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La vita che vorrei (映画のようには愛せない)

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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【あらすじ】 役者として頂点を極める人気俳優Stefano(Luigi Lo Cascio)は、間もなくクランクインする19世紀を舞台にした作品『La Vita Che Vorrei』で主役の貴族Federicoを演じるが、不倫の恋に生涯をかける相手役の貴婦人Eleonoraに無名の女優Laura(Sandra Ceccarelli)が抜擢されるらしいと聞いて、戸惑いや不満があった。しかし初日の読み合わせで、とらえどころがなくそれでいて情熱的で凛とした彼女に魅力を感じ、いつしか恋に落ちていくのだった。


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この作品は、実生活と劇中劇を同タイトルの下に交差させながら展開していく。実生活の2人は、俳優としては一流だが、他人に無関心で誰かを本気で愛したことがないStefanoと、女優として成功したいという野心があるわけではないのに、気がついたら彼女に惚れた男を(結果的に?)利用して出世街道を歩くLaura。演技と感情は別だと言うStefanoと、未経験のことは演じられないLaura。

一方劇中劇の2人は、よくできた妻と可愛い子がいるにも関わらず、舞踏会で出会ったある伯爵の愛人Eleonoraに一目惚れし恋に落ちていく、誠実で人望のある貴族Federicoと、美貌を武器に伯爵という後ろ盾を利用して、社交界に生き残るEleonora。舞踏会のシーン↑↑は、『山猫』を彷彿させる。


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LauraもEleonoraも、自分の気持ちに正直で情熱的だが、利己や理性にコントロールされたStefanoは、自分の感情を開放する術(すべ)を知らない。そんな彼がLauraに、同業者としてまた1人の男として、嫉妬し苦悩するのだ。そりゃ、自業自得。今まで多くの女性を泣かせてきたんだから。地味な作品ながらLuigi Lo CascioとSandra Ceccarelliの2人が適役で、少し時間をおいて観なおしてみたいと思う。

製作国:Italy, Germany
初公開年:2004年
監督:Giuseppe Piccioni
キャスト:Luigi Lo Cascio, Sandra Ceccarelli, Galatea Ranzi, Fabio Camilli, Antonino Bruschetta, Roberto Citran, Paolo Sassanelli...


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by amore_spacey | 2014-06-05 03:44 | - Italian film | Comments(0)

Marina (マリーナ)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(78点)

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【あらすじ】 1948年。南イタリア・カラブリア州の貧しい鉄工員Salvatore Granata(Luigi Lo Cascio,)は、今よりもより良い環境を求めて、ベルギーの炭鉱の町Waterscheiへ出稼ぎ労働者として出発し、1年後には妻(Donatella Finocchiaro)と2人の子どもたちを呼び寄せる。そこで家族を待っていたのは、粗末な宿舎と貧しい暮らしだったが、息子のRocco(Matteo Simoni / Cristiaan Campagna )や娘は、新しい環境に適応しようと頑張った。Roccoは自分の好きなアコーデオンを演奏することで、貧しさや寂しい気持ちを紛らわせることができた。また町の食料品店の一人娘Helena(Evelien Bosmans)に、淡い恋心を抱いていた。1960年代にヨーロッパやアメリカで大ヒットとなった『Marina』を作詞作曲&レコードにした、Rocco Granataの伝記映画


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ある年齢以上の欧米人なら、たぶん誰でも知っているポピュラー・ソング『Marina』の由来が、Rocco Granataの半生と重ねながら描かれている。この歌を全く知らない私も、作品の中で何度も歌われるうちに、シンプルな歌詞とメロディーをすぐに覚えた。


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『Marina』は彼が心を寄せた女性の名前なのかな?と思ったら、タバコの銘柄の名前だったんですね。


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300枚を自主制作して自転車で配って回っていたのがレコード会社の目にとまり、1959年にEMIコロムビアがドイツでレコードを出してくれることになる。それをきっかけにヨーロッパ各国で大ヒット、更にはアメリカでも大ヒットをおさめ、1960年代にはカーネギーホールで公演を行った。


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1938年8月16日生まれの獅子座で、現在76歳。アコーデオン店の店主として、作品にちらっと出演している。

製作国:Belgium & Italy
初公開年:2013年
監督:Stijn Coninx
キャスト:Matteo Simoni, Luigi Lo Cascio, Donatella Finocchiaro, Evelien Bosmans, Warre Borgmans, Vincent Grass ...


