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Un cuento chino

ネタばれあり?

私のお気に入り度 ★★★★☆(86点)

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【あらすじ】 アルゼンチンで金物屋を営む独身の中年男Roberto(Ricardo Darín)は、かつてフォークランド戦争に参戦した過酷な体験を今も引きずりながら生きている。現実とうまく折り合えない彼は次第に内に閉じこもるようになり、飛行機を眺めることと新聞の三面記事に掲載される珍事件を切り取って収集するのが唯一の趣味だった。そんなある日いつものように空港の近くで離発着する飛行機を見ながら一杯やっていると、突然目の前で、一人の若い中国人がタクシーから引きずり下ろされた。名前はJun(Ignacio Huang)。身振り手振りから察するに、どうやら伯父を訪ねてアルゼンチンまでやって来たらしい。頑固だが心根の優しいRobertoは、Junをしばらく自宅に預かり、一緒に伯父を探してやることにする。お互いの言葉が分からない2人の、奇妙な共同生活が始まった。本作品は2011年ローマ国際映画祭で最高賞&観客賞を、2012年第26回ゴヤ賞(=スペインのアカデミー賞といわれる映画賞)でイベロアメリカ映画賞を受賞。


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ちょっと有り得ない展開ではあるけれど、実際に起きた珍事件(しかも日本の漁船がその事件に巻き込まれた!)をもとに作られた作品で、とてもいい余韻を残してくれる。中国の湖で始まる冒頭のシーン。穏やかな日和の中で、これから結婚を申し込もうとしたその瞬間、とんでもないことが起きる!そして舞台はアルゼンチンへ。空港の近くで見知らぬ2人の男が妙な出会い方をするが、一見無関係な彼らが、実はあるところで既に結びついていたのだ。孤児のような彼らの境遇も似ている。


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Junはスペイン語がまったく話せないし、Robertoは中国語が全く話せず分からない。Junは中国語でごちゃごちゃまくし立てるが、Robertoはもとより観ている私たちも、字幕がないのでちんぷんかんぷん。状況が深刻なだけに、2人のやりとりが余計におかしい。バゲットの白い柔らかい部分しか食べないRoberto、23時きっかりに消灯するRoberto、新聞に載る珍事件の登場人物になりきるRoberto、機嫌の悪い日には店に来る客さえ追い返してしまうRoberto。まったく彼のアクの強さには叶わない。

製作国:Argentin, Spain
初公開年:2011年
監督:Sebastián Borensztein
キャスト:Ricardo Darín, Muriel Santa Ana, Ignacio Huang, Enric Cambray, Iván Romanelli, Julia Castelló Agulló, Javier Pinto ...


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by amore_spacey | 2012-03-12 04:58 | - Other film | Comments(2)

Carancho (カランチョ)

私のお気に入り度 ★★★☆☆(78点)

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【あらすじ】 Sosa(Ricardo Darín)は交通事故専門のベテラン弁護士。病院のERや警察に終始出入りしては、ハゲタカのようにクライアントを探し回っている。一方赴任してきたばかりの若い女医Luján(Martina Gusman)は、ERにひっきりなしに運び込まれる交通事故の被害者の対応に追われ、満足に眠ることさえできずにいた。二人はLujánが道で被害者を救援中に出くわし、恋に落ちていく…。


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Ricardo Darínが主演というので、とても期待して観たが、後味が悪くてひどく凹んでしまった。裏を返せば、生々しい現実をここまで映し出した主役の2人が、上手かったということなんだけれど。Ricardoが演ずるSosaは、まっとうな弁護士ではない。時には裏の世界の男たちに命を脅されながら、悪徳弁護士事務所の利益のため(弁護士の資格停止中といいう脛に傷を持つ身であるがゆえに尚更)、金になる交通事故の裁判を嗅ぎまわっている。若い女医Lujánは過酷な勤務のため、ドラッグを打ちながらギリギリの精神状態でERの仕事をしている。そんな彼らが出会って、果たして幸せになれるのか?いや、そんな彼らにこそ幸せになって欲しいと思った。しかし現実はあまりにも非情だった(涙) タイトルのカランチョとは、アルゼンチンに生息する鳥でハゲタカの一種。

製作国:Argentina, Chili, France, Korea
初公開年:2010年
監督:Pablo Trapero
キャスト:Ricardo Darín, Martina Gusman, Carlos Weber, José Luis Arias, Loren Acuña ...


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by amore_spacey | 2011-03-16 01:04 | - Other film | Comments(0)

El aura (オーラ)

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】 ビジュアルな記憶力と、癲癇の持病を持つEsteban Espinosa(Ricardo Darín)は、趣味で犯罪を想像する動物剥製師。妻Dolores Fonziに去られた翌日、親しいハンターに連れ出された山中で、現金輸送車の強奪を企む宿の主人を過って射殺したことから、望まずして現実の犯罪に巻き込まれる。



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不思議な電子音が鳴る中で、Estebanが仰向けに倒れている冒頭のシーンが象徴的。その彼がヴィヴァルディのBGMにのって、丹念に剥製を仕上げていく。このストーリーは水曜日に始まって、翌週の水曜日も相変わらず動物の剥製を作るEstebanの姿で終わる。自分では意図しなかったのに、ひょんなことから思いがけない出来事に巻き込まれていくことがある。しかしEstebanは重大な事件に巻き込まれたにもかかわらず、一件落着したあとは以前と変わらない生活を淡々と送っている。あれは彼が想像したことなのか?それとも彼の中にある何者にも左右されない強靭な精神力が、あの事件を蚊に刺された程度のものに変えたのか?あの事件は彼の暮らしには全く意味のないことだったのか?生きていくことのある種の絶望や諦観を観たような気がする。47歳という若さで逝去した監督に合掌。

製作国:Argentine
初公開年:2005年
監督:Fabián Bielinsky
キャスト:Ricardo Darín, Dolores Fonzi, Pablo Cedrón, Nahuel Pérez Biscayart, Jorge D'Elía, Alejandro Awada ...


