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I vinti (敗北者たち)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(70点)

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【あらすじ】  フランス・イタリア・イギリスの3国を舞台に、ナンセンスな殺人事件や盗難事件に関わった若者たちの、無関心ぶりを描いたオムニバス映画。Albert Camusの影響を受けたと見られている。


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「ったく、今どきの若いもんは、無気力・無関心・無責任で、一体何を考えているのやら?」という台詞は、1950年代の欧州でもたぶん使われたはず。本作品に登場する若者たちも、国籍こそ違うけれど、気だるくて妙に白けた雰囲気を漂わせている。


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そんな彼らが犯した過ちの動機は、「太陽がまぶしかったから。」と、裁判の最後に述べた『異邦人』の主人公と大差ない。ざけんじゃねぇよ!と怒鳴りたいところだけど、相手は罪の意識どころか罪を犯した実感すらないから、暖簾に腕押しで、時間と労力のムダ。


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PCや携帯世代は、外で遊ばなくなったとか、団体行動が苦手とか、コミュニケーション能力が低いとか、色々言われる。でもそういう物がなかった1950年代にも不気味な若者がいたんだから、時代や国や文化の違いに関係ないということか?ま、今さら驚くことでもないんだけどね。

製作国:France, Italy
初公開年:1953年
監督:Michelangelo Antonioni
キャスト:Franco Interlenghi, Anna Maria Ferrero, Eduardo Ciannelli, Evi Maltagliati, David Farrar, Patrick Barr, Fay Compton, Peter Reynolds ...


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by amore_spacey | 2014-05-10 00:42 | - Italian film | Comments(0)

La Notte (夜)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(70点)

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【あらすじ】 1960年代のミラノ。ある日の午後、売れっ子作家Giovanni(Marcello Mastroianni)と妻Lidia(Jeanne Moreau)は、回復する見込みのない病を患う友人のTommaso(Bernhard Wicki )を見舞う。TommasoはLidiaのことを愛していたが、彼女はすでにGiovanniと結婚していた。彼女は作家夫人として何不自由のない毎日を送っているが、その生活に得体の知れぬ不安を抱いている。1960年代のミラノを舞台に、男と女の空虚な試みが描かれる。1961年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞。


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これを思春期真っ只中に観たら、もう少し評価は高かっただろうし、少なくとも途中でうたた寝しなかったはず。愛の不条理・倦怠や退廃や堕落・ドラッグ・形而上学・美など、少し背伸びしてそういうものに憧れる時期だから、不毛の愛についてグチグチ語るフランス映画のような本作品はぴったり。そういうことを考えてる自分ってステキ、みたいな(ё_ё;) 「人生の意味って?」「永遠の愛?」「幸せとは?」なんて突き詰めて考えている時は、ちょっと不健康であまりよろしくない状況にあることが多いのではないかしらーん?


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愛って育んでいくもので、眉間にシワを寄せて考えたり、あーだこーだ議論を戦わせるものではない・・・でしょ?哲学的&観念的な概念として、とことん論議するべ!なら話は別だけどさ。たとえばレジのおばさんがおつりを多目にくれてラッキー!だったり、お年玉つき年賀はがきが3等賞くらいに当たったり、好きな人が手料理をおいしそうに食べてくれたり、ソファーでうたた寝している私に、彼がそっと毛布をかけてくれたりしたとき、嬉しくなっちゃう、そんなゆるい状況がけっこう幸せで、じわっと愛を感じるときなのかも。


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Marcello Mastroianniはあまり好きではないけれど、Monica Vittiが出ているから観てみた。彼女(1931年生まれ)とJeanne Moreau(1928年生まれ)は大して年が違わないのに、Jeanne Moreauがめちゃくちゃ老けて見えるのは、髪形のせい?無表情だからか?夫婦関係が崩壊し終焉を感じながら、それでも何とか夫の愛を取り戻そうとする妻。その妻が夫に組み伏されながら、ラストシーンで叫ぶ。「もうダメなの!あなたとは別れることに決めたの!すべてはもう手遅れなの」 なのに、彼女の表情は生き生きと輝いている。夫婦って、他人からみたら謎だらけね。

製作国:France, Italy
初公開年:1961年
監督:Michelangelo Antonioni
キャスト:Marcello Mastroianni, Jeanne Moreau, Monica Vitti, Bernhard Wicki, Rosy Mazzacurati, Maria Pia Luzi, Guido A. Marsan, Vittorio Bertolini ...