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by amore_spacey | 2014-04-29 00:22 | - Italian film | Comments(0)

Romanzo di una strage (フォンターナ広場 イタリアの陰謀)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(76点)

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【あらすじ】 1969年12月12日、ミラノのフォンターナ広場に面した全国農業銀行が爆破され、17人が死亡し88人が負傷した。同日ローマでも4ヶ所で爆破事件が起きた。 事件から3日後、無政府主義者Giuseppe Pinelli(Pierfrancesco Favino)が逮捕されたが、彼はミラノ警察署の4階から「飛び降りて」死亡。警察は「自殺」と言い、無政府主義者たちは「他殺」と言う。しかしこの事件の結果、左翼団体のテロリストBrigate Rosse(=赤い旅団)はミラノの警察分署長Luigi Calabresi(Valerio Mastandrea)を殺害したらしい。いまなお真相は明らかになっていない。


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ミラノで起きたフォンターナ広場爆破事件は、1960年代末~80年代初頭に起きた爆破テロ事件や身代金目当ての誘拐事件の引き金になったもので、その後イタリアは長い暗黒時代(Anni di piombo)に突入した。当時の警察捜査によると、右翼団体がこの爆弾テロを企てた目的は、無能な政府に対して民衆を暴動へ駆り立てることだったらしい。事件の容疑者たちは、証拠不十分で無罪になっているが、水面下でいったいどんな動きがあったんだろう?この事件において最優先させるべきことは、真相究明ではなく、警察の体面を保つことである、それが暗黙の了解だったに違いない。


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オープニングに登場したValerio Mastandreaなんだけど、「あなた、誰?」 いつも地毛なのに、今回はヅラを被って男前になっていたので、ドキドキしちゃった(*^^*) でも声がなァ・・・残念なんだな。

製作国:Italy
公開年:2012年
監督:Marco Tullio Giordana
キャスト:Valerio Mastandrea, Pierfrancesco Favino, Kate Mara, Michela Cescon, Laura Chiatti, Fabrizio Gifuni, Luigi Lo Cascio, Giorgio Colangeli, Omero Antonutti, Thomas Trabacchi, Giorgio Tirabassi ...


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by amore_spacey | 2013-05-01 00:13 | - Italian film | Comments(0)

Luce dei miei occhi (ぼくの瞳の光)

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】 ローマ。ハイヤー運転手をするAntonio(Luigi Lo Cascio)は仕事に誇りを持ち、SF小説を愛する真面目な青年。彼はある夜、運転中に猫を追って飛び出してきた少女(Barbara Valente)をはねそうになる。その時、後からやって来た彼女の母親Maria(Sandra Ceccarelli)と知り合う。Mariaは一人で食料品店を営み、女手ひとつで娘を育てていた。Mariaに心惹かれたAntonioはこの母娘の力になりたいと思う。MariaがSaverio(Silvio Orlando)への多額の借金返済に苦労していることを知ると、Mariaには内緒で借金の肩代わりをするためSaverioの運転手を買って出るのだった。2001年第58回ヴェネチア映画祭でLuigi Lo Cascioは主演男優賞を、Sandra Ceccarelliは主演女優賞を受賞。


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日々の暮らしや、自分が大切にしている小さな世界を守るために、今日という日を必死に生きる。毎日その繰り返し。大きな希望や変化があるわけではなく、時間が流れていく。どこかうまくいかない2人に、「そこさえ要領よくやれば、あとはうまくいくのに…」と思うが、これを観ている私たちだって、決して要領よく生きている訳ではないから、激しく感情移入してしまうのだ。非常に現実的なテーマを扱いながらも、SF小説の語りやLudovico Einaudiが奏でるピアノの音色(←音が出ます)の効果で、現在や過去の苦しみや後悔が少しずつ癒され、かすかな希望の光が見えてくる。人生、捨てたもんじゃないよね。

製作国:Italy
初公開年:2001年
監督:Giuseppe Piccioni
音楽:Ludovico Einaudi
キャスト:Luigi Lo Cascio, Sandra Ceccarelli, Silvio Orlando, Barbara Valente, Toni Bertorelli, Mauro Marino ...


