよかっただけに、期待しすぎたその落差は大きかった。あまりにも退屈な作品にがっかり。同じ監督の作品とは思えない(Ф_Ф;)

Agataの書店で働くちょっぴりエキセントリックなMaria Libera(Giselda Volodi)や、『ベニスで…』の時にも怪しげなエステティシャンだったGustavoの妻Inesを演じたMarina Massironiの微妙にキレた感じや、Gustavoの建築事務所に長年秘書として仕えていた品の良い夫人の、定年退職届けを告げる時の折り目正しい口調…など、女性の脇役陣は一癖も二癖もありそうで、面白かった。

製作国:Italy
初公開年:2004年
監督:Silvio Soldini
キャスト:Licia Maglietta, Giuseppe Battiston, Emilio Solfrizzi, Marina Massironi, Claudio Santamaria, Giselda Volodi ...


[PR]
by amore_spacey | 2011-09-16 02:44 | - Italian film | Comments(0)

La Passione(ラ・パッショーネ)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(70点)

e0059574_1545311.jpg
【あらすじ】 5年間も映画を作ることができずスランプの映画監督Gianni Dubois(Silvio Orlando)は、プロダクションから新作のプロットを早く出すように催促されている。しかし彼が所有するトスカーナの小さな街の貸家で水漏れがあり、下の階に隣接する教会の歴史的な宗教画が無残な姿になっていた。そこでこの街の市長(Stefania Sandrelli)が、聖なる金曜日に上演される「キリスト受難」の演劇の監督をしてくれるなら、文化財毀損の告発はしないという交換条件を出してきた。


e0059574_1552194.jpg
Silvio Orlando・Giuseppe Battiston・Corrado Guzzantiと、非常に濃いキャラの役者が勢揃いするというので、「キリスト受難」という宗教的な内容に幾分引っかかりながらも観てみた。うーん、ハズレ。これだけ豪華キャストが揃ったのに、何だか中途半端な終わり方でガッカリだった。が、1つだけ収穫あり。映画の中のGuzzantiを初めて観たが、強烈だー!存在感がある。怪しげなオーラを放っている。そして耳にスパーンと飛び込んでくる、艶と張りのある声がとても気持ちよい。彼の怪演の陰に隠れて、今回はGiuseppeがいつもより小さく見えたぞ(笑) 

製作国:Italy
初公開年:2010年
監督:Carlo Mazzacurati
キャスト:Silvio Orlando, Giuseppe Battiston, Corrado Guzzanti, Cristiana Capotondi, Stefania Sandrelli, Kasia Smutniak ...


[PR]
by amore_spacey | 2011-05-21 01:55 | - Italian film | Comments(0)