タグ:Lino Guanciale ( 5 ) タグの人気記事

Istruzioni per non morire in pace

私のお気に入り度 ★★★★☆ (86点)

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【あらすじ】 第一次世界大戦前から終了における、イタリアのGottardi工業会社一族(父親と子どもたちの関係)およびヨーロッパ各国の変貌を描く。


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この舞台は三部作になっており、第一部開始が午後3時、第二部が午後6時、第三部が午後9時。終わったのが深夜過ぎ。9人の役者たちも疲労困憊だったが、観客の私たちも相当なエネルギーを費やした。9人の役者のパワーや迫力、そして緊張感の持続、演出も素晴らしかった。


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この上演の1週間前に、劇場での練習風景を見学できる機会に恵まれた。どの役者も普段着でメイクなし、台本こそ手に持っていないが、台詞がところどころ抜け落ちたり、まだ覚え切れていなくてアシスタントにたずねたり。客席に座った脚本家や演出家からは、5分ごとに細かいチェックが入る。演技不足を指摘されて、あからさまに不快を示す役者がいたり、演出家と意見の対立があったり、普段お目にかかることのない舞台裏を見ることができた。

劇場:Teatro Storchi (Modena)
上演日:2016年1月17日
監督:Claudio Longhi
キャスト:Donatella Allegro, Nicola Bortolotti, Michele Dell'Utri, Simone Francia, Olimpia Greco (fisarmonica e pianoforte), Lino Guanciale, Diana Manea, Eugenio Papalia, Simone Tangolo


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by amore_spacey | 2016-02-11 02:27 | Theatre | Comments(0)

Il Ratto d'Europa (ヨーロッパのラット)

私のお気に入り度 ★★★★☆(88点)

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【あらすじ】 第1幕 道、第2幕 旅、第3幕 言語、第4幕 国境、第5幕 戦争、第6幕 EUバンド、第7幕 EUの偉人、第8幕 EUの台所、第9幕 スポーツの計9幕からなる。EUの歴史を振り返りつつ、先行き不透明なEUの現状を政治的経済的な視点から考察検証し、今後の活路を開いていこうと試みる。このプロジェクトはClaudio Longhiを中心に、RomaとModenaの2都市で企画された。


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9人の役者+(合唱団、室内合奏団、モデナ・ラグビー・チーム、その他モデナ県内外の有識者)による、休憩なしの3時間40分強の舞台。役者たちも観る側も、体力と集中力が要る。4時間弱の舞台と聞いて、「絶対に途中で寝るよな」「あそこの劇場の椅子って、すわり心地が悪いから、退屈だったら途中で退席だな」ネガティブなことばかり思っていた。と・こ・ろ・が…


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4時間弱はとても愉快で楽しくて、あっと間に過ぎ去った。役者たちは舞台から客席の隅々まで走り回り、肩で息をしながら台詞を言う場面が多々あり。額や首筋を伝う汗が見える。客席の私たちが舞台に上がる場面や、ラグビー選手が客席の両端を走りながら、ラグビーボールをパス(観客の頭上をボールが通過)する場面もあり。また役者たちが客席に下りてきて、お菓子をふるまう場面もあり。

演出も面白い。舞台だけでなく、観客の頭上にはテニスやバレーボールのネットや太い紐が、横断幕のように横たわる。また役者や観客が自由に行き来できるように、舞台と観客席の間に長い板が何枚もたてかけられる。舞台の天井に届かんばかりの大カートが何台も舞台に登場、カートには古新聞がぎっしり詰め込まれている。


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ドタバタ劇のようで、実はとても奥が深い。EUに加盟し統一貨幣ユーロに参加したあたりから、以前にも増してイタリア国内には不穏な空気が流れるようになった。それはEUのせいか?ユーロのせいなのか?イタリアという国自体に問題があるのか?いや、そもそもヨーロッパのアイデンティティって何なんだ?私たちに幾つもの問題提起をしている。


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タイトルのIl Ratto d'Europaは、フェニキア国に暮らす若くて美しい娘エウロペに一目ぼれした天空神ゼウスが、白い牡牛の姿になって彼女を誘惑し連れ去ったという、ギリシャ神話のRatto d'Europaに由来している。

劇場:Teatro Storchi (Modena)
上演日:2013年5月14日
脚本&監督:Claudio Longhi
原作:Alberto Savinio 'Sorte dell’Europa'
キャスト:Donatella Allegro, Nicola Bortolotti, Michele Dell’Utri, Simone Francia, Olimpia Greco, Lino Guanciale, Diana Manea, Simone Tangolo, Antonio Tintis