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by amore_spacey | 2013-04-13 00:19 | - Italian film | Comments(2)

Noi credevamo (われわれは信じていた)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(74点)

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【あらすじ】 両シチリア王国(Regno delle Due Sicilie)の貧しい農村に暮す3人の若者たちによる4つのエピソードを通して、イタリア統一運動(リソルジメント)に進んでいった150年前のイタリアと、そのあまり知られていない地道な歩みを紐解いていく。


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この作品は『ガリバルディ将軍』のような英雄賛歌ではなく、表舞台には決して出てこない当時の市民が主人公である。彼らの地道な活動を表現するために、全体のトーンが抑えられ、レンブラントの絵のような暗闇と灯が印象的だった。しかしトーンが抑えられすぎて、何が言いたかったのかよく分からない。当時の若者たちが歩んだ、リソルジメントの知らざれる部分に光をあてた点は評価したいが、テレビドラマとして作られたせいか?ダラダラと無闇に長い。1人の若者に絞って話を展開させたなら、もう少し明確で濃い内容になったかも。ああいう髪型にすると、白くてほっそり長いFrancesca Inaudiの首が強調されます。鶴みたい。

製作国:Italy, France
初公開年:2010年
監督:Mario Martone
原作:Anna Banti
キャスト:Luigi Lo Cascio, Valerio Binasco, Toni Servillo, Francesca Inaudi, Luca Barbareschi, Luca Zingaretti, Guido Caprino ...


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by amore_spacey | 2011-03-26 00:16 | - Italian film | Comments(0)

Il piu' bel giorno della mia vita (私の一番幸せな日)

ネタばれあり!

私のお気に入り度 ★★★★☆(83点)

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ローマを舞台に、Irene(Virna Lisi)の孫娘でRita(Sandra Ceccarelli))とCarlo(Marco Baliani)の次女Chiara(Maria Luisa De Crescenzo)の視線で物語が展開する。表面的には平和に暮らす家族。姉Sara(Margherita Buy)は離婚してシングルマザー、一人息子Marco(Francesco Scianna)と暮している。妹のRitaには愛人Davide(Jean-Hugues Anglade)がいる。弁護士の弟Claudio(Luigi Lo Cascio)は、Luca(Marco Quaglia)を愛している。ともすれば既存の平和な家族を壊してしまう起爆剤にも成り得る深刻な悩みを、それぞれが抱えているのだ。しかし世代や性別を越えてゆっくりとあるがままを受け入れようとしていく。そしてChiaraの聖体拝領の日に彼女は贈られたビデオカメラで集まった家族を撮影しながら、今日がこうして集まる最後の日になるだろうことを予感する。



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外から見れば人が羨むような素晴らしい庭と邸宅でありながら、そこに暮す人々はうかつには口に出来ないような悩みや問題を抱えている。ローマ郊外にあるIreneの邸宅を舞台に、まるで無関係に見える登場人物がどこかしらで繋がりを持ち、ゆっくり穏やかな歩調でエンディングを迎えるという、素晴らしい構成に唸りました。さすが女性を家族を客観的に見つめるCristina Comencini監督!ハッピーエンドでもなく、かと言って悲劇でもメロドラマでもなく、他所様のありのままの日常生活をちょっと垣間見せてもらったというところでしょうか。家族が集まるシーンには、色々とダブル部分が多々あります(^^) Chiaraちゃんのモノローグには、ほろりとしました。あの中では彼女が一番大人になりましたね。

製作国:Italy
初公開年:2002年
監督:Cristina Comencini
キャスト:Virna Lisi, Margherita Buy, Sandra Ceccarelli, Luigi Lo Cascio, Marco Baliani, Marco Quaglia, Jean-Hugues Anglade, Ricky Tognazzi, Francesco Scianna ...