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by amore_spacey | 2014-04-12 00:07 | - Italian film | Comments(0)

La signora senza camelie (椿を持たない婦人)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(76点)

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【あらすじ】 ミラノのブティックの店員だったClara Manni(Lucia Bosé)は、プロデューサーGianni Franchi(Andrea Checchi)に見初められて女優としてデビューするが、やがて彼と半ば無理矢理結婚することになった。結婚後も仕事を続けたいClaraに対して、Gianniはそれを許さない。2人の関係は少しずつこじれていき、傷心のClaraは成り行きでNardo Rusconi(Ivan Desny)と逃避するが・・・。


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Clara Manniを演じたLucia Bosé。この2人には共通点が多い。ミラノの有名なパスティッチェリアGalliの店員だったLuciaは、その可憐な美しさがLuchino Visconti監督の目にとまった。そして1947年ミス・イタリアに選ばれ、映画界から声がかかる。あるパーティーの席でMichelangelo Antonioni監督は、 彼女に一目惚れし、自分の作品に出演させることを即決したらしい。女の私から見ても、ため息が出るくらい清楚で可憐で、清潔な色気がある。Dominique Sandaと若い頃の秋吉久美子とNatalie Portmanを足して3で割ったような美しさだ。それにウェストの細いこと!!! 内臓、ちゃんと全部ある?


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さて本作品。女優デビューし有力なプロデューサーと結婚したまではよかったけれど、結婚後夫から女優業を取り上げられたClaraは、生き甲斐を失ってしまう。そして①主婦に専念する。②夫の反対を振り切って(離婚も覚悟して)女優を続ける。この2つの選択肢から、最終的にClaraは後者を選ぶ。


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こう書くと、キャリア志向のしっかりした女性というイメージが湧くけれど、実際のClaraは世間知らずで簡単なことも自分で決めることができない、可愛いだけの女性だった。が、世間の荒波に揉まれ傷つき、人生の辛酸をなめたあとの彼女は、一回り成長し精神的にたくましくなる。自分の足で人生を生きようとする大人の決意をするClaraは、その先に何が待ち構えていようが、きっと大丈夫だと思う。

製作国:France, Italy
初公開年:1953年
監督:Michelangelo Antonioni
キャスト:Lucia Bosé, Gino Cervi, Andrea Checchi, Ivan Desny, Monica Clay, Alain Cuny, Anna Carena, Enrico Glori ...


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by amore_spacey | 2014-04-08 01:13 | - Italian film | Comments(0)

Le Amiche (女ともだち)

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】 ブティックの女性オーナーClelia(Eleonora Rossi Drago)は、ローマの下町の庶民階級出身ながらファッション界で成功し、トリノに新店舗を出すことになった。そのためトリノのホテルに滞在していたが、ホテルの隣の部屋のRosetta(Madeleine Fischer)が自殺未遂を図る事件に遭遇する。Rosettaは友人Nene(Valentina Cortese)の夫で画家のLorenzo (Gabriele Ferzetti)と愛人関係にあり、どうやら悩んでいたらしい。これをきっかけにCleliaはRosettaや彼女の女友だちと知り合いになり、交流を持つようになる。また彼女は新店舗の工事を担当するCarlo (Ettore Manni)と、打ち合わせのため頻繁に顔を合わせるうちに、淡い恋心を抱くようになっていった。


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この作品には5人の女性と3人の男性が登場する。5人の女性のうち庶民階級はヒロインのCleliaだけ。あとの4人は上流階級だが、少女のように純粋で優しい娘や世間知らずの少々軽いお嬢さんがいれば、人格者で良心的な既婚のキャリアウーマンや夫との仲が破綻し他の男たちと情事を重ねる女もいる。それぞれ異なる背景を持ち様々な思いを抱えながら、そこそこの距離とバランスをとって、表向きは仲の良い女ともだちだった。そこに男の影が見え隠れするようになると、女ってのは…。ある程度歳を重ねた女同士の友情は、なかなか微妙なところ。誰でも自分が一番大事で可愛いから、何かの拍子に均衡が崩れると、本音が露呈して面倒なことになってしまう。それが苦手なので、私はつかず離れず細く浅く長い関係がいい。


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タイトルは『女ともだち』だけど、この4人組って本当に友だち?Momina(Yvonne Furneaux)が女王様で、残りの3人は彼女の取り巻き連中にしか見えないんだけどね。虚飾に満ちた上流社会の暮らしが退屈で、Rosettaの不倫を煽ってその行方を面白がっているMominaやお気楽なMariella(Anna Maria Pancani)は、暇つぶしのためにつるんでいるようなもの。Rosettaの愛のために自分は身を引いてキャリアを目指すNeneや、Rosettaのことを親身になって考えてくれるCleliaタイプの女性たちが、果たしてMominaのような人と長く付き合っていけるかなぁ?破綻するのは目に見えている気がする。


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一番人間味があるのはCleliaかな?と思ったんだけど、その彼女も意外にあっさりしていてビックリ。つい5分前、「あなたにすぐに会いたい。」とCarloを電話で呼び出しておきながら、女社長に会ったことで、気持ちがスッパリ切り替わって、ローマ行きの電車の切符を購入→その足でCarloに別れを告げ→電車に乗る、という急展開(◎∇◎) いくらなんでも、決心するのがちょっと早すぎやしませんか?登場する3人の男性は、軽すぎたり覇気がなさすぎたり依存しすぎたりと、かなり残念な殿方ばかりでございました。

製作国:Italy
初公開年:1955年
監督:Michelangelo Antonioni
原作:Cesare Pavese 'Tra donne sole'
キャスト:Gabriele Ferzetti, Yvonne Furneaux, Ettore Manni, Madeleine Fischer, Valentina Cortese, Eleonora Rossi Drago, Franco Fabrizi ...