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by amore_spacey | 2013-05-27 01:39 | Theatre | Comments(0)

Il Gioiellino (至宝)

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】 1980年代。親から継いだ小さな食肉会社Leda社を、Amanzio Rastelli(Remo Girone)は幅広い加工食品を手掛ける巨大企業へと成長させる。しかし無計画な事業の拡大が行き詰まり、資金難に陥ってしまう。会社の危機を救うため財務部長Ernesto Botta(Toni Servillo)は、帳簿の改ざんなどあらゆる手段を取るのだが…。2003年に破産宣告したParmalatの粉飾決算・倒産事件をもとに映画化。


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2003年に起きたIl crac di Parmalat(パルマラットの破綻事件)には、さすがのイタリア国民もたまげてしまった。会社の関係者がまだ存命中に、フィクションとはいえ早々に映画化されたところをみると、この事件はやっぱりただ事ではなかったのだ。経済界に与えた影響はもちろんだが、巻き込まれた膨大な数にのぼる庶民の損害やダメージは計り知れない。退職金を含めた貯金の全てをつぎ込んだ年金生活者は多数にのぼる。


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一体どんな経緯でこんなことになってしまったのか?時々見るニュースで分かっていたような気はしていたが、百聞は一見にしかず、映像の威力は凄いと改めて思う。脚色された部分はあるにしても、人間模様を織り込みつつ事件の詳細に迫るドキュメンタリーで分かりやすい内容だった。経済面に疎い私は、この作品のおかげで粉飾決算の全容がようやく掴めた。Toni Servilloの演技力は安定していて素晴らしい。彼にはいつかSilvio Berlusconiを演じて欲しい。が、Silvioには大小の事件やエピソードがあり過ぎて、1本の映画にまとめるなんて絶対にムリ。TVシリーズ?Toniの秘書を演じた知的で官能的なSarah Felberbaumは、ロンドン生まれでイタリア暮らしの英国人。この作品で彼女はイタリアのオスカー賞であるDavid di Donatelloの主演女優賞を受賞した。魅力的だもんね~。

製作国:Italy, France
初公開年:2011年
監督:Andrea Molaioli
撮影:Luca Bigazzi
キャスト:Toni Servillo, Remo Girone, Sarah Felberbaum, Fausto Maria Sciarappa, Lino Guanciale, Vanessa Compagnucci, Lisa Galantini, Gianna Paola Scaffidi ...


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by amore_spacey | 2013-01-28 02:55 | - Italian film | Comments(0)

Vallanzasca - Gli angeli del male (悪の天使ヴァッランツァスカ)

私のお気に入り度 ★★★★☆(88点)

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【あらすじ】 Renato Vallanzasca Costantini、通称Il bel René。1950年5月4日ミラノ生まれ。最初の犯罪は9歳の時、友だちと一緒にサーカスの虎を勝手に檻から出した。幼馴染みのEnzo(Filippo Timi)やSergio(Moritz Bleibtreu)とともに窃盗や強盗を繰り返し、ギャングのリーダーとして頭角を現わす。Francis Turatello(Francesco Scianna)率いるミラノのもう1つのギャング団とともに、当時のミラノ市民を震え上がらせた。その後も刑務所を何度も出入りしながら、強盗・拉致・殺人・脱獄などの罪を犯し、4つの終身刑と懲役260年の刑を宣告されて現在も服役中。特別恩赦により2010年3月8日から、刑務所外(シャバ)で7時半~19時まで労働奉仕に携わる。彼の自伝『ヴァッランツァスカ:悪の天使たち』をもとに映画化。


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Kim Rossi Stuartのうまさに唸った!生粋のローマっ子Kimが、ローマ訛りを微塵も感じさせないミラノ発音の伊語を話している!とても聞き取りやすい(^^) アクセント矯正訓練を重ねた賜物ね。一方Vallanzasca家からは、「彼はこんなに非情な人間ではない」とクレームがついたと言うが、カリスマ性を持ちウィットに富んだ巧みな話術にマスメディアを上手く利用する頭脳明晰なVallanzascaという人間を、Kimはほぼ等身大に演じていたと思う。そんな彼のアキレス腱は、母親と子どもだった。彼らに指を触れようものなら誰であろうと容赦しなかった。


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本人はもとより身内(母親や元妻や現妻や子どもたち)が存命にも関わらず、幾多の難問を乗り越えて映画化に漕ぎ付けたMichele Placido監督に脱帽である。当時のドキュメンタリーやインタビューをもとに、監督がとらえたVallanzascaをほぼ忠実に再現。2ヶ月の間監督とKimは、演出や演技上の助言を得るため、服役中の彼を訪ねたという。