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by amore_spacey | 2009-12-27 00:53 | - Italian film | Comments(0)

Gli amici del bar Margherita (バール・マルゲリータの仲間達)

私のお気に入り度 ★★★★☆(84点)

1954年、ボローニャ。バール・マルゲリータに集まる常連客たちの甘くてほろ苦い思い出を、もっと大人になったらこのバールの常連になりたいと夢見る18歳の青年Taddeo(Pierpaolo Zizzi)の目を通して描かれた、Pupi監督の半自伝的な作品。



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Taddeoはマンマ(Katia Ricciarelli)&祖父Carlo(Gianni Cavina)と一緒に、バール・マルゲリータのお向かいの家で暮している。そのバールには個性豊かな男たちが毎晩集まるのだ。常連客の親分的な存在Al(Diego Abatantuono)は、Taddeoが運転する車で毎晩ナイトクラブに通い、そこで一杯引っ掛けた後、ボローニャ駅構内のバールでラザーニャを食べ新聞を読むのが日課。シチリアから来たManuelo(Luigi Lo Cascio)は、盗んだ車を人に売りつける詐欺商売をしている。女性の裸が透けて見えるというメガネを通販で手に入れて大喜びをするおかしなヤツなのだ。Bep(Neri Marcorè)には近い将来結婚する予定の婚約者Beatrice(Maria Pia Timo)がいるのに、自称女子大生Marcella(Laura Chiatti)の神秘的な美しさに惹かれ、挙式前夜にMarcellaと駆け落ちを試みるのだが…。

レインコートを売るSarti(Gianni Ippoliti)は、一つしかないサイズをチビ・デブ・痩せの誰彼なく売りつける。Gian(Fabio De Luigi)は才能がないのに歌手を志し、歌手デビューの登竜門と呼ばれるサンレモ音楽祭に応募する。ゴム紐つき簡単ネクタイを発明したZanchi(Claudio Botosso)といったら、工場で働く女工達に片端から手をつけている。Mentos(Bob Messini)はバールのトイレに入ると、必ず扉を開けっ放しにして用を足すのだ。Taddeoの祖父Carloは、急に思い立って始めたピアノレッスンの若い女性講師Ninni(Luisa Ranieri=ふっくらしていた頃の雅子妃に似てるんだなぁ)に淡い思いを寄せる。Taddeo自身は図書館の受付の女の子に憧れている。常連客同士の悪い冗談やTaddeoの恋のエピソードが縦横に絡まり、彼のバースデー・パーティーで話は佳境を迎える。



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演技派が一堂に会し、クスッと笑えるシーンが盛りだくさん(^^) 唸ったのがLuigi Lo Cascio!『輝ける青春』で「Luigiっていいよね。すごくいいよね。」という声を聞いたが、「うーん、そうかなぁ?」と思ったのだな。あの時はAlessio Boniばかり観てたから(*^^*) あのLuigiと同一人物?なくらい今回は壊れてたけど、私は濃いキャラの今回のLuigiが断然いいなー。

この作品が浮ついたものにならなかったのは、Taddeoのマンマを演じたKatia Ricciarelliや祖父Carloを演じたGianni Cavinaなど、重厚な脇役に恵まれたからだろう。Pupi監督や音楽担当のLucio DallaやBortoloniを演じたCesare CremoniniやCarloを演じたGianni Cavinaは、何れもボローニャ生まれ。 

製作国:Italy
初公開年:2009年
監督:Pupi Avati
音楽:Lucio Dalla
キャスト:Diego Abatantuono, Laura Chiatti, Luigi Lo Cascio, Fabio De Luigi, Luisa Ranieri, Neri Marcorè, Pierpaolo Zizzi, Gianni Ippoliti, Katia Ricciarelli, Cesare Cremonini ...