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by amore_spacey | 2013-12-18 02:39 | - Italian film | Comments(4)

L'eclisse (太陽はひとりぼっち)

私のお気に入り度 ★★★★☆(80点)

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Vittoria(Monica Vitti)は婚約者Riccardo(Francisco Rabal)と重苦しい話し合いの一夜を明かした末、彼との婚約を解消した。ブルジョアの彼との間にある埋めがたい距離をそのままにして結婚するのは、Vittoriaには耐えられないことだったのだ。あとを追うRiccardoをふりきって彼女は一人になる。心の寂しさを埋めるために女友達を訪ねるが、虚しさは消えない。素人投資家の母は株価の動向に夢中で、Vittoriaに耳をかそうともしない。証券取引所で出会った有能な証券マンPiero(Alain Delon)と淡い関係になるのだが、それも束の間。Vittoriaの空虚な心は、さまよい続けるのであろうか。1962年度カンヌ映画祭審査員特別賞受賞。



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Michelangelo Antonioni監督は『愛のめぐり合い』でも色んな愛の形を描いているが、今回は不毛の愛がテーマ。恋愛は単なる男女間の個人的な問題ではなく、社会と連動するものであると言いたいのだろう。株価の上昇(=恋愛最高潮)に狂喜乱舞する人間たちが、大暴落後(=愛が冷める)には魂が抜け虚無感に襲われるのだ。それらが幾分シュールなラストシーンに象徴されている。遠くで遊ぶ子ども達の姿から、無表情な人々の姿や廃墟のような住宅街が映し出され、危機感をあおるような効果音を挟みつつ、突然街灯がともり、不自然なあかりのアップで終わる。

憂いのあるMonica Vitti、ここでは2枚目半のキャラは押さえ気味(いきなりアフリカのダンスを始めるところなどは、彼女らしいなぁと笑ったけれど)で、婚約を解消したあとのやるせなさを目と声と仕草だけで、充分に表現していた。美貌のAlain Delonは飾り物的な扱いだったけれど、目の保養になってよかった(^^) 若けーっ!

製作国:Italy, France
初公開年:1962年
監督:Michelangelo Antonioni
キャスト:Alain Delon, Monica Vitti, Francisco Rabal, Louis Seigner, Lilla Brignone, Rosanna Rory, Mirella Ricciardi ...


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by amore_spacey | 2009-09-20 16:28 | Alain Delon | Comments(0)

Al di la delle Nuvole (愛のめぐりあい)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(70点)

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雲のなかを飛行機で旅する映画監督の私(John Malkovich)が、時にはナレーターになり、時には主役になって様々な愛の姿に出会う。4話からなるオムニバス映画。淡々と流れる美しい映像と俳優たち。それゆえ?ちょっとお洒落で詩的な作品に仕上がっているが、感動というものにやや欠けたかと。



e0059574_19583124.jpg【第1話 フェラーラ、存在しなかった愛の記録】
霧の立ち込めるフェラーラの街で、水力技師Silvano(Kim Rossi Stuart)とCarmen(Inés Sastre)が出会いと別れと再会。二人はお互いを求めつつも触れることはできない。彼はその後もずっと、この一度も自分のものとすることの無かった女を愛し続ける。
(Antonioni監督はフェッラーラ出身)

【第2話 ポルトフィーノ、女と犯罪】
父親を12回刺して殺害し、裁判で無罪になったというブティックで働く若い女性(Sophie Marceau)と私(John Malkovich)は、彼女の部屋で激しく抱き合う。

【第3話 パリ、私を探さないで】
アメリカ人の男(Peter Weller)にはアルコールに溺れる妻(Fanny Ardant)がいた。彼女は夫のイタリア出身の女(Chiara Caselli)との不実に耐えてきた。しかしもうどうにも我慢ができない。一人の新生活をスタートさせるべく…。

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【第4話 エクス・アン・プロヴァンス、死んだ瞬間(この泥の肉体)】
Niccolo青年(Vincent Perez)が青いコートの娘(Irène Jacob)を追うようにアパルトマンから出てくる。教会で祈りを捧げる彼女に惹かれる彼。が、娘は明日修道院に入る。

つい最近、大好きな乃南アサ氏の『涙』を再読。
こういう人生ってあるのだ。あって不思議はないのだ、と……。男が男であるためには、そうあらねばならないという、美学と弱さが……。追いかけて、追いかけて、未練ではなく、自分自身の納得のために、どうしても会わなければならない女の真実が……。
と、おすぎ氏が解説に書かれているようなこと、もっと生々しいものが、愛の水面下に隠されているのでは?と思う。それにしても、キム様、若いな~(*^^*)

製作国:Italy / France / Germany
製作年:1995年
監督:Michelangelo Antonioni, Wim Wenders
キャスト:Kim Rossi Stuart, Inés Sastre, John Malkovich, Sophie Marceau, Fanny Ardant, Chiara Caselli, Marcello Mastroianni, Jeanne Moreau...
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by amore_spacey | 2006-10-06 19:56 | - Italian film | Comments(2)