その一方でVallanzascaの犠牲になった警官家族や一般市民で結成された遺族援護団は、「冷酷非情な男がヒーローとして美談化されている」と上映ボイコット運動を支持する。議会ではこの映画の収益を巡って、「その一部は国(=遺族援護団)に還元されるべきである」などという答弁もなされている。1970年代フランスで彼の半生を映画化する話が持ち上がり、VallanzascaにはAlain Delonの名が挙がっていたが、諸々の事情により中止。…と外野は騒がしいが、「世の中に何かを問うためではなく、純粋に娯楽映画としてこの作品を作った」「国会には彼よりもひどい罪を犯した人たちがいる」と監督はインタビューに答えている。

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Vallanzasca率いるギャング団がミラノに誕生した頃、ローマにも『野良犬たちの掟』のギャング団が生まれたが、両者には決定的な違いがあった。Vallanzasca軍団は金目当てによる強盗のみに的を絞ったのに対して、ローマの野良犬軍団は強盗以外に売春斡旋やドラッグの違法売買など、マフィア絡みの仕事もしていた。Vallanzasca軍団はマフィアとは一切関係なし。エンディングはnegramaroの♪ コレ ♪(音が出ます) 70年代のサウンドを思い出すなァ♪

- 追記 -
2011年2月7日夜、Vallanzascaの母Mariaがミラノの療養所で亡くなった。94歳。詳細はこちら

製作国:Italy
初公開年:2011年
監督:Michele Placido
キャスト:Kim Rossi Stuart, Valeria Solarino, Francesco Scianna, Filippo Timi, Paz Vega, Moritz Bleibtreu, Lino Guanciale ...


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by amore_spacey | 2011-01-24 00:50 | - Italian film | Comments(2)

La Prima Linea

私のお気に入り度 ★★★☆☆(78点)

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【あらすじ】 1989年11月TorinoのLe Nuove刑務所で1人の男、イタリア左翼ゲリラ組織Prima Lineaを結成したSergio Segio(Riccardo Scamarcio)が、自分の辿ってきた過去を語り始める。折り合いが悪かった両親、生涯の友人との仲違い、Susanna(Giovanna Mezzogiorno)に初めて出会った日のこと、結成したゲリラ組織、そして1982年3月Veneziaに集結した仲間とともに、Rovigoの刑務所に投獄されているSusannaら4人を助け出そうという計画…のことなどを。



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鉛の時代(anni di piombo)と呼ばれた1960年代終盤~1980年代初頭のイタリア、それは『野良犬たちの掟』(映画TVドラマ)にも描かれているように、武装したテロリストが暗躍し爆弾テロや要人暗殺が横行、また学生や労働者をも巻き込んだ労働運動が各地で勃発した暗黒の時代である。同じ頃日本では1969年に共産主義者同盟赤軍派(通称赤軍派)が結成され、武装闘争の時代に突入しようとしていた。テロリストによる革命の嵐が世界中に吹き荒れた時代であった。しかしどういう訳か?鉛の時代についてイタリア国内では、あまり議論されない傾向にあるらしい。クサいものには蓋?だからこの時代を映画化するには、監督の着眼点や力量が問われるに違いない。



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武装闘争の時代でありながらこの作品のようにむしろ静寂が時に心地よく、時間軸に囚われないでSergioの現在と過去を交錯させた描写に好感が持てた。しかもSergioの過去のほんの幾つかに的を絞ったことにより、あの時代を知らない者にも比較的分かりやすい流れになっていたように思う。Riccardoくんは甘ったるい恋愛モノより、こういった硬派な作品が断然向いているね。今後の成長に期待!驚いたことに今回はGiovanna Mezzogiornoが、1度もヒステリックに叫んだりわめいたりしておりませぬ!(爆) 肩の力を抜いた淡々とした役者たちの演技が、武装闘争に狂走したあの時代の若者たちのリアルな心情に寄り添うことができたのではないかな?

製作国:Italy, France, U.K., Belgium
初公開年:2009年
監督:Renato De Maria
キャスト:Giovanna Mezzogiorno, Riccardo Scamarcio, Michele Alhaique, Awa Ly, Lucia Mascino, Fabrizio Rongione, Lino Guanciale, Daniela Tusa ...


↑1日1回応援ぽちっ☆ ありがとうございます(^^)
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by amore_spacey | 2010-05-14 00:03 | - Italian film | Comments(2)