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by amore_spacey | 2009-11-19 03:35 | - Italian film | Comments(2)

La Bestia nel Cuore (心の中の獣)

私のお気に入り度 ★★★★☆(85点)

ネタばれあり。

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声優の仕事を持ち、同僚のFrancoと一緒に暮らすSabina。何の問題もない幸せそうな2人に見えるが、Sabinaが妊娠に気づいた頃から、幼少時代の傷跡が蘇る。
家族問題を取り上げた作品が最近イタリアで増えているが、この作品では、子どもが育つ環境、幼い頃はそれが普通だと思っていた環境が、成長と共に、実は醜く歪んだもの、他人には語れないものであったと知り、愕然とする。さらに傷を深めてしまう。その傷が生涯彼らを苦しめ続けるのか?それとも新しい環境の中でこの呪縛から逃れることができるのか?新しい命の誕生によって、一筋の希望が投げかけられ、それぞれの状況が好転しつつある余韻を残して終わっている。

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わぁ~、こんなところにAlessio Boniさまがいらっしゃる~
今回は『La Meglio Gioventu'』の時ほど精神的に追い詰められた役柄でなく、Sabinaを優しく見つめる視線や、彼女の身体を慈しみ愛する仕草がとても柔らかくて、またまたAlessio様に目がピターーッと吸い付いてしまいました。こんな上向き加減の視線も、真っ直ぐ投げかける視線も、何もかも、あああああ~!!!


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あれは悪夢だったのか?実際に起きたことなのか?近親相姦という、他言できない痛手を負う兄妹が成長し、家庭を築き子どもをもうけることになってから、過去の傷跡に再び塩を塗りこむような苦悩に苛(さいな)まれる。私は親になる資格がない、自信もない。兄Danieleと1対1で初めてパンドラの箱をあけるSabina。
やはりあれは現実の出来事だった。しかも兄は兄なりにずっと苦しみ続け、泥沼から這い上がろうとあがいていたのだ。自分より深いところで兄はもがいていた。可哀想な私たち2人。優等生で人生の成功者に見えた兄が、嗚咽しながら心の内を吐露してくれた。その衝撃と「苦しんでいたのは私一人ではなかったのだ」という安堵。この対話がきっかけで、Sabinaは前向きに考えるようになる。
をっ!『La Meglio Gioventu'』のLuigi Lo Cascioですね。 彼は医師や大学教授といった、割と分別くさい役柄がピッタリ。


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Sabinaを取り巻く人々がとても魅力的で、こちらも目がはなせませんョ。
幼馴染で目が不自由なEmiliaはSabinaを女友だち以上に慕い、心の拠り所にしている。それ以外の世間との接触はいっさい断ち、地下室のような一室でダックスフンドと暮らす。その彼女もある日散歩に出たことから、徐々閉ざした心を開き、外の世界に出て行けるように…。

Sabinaの同僚のMariaは、夫が自分の娘ほどの女の子と恋に落ちたことで、結婚生活は破局し世の中の男という男に愛想をつかす。そんな自分の中に、同性を愛する気持ちが芽生えるのを知る。Maria演じるAngela Finocchiaroは、TVドラマでも味のある会話と演技で、素晴らしい脇役を務めてくれる。彼女のような女優さんが増えると嬉しいです。

Sabinaの婚約者のFrancoが出演するTVドラマシリーズの監督Andreaが、これまた一風変わった男。格調高い映画を撮りたいという長年の夢も、経済的な理由から、安っぽいTVドラマの監督に甘んじる自分を自嘲。『Pane e tulipani』でユニークな探偵を演じていた彼。このキャラがとっても好きだわ~。

重いテーマを扱いながら湿っぽくならなかったのは、EmiliaやMariaやAndrea監督のちょっぴりシニカルでウィットに富んだやりとりによるところが大きいでしょう。