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by amore_spacey | 2010-12-03 02:05 | - Other film | Comments(0)

El secreto de sus ojos (瞳の奥の秘密)

ネタばれあり。

私のお気に入り度 ★★★★☆(90点)

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【あらすじ】 ブエノスアイレスの連邦刑事裁判所を退職したBenjamín(Ricardo Darín)は、残された時間で25年前に起きた忘れ難い事件をテーマに小説を書くことを決心し、かつての上司で今は判事補のIrene(Soledad Villamil)を訪ねる。それは1974年に起きた、銀行員の夫Ricardo(Pablo Rago)と新婚生活を満喫していたLiliana(Carla Quevedo)が自宅で暴行殺害された事件だった。当時渋々担当を引き受けたBenjamínが捜査を始めてまもなく、テラスを修理していた2人の職人が逮捕されるが、その後不可解な経緯を辿った。25年経ったいま事件の真相を暴いていくと同時に、もう一つの真実が明らかになっていく。第82回アカデミー賞外国映画賞を受賞。



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過去と現在を巧みに交差させ、祖国の軌跡を浮き彫りにしながら一人の人間の罪と罰や、大人の男と女の情愛を絡ませた構成や、随所に置かれた伏線がうますぎる!軍事政権下にあるアルゼンチンの不穏な政情、そして衝撃的な秘密が暴かれるラストにぐぐぐっと引き込まれた。かつて上司で高嶺の花だったIreneに心を寄せながら、地位や身分にとらわれて「愛している」と言えない恋愛に不器用で繊細なBenjamínが、この事件の真相を解いていく中で、2つの解答を得るのである。1つは真犯人、もう1つは自分が向き合うべき真実(=Ireneへの愛)。



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殺人事件が起きた1974年はペロンの時代。アルゼンチンは政治的に混乱し経済も悪化した時期で、1976年に勃発したクーデターにより軍事政権が誕生、国民を弾圧して3万人が犠牲になった「汚い戦争」が始まる。不穏で腐敗した政治情勢であったがゆえに、メチャクチャな裁判によって犯人Isidoro(Javier Godino)は釈放されただけでなく、大統領のSPに抜擢される。エレベータのシーンには、恐怖と憎悪が凝縮★



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一方妻を惨殺されたにもかかわらず、銀行員Ricardoのやけにクールで淡々とした態度が気になった。過ぎたことはきっぱり忘れて生きている姿に、コイツが犯人なんじゃないか?と疑った。それがあのラストシーンなんだから、たまげた~!Benjamínに向ってRicardoは、「殺しただけでは気は晴れない。殺すことなんて、永遠の安息を与えるだけじゃないか!やつには終身刑で、じっと地獄を味わい続けてほしい。」と静かに言う。25年間犯人に向けられたRicardoの憎悪を支えたものって何だろう?常軌を逸脱した彼が持つある種の強さに、Benjamínの中で眠っていた何かが目覚めたことは確かである。

製作国:Argentine
初公開年:2009年
監督:Juan José Campanella
キャスト:Ricardo Darín, Soledad Villamil, Carla Quevedo, Pablo Rago, Javier Godino, Bárbara Palladino ...


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by amore_spacey | 2010-11-06 00:39 | - Other film | Comments(6)

Nueve Reinas (華麗なる詐欺師たち)

ネタばれあり?

私のお気に入り度 ★★★★☆(82点)

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【あらすじ】 コンビニでのケチな詐欺が見破られ、警察に突き出されそうになった若い詐欺師Juan(Gastón Pauls)は、たまたま現場に居合わせた同業者のMarcos(Ricardo Darín)に助けられた。そして相棒を探していたMarcosから、コンビ結成を持ちかけられるのだった。折りしもMarcosに、9人の女王(Nueve Reinas)と呼ばれるコレクター・アイテムの古切手の贋作情報が舞い込んできた。2人はこの千載一遇のチャンスを狙い、翌日国外追放処分となる金持ちのコレクターを引っ掛けようと企むが…。幻の古切手の贋作を巡って繰り広げられる、騙し騙されのコン・ゲームを描いたアルゼンチンのヒット作品。2001年アルゼンチン映画祭で作品賞・監督賞をはじめ計7部門を受賞したほか、世界各国の映画祭で多くの受賞に輝いた話題作。



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やられたー。オープニングのツカミにハマった。たった2~3分の出来事。ケチな詐欺なのに、あの手口が未だに分からない。幾ら儲けたんだろ?この作品を観て痛感したのは、金の恨みは恐ろしい&善人面をしている奴が一番危険。頼りなさそうなJuanを見ていると、「しゃんとしろよ!」「こいつ、絶対にヘマを仕出かす。」と誰もが思う。Marcosに任せておけば、全てうまくいくのだ。ところが現実は…。幻の古切手の贋作が登場するあたりから、一体誰を信じていいのやら分からなくなる。騙しているのか騙されているのか?しかしあるところを過ぎると、おぼろげながら先が見えてくるのだ。まことに痛快なエンディングでありました。詳細を書くとネタばれになってしまうので、レビューはここまで。

製作国:Argentine
初公開年:2000年
監督:Fabián Bielinsky
キャスト:Gastón Pauls, Ricardo Darín, Leticia Brédice, Ignasi Abadal ...


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by amore_spacey | 2010-10-25 01:38 | - Other film | Comments(0)