製作国:Italy・UK・France・Spain
製作年:2005年
監督:Cristina Comencini
キャスト:Giovanna Mezzogiorno, Alessio Boni, Stefania Rocca, Angela Finocchiaro, Giuseppe Battiston, Luigi Lo Cascio, Francesca Inaudi ...
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by amore_spacey | 2007-05-31 03:34 | - Italian film | Comments(0)

La Meglio Gioventu (輝ける青春)

私のお気に入り度 ★★★★☆(92点)

ネタばれあり。

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1960年から2003年までのイタリアが歩んできた歴史を織り交ぜながら、ローマに暮らす中流家庭Carati一家の年代記を描いたドラマ。

1年前からDVDが手元にありながら、6時間あまりの超大作に怖じ気ついて、なかなか観る決心がつかなかった。予備知識なくこの日曜日にふっと手にとって観始めたら… 映画の世界にぐいぐい引きずり込まれた。何でもっと早く観なかったんだ~!と自分に怒る☆ この作品は切っても切れないくらい仲の良い1歳違いのNicolaとMatteo兄弟、そして精神病院で不当な扱いを受けていたGiorgiaという少女のトリアングルに焦点を当てて描かれている。 登場人物が丁寧に綴られどの役者にも好感が持てたが、ここで取り上げたいのはNicolaとMatteoとその母Adrianaの3人である。


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人との出会いをとても大切にし、常に前向きな姿勢で人生をとらるNicolaは、時に躓きながらも色々な経験や知識が血となり肉となり、着実に自分の夢を実現していく。と書くと完璧主義者に見えるが、心の内は揺れ動き、自分の判断が本当に間違っていなかったのか、検証し悩み苦しむ姿がもう一方にある。とりわけMatteoのことになると冷静さを失うほどの弟思いで、Matteoの自死の呪縛から脱出することができないでいる。

Nicolaと反対にMatteoは、繊細すぎる感性をもつゆえに、色々な経験がさらに彼を追い詰めてしまう。白か黒か?彼には2つの世界しか存在しない。灰色の部分を認めることのできないMatteoは、自ら生き難い道を歩み、最後には自死を選ぶ。


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そして彼らの母親Adriana。小学校の教員をしながら4人の子をしっかり育て上げる良妻賢母。控えめで激しい言動をとらない彼女が唯一感情を爆発させるのは、自死した息子Matteoのアパートを訪れ、膨大な本の山を目の当たりにし、その何冊かを形見として持ち運ぶ途中、感極まってその本を投げつけながら泣き崩れるシーン。「こんなもの(=本)がいったい何の役に立つと言うの?」 Matteoを育てる中で、とても繊細なこの子がちゃんと世の中に出て、自立できるのだろうか?といった不安が、的中してしまったのだ。教師としてまた母親として至らなかった自分を責める。Adriana Astiの押さえた演技、ちょっとした目や唇の動きや手の仕草…には特筆すべきものがありました。彼女の持つ独特の雰囲気がいいですね。素晴らしいです。

Adrianaは気負いなく仕事も家庭も淡々とやりこなす。Anna MagnaniやSofia Lorenが演じたような従来のイタリア映画に見られる、立派な体格にエプロンをして、何かと言えば絶叫して泣き伏してしまうマンマとは対極にある。こんな女性はそうそういませんね。

Carati一家に関わりのある人々や友人など、脇を支える役者陣がこれまた素晴らしい。家族愛・兄弟愛・男女の複雑な愛情・友情…が、イタリアの近代史に重ねながら見事に描き出されています。ぜひぜひご覧下さい。表題はフリウリ州の詩人Pasiliniのエッセイのタイトルから、またイタリア山岳部隊Alpiniの古い歌のタイトルから得ている。

製作国:Italy
製作年:2003年
監督:Marco Tullio Giordana
脚本:Sandro Petraglia, Stefano Rulli
キャスト:Luigi Lo Cascio, Alessio Boni, Adriana Asti, Jasmine Trinca, Riccardo Scamarcio, Fabrizio Gifuni, Maya Sansa, Lidia Vitale, Valentina Carnelutti ...

年表…
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by amore_spacey | 2007-02-13 02:18 | - Italian film | Comments(12)